転生愉悦部の徒然日記 作:零課
メディア「はぁー・・・一仕事して、毛玉のクッションにうずもれる・・・幸せだわ・・・ここに来てよかった・・・図書館で資料探しも楽だし、狼もきれいで人懐っこいし・・趣味も研究もし放題・・・・」
元「楽しんでもらって何よりです。メディアさん。お茶と、ダ・ヴィンチさんから少し道具に関して都合してほしいそうです」
メディア「あら、マスター。来てたの? 道具? 彼女ほどの人が何を欲しいというのよ?」
元「なんでも魔力の収集と、浄化に関するものを欲しいとか。今すぐではなくて、後でもいいそうですよ」
メディア「・・・じゃ、用意はするけどいくらか触媒、道具に関して都合してほしいのと、カルデアの業務の時間を少し減らしてもらえないかしら? ものによっては数時間そばで見ないといけないかもだし」
元「わかりました。あ、それと今昼ご飯ができたそうですが、ランチに行きます?」
メディア「いいわよ。今日はなにかしら?」
元「確か、切り干し大根の味噌汁とベーコンとアスパラの炒め物、ほうれん草の和え物。リンゴ、麦ごはん。おやつにお汁粉でした」
メディア「・・・見事に日本食ね」
元「ロマニさんと華奈、ストーム1さんが日本食好きですから、リクエストしたそうです」
~???~
???「・・・あ、やっちゃった」
???「は? やっちゃったって、ちょ・・・まさか」
???「今からこの周辺は爆発と暴走が発生する!」
???「爆発落ちなんてさいて・・・コフッ!?」
ぐだぐだ時空発生 変な奴がいるぞ!
授業を終えて数日。次の特異点の細かな座標特定がもう一息となるも、その一押しが進まずにカルデアの雑用と自身のトレーニングを終えて一息ついている華奈。そして農作業から帰ってきてさっそく華奈のマイルームに入り浸るアルトリア。
「へえ・・・グラン・スイーパー・・・足がキャタピラにも変形するのですか。人型のメカが電車を引っ張るというのもすごい光景ですね」
「ええ。人の形態の時は戦闘や高所の作業を。足が戦車の時は緊急時の輸送車がわり。民間企業にも武装解除して渡すこともできますし兵站の確保、維持、護送にもできるでしょう? 鉄道はなんやかんや有事の際は必要な生命線ですからねえ」
「おーい、マスター。二日間休んでいいってよ。お、アルトリアもそれ読んでいるのか。設定集は今俺が借りているから残りは図書館にあると思うぜ」
そこにストーム1が通知書を持ってきて腰かけ、ついでにと用意してきたのかお菓子のグミを一袋開けて皿に広げていく。
「おや、いいのでしょうか? 菜園とかも始めたうえに座標特定ももう一息なのでしょう? あ、グミありがとうございます」
「だからじゃねえのか? 特異点で斬った張ったすんのは俺らだし、マスターは魔力も使うからなあ。菜園はジークフリートに銀嶺隊とプロもいるから問題なし。英気を養って万全でいろってこった。役割分担できていいじゃん。あ、ちなみにソーダ味だ」
「私は一度全部読んでから資料集を・・あ、グミありがとうございます。お茶は熱いのがいいですか? いいですよねえ。メカの変形に、軍事のメカが民間でも使われるのって」
三人和気あいあいと話しつつもアルトリアは紅茶を人数分カップに注ぎ、華奈も一度休暇届と仕事の残りがないか再チェックを終えて腰かける。ストーム1も図書館で借りていた本を広げてのんびりしようとし始めていく。
が、そんな中
「あわわわぁ~~!?」
「・・・・! ・・・!」
図書館、司書室から響く紫式部の声、もう一つの聞き覚えのないかすかに聞こえる声に一気に空気が切り替わる。
「ストーム、ついてきて。アルトリア様。ここをお願いします。黒介、サポートを」
「了解。ナイフ・・・とスナイパーライフルで行くか。図書館を荒したくねえ」
「了解しました。姉上も万が一の時は派手な合図を」
刀を手に取って図書室に突撃。後ろからスナイパーライフル。ストリンガーJ9を構えて援護射撃をすぐさま行えるように背中を支える。アルトリアは襲撃者がどこから来るのかわからないために扉の前で待機。エクスカリバーも抜いていつでも斬りかかれるようにしていく。
「香子様! ごぶ・・じ・・・・・?」
「なんじゃこりゃ・・・?」
図書館に通じる扉から突撃していった華奈、ストーム1。扉を開けて紫式部のいる場所に入って、思わずそのへんてこな光景に硬直する。
「ああ、華奈様! ストーム1様。その、急に珍妙な生物が出てきて飛び込んできたので整理していた本の山を崩してしまい・・・今は警らとここで読書をしていた銀嶺隊の皆様が抑えていますが・・・」
若干涙目の紫式部を華奈がそっと抱きしめながら周りを見回せば
「ノブっ!?」
「ノブー!」
なにやら軍服と鎧を組み合わせた、二頭身くらいの珍妙な生物がなにやらノブノブと鳴きながら? 話しながら倒れた本の山や本棚に埋もれ、一部は銀嶺隊の兵士につかまり、あるいは狼やイノシシに囲まれて身動きを封じられている状況。
銀嶺隊のメンバーの目は驚きつつも気を抜いている気配はないことからもそれなりには強さがある、危険ではあると判断できる。急ぎこの事態の収束とこのナマモノをその間管理できる場所が欲しい。そう思考を巡らせていく華奈。
「妖精とか、精霊とかいろいろ見てきましたが・・・ここまで変わったタイプのものは初めてです・・・ダンカン。ちょうどいいです。ここの警備をお願いします。ストームは香子様と一緒に行動。この変わった生き物たちの収容所を作ります」
「了解。大将も感じているとは思うけど、いろいろと油断できないよこの生き物・・・ナマモノ?」
「ええ、少なくともこのカルデアに来ている以上何らかの大きなきっかけがあったのでしょうね。これも特定できないかフラム様、メディア様、ダ・ヴィンチちゃんからきい・・・」
話を遮るように響く警報。どうやらこの図書館だけに異常事態が起きたわけではなさそうで、図書館の外からも足音に狼たちの声、騒がしい気配が広がっているのがわかる。この珍妙な存在が大規模に発生している。もしくは、それを率いたものが出てきたか。皆が気を一層引き締める。
「ストーム。ついてきなさい。香子様。一度ここで待機。防壁も図書館中に張り巡らせてくださいませ。ダンカン。香子様の警備。上にはアルトリア様がいますし、問題はないでしょう。クラーク、ヤマジの二人に隊を分けて使わせます。アンナ様はたしかメディア様と一緒ですし、問題はないでしょう。あとは職員の保護・・・」
「ちょっと待ってくれ。防壁とタレットの準備でエアレイダーにチェンジしてから備えを残しておきたい。ここならマスターの部屋にも逃げ込めるし、緊急時の避難先にはいいだろう」
「は、はい! 華奈様も気を付け・・・ひぃっ!?」
騒ぎの拡大にメンバーを動かそうとするもまた聞こえる戦闘音。どうにも剣どうしがぶつかり合う音が上から背中から聞こえる。アルトリアも何らかと戦闘を開始したようで、しかも既に数十合打ち合っている当たり相当な強者だろう。
「・・・・・・ああ、もう!」
アルトリアのことも気にかかるのでとんぼ返りと来た道を引き返して自室に戻る華奈。ストーム1。その後ろで防壁を貼り始めたことを確認して図書館と自室の道を抜けると
「出ましたねもう一人のセイバー! ジークフリートみたいな人ならまだしも私のそっくりでしかも桜セイバーとは言語道断! この場で切り捨てて騒ぎと一緒に処分して差し上げましょう! さあ、さあ! 首寄越せええええ!!!!」
「あっ! ちょっ! なんですかこれ! いくら何でも出会い頭に殺意高すぎでしょうこの方! それに改めて私にそっくりって何ですか、パチモンですか!? 偽物ですか!!? いくら私が美少女で天才剣士だからってそこまで似せるのもやりすぎ!」
「だあぁれがパチモンですか誰が! あのへんなナマモノに驚かないあたり貴女が犯人でしょう!! この場でとっちめて罪状全部吐かせてから始末です! 私に対する発言含めて始末!」
アルトリアと袴にブーツといったハイカラな服装に白髪が特徴的な謎の美少女が斬りあいをしており、しかも互いに何らかの言葉を吐くせいでよりヒートアップする始末。
袴の剣士に至ってはアルトリアと真っ向から切り結んで見せる剣の腕前に、技量なら勝っていることもそうだが、その顔立ち。髪の色や瞳の色など差異はあるがそれでも瓜二つ。雰囲気の違いとかの部分で見わけないければ簡単な化粧や細工一つで分からなくなるほどだ。
扉前でアルトリアが持ち前のパワーと魔力放出の加速を織り交ぜた豪快な戦場剣術を放つもその袴の剣士はことごとくそれをいなし、あるいは本命をどうにか避けて見せる。アルトリアも1500年ちかく過ごし、研鑽も積んでいるのにもかかわらずそれについていく才覚と技量。
挙句にはその回避行動すらも余裕が出てきている節すらもある。とんでもない傑物が入り込んできたものだと一同殺意を瞳に宿らせる。
「マスター。あれはやべえ。射撃するぞ」
「了解。私は逃げ道をふさいでおきましょう」
「あっ! 待ってください! 待ってください! 敵じゃないです私! いえ、この騒ぎは確かに同時に起きましたがこれはそもそもアーチャーが悪いのでして! というかその銃で狙われたら一撃じゃないですかやだー!! コフッ!?」
すぐさま始末しようと動いた矢先。袴の剣士は血反吐を吐いて倒れそのまま動かなくなってしまう。
「・・・・えーと・・・?」
「病気か・・・? それに敵じゃないって一体・・・」
「なんだか知らんがとにかくよし! その首もらったあ! ・・・・む、まだ反応が!?」
強敵だと思っていた相手がまさかの自爆で行動不能に陥るという変化球すぎる状況に驚きを隠せない華奈、ストーム1。そして殺意バリバリなアルトリアはエクスカリバーを振りかぶろうとするところに新しい気配が出現。
「おお、人斬りよ。くたばってしまうとは情けない。じゃが、わしはこれを切り抜けて、ここでおまえの分も働かせてもらうからの。安心せい」
なにやら古臭い話し方に長い黒髪。軍服と鎧を合わせたような服装にマント。そして腰には刀をひっさげた美少女。赤い瞳で一瞬剣士を見やるとすぐにこちらに笑顔で近づいてくる。
「いやーすまんすまん。ちょっとそっちに来る際の持参金って用意しようとしたらこんなんなってしもうての。こいつは連れなんじゃが、まあ刃向けたら好きなようにすればいい」
「すいませんが、貴女は? 見たところ、あのナマモノの親玉と見える風貌ですが」
「ええ・・・さすがにこの事態に関して、ご説明いただきたいですよ・・・・」
疑問の尽きない存在に刀を下げつつも短剣を懐で忍ばせ、ストーム1の前に立つことで手元の動きを隠す華奈。そして、いつの間にやら黒髪の女性の後ろに立って凄みを利かせるクラーク。
「ん? 誰じゃおぬしは・・・って鬼ぃ!? なんじゃこの男! こんなこわもてわしの部下でもそうはいないぞ!」
「顔のことは言わないでください! この事態に原因を知るであろう貴女は今すぐ同行してもらいます!」
「いきなりそんなツラで言われても納得できんわ! 武将でも驚く面に歴戦っぽい野郎にホイホイついていけ・・・おごっ・・・!」
もともとが怖いうえにこの状況の解決に焦って凄むクラークに驚いていてまた騒ぎ始めた女性にしびれを切らしたアルトリアがエクスカリバーの刃ではない部分で黒髪の女性の頭をたたいて気絶。すぐさま捕縛。
「なんでしょうか・・・気配や物腰から経験豊富な将ではあるようですが、何か抜けているような・・・・?」
「ナイスですアルトリア様。ほかのほうでも騒ぎは収束できたようですから、一度皆に説明してもらいましょう。現状と、この事態を知るお二人に・・・」
「はぁー・・・見た感じ英霊っぽいが、どうやってカルデアに来たんだ? ここ、そうやすやすとこれる環境じゃねえだろ。今の状態ならなおさら」
剣士のほうも縛り上げ、端末からほかのほうでも発生した黒髪の女性をデフォルメしたようなナマモノを鎮圧、確保できたという情報をチェックできた華奈に英霊の気配を感じ取り、外部接続もない、英霊の召喚の話も聞いていないことにこの訪問者に疑問がわくストーム1。
「そのセイバーもですか? 私としてはすぐさま斬首して、黒髪のほうだけでもいいと思うのですが・・・」
「まさかのカルデアへの侵入者で、アルトリア様に渡り合える実力。黒髪の方とも知己のようですし、情報源は多いほうがいいです。それにまあ、理由次第では失礼になるかもですしね」
「まあ、とりあえずは情報のすり合わせと理由からだな。処罰云々はあとだ」
「えーと・・・ボヤ程度の騒ぎが二つに、壁の破壊は数メートル。床の破壊もいくつか・・・で、現在は一応この謎のナマモノはすべて対処していて、十分ちょいたっても増えていないことから今のところは問題ない・・・と」
「すいません。多分ボヤはジャンヌオルタと清姫です・・・」
「ああ、それと、この原因はもんのすごい確率でほかの位相からカルデアにつながったことであの変わった生物が直接来れるようになった。それで出てきた生物に関しても対処できているし守りは今のところ問題なさそうだ。ただ、問題はその位相がつながるほどの『何か』と『エネルギー』の原因とその場所。対処かな」
思わぬ襲来がひと段落して集まったメンバー。藤丸、マシュ、華奈、ダ・ヴィンチちゃん、オルガマリー、ロマニ、アルトリア、ジークフリート、ヤマジ、良馬。残りの英霊はノブノブ叫ぶ謎生物を簡易収容所に押し込んでの管理。警備に目を当て、職員はここにきているメンバーを除いて図書館を避難所として設置。
まさかのカルデアにもぐりこんでくるなかなかの強さを誇る生物にアルトリアと渡り合える英霊。戦々恐々となっているカルデアの状況を解消できるかもしれない。英霊二騎。捕縛用にメディア、銀嶺の工兵隊でこさえた専用の縄と手錠にて拘束している状況だが。
「ええい、いい加減わしらに戦意はない言うてるじゃろ? 手土産を用意しようとしたらちょっと手違いしただけなんじゃ! 許して~! 美女二人こんなことしてこのまま乱暴する気でしょう!? エロ同人みたいに! エロ同人みたいに!」
「そうですよ! 悪いのはそこの魔人アーチャーなんですから私は関係ないです~! 戦いだって急にそこの騎士王さんが斬りかかってきたから応戦してただけなんですよ! っていうか何を言ってるんですかアーチャー!? 煽る発言はやめてくださいよ!」
「悪いな。おれはホモだ」
「ぶっちゃけどうでもいいです・・・・・はぁ、とりあえずは私たちのもとに参加しようとして、持参金代わりに聖杯を用意しようとしたら暴走。暴発発生。そして、そのさいにアーチャー様の潜在意識をかたどってあの変わったナマモノが発生して、そのリソースに魔人アーチャー様の力を持っていかれて今は私の一兵にも負けちゃうレベルダウン・・・」
そんな状況下でもまったく気にせずに騒ぐ頭にたんこぶこさえた魔人アーチャーと先ほど血反吐はいたとは思えないほど喋り捲る桜セイバーと名乗る英霊二人。情報は教えてくれているし一応は抵抗の気配もないのだが、いかんせん起きた出来事に驚きを隠せない。
「これも事実みたいだね。僕たちが探していた特異点とは別でもう一つ奇妙な特異点に近い空間が発生しているし、聖杯の反応もある。レオナルドの言う原因の場所でほぼ間違いないと思う。この事態とほぼ同時に観測されたし、あの生物と同じ反応もちらほら。これに関してはシステムをロックして対処できるし、守りも英霊のみんながいるし問題ないと思う」
「特異点としての強度はフランスなどに比べればもろいですが、影響がないとは言い切れないのですぐに解決に動くのが得策でしょうね。私のほうはまた船坂さんのサポートに回りましょう。なにやら変わった空間というか何かがあるようですし」
情報をもとに情報精査をしていたロマニ、良馬。すでに準備もできているのだろう。いくつも空間にモニターが浮かび上がり、その中にはレイシフトの文字も映る。
「じゃあ、魔人アーチャー様、桜セイバー様は私たちと同行してもらいます。一緒に戦ってもらうのですし、この際力も知りたいです。で、今回はまたあの・・・ノブ? が来ないとも限らないので守りも厚めに。ジークフリート様はオルガマリー様、および管制室の警護を。香子様はそのまま図書館に残します。いいですか? オルガマリー様」
「了解した。背中は俺が守り切って見せよう」
「・・・問題ないわ・・・ストーム1にも通信通しているから今準備しているみたい。藤丸君も出てもらうけど、どうする?」
笑顔で手を合わせて任せろと意気を上げるジークフリート。緊急時故タンクトップにジャージ姿だが、その言葉だけで回りも幾分か落ち着きを取り戻す。
精神安定剤をかじりながら薬が回って落ち着いてきたオルガマリーもいつのまにやら通信機でカルデア中にこの話の内容を流していたらしく、なにやらエミヤ、ジャンヌの声も通信機越しに響く。
「俺も行きます・・・けど、今回はクー・フーリンは守りに行ってもらおうかと。やっぱり、初の侵入者ですし、後ろもしっかりしたいなと」
少しの間考え、二つの特異点で活躍を見せた大英雄を守りに置くことを選択。冬木合わせて三つ目の特異点でまさかの侵入者と見た目に合わない危険度に顔を青くしている職員たちの顔を見て精神的な意味でもあの気さくな兄貴分は残しておくことがいいかもしれないと判断。
マシュとジャンヌオルタで攻め込む。もしくはサポートに徹していこうかという考えをもって周りを見ているとマシュも察したか笑顔で返して英霊の力を引き出してカルデア職員の衣装から戦闘の衣装に代わる。
「ええ、私もカルデアにクー・フーリンさんがいれば心強いですし、気兼ねなく私も盾で先輩も、みんなも盾で守り切ります!」
「はっ・・・ようやく私の出番ですか。相手は珍妙な奴みたいですが特異点。どこまでマスターは私たちを扱えるか見せてもらおうじゃないの。ねえ? マシュ」
漆黒の鎧と剣を携えてジャンヌオルタも到着。口角を釣り上げてこれからの戦いに心躍らせ、ようやく槍働きができると内心楽しみのようだ。
「おまたー。準備オーケーだマスター。いつでも行けるぜ」
「私も戦闘準備ばっちりです。ご飯も水もバッチリ。とりあえずは補給なしでも二日分なら行動できます」
武器の整理を終えたストーム1、なにやらカバンを整理してひざ下ブーツにジーンズ。近未来的でやや露出のある衣装に帽子をかぶって出発準備なアルトリア。特異点探索チームはすでに準備完了といったところだろうか。
「では、すぐにでも行けるようにしましょうか。藤丸様。これを」
言うが早いか秋水を抜いて魔人アーチャー、桜セイバーの手錠と縄を切り捨てた華奈は持ってきていた銃とマガジンを藤丸に渡す。
「これは・・・・・?」
「ベレッタM92FS 装弾数も多いですし、威力もなかなか。弾はソルトロックで用意しているので、当たり所が悪くない限り相手を殺すこともないでしょう。必要なら実弾もありますのでまあ、備えの一つに」
「おおー! 小型でたくさん打てる銃! ストーム1のもいいが、こっちもええのお!!」
自分が今持っている銃よりも威力も装弾数も格上の拳銃。しかも、ドラマや映画見るような銃を手にして藤丸も再度銃の存在感、これが相手を制圧できる威力があるのだとじっくりと見つめ、魔人アーチャーはその銃の性能を聞いて目を輝かせてじろじろと見まわす。
「はぁ・・・ともあれ、行きましょう。聖杯の確保とこの暴走の解決。私桜セイバーも汚名返上、名誉挽回のために励ませてもらいます!」
「ありがとうございます。とりあえずは・・・ロックソルト弾で行かせてもらいます」
「そうですか。ゴム弾もありますし、気楽に申してくださいな。さてと・・・特異点攻略。私も行けます」
藤丸は予備のマガジンから弾丸を眺めて予備マガジン専用のウェストポーチに突っ込んで銃、レディスミスを腰のベルトとズボンの間に挟み込み、ベレッタをショルダーホルスターにしまい込む。華奈も自身の武器、魔力の流れを確認後に一つ息を吐いて用意していた小さなバッグを左手に持つ。
「では、早速華奈、藤丸君、アルトリアさん、マシュで特異点攻略を開始。契約した英霊の皆さんもどうかお気を付けて・・・」
オルガマリーの言葉を皮切りに皆がレイシフト開始。特異点捜索組が送り込まれ、その後に特異点との接触点に関するシステムを一部分ロック。あの生物への侵入、それ以外の危険なモンスターの対処を済ませてカルデアに残ったメンバーは息を吐く。
「ふぅ・・・・これでひとまずは安心できそうだ」
「そうか・・・だが何かあるかもしれない。マスターのこともあるし、俺は引き続きここで護衛をするということでいいだろうか?」
「ああ、お願いするよ。なにせ、超天文学的な確率でおかしな場所につながったみたいだ。その空間からの事象汚染も起きているし、なにやらシャドウサーヴァントとも違う何か。華奈も何かを感じているみたいだからいいけど、その際にすぐに呼べるほうがいい」
「私もいたほうがいいでしょうね・・・行きたくはないけど・・・もう一人のマスターだし・・・私・・・ジャンヌ呼んでおこうかしら・・・」
恐ろしい見た目の怪物ではなくけったいなデフォルメされた人型のエネミーに、聖杯の暴走、それの元凶はなぜかこちらに参加しようとしてきた変わり種。内容の整理にも理解にも頭を抱える内容にコーヒーで不安ごと飲み込んでオルガマリーは画面を見る。
「はぁ・・・気が休まりそうもなさそう。しばらくは・・・・・・・」
~特異点~
華奈「ん・・・ふむ。接敵なし。周囲も問題はないですね」
アルトリア「はぐれてもいませんし、今のところジャンヌオルタも問題なし。カルデアのラインも問題ない。と」
桜セイバー「? はぐれたことがあったのでしょうか?」
ストーム1「フランスで早速はぐれてな。しかも敵とすぐにエンカウントする始末よ」
魔人アーチャー「なんじゃそりゃ。いきなり敵とエンカウントってチュートリアルないの?」
ジャンヌオルタ「ゲームじゃないですし、リアルですよ。まあ、ストーム1はガンナーで魔力は長持ちですものね。私とのラインもばっちりですし、とりあえず、どうしますか?」
華奈「栗毛~・・・っと。ですね。カルデアと一度通信できるか確認した後に移動しましょうか。この子たちなら皆さんの足にもなるでしょう。ストームと私はそれこそ走ってもいいですしね」
魔人アーチャー「うぉっ! でっかいの! どっかの傾奇男か拳王が乗りそうな馬じゃな!」
栗毛「ヒヒン?」
マシュ「栗毛さん。華奈さんの愛馬で、たしか並の軍馬十頭分に匹敵する魔馬でしたか。冬木ではお世話になりました」
藤丸「・・・本当に大きいけど、やさしい目をしているなあ・・・あ、清姫に言わないで来たけど・・・・・・・後でカルデアに伝言頼もうかな」
アルトリア「いやあ・・・いい子ですね。あとはハチ、花子、黒介、マチコがいれば全員分の足になるでしょう。姉上、魔力大丈夫ですか?」
華奈「ええ、とりあえずは移動しつつ拠点、休憩所になる場所を探しましょう」
今回は早速寄り道のグダグダ本能寺。二人も正式に参加してほしいなということでイベント特異点で戦うことになることでしょう。
信長公。基本裏切られやすい理由には甘い部分もあると思うんですよね。人質は嫡男じゃなくてもいいし、功績をあげれば割とすぐ人質返したりとで部下の管理は優しい、もしくは緩い部分があります。そりゃあ、いざとなれば裏切られちゃうわけです。家を守るためや家族、嫡男、後継ぎが手元に置きやすいのですからすぐに裏切って逃げても大丈夫と。
ただ、何かあれば相談するために手紙送ってねとか、部下のお嫁さんの相談に乗ったりとか(たくさん書きすぎて最後は文字が徐々に小さくなっている)厳しい部分はあるかもですが、多分かなりいい人だと思います。甘党だったり下戸らしいというエピソードもあったりで何というか面白い人です。
サバフェス作品紹介
『騎士夫婦の献立』 ジャンル エッセイ 巻数 11巻 完結
銀嶺騎士団副長の一人クラーク。その妻でラグネルの侍女、銀嶺隊のシーマ。起用万能なクラークとあれこれとオークニー内を動き回るシーマの二人はいろんなところに出かけてはそのたびに様々な食材を持って帰り、家で調理し、あるいは出かける先で料理を楽しむ。
二人での時間から炊き出しに遠征中の料理。宮廷の料理でも。食に触れる機会はいくらでも? 工夫とアイデア、刺激はそこかしこにあふれていて。今日も料理を楽しむ仲睦まじい夫婦のささやかで、ちょこちょこ変なことが起きる日常をつづったエッセイ。番外編で銀嶺隊のメンバーからもらった食事や当時ブリテンであった食材のレシピや入手場所を書き記したメモも書下ろし。最終巻には今までの料理のレシピすべてをまとめた冊子も。
『永劫戦記』『永劫戦記・邂逅』 ジャンル SFサイキックアクション 巻数 第一部 15巻 第二部 1巻(未発表7冊) 未完
第一部
この広い宇宙。生まれた星が早死にする時間に生れ落ちてひたすらに進化し続けた先に何もかもを喰らいつくす、それは星も、宙もを積み木感覚で壊す意思を持つ魔獣が生まれた。その魔獣がいる宇宙に住む星の神々や同様に進化した魔獣たちは『星を喰らう大いなる魔物』に自身の星、宇宙を壊されることを阻むために抵抗を続け、時には自身の星から生まれる戦闘に特化した存在・・・いわゆる『勇者』『魔王』『聖獣』『魔獣』たちを神の国・・・魔獣と戦うための戦線に招き、戦い続ける。
とある星のとある国にてひたすらに戦い続けて名を馳せた叩き上げの軍人、イシモリ・センジ 神への深い信仰心とその心で司祭になれたエイセン・イネール。ある時に自身の信じる神から告げられた言葉は『宙から未知なる災厄が降り注ぎ、神の戦が行われる』という言葉。その直後に現れた見たこともない怪物と戦いつつ、世界各地に散らばる指折りの兵器を対抗策とし、これらを武装した組織を結成するために二人は協力して戦い始める。
『邂逅編』
『星を喰らう大いなる魔物』との決着はつかないどころか悪化する一方。かつて自身らが済んだ星は滅び、自分たちよりも遥か高位の存在すらも死に続ける。その戦に対して戦いのさなかで手にした『異なる宇宙』に行ける道具を手にしたエイセン・イネールは自分らの宇宙をイシモリ・センジに任せて別宇宙で募り始める。魔物を倒せる戦士を、兵器を。それを持つものらを説得するためにその宇宙でこちらの事態を観測できている者たちを探す。
その中で新たな事態を知り続けていく世界の事実。この世界が生まれる前から存在する別の宇宙から流れ着いた生物。知りえぬ術式に超兵器。可能性にあふれた宇宙から有志を募り、長く続いた宇宙をめぐる戦いに決着をつけようと折れぬ意思で戦友を求め宙を征く。
『汚物消毒神拳』 ジャンル バトルアクション 巻数 23巻 完結 (別サークルのもらい物)
医聖ヒポクラテスの提案した実用な能な焼灼手術、その論述から概念、魔術にまで引き上げた魔術師の一派。その中で不純物、毒物を取り除くすべを概念的な炎に昇華し、さらには精神のよどみも消し去れるほどに磨き上げた魔術師、アスクレイン家。その14代当主のミデア・アスクレイン。焼灼の焔を手にまとい、自身の優れた製薬技術と組み合わせて地元の町医者として患者を今日も癒す。
概念や術式を魔術に浸透させた世界、それゆえの様々な治療魔術に攻撃魔術の派生に対応して、触れていくうちに自身が護身にと磨いていた我流体術と炎を組み合わせた拳法まで作り上げたミデアは決意する。『これつかっていろんな人を、町を治し続けていこう』世の冷たい風に泥を温め、あるいは浄化しつつ町から町へと渡り歩き、自分の炎と医術を磨き上げ、進化させ続けて知らなかった世界の厳しさを少しでも変えようと歩き続ける。
そもそもが銀嶺も変な奴しかいない状況。
カルデアに守りを置くのはやはり侵入者が発生し、しかも割と危険だからですね。
ローマを期待していた皆様には申し訳ありません。ぐだぐだな特異点をお楽しみいただければ幸いです
それでは皆様また次回まで、さようなら。さようなら。