転生愉悦部の徒然日記   作:零課

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~深夜・ネロの宮殿~

ネロ「ええい、カリギュラが、叔父上が出てきた以上こちらの兵士たちも動揺しているのは確かであろう! 現皇帝である余がでて連合ローマへ真っ先に剣を向け、鼓舞してやるのが必要であることはわかっておろうが!」

華奈「わかっています。実際にそれは妙案でしょう・・・けど、さすがに護衛を着けずに進もうというのがだめなのですよ! 私たちの部隊からの護衛を用意します。可能であれば明日に最低でも敵将の首一つ。敵軍の二つを砕きます。そのための兵士の士気は大切。だからこそ、ネロ陛下には自身の身体も気にかけてください」

アルトリア「それと、同時に今日崩れた左翼の補強もですかね。これにかんしてはもともといた客将と私たちのほうからの将の配置で対処できるでしょう」

信長「それとだが、その左翼を立て直すにあたって少しやることがある。客将で攻めに秀でたやつを1,2人くらいいればすべて左翼に回してほしいの。穴はわしらが埋める」

ネロ「うむ! それはよかろう。ならすぐにでも将を移動・・・部隊ごとでいいか?」

ストーム1「それがいいだろうな。客将の力はすごいと言っていたし、それについていた兵士たちも将がいないことの不安はでるだろうし、相手がそれを利用されちゃーたまらん」

オルガマリー「でも、そうなると中央はどうするのよ? 部隊が、単純な頭数が少ないことによる不安や攻撃力防御力の差は・・・」

ヤマジ「それは俺たちが補おう。大将。兵を2000ほど中央に添えたいのだが・・・」

華奈「いいですよ。それと、ネロ陛下。左翼の増援にも私たちの部隊から500を与えたいのですが、どうですか?」

ネロ「むむぅ・・・それもだが・・・できればそちらの将を左翼にも回したい・・・3軍全てに兵力を割り振ることになるがいいのか?」

ダンカン「仕方ないね。とりあえずは中央に多めに兵力を割り振るけど・・・」

エミヤ「なら、左翼には私たちが行くが、アルトリアとクラークを回してほしい」

紫式部「では私も左翼に。その、何かできるわけではないですが、術式での防御や警報くらいなら・・・」

華奈「ありがとうございます。では、左翼はオルガマリー様が行くことでいいですか? あ、アンナ様も左翼にお願いします。あの白雷と治療術は必須でしょう」

オルガマリー「・・・わ、わかったわ・・・ええ・・・私が総督ですもの・・・やや・・・やってやるわ!」

藤丸「俺たちはどうしましょう?」

華奈「中央で戦ってもらいます。ジークフリート様を護衛に付けます。マシュ様とともに攻めあがってください」

藤丸「・・・了解です」

ストーム1「さてと・・・こんなところか?」


増援配置

右翼 華奈 ストーム1 沖田 ダンカン 兵500

中央 藤丸 マシュ 信長 清姫 ジャンヌオルタ クー・フーリン ジークフリート ヤマジ ネロ 兵2000 (客将2人、兵2000移動)

左翼 オルガマリー ジャンヌダルク エミヤ  アルトリア 紫式部 アンナ クラーク 兵500


華奈「ですね。では、これからの戦略、もとい明日からの動きですが、いかように決まりましたか? ネロ陛下」

ネロ「よくぞ聞いてくれた! 明日からの動きになるのだが・・・」



ストームブリンガー

 空が白み、朝日が顔を見せ始めた時間。銀嶺隊は昨晩の作戦の絵図にのっとって移動を開始し、軍の中央からやや端のほうに配置された。

 

 突如の増援、そして移動には兵士たちが騒ぎもしたがネロ直々の激励と通達。魔獣たちを従える軍隊の加勢には兵士たちの士気も上がるばかりで、まずは第一段階の士気向上は成功したと言えるだろう。

 

 「・・・俺でもわかる。本当にすごい熱気・・・」

 

 「ネロ陛下の威光のおかげですね。そして・・・本当に私たちだけで大丈夫なのでしょうか?」

 

 兵士たちの熱気を受けながら驚きの表情をしたまま辺りを見回し、こちらの反対側にいる連合ローマの軍。まだ配置こそしていないが旗の数や炊煙でも相当数の数がいることが理解できてしまう。此方の軍団も一番数が多いと言ってはいたが、それでも不安なぬぐえず、藤丸とマシュはそろって少し不安げな顔を浮かべる。

 

 「なあに。俺らがいるさ。安心しな。策も決して悪くはない。俺らは勝つために進む。そうだろう?」

 

 「いかんせん頼りないかもだが、俺が君を守る盾になる。こうして軍の熱気と威圧を受けても構えていられるのだ。しっかりとマスターとしてふるまえば、それで勝利につなげられる。・・・・・と俺は考えているが」

 

 「そうじゃそうじゃ。どうせ今はこれくらいじゃろマシな作戦は。なに。藤丸のいる場所が一番安全じゃ。わしらを安心して動かせ! それが勝利への近道じゃ。マシュもそうでないとお前以上に気落ちしてしまうぞ?」

 

 「戦場までもお供する私・・・これって戦場デートなのでしょうか? ふふ、ますたあは私が守りますもの。どうかいつも通り明るくふるまってくださいませ。邪魔するものはこの清姫が焼いてしまいますゆえ」

 

 「はっ。あの程度の数なら物の数ではないわよ。どーんと構えてなさい。マスター。あんたがビビってちゃ私らまで弱く見えるでしょう?」

 

 「ふ、そうビビるな藤丸君。俺らが肉盾になってやるんだ。いい男は動揺しないものだぜ?」

 

 そんな二人に戦場での経験豊富な、あるいは一部ずれた思考ながら励ましてくれる英霊の面々。ここまで言われてはビビるだけではだめだと藤丸は強くほほを自分ではたき、気合を入れる。まだ背伸び、青臭い顔だが一応の覚悟を決めた瞳に切り替わり、それをみてマシュと清姫以外の皆がにやりと笑顔を見せる。

 

 「善き信頼関係、良き将たちよな。こういう友情は貴重なものだ・・・さて、敵も用意ができたようだ。始まるぞ藤丸。皆も配置についてもらう! ここから反撃のろしを上げるのだ、余に続け!」

 

 「行くよ、マシュ! みんな!」

 

 「はい!」

 

 ネロの言葉を皮切りに相手の軍も動き始め、少し遅れる形でネロ達の軍も動き始め、藤丸らはネロと藤丸を守るように動き、前進を開始。ヤマジはやや後ろに下がって全体を見渡せるように配置。合図で定めた道具を確認し、再度相手の動きの質や気合、表情から強弱を図り始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「こ、これが本当の戦場なのね・・・」

 

 熱気と殺気がのどに絡みつき、空気が重い。これが人の集団から発せられてくるというのだからたまらない。魔術師の家計。暗闘、裏での殺人など見ることもある。圧をまき散らす相手との交渉や戦いだってあった。

 

 ただ、これほどの重圧は感じたことがない。オルガマリーも左翼に増援とともに到着。本営という後方に、英霊とあのアーサー王がいるというのに感じる戦場の空気に驚き、冷や汗を流す。

 

 「落ち着いてください。オルガマリー・・・難しいかもですが、貴女はここでは総督。大将は将器が求められます。どっしりと構えていてください。紫式部。そういう術式、もしくはメディアの精神安定剤はありますか?」

 

 「あ、はい・・・ええと・・・華奈様から持っておくようにと・・・どうぞ」

 

 アルトリアが背中を優しくさすり、紫式部が持っていた精神安定剤を数錠水と一緒に渡し、オルガマリーもそれを飲んでしばらくし、ふぅと息を吐く。

 

 「あ、ありがとう・・・この重圧の中、よくこうしていられるわね。みんな」

 

 「プレッシャーは感じますが、まあ慣れといいますか、もっとやばい軍もいましたから。それにここよりも中央や右翼がもっときついでしょうし、潰れるわけには行きません」

 

 「アルトリア様にジャンヌ様、エミヤ様にアンナ様とクラーク様。これほどの方々がいますもの。頼もしくて、なんだか落ち着いていられるのです」

 

 『マスター。配置についた。・・・安心するといい私の目なら君に襲い掛かる敵がいても全て射抜く。それに、アーサー王と円卓の騎士がいるのだ。きっと君の考える悪い事態は起きないはずさ』

 

 『そうです。私たちでもっと戦線を楽にしていくのですし、マスターの実力はこの時代でも通用するはずです。何かあれば令呪で命じればすぐにそばに来れますから』

 

 既に所定位置についたエミヤ、ジャンヌは念話でマスターを鼓舞し、こちらも不安を感じさせない声色で語りかけてくる。別の場所ですでに準備しているアンナとクラークもいたのならこうして励ましてくれたのだろうかとオルガマリーも考えてしまう。

 

 (思えば、私はこういう経験を私よりも年下の藤丸やマシュたちに押し付けていたようなものなのね・・・組織としては私は後ろでいるほうがいいけど・・・こういう経験もなしにぎゃあぎゃあ言っても・・・今回だけかもだけど、こういう経験は詰んでいたほうが彼らの心情や提案を今後も聞いて理解できるのかも・・・)

 

 これからもこういった戦争に藤丸らを送り込むかはわからないが、間違いなくこの経験はしたくない経験であり、同時に今後も藤丸らの特異点での心情を理解するうえで必要不可欠なもの。

 

 昨晩の作戦会議もそうだが、軍人、英雄たる人物らの視点、戦略を肌で味わっていける。劇薬だが、この特異点での経験も飲み込み切れればもしかしたらよりカルデアの所長として、人として大きくなれるかもしれない。

 

 大きく深呼吸を数度行い、魔術回路を起動。全身に魔力を走らせ、礼装の具合を再度確認。その後は側にいるアルトリア、紫式部。姿こそ見えないが自分をマスターと、この場の司令官と任せてくれるメンバーを思い返し、腹をくくる。

 

 「・・・・・・わかったわ。なら、これから一緒に左翼を勝利へと導きましょう。私は後ろからだけど、良く見える分いい指示を出せるように頑張るから・・・みんなの力を貸して頂戴!」

 

 『ああ・・・もちろ・・・・マスター! 客将二人が敵に吶喊した! 私も急いで援護射撃を開始する。アルトリアとほかのみんなにも通達を』

 

 「え? あ、わわわ、わかったわ! アルトリアは急いで客将二人の間に入って助けてあげて。アンナとクラークで片方をサポート、もう片方はジャンヌが助けて頂戴。エミヤは全体から見て孤立、包囲されそうな部隊に掩護射撃を」

 

 気合を入れようとした矢先のまさかの将軍の急な吶喊になんだか出鼻をくじかれる形になったがオルガマリーのほうも戦闘開始。客将二人、アルトリアの部隊が三本の矢のようになって敵陣へと走り、激突。中央もそのころに戦闘を開始しており、二つの戦場での激戦が繰り広げられていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「■■■■■■-------!!!!!」

 

 「くそっ、くそお! なんだよこれ、俺たちの銃弾がまるで歯が立たない!」

 

 「もう、終わりだあ!!」

 

 華奈たちが信長の聖杯爆弾騒動で戦った黒い体に豪奢な装い、巨大な二振りの斧を振るう大巨漢。自ら先陣を切って暴れ狂い、従う不死の1万の異形の軍団も我先にと狂気をはらんで敵へと襲い掛かる。それを受けきるは右翼を受け持つといった客将たち。

 

 しかし、その数を数日も受け止め続け、敵兵は数も減らない、勢いも衰えない。傷も即座に回復して明日には万全の状態で戦う羽目になる。精神は摩耗し、後方で十数名の狙撃部隊・・・ストーム1と同じレンジャーの集団は弱音を吐きつつも一応は狙撃中で敵兵を狙い撃ち、勢いをそいでいく。

 

 「弱音を吐くな! 俺たちがここで持ちこたえているから他に兵士を割ける。いずれ中央か左翼が勝ってこちらに救援が来る。踏ん張れ!」

 

 「そうは言うがよ! さすがにこれ以上は無理だぜ!? 先日は左翼が崩れた。もう逃げたほうがいいに決まっている!」

 

 「彼が・・・ストーム1がいてくれたら・・・」

 

 「ブレイザーでも削り切れないなんて・・・これがダレイオス三世の軍隊か! これが英霊・・!」

 

 その狙撃兵へと敵を寄せ付けずに立ちはだかる4名。声からして中年男性だろうか。その4人のリーダーは他と違う色合いのヘルメットに赤い光線を放つ銃を振るい、常に兵士を叱咤激励して戦闘でダレイオス三世、不死兵すらもひるまずに立ち向かう。残る3名もなんやかんやと愚痴りながらもアサルトライフルで応戦。自身で敵を崩し、あるいは狙撃兵の援護射撃をうまく利用して立ち回り、紙一重の状況で生き残り続ける。

 

 「■■■■■!!! ■■!!」

 

 「ブルージャケット隊! お前らももう少し狙撃に専念しろ! ここではそれが生き残る一番の作戦だ! 俺たちストーム2がいる限り、そこには近寄りはさせない! 絶対にだ!」

 

 かつてストーム1を民間人時代に巨大生物から護衛し、武器を与えて共に戦闘。多くの戦場を生き抜き、EDFが戦い続けるのに必要な功績と情報を与え続け、特殊チームに格上げされて最後まで戦い続けたストームチームの一つ。ストーム2。そしてEDFの特殊チームの一つ。ブルージャケット隊の連携でダレイオス三世。その宝具の軍隊を食い止め、死の暴風をどうにかとどめることに成功していた。

 

 何度も数の暴力、怪物や巨人のようなエイリアン。特殊兵器に空を飛んで襲い来る巨大生物にさらされて尚も生き残り続けた経験、磨かれた技術と対人を想定していない高火力の武装で1万の軍を押しとどめ、ダレイオスに傷を与えることを数日。夜になってくるとほかの部隊からの攻撃で包囲されて失うのを恐れるのかこの狂気がぴたりとやんで奥へと戻っていく。

 

 これを続けているが全くいい報告を聞かないことにストーム2もブルージャケットも正直な話希望が見えず、しかしこの暴風をほっておくのは無駄な被害が出る。この状況に精神がすり減り、愚痴、弱音を吐くものがほとんど。ストーム2の隊長。軍曹も内心どうしたものかと考え、少し後ろ向きに考えてもいた。

 

 (ブルージャケットを中央に回すべきか・・・しかし、俺たちだけでこの数を相手するのは・・・くそ・・・俺が冷静になり切れていないのかもしれないな・・・情けない)

 

 「■! ■■■ーーーーーーーー!!!!!」

 

 そんな思考も鈍りそうな軍曹らとは裏腹に数日間鈍ることのない猛威を振りかざし、何度目かもわからない突撃をダレイオス三世が仕掛ける。これを凌いでも次でチャンスを手にできるのか。そう不安が頭をよぎった刹那

 

 「やっぱり軍曹ね。相変わらずの不死身具合に・・・ブルージャケット。そりゃあ耐えきることもできるか」

 

 突如空気を割いて響く変わった銃声といくつもの青い雷。ダレイオス三世の軍に向かって放たれたそれは骸骨の敵兵を砕き、地面を這って相手を襲う。

 

 銃声とほぼ同時に聞こえてきた声。それにつられてふと空を見上げれば、ストーム2、ブルージャケットはその相手に希望を見た。

 

 「その声は紛れもなく・・・・・来てくれたのか!!!」

 

 「大将! いいところで来てくれるなあ! 相変わらず」

 

 機械の翼で空を駆け、青と白、黄色を基調とした、女性用のバトルスーツ。黒の長手袋に二―ソックス。ヘルメットも先の出た変わったものであり、激しい閃光を防ぐための黒いガードで目を隠す。女性らしいメリハリのある体に茶色の長髪を風に揺らし空から降りる姿はまさしく勝利の女神。

 

 「軍曹の存在を知ったらすぐに来るわよ。・・・とは言っても分かったのは昨晩だから今になったけど・・・お久しぶり、軍曹。みんな。ストーム1。ここに参上ってね」

 

 ストーム1の持つ4つの兵科の最後の一つ。空を駆け、思念兵器や光学兵器を多く利用する女戦士。ウィングダイバー。その姿で雷を発射する兵器、サンダーボウ30連射し、ストーム2、軍曹らを一度下げさせるための弾幕を形成する。

 

その後に続く別方向からの地響きと土煙。騎馬、狼、猪の群れに銀と木の鎧に身を包んだ騎兵。数こそ500ではあるが、ストーム1の後にこの数の増援は今までの戦歴が基本劣勢。少数での戦いに加えて増援も少ないか無いものであった軍曹らには何よりもうれしいものであり、だれもが歓喜の声を上げ、身体に気合がみなぎるのを感じていく。

 

 「射撃開始!」

 

 華奈の声を号令として騎兵のうちの数十。エミヤにカルデアで用意させたAF99STのトレース、ほかの騎兵も長弓、投げ槍をダレイオス三世向けて放ち、ストーム1の攻撃で崩れた前線を刈り取る。

 

 「ストーム、私はこのまま先へと進みます。・・・いけますか?」

 

 「問題ない。このメンバーならいけると思う。持ってきた兵器も大軍制圧用。ただまあ、少し土産は欲しいかな」

 

 「■■■■■■ーーーーーーーーーー!!!!! ■■■■!!」

 

 「あの軍隊・・・まさか、昔本で見たが、銀嶺か!?」

 

 一度制圧射撃を終えた後に華奈はストーム1と合流し、最後の一仕事欲しいというストーム1。この射撃でもせいぜいが2,300くらいしか削れていない。

 

 まだまだ9000以上の軍がいいる以上、さすがに油断はできない。前回は陣地防衛からの爆破で仕留めたが、平地での数の暴力はさすがに堪えるし耐久は巨大生物に劣るが、さすがは高名な不死隊。先ほど削った部隊も早くも復活の兆しを見せる始末だ。

 

 華奈とストーム1を一刈り取ると判断したか、ダレイオス三世は象からとびかかって二人の間めがけて大斧を打ち下ろす。大巨漢の肉体に見合うほどの武装での一撃。本人の剛力も相まって地面を大きくえぐり取り、その衝撃で華奈もストーム1も吹き飛ばされ、華奈は勢いのままに栗毛に乗って態勢を立て直し、ストーム1も飛行ユニットを巧みに扱いきれいに着地。

 

 「くっ・・・さすがはバーサーカー。こんな一撃貰いたくは・・・っ!? マスター!」

 

 「っ・・・陽炎! 深山!」

 

 その直後に飛んでくる象の鼻の一撃。華奈もとっさに気づき深山で栗毛の地面を盛り上げて象の鼻をよけ、ダレイオス三世、象目掛けて陽炎での閃光を使って目くらましを行い、距離を取る。

 

 「華奈さん! よくも・・・」

 

 「ストップ! 大将。僕たちは行くよ! 時間が惜しい!」

 

 ダレイオス三世に向かい斬りかかろうとする沖田をダンカンが抑え、騎射を再開しながら先に進んでいく。

 

 「了解。私も続きます! ストーム! ストーム2の皆様、ブルージャケットの皆様。私たちは先に進みます。援護射撃しながらですので、それを活かしてくだされば」

 

 「わかった! 行くぞ皆! ここで一気に敵を丸裸にしてやるぞ!」

 

 ダンカンらの後を追うように華奈も栗毛を走らせ、そのままこの場を離れつつ相手の軍の側面を突きつつ遠ざかる。

 

 軍曹もその攻撃を無駄にするものかと光線銃、ブレイザーを放って敵への攻撃を開始。ブルージャケットもようやく弱気が抜けたか狙撃中で的確に相手の頭を射抜き、相手を仕留めていく。

 

 「■■■■!!! ■■ーー!! ■■■■■!!」

 

 「軍曹! 私が足止めをするから切り込んで頂戴。いいもの持ってきたのよね・・・っと!」

 

 ダレイオス三世の周辺も敵が固まったことで再度軍での突撃態勢を整えたことに対してストーム1も武器を切り替え、もう一つの巨大な銃を取り出すと即座に右に左にと飛行ユニットで飛び回り引き金を引く。粒子バルカン砲、イクシオンマークX。一度に9発の弾丸を放つのをマシンガンに負けないほどの勢いでぶっ放し、不死の軍団をなぎ倒し、壁を壊していく。

 

 「任せろ! ブルージャケットはストーム1の取りこぼしをかたずけろ! 狙撃チームの本領を見せる時だ!」

 

 「了解! あの見た目、不死の時点で怪物。遠慮なく打ち倒せ! 俺たちこそ怪物処理のエリートだと見せる時だぞ!」

 

 ブルージャケットの攻撃も軍曹の援護、ストーム1の取りこぼしを狙うために動き、3つの部隊の連携で不死の部隊も目に見えて数が減り始める。彼らの武装はもともとが対人を想定せず、象ほどのサイズもある巨大生物を殺し切るためのもの。歩兵のアサルトライフルですらある程度の射撃で戦車すらも壊し切る威力。それをそれぞれの優秀な部隊が持つ兵器で狙うのだから不死の属性を持つ軍ですら倒し切れずとも早々に復帰できないほどの傷を与えるのは容易。

 

 「テレポーションシップを壊した時を思い出せ! ここを切り抜けてあのデカブツさえ倒し切ればこの怪物どもともおさらばになる!」

 

 「結局はそれかよ!? くそっ! 大将の援護があるからいいけどよお!」

 

 「この機会を逃せばもっと面倒になる。最大の好機ですね・・・!」

 

 「■■■■■!!! ----------!!!!」

 

 不死隊の被害の大きさをチャンスと捉え、敵陣に突っ込んでダレイオス三世を狙う軍曹らストーム2。そして、ダレイオス三世はそれに対してストーム1、ブルージャケットに対して盾の部隊も置くことなく、まっすぐにぶつかっていく。目の前の敵を軍を一つの塊としてぶつける。これは悪手としか言えなかった。

 

 「・・・・・クー・フーリンの言っていた通りね。やはり、バーサーカーは狂い方にもよるが、ああも目の前の敵の身に意識を向けすぎてちゃあ・・・「軍」として動きができない。一つの塊として暴れるだけでも脅威だけど・・・それは単なる「暴風」にしかならないか・・・」

 

 不死を活かしての盾、重装でストーム1、ブルージャケットのどちらかに壁を置くだけで軍への被害、軍曹らへの援護が鈍る。ただ、狂化の弊害で目の前でブレイザーとアサルトライフルを振るい暴れる軍曹らにしか目がいかず、盾を側面を2チームで制圧されて徐々にダレイオス三世の壁がはがされ、彼の肉体に銃弾が、熱線が届くようになる。

 

 軍隊としての役割分担ができず、ひたすらに強大な暴力を目についた先から一丸となって襲い掛かる。制御、援護するマスターもいない状況ではその勢いは失い、復活するよりも早く攻撃が制圧し、復活した矢先にそれも粒子バルカンに、スナイパーライフルに、電撃に崩れ落ちていく。

 

 もしこれが狂化もなく、例えばライダーのクラスで現れ、軍団をうまく動かし、かの大国を動かした財力。様々な宝物を活かしたのなら、この展開はなく、やもすれば華奈の軍がいても勝てたか怪しく思えてしまう。誰もがそう思うほどの暴力を一方的な射撃に撃ちすくめられながらも見せている。

 

 「偉大な王だろうが・・・数日見続けてその顔は見飽きた。これで終いだ。これを喰らえ!」

 

 「ッッ・・・! ■■■!!!! !! ■■■ーーー!」

 

 「軍曹に手出しはさせない! 喰らえ、化け物が!」

 

 しかし、それも軍曹らを懐まで許したのが運の尽き。ストーム1らの援護でストーム2の動きを止める、絡めとる兵士も満足に用意できない状態でブレイザーの放つ赤い光はダレイオス三世の巨体を穿ち、それでもまだ斧を振り下ろそうとする腕を、斧を軍曹の部下がアサルトライフルで打ち抜き、軌道を逸らして足掻きも抑え込むことに成功。

 

 「■■■■ーーーー・・・・・・・・・」

 

 ダレイオス三世の退去と重なり、周りの異形の軍隊も消滅。数日間の英霊の軍、部隊同士での戦いは新たな援護の来た軍曹らに軍配が上がり、正当ローマ右翼の勝利は確定になった。

 

 「ありがとう。ストーム1。あれがお前のマスターか? どこかに走ったが、行く先は敵領地の中・・・俺たちも行くべきか・・・?」

 

 「大将! 本当に助かったぜ! これで俺もあの怪物どものせいで不眠症が悪化することはないだろうよ」

 

 「ありがとうございます。ストーム1。来てくれなかったらどうなるかと」

 

 「さすがだな。しかし、あの援軍が来たということはほかの戦線でも動きが・・・?」

 

 「みんなありがとう。そうだね。さっきの騎馬・・・? うん、まあ騎馬は銀嶺。銀髪の話しかけてきたのが私のマスター。で、今からよければ軍曹たちはついてきてもらってもいいかな? ブルージャケットは今から来る援軍とここを維持してもらいたいのだけど」

 

 ストーム1も軍曹らと合流し、エネルギーを使っての武器の弾薬をチャージ。すぐさま移動できるようにしつつ、昨夜話した作戦を実行するために軍曹らにさらなる行軍を提案。

 

 「お前には何度も無茶に付き合わせたこともある・・・それに、どうも何かあるようだな。俺も行こう。ただし、後詰が来てからになる。いいな?」

 

 「了解。私は先に行っておくわ。空を飛べるし、機動力もあるからマスターと連絡とりながら。じゃ! 後でね」

 

 飛行ユニットを起動させ、すぐさま空を駆けていくストーム1。この動きの急変にようやく待ち望んだ動きが起きたのかもしれない。今までの耐えきった時間も報われたのだと軍曹は小さくこぶしを握り締め、ブルージャケットらは生き残れたことに互いに肩をたたき合って喜んだ。




今回登場した、正当ローマ軍右翼を支え続けた客将。ストーム2、軍曹チーム。彼らも大概な化け物です。おおざっぱな功績として

・ストーム1が民間人時代に巨大生物に襲われたの助け、武器を与える(この時点で人類を救ったともいえるかも)以降、護衛しながら各地を転戦。

・5か月ほど戦い戦術核でようやく1隻しか壊せなかった巨大生物輸送船を破壊する方法を提案、自身らで実行し成功。

・優に4,5メートルはあるカエル面、グレイタイプのエイリアンとの戦い方を一度戦ってすぐさま用意。生き抜いた挙句に半壊状態から生還。

・敵が用意した地下の巨大生物繁殖用の場所を壊滅。

・ストーム1(このころはまだ新入り的な扱いに近い)と一緒に合計5名で敵の足止めで輸送船数隻、大量の飛行ドローン、カエル型エイリアン、クモ、ハチ型巨大生物の部隊を壊滅。その後ももう一つの部隊と合流してさらに敵の部隊を壊滅。生き残る。

・ある戦いにて遊撃部隊「ストーム」に任命。ストーム2となり、その作戦もばっちりクリア。

・怪獣レベル、不死身なレベルの再生力もちの怪生物とミッション中に何度も遭遇して生き残り、かつミッション完遂。

これ以外にもゲーム中のストーリーで相当な功績をあげています。しかもほぼ全員が後半になるまでアサルトライフルで立ち回るという不死身っぷり。メンバーも丁寧にしゃべる奴やら面白黒人枠的で皮肉が多い不眠症。カタログスペックにこだわりがある奴と面白い人が多い印象。

軍曹もタフガイかつナイスガイ。本当に頼りになる先輩さんです。



ブルージャケットはあるミッションで登場するネームド部隊の一つ。実力はあるようなのですが、ぶち当たったプライマー(EDF5でのエイリアンの呼称)の部隊とは相性が悪く噛ませポジに。数も多くスナイパーなのでそれなりに火力はあり、またボイスで戦況を信長の戦いで例えたりと印象に残る部隊ではないでしょうか。

もし運がよかったのなら後半にも活躍していたりしてたかも・・・?


今回出てきたブレイザーはある特殊兵器(山を吹き飛ばす威力だとか)の12%の出力を放つレーザー銃。その火力は恐ろしく、NPCの中でもかなりの火力、不死身の軍曹が使うことでなお頼もしい。プレイヤーも使用できるが射程やら威力が凄まじく。これ一本で大体のことはできると思っちゃうほど。


サンダーボウはペイルウィング、もといウィングダイバーの兵器であり電撃を複数射出。地面や壁も射程内なら反射するので使いやすく。複数同時発射なので対空にもよし。30ともなれば万能枠の一つ。


イクシオンは粒子バルカン砲で複数の弾丸を同時発射するものから普通のマシンガンのように一つの弾をすさまじい速度で打ち出すタイプと多彩なものがあり、しれっと粒子砲を出すあたりEDFの殺意、意気込みが感じられる兵器。後半になるとレンジャーのアサルトライフルを圧倒するレベルのものもちらほら。



ストーム1の最後の兵科。ウィングダイバー。姿は地球防衛軍2のころをイメージしてくだされば。あのデザインが一番好きです。飛行ユニットで空を飛び、レーザーやプラズマの兵器を多く使用。基本的には飛行ユニットのエネルギーと武器のエネルギーはエネルギーコアから使用するので機動力と火力の用意の調整が必須。

機動力の高さと近、中距離の強さはすさまじく、大物狩りもしやすい。思念兵器などもあるのでどうもサイキックの才能を持つものが多いのか数も少なく、基本どのシリーズでも精鋭扱い。同時にフラグ枠。

EDF5ではエネルギーコアの種類も変えられるので立ち回りも幅広く変化できるのでそこも楽しめるかも。

次回は藤丸たちの戦線になります。うまく書けるかわかりませんがよろしくお願いいたします。

それでは皆様また次回まで、さようなら。さようなら。
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