転生愉悦部の徒然日記   作:零課

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今回はほぼ語りのみ、台本形式に近いかもしれません。申し訳ありません。



藤丸「ところでロマンさん」

ロマニ「? どうしたの藤丸君」

藤丸「特異点って、歴史の中でも比重の重い、いわゆるターニングポイントなんでしょ?」

ロマニ「そうだね。おおよそ、この人類史の中でもターニングポイントになったもの。今回の場合はフランス、のちのフランス革命などで大きく欧州に衝撃を与え、後の歴史にも深く食い込んでくる国だから特異点になったのだろう」

藤丸「うーん・・・なら、アメリカ独立戦争とかも今後は出るのかな?」

ロマニ「まだ観測はすべてできていないけど、もしかしたら出るかもしれない。かの大国が生まれる戦いはやはり大きなターニングポイントだよ」

藤丸「しかし、フランス革命だと思っていたら百年戦争だとは思いませんでした。何というか、大きく国が揺れたのはあっちというイメージが・・・」

ロマニ「フランスとイギリスの衝突は割と起きているものね。というか藤丸君。フランス革命ってどうして起きたか知ってる?」

藤丸「え? そりゃあ、贅沢三昧の貴族たちの特権を廃止して、税を納めさせるためですよね。確か、そのために三部会もあったはずですし」

ロマニ「それも正解なんだけど、その特権を廃止するくらいに国が追い込まれていたし、民もあの暴動を起こすレベルの苦しさが蔓延していたことが原因なんだ。・・・・・また、華奈に授業を開いてもらおうか。表現も先生の経験がある華奈のほうがやりやすい」

~フラムの部屋~

華奈「・・・・・・ありがとうございます。生活排水のろ過と汚物の集積と肥料としての再利用システム。これがあれば菜園、トイレなどに水を再利用できますし、肥料に関しても無駄なく使えます」

フラム「臭いが気になる場合最悪灰にして使えばいいわけですしね。しかしまあ、下水整備に関してはさすがに良馬さんと冬利がいないときつかったですよ。土建仕事は不慣れでしたので」

良馬「菜園も、緑に触れあう場所として職員もストレス発散になっているようですし。サブスタッフは作業に従事してみたり、メインスタッフ、魔術師の方も休憩の場として利用しているそうです」

冬利「これで後は姐さん、アルトリアさんの血液。それを数滴からでも余剰魔力を採集できる道具の準備くらいか。アルトリアさんは一応持ってきてくれた道具応用できるものがないかと探しているんだっけ?」

華奈「ええ、私の宝具で呼び出した銀嶺隊の食事も食事をした場合、魔力の維持する分より多く食事をとれば私に余剰分の魔力として送られますし、アルトリア様は竜の心臓。ほぼ無尽蔵に魔力がすごい勢いで生み出せます。利用しないのは損でしょう」

フラム「カルデアの発電量も発電機の回復や持ってきてくれた魔力リソースのおかげで持ち直してはいます・・・が、今後も備える意味でも魔力はいくらでも蓄えておきたいですからね。藤丸君はまだ魔力回路が未発達。所長も量も質も回路も一級品ですが、できれば普段から備えておきたいでしょうし、元もメディアさんの魔力の余裕は欲しいでしょうからね」

華奈「まあ、そこは私とアルトリア様でいくらかは用意。後は今後の特異点で探していくほか・・・ん?」
(端末のメールを見る)

件名「またやって欲しいな」

 ロマニだけど、前の授業をまたしてほしいんだ。フランス革命の起こり、できるかい?

華奈「あら。皆様、少し失礼します。授業の依頼が入ったので」



なぜなに、アル華奈! これはきついよフランス革命

 カルデアの食事が潤い、いくらか余裕も出てきた今日この頃。せっかくの余暇を使い、改めてフランスで出会った王女マリー・アントワネット。彼女が関わり、そして世界に大きな衝撃を与えたフランス革命。それを学ぼうという話が起こり、その形式はまたあの濃い授業でやってみようという話になった。

 

 場所は紫式部が司書を務める地下図書館。先日の大整理で持ち込まれた椅子や机に藤丸をはじめとした見物人は座り、大きなホワイトボードにこれまた黒子スタイルのストーム1がそばに立つ。

 

 紫式部もそこにうきうきとした様子で座り、本を読まないということで皆に茶菓子と緑茶をふるまう。

 

 「アルと!」

 

 そうしているうちにスーツ姿で現れたアルトリアと

 

 「華奈の!」

 

 犬の着ぐるみを着けた華奈が登場し

 

 「「なぜなにフランス! 革命の起こり~!」」

 

 いつものテロップが始まってホワイトボードには良馬の用意した映像が魔術で浮かび上がる。

 

 「あれ? 今日はお姉さんがうさ・・犬なの?」

 

 「ええ、犬の警察ではなくお姉さんですよ~。なんとなく作ってみました。はい、そんなお話はここまで。というわけで、今回の授業はズバリフランス革命! それがどうして起きたのかという話になります」

 

 「確か、フランスで近代に起きた大きな革命で、大きな影響を出したんだっけ?」

 

 映像が切り替わり、今度はフランス革命といえば思い浮かぶ絵がいくつも浮かび上がり、勉強したであろう面々は学校、あるいは本を読みふけっていた時間を思い出す。

 

 「はい、フランス革命は18世紀後半に起きたフランスでの市民革命運動を指します。市民階級と支配階級での階級闘争。市民の皆さんが自分たちの権利拡大のために起こしたと言われています」

 

 「たしか。王様貴族が贅沢ばかりで、自分たちは貧乏すぎるしできることが少ないからどうにかしろ~って話でしたっけ? お姉さん」

 

 「正解~の半分です。それ以外にも実はもう一つ大きな理由がありまして」

 

 丸の描かれたボードを上げるも華奈はそれをぱっかりと割り、ストーム1の持ってきた新しいボードをもらう。

 

 「実情としてはフランスの経済破綻が原因と考えていいでしょう。もちろん、階級闘争、そして自由や権利を求めたことも大きなポイントです。革命での矛先は実際に階級制度に向かっています。これですね」

 

 そのボードのシールをはがせば三食で分けられた三角形の絵が出てきており、頂点部分は聖職者、真ん中は貴族、そして一番下は平民というピラミッド階級が描かれている。

 

 「あ、アンシャンレジーム。歴史の授業で聞いたなあ」

 

 「この三つの階級のうち、上二つ。聖職者と貴族は税金を免除されていたんだっけ。えーと、特権階級として」

 

 「藤丸様にアルトリア様正解。あとでチョコをあげましょう。上の一部、しかもお金持ちの方々が許されて、自分らは税金を払う。これでそもそも不満がありました。が、これ以上にいろいろな要因が積み重なってフランス革命は起きました。今から、それをできる限り分けて説明していきましょう。まずはこれ。ストーム、あれお願いします」

 

 華奈たちの後ろのボードの映像が切り替わると大きな文字で「自然編」と文字が浮かび、ストーム1(黒子)が地図と何やら模型を持ってきた。

 

 「はい。では、まずはこのことを知ってもらいましょう」

 

 

 

~自然環境編~

 

 「まず、当時は太陽の活動低下による世界が小氷河期に突入。世界が冷え冷えだったんですね」

 

 「鍋料理がおいしい時期になりそうだね。お姉さんの鍋料理・・・ってそれも食べられるかどうか、この状況は」

 

 後ろの映像は地球全体がどんどん水色のベールに覆われて冷えていく様子が現れ、それとは別に世界地図に何やらものを置いていく。

 

 「これだけならまだいいです。さらに、この数年の時期は世界中で火山が噴火していて、アイスランドでラキ火山、グリスヴォトン火山。そして、日本の岩木山、浅間山火山の噴火とそれはもうすごいもので、特にラキ火山はフランスどころかヨーロッパ全域に天候不順と大きな影響を与えます。さらには先の小氷河期と合わさり」

 

 「フランス全土で不作、作物は壊滅的打撃で食料生産は激減・・・飢饉が起きたんですね・・・」

 

 「ちなみに、日本の天明の飢饉も近い時期に起きています。本当にこの時期は大変な時代だったわけです」

 

 世界地図に置かれた数個の紙粘土で作られたであろう火山の模型。その噴火口部分に大きな灰色の傘のようなものを突き刺し、火山の灰が日光を遮ったり、雨を降らせるような部品を表していく。

 

 「しかも、へたすりゃあ火山灰で畑の質も変わったりすれば今後の農作物の生産量も関わってくるだろうし、本当に食糧が不足する事態が世界の各地で起きちゃったわけだ」

 

 「はい。ちなみにこれ、後で外交的な意味でも大きな爪痕を残しますので覚えていて下さませ。では、次はこれ」

 

 

 

~フランス国内編~

 

 「まずフランス自体の状況ですが、実は経済成長をしていました。好景気にもなれたでしょうね」

 

 「・・・え? お姉さん。でも、経済破綻とかが原因と言っていなかった?」

 

 またまた画面が切り替わり、フランスの地図、そして工場がいくつも浮かび、華奈の目の前にはワイン、オリーブオイル、その他もろもろが出てくる

 

 「もちろん、経済破綻が原因です。ですが、実はフランスもこのころには産業革命が始まっていて1710年の輸出量が2億リーブルですが1780年には10億リーブルに増えています。人口自体も百年で数百万単位で増えています」

 

 「あれ? むしろ好景気にならないのがおかしくない? その収入で外国から食料を買ってしまえば飢饉に対する問題もできそうだし」

 

 「それは外交問題になりますね。結果から言うとその後はもろもろの問題で食料不足で国内の飢饉、物資の不足で都市部への食料供給も悪化してインフレ発生。小麦の値段はひどい時で前年の4割増加というありさま。それにすら手を打てない状況がフランスでした。ストーム。次を」

 

 また画面が切り替わり、大砲を撃つ軍艦、そして、ルイ16世より前のルイ14世、15世が映し出される。

 

「まずは先代からの戦争やぜいたくでの出費、増税。更には特権階級の免税。これが長く続いていたことで内情はボロボロ。でも特権階級は贅沢はやめないので出費自体はかさんでいきます。これにもちろん動いた方や国での動きもありましたが、これはあとで」

 

 「うん、私も経験あるけど、生活水準下げるのは難しい部分もあるよね。しかも、貴族ともなれば力をアピールするための出費とかしちゃうだろうし、なおさらだよね」

 

 「ええ、しかもその戦争もスペイン継承戦争、七年戦争、アメリカ独立戦争と重ね、ルイ16世のときも戦争に関しては出費をしていたので結局先代の戦争に加えて出費は重なるわ借金も増えるばかり」

 

 ルイ14世から徐々に代を継ぐごとにお金が外に飛び出ていくような絵が描かれたマグネットが張られ、それに加えて元気のなさそうな宮殿の絵。時間が過ぎるごとにフランスの財政が苦しくなっていくのがよくわかるというものだ。

 

 「当然、これに関して外交、内政でフランスは大きく動くことになります。では、次はその外交を見ていきましょう」

 

 

 

~外交編~

 

 「時には利子だけで収入の半分以上になるほどの借金を抱えたフランスですが、これに手をこまねいたわけではないのです。これを打開するためにフランスはイギリスと1786年に『イーデン条約』というものを結びます」

 

 「イーデン条約? お姉さん、なにそれ?」 

 

 「イーデン条約というのはいわゆる貿易に関する条約の一つで・・・ストーム。お願いします」

 

 ボードをアルトリアのほうにずらし、もう一つのボードを黒子ストーム1が用意して、マグネットをいつでも腫れるようにスタンバイ。これを見た華奈もよしとみて話を続ける。

 

 「これはいわゆる互いの強みを活かした貿易でイギリスは当時でも産業革命を一番乗りし、かなり進めているために工業製品を作るのが得意でしたし、フランスは農産物を大量に作れます。これらを安い関税で互いの国民で自由に貿易できるというものです」

 

 「あ、となるとイギリスは布とか革、工場でできる製品を、フランスはワインとか、穀物とかそういう食料品を輸出して互いの苦手分野を補えるし、国民の貿易でも関税が安いから民間の商人もチャンスと動くし、そこから国民へとお金も流れる」

 

 「はい。国のトップは関税が安くても盛んに貿易が行われればその分多くの税収が入りますし、新たな市場獲得、収入増加で借金もどうにかできると考えました」

 

 フランスにはワイン、小麦のマグネットが張られ、イギリスには革製品、ハンカチにシャツをはりつける。

 

 「イギリスとフランスなら距離も離れていないし、互いのサポートもできる。これ、うまくいくんじゃないの?」

 

 藤丸の疑問には華奈は両手でバツマークを組んで首を振り、そのまま話を続けていく。

 

 「ところが、これでフランスは逆に窮地に追い込まれて行ってしまします。それはもうひどいくらいに。まず、イギリスからの工業製品を、先に産業革命していて技術も先で安価な工業製品が国内に流れちゃうのでフランスの工業はつぶれます。なにせ安い国外製品が使いやすいものですから国民もそれを使いますのでフランスじゅうに流通。関税は増えますが、かえって工場からの税収が激減するという大惨事」

 

 「あ・・・しかも、そうなると工場が動かなければ新しい機械も必要なくなるから産業革命は進まない・・・」

 

 「これでフランスでの産業革命は他国よりも遅れる結果になったとも言えます。それでもフランス側の農産物の輸出もうまくいけばいいのですが、これも大失敗」

 

 「ええ・・・?」

 

 「主だった輸出品のワイン。これなんですが当時のイギリスはポルトガルとワインに関する貿易協定を結んでいたのでワインを仕入れていまして、フランスとイーデン条約を結ぶ前からイギリス国内はポルトガルワインが国内のワイン市場の多くを占めるほど。なら、フランスのワインの方がよりおいしくて、安いのか? と言われればさほど変わりはない。アルトリア様。値段も味もほぼ変わらない、そのうえでアルトリア様が当時のイギリス国民だとして慣れ親しんだ付き合いの長いワイン。新顔のワイン。どっちを選びますか?」

 

 「うーん・・・そりゃあ、慣れているほうがいいですし、みんなが飲みやすいならと家に置いておくのもポルトガルのワインでしょうか? 買うにしてもフランスのワインはまず試すか、ちょっとしたときに飲むくらいでよほど変わらないなら結局はいつもの慣れたワインを・・・・あ」

 

 少し考えた末に華奈の質問に自分での答えになるほどと合点がいき、ぽんと手をたたくアルトリア。

 

 「そう。おそらくは当時のイギリス国民もそんな反応だったでしょう。そこまで味も値段も変わらないならいつもの慣れたものでいいと考えたのでしょうかイギリス国内ではフランスのワインの売れ行きはよくありませんでした。なら、ほかの主力を! 穀物やほかの食料で勝負だ! と動こうにも当時はそれらの作物、穀物や植物油、そのほかの作物が不作で用意ができない。たとえ用意できても関税が安いので利益が確保できない量しか確保できない。つまり」

 

 「フランスはイギリスからの製品を一方的に買い続けるしかなった。更には、ルイ16世の時代もアメリカ独立戦争での援助で出費も出たのでなおきつい・・・」

 

 「なので経済の改革をフランスは行わないといけないほどとなります。では、その動きはどうだったか、おおざっぱに見ていきましょう」

 

 

 

~経済改革編~

 

 「借金は戦争やらぜいたくで減るどころか増えるばかり。これをどうにかしようと戦争すればまた出費で借金が増えるし勝てるかもわからない。貿易も失敗。産業は工業もダメ、農業は小氷河期と火山で不作。国内も国外も新しい収入を見込める場所もないし、民衆はそもそも税金にあえぎ、インフラに苦しめられている」

 

 「経済は大混乱。収入は激減。工場もつぶれたりで職がない人も増えれば農作業も不作でそもそも小麦とかのインフレが起きるレベル・・・借金返済なんて当然できない・・・できても利息だけでも怪しい、ほぼ無理・・・詰んでないですか? お姉さん」

 

 さすがにかつてのブリテンを思い返す。下手すれば産業がつぶれるわ働き手もどこで動かせばいいのやらというレベルの事態にさすがのアルトリアも不安げな表情になり、藤丸も教科書に載っていた部分を少し知るだけでもこのすさまじさにまた驚き、同時にフランスで笑顔で楽しんでいたマリー・アントワネットの嫁ぎ先のすごさに複雑な表情を浮かべる始末。

 

 「いえ、これに対してまだ打てる手はありました。ルイ16世は軍事に関して優秀だったり、農奴の廃止、拷問の禁止など民衆を苦しめる制度を改革したりしていましたが、経済に関しては素人、明るくなかったためにテュルゴーなどの識者を集めたりして改革を進めていこうとします。その中でもスイス人の銀行家ジャック・ネッケルは思い切った手を打つこととなります」

 

 その二人の表情を見ながらお華奈も話を続け、新しい人物の絵を出す。

 

 「それは?」

 

 次は二つのボードをくるりと回転させて白いボードになるとルイ16世。貴族、聖職者。そして民衆の絵が張り付けられていき、最後にネッケルとメスの絵が張り付けられる。

 

 「行政改革。それと特権階級、いわゆる貴族や聖職者など、税金を免除されていた身分の方々も課税をするようにする。簡単に言いますと、行政改革で今までの行政での無駄な出費などを削ってお財布のひもを締め、特権階級という新しい収入減の確保を始めようとしたわけなんですね」

 

 「無駄を減らして収入を増やす・・・確かに有効ですし、貴族の皆様からの課税は大きいものでしょう・・・けど、官僚などの皆様も貴族の方が多いでしょうし、その、いきなりは難しいのではないでしょうか・・・?」

 

 自身も貴族の世界に身を置いて、その世界の厳しさと動く金額の大きさ、すごさを知っている紫式部が手を上げておずおずと質問する。経済に関して自身もさほど明るくない。しかも自分よりも数百年先の異国での話。ただまあ、この手合いの話は欲が絡む、利権が動くもの。紫式部の予想は当たりだったようですぐさまボードに新しい絵が張り付けられていく。

 

 「大正解です香子様。賞品は芋羊羹でもいかがですか? 行政改革も無駄を削るということは場合によっては官僚の働き口を減らすことになりかねないし、今まで自分たちが動けていた領分に足を踏み入れられる。これで不利益をこむった官僚貴族の反対がかかって改革は頓挫。では、経済のほうはどうでしょうか? 特権階級の課税も既得権益の保持をしたい考えから反発が強いうえに、浪費していた宮殿にも質素倹約を頼んだことで貴族のみならず王族まで反発者が出る。そのせいで一度ネッケルは解雇されちゃいます」

 

 張り付けられた絵にはネッケルがあちこちに改革のメスを入れるも反発にあってメスが折れ、あちこちで怒りの声が起こって追い出されていく絵。ここまでの状況になっていながらも改革、それによる不利益を嫌がる様子がよくわかるというもの。

 

 「下手に貴族の反発を買ってしまえばそれこそ雇用したルイ16世にも怒りが飛びかねないし・・・かなりきつい状況だよねお姉さん」

 

 「ええ、おそらくはルイ16世も申し訳ないやら悔しかったでしょうね。これに対してネッケルも解雇直前の1781年にわざとフランスの国家財政を粉飾した上で公開してフランスの財政立て直しのチャンスのための時間を稼ぐ大ペテンをやって大成功。なんですが・・・ネッケル解雇後も改革はフランスではうまくいきませんし、さらには先ほどのイーデン条約でも好転せずでもう踏んだり蹴ったり。これに対処すべくルイ16世はもう一度ネッケルを頼ることとします」

 

 「あれ? でも、また呼んでも反対されて終わっちゃうんじゃないですか? 王族にも反対されてるのに」

 

 「ですので、ネッケルもまた呼ばれるときに一つ条件を付けていました。それは170年以上行われていなかった三部会の開催を約束すること。これが条件でネッケルは再度雇われます。三部会は聖職者、貴族、市民の代表者が重要課題について議論し、その時の議決は特権階級でも無視できない、簡単に突っぱねることができないものをもっていました。ただ、それを普通に行うだけでは意味がない。なので、さらにそこに一手を打ちます」

 

 「それは?」

 

 ネッケルの動きがうまくいかなかった絵から今度は三部会の絵と議席数。そして民衆の完成を上げる絵が張り付けられていき、シールも張り付ける。

 

 「三部会では、基本それぞれの身分の議席は同じ数、300ほどだったんですが、ネッケルは第三身分、いわゆる市民側の議席を倍の600席に増やしました。これを行うことでネッケル、そしてそのネッケルを採用したルイ16世に対する民衆の人気、力を得ますし、第三身分は議席数が第一、第二身分の合計と同数。発言力も三部会でも振るえるようにと頑張ったわけですね」

 

 シールがはがされて議席数の増加と増えている第三身分のデフォルトされている絵。国王も参加する大きな会議へ手を加えたことやその影響の大きさがよくわかるというものだ。

 

 「じゃあ、今度こそ改革は!」

 

 「失敗しました」

 

 「「「え!?」」」

 

 藤丸、紫式部、アルトリアの期待を裏切るかのように告げる事実に驚く間もなく映像は切り替わり、ボードも投票方法のそれに代わる。

 

 「確かに第三身分の議席数は増やせましたが、この三部会の議決権はいわゆる1人1票のシステムではなく、それぞれの身分から1票という身分別決議法というもので、いくら数を増やそうが結局はシステムではその数は活かせなかったのです。これに対して当然第一、第二身分と第三身分は投票方法を巡って対立。しかも、ネッケルの改革もまた保守派貴族らによって妨害されるし辞職に追い込まれ、三部会も対立などが原因で議場が閉鎖されたりと散々な結果に」

 

 「王自ら二度も頼んで雇用した上に、民衆からも人気もある銀行家を追い出して、三部会も結局進まず・・・これ、さすがにまず過ぎないですか・・・? お姉さん」

 

 「はい。これには民衆も怒りを見せますし、普段から民衆の苦しさを知っていたり協力したいと考えていた一部の貴族、聖職者たちが第三身分と合流。いわゆる『球戯場の誓い』が起きて国民議会が成立。これも弾圧しようとしたことに民衆は火に油どころかガソリン、火薬を注がれた状態になって蜂起につながり、そこから1789年7月14日にバスティーユ牢獄への襲撃からフランス革命は起こりました。・・・はい、というわけで今回はここまで」

 

 マグネットがしまわれ、ボードも下げられて映像を映していた光も消える。二回目となったこの授業。緊張の糸が華奈の締めの声で一同が息を吐いて興味深げに教材代わりのマグネットや小道具を見る。

 

 「飢饉に外交失敗に内政改革も失敗でさらには積み重なった借金・・・これはさすがにいろいろタイミングが悪いよね・・・」

 

 「民衆の蜂起も納得です・・・」

 

 「同時にこの革命後、職を失った宮殿に仕えていた料理人たちがレストランをパリに開いたりなどしたので貴族、王族達が食べていた食事が民衆にも触れられるようになっていき、あの美味な料理の数々が広がっていったりしたのですよね」

 

 「藤丸君らが頑張って守ったフランス。この後の出来事でまたナポレオンといった傑物が出てきたりでまた大きく変わっていくのが歴史のすごいところでしょうか・・・ふう。姉上。ちょうどいいので一息入れませんか?」

 

 「そうですね。では、フランスでとれたワイバーンの骨と鱗で取った濃厚出汁醤油ラーメン、胸肉の赤ワイン煮込み、もも肉のオリーブたっぷりホイル包み焼き。皆様もどうです?」

 

 「お、じゃあおれはチャーシューマシマシのバリカタで行こうかな。マスター。ホイル包み焼きの残り汁もらえねえか? 洋風チャーハンにしてセットにしたい」

 

 「俺は赤ワイン煮込み! ワイン使った料理はあんまり食べたことがないし」

 

 「私はホイルでの包み焼きを。少しアレンジをしてみたいですし」

 

 プチ授業が終わり、受講生と先生はみんなで食堂に移動。特異点となったフランスで手に入れた食材での食事会を開催。あとから来たメンバーにはいつの間にやら録画していた映像記録を食堂内に映し、興味のわいたメンバーたちは すぐさま図書館で食後の休憩時間を過ごしたそうな。




フランス革命、これ本当にタイミングが悪すぎますよねえ。今までの積み重ねが一気にのしかかったうえでのあらゆることがうまくいかずに起きた部分もあるわけですし。

先代のルイ14世、15世も華奈たちがあげたもの以外にも戦争を行っていたりと、少し見るだけでも本当に国の財政が厳しくなったいたんだろうなと想像できてしまいます。

ちなみにルイ16世。もともと食事も質素なうえに趣味が狩猟と錠前づくり、街中を散歩したりで精悍なスポーツマンといった体系。しかも背丈が190くらいあるという長身ぶり。性格も穏やか。王妃のマリー・アントワネットもバスト3桁。腰の括れも相当細いらしく小柄な美女。少年漫画みたいな背丈の穏やかな王様と、美少女ゲームでもそうないレベルのスタイルの美女。相当絵になったでしょうね。二人は。





サバフェス作品紹介


『激突勇王ナイト・ライナー』 ジャンル ロボットアクション 巻数26巻(未発表3冊)

 近未来の世界、その中の一つイギリス。陸戦兵の多様性と頑強性を追求していく中でロボット工学を組み合わせ、一種のブレイクスルーが発生。ロボットを操縦する技術、大型化、人同様の動きの実現が可能となって早十数年。工事現場、公共機関、重機が必要な場所には人型のロボやパワーアーマーが常にある存在となる。それはもちろん、軍隊、騎士組織の中でも重きを占めていた。騎士型メカを操る軍、超重装騎兵課の新入りとなった少年スウィントン・キーズ。

しかし超重装騎兵課、その軍のあり方を疎ましく思う組織パーティントンとの衝突に癖のある仲間にこの兵科の設立にかかわる問題とぶつかっていきながらもスウィントンは己が憧れたナイトとして、苦悩しながらも仲間と、自分に与えられたロボット。ナイト・ライナーと軍人ライフを進んでいく。




『ごった煮学校生徒一同集まれ!』 ジャンル エッセイ 巻数7巻 完結

銀嶺を作り上げた華奈が姿を消して、かつてブリテン中を暴れまわった銀嶺隊が円卓を去って、その後は穏やかに過ごした・・・なーんてわけはなく。その後は魔術師でも貴族でも平民でも通える学校を作っちゃいました! 誰もが通える、学べるうえにレベルもそれなりのこの学校。クラスに集まる生徒は身分も生まれも全部バラバラ、当然問題は起きるわハプニング頻出。笑いも涙も再発見もありながら生徒も先生も互いに振り回して振り回されるばかりで毎日が大騒ぎ! 

オークニーの何でも屋、円卓最強部隊の第二の人生をつづったエッセイコミック。



『ザ・モーリシャス』 ジャンル 育成シミュレーション(別サークルからのもらい物)

こんな状況あるわけねえ! こんなもの解決できるか! え、全部史実ですって? ややこしすぎる事情に人種も複雑。言語もバラバラ。問題頻発。さらには住人の4分の1が無職にもなることも!?

ここから成功の道を歩めるのか!? 偉大な初代首相シウサガル・ラングームとともにモーリシャスを立て直し、神様も惚れ込んだ島を作り上げよう! 経済から外交。内政にと目まぐるしく回る国を走り回れ! ほかのゲームのデータがあればそこからのアイテムや人材を引き出せるコラボ機能も充実。かの名探偵、はたまた将軍に文官。君だけの面白メンバーで愉快に発展させよう。



次回はまた物語が進むと思います。いつもいつもこの駄作にお付き合いいただき感謝します。本当にありがとうございます。

それでは皆様また次回まで、さようなら。さようなら。
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