転生愉悦部の徒然日記   作:零課

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ちびノブ「ノッブ、ノッブ」

ちびノブ「ノブゥウ~♪」
(資材を運んで櫓、逆茂木、柵を作っていく)

アルトリア「はーい、給水所はここでーす。ふぅ・・・さすが谷を基盤に砦を作るのは大変ですが、これなら馬の突撃の勢いをそげるでしょうし地面を柔らかくして水でも流してぬかるんだ場所を作れば歩兵も動けない」

ジャンヌオルタ「わかるけど・・・わかるけど今度は炭焼き職人みたいな・・・・・」
(逆茂木、竹の先端を火であぶってはセットしていく)

魔人アーチャー「ほれほれ、戦は土木工事もできてこそじゃ! そうするほうが固くなって突き刺さりやすくなるからの。しっかし、この何重の空堀に逆茂木、谷を利用した砦。水もアルトリア先輩のおかげで問題ない。ただまあ・・・」
(使用できる資材と拾えた軍需物資、お金もろもろを計算中)

桜セイバー「ぁああ・・・・動けない・・・うごけ・・・けふぅ・・・」

マシュ「まさかここまで病弱とは・・・口まわりを拭くのと、口をすすぐための水を用意しますので」

ロマニ『さすがに英霊なのにこの病弱さはひどいとしか言えないなあ・・・病気で世を去った英霊はたくさんいるけど、ここまで病弱で歴史に名を刻んだ英霊って誰がいたかな?』

魔人アーチャー「人斬りが動けんのがなー・・・わしも楽はしたいが、頭が動かんと周りも率先して動かんというに」

華奈「まあまあ。また戦働きで功を見せればいいのですよ。それまでは休んでもらいましょう」

ストーム1「おいマスター。また敵が来た。それとだが、なんだかなあ・・・多分マスターの顔見知りだ」
(偵察から戻ってきて写真を見せる)

華奈「・・・おお。これはうれしい。少し私は出かけてきます。ストーム、ここの護衛をお願いしますね」
(いくつかの品物をくるんで出ていく)

ジャンヌオルタ「・・・? それにしても・・・空堀に・・・ねえ、アーチャー。少ししたいことがあるのだけど」

藤丸「さっき砦の様子を見てから考えたんだけど・・・」

ダ・ヴィンチちゃん「しかしまあこの地味な茶器が城一つの値段になるのがねえ・・・確かに茶碗のつくりが素晴らしいのはわかるけど・・・?」

ストーム1「あ、たしかそのうちの一つ、九十九髪茄子だったか? それ、時の将軍も愛用したものだし、そりゃあ価値がるんだろうさ」

アルトリア「確か援軍要請の交渉する際に包囲された城を出る際に嫁は置いていくのに茶器を持っていく武将のエピソードもあったような?」


武田? そんなことより真田だ!

 松平、今川の因子を混ぜ込まれたっぽい英霊とその軍を倒し、生き残ったちびノブらを数百名配下にしたカルデア、魔人アーチャーと桜セイバー。早速土建工事に精を出し、谷を利用した砦、一種の山城に近いものを急ピッチで仕上げていた。

 

 華奈の深山で斜面の周りには空堀を幾重にも張り巡らし、間道は巧妙に隠した後にストーム1の武装を配置。ちびノブたちの背丈に合わせた道の用意と斜面には柵と移動のための階段。逆茂木も多数とそのまま使うだけでも3倍の敵でも真正面から受け止めて対処もできるであろう。

 

 「ノブー!」

 

 その拠点防衛陣地の構築とは別で用意していたもう一つの手段。戦が長期になればどこからともなく現れる行商人たち。兵糧では賄いきれない空腹のための食料。娯楽の酒やたばこなどなどを兵士に売りに来るのだが、そのための部隊を作って各地にばらまく。

 

 同時に今動いている軍の動きを理解し、その利益などを雇用したちびノブたちの給金に充てる。見込みがあれば募兵も行う。早速そのうちの一隊が返ってきたようで、即席で作った薬や食料、なぜかゲットできた茶器。武具の入った荷車は荷物がなく、代わりにチャリチャリと銭の音がする瓶を載せて戻ってきた。どうやら無事に二つの目的を果たせたようだ。

 

 売り上げの偽造がないかの書類と同時に軍勢の情報を収集。魔人アーチャーが書類に目を通していく。

 

 「茶器好きはどこにもいるもんじゃのう。あっという間に城一つ二つは買える銭が手に入ったわい。それと・・・武田に上杉がきな臭い。か・・・かぁ~・・・いやじゃなあ・・・武田には親子二代そろって面倒じゃったし・・・ま、ともあれ大儀じゃった。さっきカルデアから食事が届いたからそれで力を蓄えて少し休め」

 

 「ノブノブー!!」

 

 がしがしと頭をかいて渋い表情を浮かべた後に報告に来たちびノブをねぎらい、どうしたものかと頭をひねる魔人アーチャー。自分の宝具なら相性もあって武田はこの場所を使えば打ちのめせる。が、その出力が今はない。連発ができても4,5回は宝具を撃たないと正直針の一刺しになるかも怪しいレベルで。

 

 それに加えてほかの英霊にその因子が混じるというのが大変すぎる。この砦がどれほど使えるのか。思索を巡らして可能性を模索する。

 

 「アーチャーさん、その情報だとあまりいい情報ではないようですが、どうかなさいましたか?」

 

 「んぉ? マシュマロ・・・じゃなくてマシュか。いやあ、華奈先輩が出かけたじゃろ? どうにも武田と名乗る軍団がこっちに来ているみたいなんじゃよ。多分それを見に行ったんじゃろうなあ」

 

 『武田・・・英霊になるほどのものとなると確か武田信玄とかだっけ?』

 

 日本の戦国時代、多くの英傑がいる時代の中でも最強レベルと言われるほどの武将、武田信玄。後の徳川幕府を作る徳川家康、戦国の風雲児織田信長も恐れ、上杉、今川、北条とも引けを取らない勢力を作った名将。それの因子を含んだ英霊がこちらを感知したのか移動を開始していると書類に記されているのを見せ、渋面を見せる魔人アーチャー。

 

 「そ、長篠の戦で信玄のせがれが負けるまでほとんどの戦に勝ちまくったやつじゃよ。条約をよく破る奴としても有名じゃったなあー・・・騎馬で来るかは知らんが、速度も相当じゃろう。ここの拠点もまだ完成にはもう一押し欲しいが・・・どうしたものか・・・?」

 

 この拠点を完成させればそれなりの防衛手段になるし、なによりもこの陣営はアーチャーのクラスの英霊に負けない、やもすればそれ以上の調査範囲が可能なカルデアのバックアップ。前線で戦える武将、遠距離での攻撃も可能な英霊がいる上にその数も多い。

 

 小隊を作り連動した動きをすることで速度と連携を強めようかとも考えていたが、ほかの行商隊を任せていたちびノブが狼に乗って戻ってきた。先ほど移動した華奈の用意だろうか。手紙もしっかり用意しており、目の前に降りると手紙を渡してすぐさまどこかにまた狼に乗って去っていく。

 

 「ふぅむ・・・ほほう!」

 

 「お? いい知らせか? 魔人アーチャーさんよ」

 

 「うむ! どうやら華奈の指示らしくてな。酒や娯楽の小規模な市を開いて武田の軍勢を小休止させたようで、しかも温泉の近くで行うことで湯治もさせたりで時間を稼ぐことに成功したみたいじゃ。これでもう少しここの防備を固めることができる。募兵でも少なくとも数十人は集まるみたいじゃ、急ぐぞ! 華奈先輩の動きはわからんが、わしらはわしらの仕事をこなすまでじゃ!」

 

 『うん、華奈は大丈夫だろう。良馬が観測してくれているけど、基本何らかの目的や勝機がない限り動かないしね。何かの下準備か調査だろうし、今は戻ってくるこの場所の防衛を堅牢にすることが一番だ。ところでなんだけど、ジャンヌオルタと藤丸君の作戦って何だい? 今のうちに話しておいたほうがいいよ。砦のつくりにかかわるのものならなおさら』

 

 「私の勘も問題ないと感じますし、いいんじゃないでしょうか? むしろ下手な助け舟がいけない気がしますし」

 

 魔人アーチャーの激を受けることで一層気を引き締める現場作業員たち。同時にロマニの言葉でつい先ほど話途中だったジャンヌオルタとの会話を思い出してまた話を切り出す。

 

 「時間があるのならなおさら試したいのでちょうどいいです。少し風向きとここの地形を利用してやってみたい作戦が。そうですね・・・斜面ではなく、平地の空堀や地面を少し使った作戦ですが・・・」

 

 「日本の戦記と、ほかの本を読んで考えたみたいです」

 

 「ええ、武田とかならこれは知らないだろうしみんなぶっ殺せるんじゃないかしら? ストーム1の力も借りるけど」

 

 持ってきたメモ帳を広げ、おおざっぱな作戦を話していくジャンヌオルタ。藤丸。魔人アーチャーでしばしの間話、その後は軽量装備を付けたストーム1が新しい陣形の準備に陣内中を走り回る羽目になったそうな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「■■■■■■・・・・・・■■■!!」

 

 「えー・・・この連戦に次ぐ連戦。よく戦ってくれた。皆の休養を一度取り、英気を養って尾張のうつけを確実に倒す! とお館様は申しております・・・」

 

 黒い肌にいくつもの模様を走らせる三メートルはあろう大巨漢。その男の聞き取れない、叫びと言ってもよい言葉を棒読みで心底面倒くさそうに通訳する紫髪の美女・・・冬木で華奈が戦ったライダー、メドゥーサ。武田と名乗るその巨漢の周りを固める無数の近衛軍団は疲れの色こそないが、仕えているちびノブたちは別。

 

 疲れもするし、娯楽も欲しい。ここしばらく小規模勢力とはいえ連戦、しかも上杉などの油断できない勢力もまだあると来た。相手が今川を倒した場所にこもるというのなら、それを打ち砕くほどの士気をもって完全に打ち砕く。その間の警戒は疲れのない不死の軍団で守り切ればいい。

 

 「「ノッブゥ!!? ノブノブ~!」」

 

 その言葉に配下のちびノブたちは沸き立ち、貸し切りにした行商隊の市で酒や甘味に楽しみ始め、高官クラスは湯治も堪能する。

 

 「■■■・・・・・・■■■■、■■」

 

 「はぁ・・・私にも休暇ですか・・・では、せめて円陣を作ってしっかりと警戒をするように。ここは平地ですが、やはり何があるかわかりませんので」

 

 真田メドゥーサの言葉に従い、早速自身の近衛不死隊を振り分けていく漆黒の巨人。それを見届けてから真田メドゥーサも酒を一つ市で購入して人の外に出ていく。

 

 

 

 

 

 「・・・ふぅ・・・」

 

 今、心底疲れた様子で陣営を抜け出てさまようOLのような私はごく普通の戦国武将・・・の因子をあてはめられた英霊。真田メドゥーサ。

 

 強いて違うところを上げるとするのなら、真田という日本有数の知名度を誇る武将の因子をもらい、それを心底面倒くさいと思うことでしょうか。

 

 ほかの方々と違い軍を率いるなんて面倒ですし、バーサーカーの主人に怪物とナマモノの部隊。この中で休憩しても安らぐ気がしない。というわけでこっそり目星をつけていた場所に行けばちょうど足湯によさそうな温泉が。

 

 ふと見ると、その足湯には本の山と酒瓶をケースに入れた銀髪の美女がいたのです。ウホッ! いい女・・・そういえばこの方は別の町で聖杯戦争で戦った相手。敵でなければぜひともお近づきになりたいと思った女。

 

 彼女は鎧を脱ぎ捨て、湯に沈めていた酒を徳利に注いでこう言った。

 

 「やらないですか?」

 

 香る酒の香りに面白そうな本の数々、そして酌をしてくれる女性。私はホイホイ誘われるままに湯に足を浸し、酒を傾け本を読む。

 

 「はぁ・・・おいしい・・・本は・・・短編集ですか。ふむ・・・奇抜ですが納得もできる。あ、これはどうも」

 

 「いえいえ、ぜひとも癒されてくださいませ。酒もこの通り。これからもまた行軍なのでしょう? 英気を養ってくださいませ」

 

 酒の鼻を抜けるような鋭い香りに下に残る澄んだ味わい、飲み込んだ後の口に残る酒気。それも悪いものではなくいい酒だとわかる。本も短い内容ゆえにちょっと覚えるだけで後の展開も楽しめるといいチョイスだ。

 

 武将の因子も感じないし、町娘、何らかの役割でここに呼ばれたか。敵意も感じないので柔らかな笑みを浮かべる華奈の酌を受け取り、一緒に杯を煽る。

 

 「ええ、尾張のうつけだとかを倒すと意気込んでいまして。ここの休憩地がなければおそらくは休憩なしでの行軍でしたよ。いくら武将と言えどもさすがに面倒ですので」

 

 「さようですか。その面倒ごとが早く終わればよいのですが。ああ、そうです。私、少しほしいものがあるのですが、よろしいでしょうか? その代金として、こちらの本をすべて差し上げます」

 

 少しばかり距離をつめ、笑みが深くなる華奈にゾクリとする真田メドゥーサ。興味のある女性の頼みに酒と本の報酬。酔いも入ったのか、この面倒な召喚に来た癒しに誘われたか頼みの内容を聞かないままに

 

 「ええ、さすがにお礼もしないのはどうかと思いますし、酌と酒のお礼も含めて・・・」

 

 華奈の要求を受け入れる。

 

 「では、これを見てください。これをどう思いますか?」

 

 「すごく・・・きれいです」

 

 「お気に召したようで何より。早速・・・」

 

 その後、小さな声が湯気の中に消え、しばしの間をおいてまた和やかな会話が続いたとか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「来たのお・・・いやあれ、でかすぎじゃろ。利家が子供に見えるサイズじゃぞ」

 

 無事に陣営を完成させ、もはや一種の山城に近い状態にできたカルデア一行。なにやら肌がつやつや、ホクホク顔の華奈も戻ってからストーム1とアルトリアと一緒に走り回って最終チェック。そしてジャンヌオルタの作戦の下準備をして募兵に来た兵士、もといちびノブたちも配置につけて備えることしばらく。

 

 先頭に立つ何やら象に跨って大人一人分は優に超えそうな巨大な斧二つを手にする金色の装飾を纏う巨漢、おそらくは武田の因子を組み込まれたであろう英霊だろうが、その巨躯と雰囲気に思わず一同驚き、同時に引き連れる軍勢に目を引かれる。いくつもの異形の軍勢。そのまとう空気に名を馳せた軍団。そして、ぱっと見でも万は届くであろう数。それに続く形のちびノブ。

 

 「いやはや、壮観ですね。そしてこれだけの騎兵隊を維持できる、持てる軍勢・・・多分生前かなりの大軍団・・・軍費を賄えたからこその宝具・・・羨ましい・・・私のブリテンでもせいぜいが全部かき集めて1万・・・姉上の部隊もせいぜいが1500騎でしたし・・・」

 

 「奇妙な部隊・・・ふん、竜の魔女やったことあるけど、これは地獄の軍勢というほうが似合うでしょうね。でも、数はあるけど質はどうかしら?」

 

 「■■■■■■■――――!!!! ■■■■■!!」

 

 おいおいの感想を述べる中、乗っている象を一歩前に歩かせて武田信玄であろう英霊が地面を震わせるような声を張り上げて何かを叫ぶ。

 

 「あー・・・今川を倒したくらいで調子に乗っている尾張のうつけ。こんな砦にいようが私の騎馬隊、精鋭で瞬く間に蹂躙してやろう! と・・・お館様は言っています・・・あ、先ほどはどうも~華奈さん」

 

 「はーい。楽しい時間をありがとうございました。最後は酒が弱いのでお付き合いできずに申し訳ありませんでした」

 

 その叫びを翻訳する真田メドゥーサ。と華奈を見つけ、華奈も同様に見つけて互いに手を振り、先ほどの話に少しだけほほえましい空気が流れる戦場。

 

 『ちょっ! 華奈!? 貴女何していたのよ。敵を討ち取るチャンスだったみたいなのに何していたの!!?』

 

 『酒酌み交わして読書会していました・・・互いに軍のことは一切話していないのでああも和やかなのかもです』

 

 「敵であっても気持ちの良い奴というのはいるもんじゃからな。しかし、あの女どこかで見たような・・・?」

 

 「私も言われてみれば・・・? まあ、今は倒す相手ですけど、といいますか騎馬どころか大将が象に乗っているのですけど・・・まあ、あれを乗せられる馬なんてそういないでしょうけど」

 

 そのまさか過ぎる華奈の行動に驚き思わず声を荒げるオルガマリー、少しフォローしつつもその行動に呆れ気味な良馬。そしてなにやら真田メドゥーサに見覚えがあるのか頭をひねる魔人アーチャーと桜セイバー。

 

 「■■■■■■■!!!」

 

 ドタバタしているカルデア側には関係ないと巨漢の声で軍が動き始め、2万ほどの軍が一斉に砦めがけて殺到してく。

 

 「ふ・・・攻城兵器、対策もなしにこの場所を取れると思うでないぞ! 鉄砲隊、はなてえーい!!」

 

 魔人アーチャーの号令で彼女の無数の火縄銃が火を放ち、自身も火縄銃を撃っては持ち替えることを繰り返して鉛玉を放ち、更にはちびノブらも火縄銃、弓を雨あられとうちはなつ。

 

 「■! ■■■■!!」

 

 「ノブァッ!!?」

 

 「ノブゥゥウブブブ・・・・・! ブァッ!?」

 

 竹束、木の板をもって銃弾を凌ぐちびノブ、異形の軍勢だが木の板を持つ兵士は銃弾に打ち砕かれて自身もはじけ飛び、竹束は銃弾を凌ぐも銃弾が横に逸れて近くの友軍にあたり、矢は隙間を押しとおって竹束の後ろの兵士を射抜く。

 

 さらには華奈の用意した空堀、アルトリアの魔力放出と水を湧き出せる専用の礼装で即席の沼地、湿地帯のような場所を用意したことで駆け上り、泥に足を取られ動きが鈍るところを狙われる。先鋒の動きが遅いことで軍の動きは停滞し、それでも動かそうものなら最初に攻め入った兵は押しつぶされ、踏み殺され、あるいは自分の意志とは別に前線に押し出されて矢玉を味わう。

 

 敵も空堀や湿地に関して想定自体はしていたようだが、それでも多少の混乱は起こっているようであちこちで突出した部隊を集中的に叩き潰して勢いをそぐ。

 

 「■■■■■!!! ■■、■■■!!!」

 

 「前線の被害はその実少数。数で圧倒し、手を回らせることをさせずに火のごとく侵略してしまえ。とのことです。はぁ・・・私も行きましょうか」

 

 これに対して指示を飛ばして軍に檄を飛ばし、軍団全体を動かしていく巨漢の英霊に前線に穴を開けに行こうと駆ける真田メドゥーサ。その判断は正しく実際には前線を押しているが、高所の利、動きの鈍った部隊を優先的に刈り取っているだけでカルデアの軍全体の数は数百で相手は数万。被害は微々たるもので今の手数もいずれこの軍が動けば対処が追い付かなくなるのは目に見える。

 

 大軍に兵法なしとはよく言ったもの。数の差で相手を圧迫し、いくら刈り取ろうとも減らないの差を見せつけて士気を下げ、ただその力を平押しするだけで相手は力尽き、戦力の空いた穴に兵を投入すればそれで決するだろう。

 

 「もう少し・・・もう少し・・・!」

 

 ただし、その数の差を、装備の差を、足りないものも補い、弱者が勝者に勝つためにあるのが兵法であり、奇策、戦術である。そしてそれは相手を深くはめることで効果は増し、時にはあり得ない数の差もひっくり返し切るケースがいくつもある。

 

 ある時は退路を断って死地を用意して部隊を決死隊に変え、ある時は少数で夜襲を行い敵の混乱を誘発して敵の士気をくじき、ある時は敵の本陣を強襲して敵軍自体を麻痺させて潰走させる。そして、それ以外で持ち得る手段は、相手を死地に誘うことだろう。

 

 「ストーム。もっと派手に煙幕巻きましょうか。あれください。あの面白アイテム」

 

 「いいねえ。じゃ、賑やかしに一つ行くか!」

 

 徐々に砦の第一の防衛柵に近づいてきた武田軍に対して相手から見えづらい場所から隠れていた華奈、ストーム1の二人が左右から空堀あたりめがけて投げた黄色の煙を放ちながら転がる無数の粒。地面を跳ねまわり、転がり、武田軍に向かっていること以外は全く不規則極まる何かをいくつも放つ華奈、ストーム1。

 

 しばしの時間をおいてその粒、拡散型グレネードランチャー、スプラッシュグレネードは爆発を起こして土、泥を巻き上げて視界をふさぎ、更には止むことのない火縄銃の煙が武田軍に向かって流れる風に乗せられてともに視界を塞ぐ。

 

 敵の砦のちょっとした山まであと一息、数の差も圧倒的、そしてこの何重にも張り巡らされた空堀や湿地のせいで動きがままならない。

 

 「風林火山? でしたか? 大層な旗で・・・これも山のように動じず、風で流せるのかしらね!」

 

 すべてが整った状態を見てジャンヌオルタは思い切り旗の石突を足のそばの地面に突き刺して炎を流し込む。そこから炎が地面をはう蛇のように駆け巡っていくのとほぼ同時に地面が揺れるほどの大爆発が空堀、湿地から発生。武田軍の前軍、真田メドゥーサ、地面丸ごと吹き飛ばす。

 

 「これで終わると思わないことね! 最後の一匹まで焼き尽くす! 炎の波に呑まれて死に絶えろ!!」

 

 ストーム1が用意してありったけ皆で埋めて回ったC70爆弾の一斉起爆。これだけでジャンヌオルタの攻撃は終わらず、旗を起点に走らせた炎はもう一つ仕込んでいた油、火薬の満載した壺をいくつも爆破。先ほどの二度の爆発で水分ごと吹き飛ばし、爆風渦巻く戦場に新たな火種を投下。

 

 その莫大ともいえる炎にジャンヌオルタは自身の操る炎で後押し、指向性を与えて疑似的に操り武田軍全てにめがけて烈火の津波をお見舞いする。逃げようにも爆風に身体は自由が利かず、空堀にいたことで難を逃れてもそこには炎がまるで鉄砲水のように押し寄せて焼き尽くしに来る。

 

 「げほっ・・・・ッ! ぅぁ・・・!」

 

 「先輩! 私の後ろに・・・すごい熱です・・・!」

 

 後方にいたはずの藤丸でも息苦しさにせき込み、息をすればその熱気に水分が飛ばされそうなほどの大火炎はひとしきり武田軍全てを飲み込んで蹂躙し、視界全てを黒く染めるほどの黒煙を吐いて鎮火。地面へと帰っていく。

 

 その後には何もかもが真っ黒に焦げ付き、泥の地面はひび割れてその黒さはまるで墨をこぼしたよう。その場所には無数の茶器と異形の軍団だったものがいくつも存在する。そして倒れ伏して主より先に眠りについた象、あの炎に呑まれてなお立ち続けた巨漢の英霊、なぜか気が楽になったという表情で何かを抱えている真田メドゥーサの退去を見届けることでこの戦は勝利で終わったことを確信。

 

 「ハッ・・・武田も私・・・私たちには届かないということです」

 

 ジャンヌオルタの声を皮切りに一同が鬨の声をあげて勝利を祝い、その後は後方に隠しているであろう武田の兵糧庫を探すことになったそうな。 

 

 「ノブッ・・・ノブッ・・・ケブホッ」

 

 ちなみに、最前線で銃を構えていたちびノブらは爆風と熱のせいでアフロヘア―になった状態で煙が晴れて目の前に現れたせいで皆の腹筋を奇襲。爆音、鬨の声と続いて笑い声が響いた。




武田信玄。戦国時代で見てもかなりえげつない外交しますし、条約も破る印象が個人的に強いです。特に今川義元が倒れて以降の動きは特に。婚姻での同盟を結んだ相手でも必要なら即同盟破棄して襲い掛かりに行ったり、とても戦国武将らしい方でもあったと思います。実は信長も同盟の時に長男信忠と武田信玄の六女松姫の婚姻もしていたとか。二人は文通で愛をはぐくんだとかなんとか。ほほえましいです。

ジャンヌオルタが使用した作戦は島津と大友の戦の際に島津が駄原城を攻めた時に大友の武将、志賀親次の家臣、朝倉一玄が「留守の火縄」なるすごい兵器を使用して場内になだれ込んだ島津兵を城ごと爆発炎上させたという嘘か本当かわかりませんがもう面白いエピソードがあったので近いものにしていくらか派手にして採用。敵を地雷原に誘い込んで煙幕で視界を遮った後に爆破。

今なお「留守の火縄」の構造は謎だとか。九州は島津と戦う勢力の武将もとんでもない怪物レベルの人が多すぎるので面白いです。

華奈、ストーム1が使用した二つの兵器。一つはバウンドするグレネード弾をいくつも放って一定時間後に爆発するスプラッシュグレネード。いろいろネタ兵器ですが対空兵器に使う方もいる珍兵器。威力も数もそれなりなのでなかなか有効な模様。

もう一つの爆弾、C70爆弾。EDFシリーズでの出オチに引きうち? のお供。威力と一度に使える数が良いので洞窟にも使える便利爆弾。NPCや乗り物につけて動く爆弾にしたり自由な使い方が魅力。爆破範囲と威力も魅力。

真田メドゥーサが抱えていたのは華奈からもらった本とお酒。帰ってから早速楽しんでいるかと思います。


~サバフェス作品紹介~

『美味しいものなら湧いて頂戴!?』 ジャンル 青春学園コメディ グルメ 巻数 14巻(未発表2巻)

大企業の令嬢にて料理大好きな女子高生スミレ。食材の勉強にと農業高校に進学すればそこはド級のスパルタ高校であった!! 食堂の食材を集める実習に林業でヒルに襲われたり、イノシシに熊の影におびえたり家畜の出産の手伝いに解体まですぐさま実習させられる始末。

害虫、害獣に悲鳴を上げ、牛の尻尾で体をぶったたかれ、雑草取りに汗を流して腰を痛めて疲れ切った体で食べる料理に涙を流しつつも思わず叫ぶ『おいしいものならその場に湧いて頂戴!』今まで扱った食品のことを常に体当たりで学びながらよりおいしい料理を目指すスミレの奮闘学園コメディ。


『銀嶺暮らし』 ジャンル シミュレーションRPG

きみはブリテンに住む一人の住民。ある時に銀嶺隊のスカウトに誘われて銀嶺隊に入隊。円卓きっての変わり種部隊に所属して実力を磨きつつ君の特技、したいことを活かして銀嶺隊、オークニー、ブリテンを盛り上げていこう! 所属する部隊で成長ボーナスが付き、スキル成長にも特徴が。

IFの未来ルートを複数用意。NPCとの恋愛も可能。MODで難易度の変化にキャラクターの外見の変化も可能。クリア後に銀嶺隊以外での部隊、ブリテン、オークニーの軍からのスタートルートも実装。


『激闘歌劇団旅行つれづれ』 ジャンル 音楽コメディ 巻数 8巻 (別サークルからのもらい物)

世界に名をとどろかす有名な音楽団。それに若くして入ることのできたミューラと清輝。入った後に二人はそのたぐいまれな演奏技術を活かす・・・訳はなく? タイプライターの打ち方を覚え、金床の使い方、大砲を扱うための申請に火薬の免許を勉強し、これらを移動させるための重機の免許まで取らないといけないことになる。

「俺たち、何をしているんだっけ?」「音楽の勉強?」絶対違うといいたいような楽器に使う道具の扱いのために今日も今日とて自分の愛用の楽器よりも深く理解する羽目になり、作れたり修理できるようになる二人はちゃんと思い描いた演奏者としての人生を歩めるのだろうか? 今日も音楽団は演奏を求めて演奏以外の技術に手を伸ばす。


PC直ってからすぐさまもう一度確認したいので預けてほしいともう一度修理してもらったところに預けることになったうえに仕事も始まったので今回は短い、少し荒い内容になったと思います。申し訳ありません。

次回もまた見てくだされば幸いです。

それでは皆様また次回まで、さようなら。さようなら。
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