転生愉悦部の徒然日記   作:零課

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華奈「・・・・・ここまでですね・・・ふぅ・・・」

ストーム1「お疲れ様。マスターやったわね」

華奈「貴方たちにここまで頑張ってもらったんだもの。やらなきゃマスター失格ですよ。それで、軍曹さんらはどうですか?」

ストーム1「今は右翼の野営地で休息中。あとで軍曹がマスターと話したいそうだから今夜か、明日にでもよろしく」

華奈「了解しました。ああ、そうです。ストーム。一つ頼みが。いいですか?」

ストーム1「いいよ」

華奈「実は・・・・・・・・・・・・というわけでして」

ストーム1「わかった。じゃ、後で」



小休止。城攻めは苦手だからね。仕方ないね♀

 「仕方ない。一応の目的の一つは達成した。今は兵を休めつつ、当地も再度安定させるようにしていくべきか。追撃はこれまで、退却だ」

 

 カエサルを下した後の追撃戦を終え、去っていく敵兵をしり目にネロの言葉でこの大逆転劇の一日は終わりをつげ、今までの負けが嘘のような大勝利に皆が沸き立っての凱旋。

 

 同時に兵の入れ替えを行い、取り返した分の場所の意地には銀嶺も加わって野営地を作り、警らにも参加していく中で日が暮れて夜となり、ローマは再びのお祭り騒ぎ、ネロも銀嶺や客将、ローマの将校らを労う為に宮殿に招こうとしたが急遽予定変更をするほどであり、この勝利の立役者たちを市民と触れさせ、語らせ合うことにした。

 

 新入りのカルデアの部隊の活躍はローマの市民も大いに盛り上がり酒の肴としていくほどであり、英霊ら誰もが引っ張りだこ。オルガマリーたちもその勢いに圧倒されるほどだった。

 

 その都市総てが宴のるつぼと化している中、藤丸は一人路地裏で体を小さく丸めて重い息を吐いて疲れた瞳を浮かべる。

 

 「あら、藤丸様。ここでしたか」

 

 「! ・・・・・・・華奈さん・・・」

 

 それを見つけたのは華奈。既に市民の皆の歓迎を受けたか銀の髪は少しぼさぼさで、酒や汗のにおい、手に持っている花、贈答品らしきものが目に付く。

 

 「・・・戦場の空気は、直で味わうとまた違うものです。それでもこうして最後まで走りぬいて、すごいものです」

 

 「いえ。俺は・・・途中でしか何もできなくて・・・それも、銃で盾を狙って動きを鈍らせるしか・・・マシュや華奈さん。本来は人との戦いをほとんどしていないストーム1さんもああして頑張っていたのに・・・」

 

 冬木からの経験。華奈の殺意を受け止める訓練や円卓の一員からの訓練、射撃だって少しは自身があった。人を殺すことはしたくない。けど、専用の弾を使って足止め、それくらいならできるかと思ったが人に銃口を向けることすらもできずにいた。

 

 いざ始まれば何もできず、ただただ怯えて、走り続けて、がむしゃらに追いつくしかできなかった。あれだけの訓練と経験をしても、それだけだ。一級の教師たちからの成果がこれ。情けなさと悔しさで胸がいっぱいになり、華奈から顔を逸らして再びうつむいてしまう。

 

 「手・・・震えていますね」

 

 「手のひらが真っ赤になるまで握りしめて、走っていましたから。それと・・・人に向けたからでしょうか」

 

 荷物を置いた華奈の小さな手が藤丸の震える手をそっと握り、落ち着くように、子供をなだめる時のような優しい動きで撫でていく。疲労と緊張。肉体と精神の両方から来るその震えが少しだけ、ほんの少しだけ収まり、藤丸もそっと華奈のほうに再び顔を向ける。

 

 「後者でしょうね。きっとそれは。でも、それでよかった。震えて、怖がってこそ先に進めます。その感情があっても、弱くても先に進めるその心は、耐えきる体は今までの積み重ねが無駄じゃなかったこと、これからも強くなれる証です」

 

 優しく、けど強い声色でしっかりと話す華奈の言葉。震えていてよかった。積み重ねが無駄じゃなかった。強くなれると言ってくれた。藤丸に思わず目を見開くほどの衝撃と嬉しさが駆け抜け、華奈の言葉に耳を強く傾け、口の動き、しぐさ一つにも集中していく。

 

 「私も、銀嶺のみんなも一度はそういう壁、苦しさを超えてここに来ています。私自身策を練る際に生前は被害の計算で苦しんだりすることもありました。今は慣れもあるのでしょうけど、それでも恐怖はあります。でも、その恐怖を皆が強く味合わないようにしたい、終わらせたいと思い強くなる。弱さからの強さというのは確かにあると私は思います」

 

 「・・・・・・・」

 

 「藤丸様。強さは己の器を、弱さを自覚してから始まります。その手の震えも、悔しいと思う気持ちも恥ではなく、これからの藤丸様の糧となるでしょう。またみんなで強くなりましょう。私たちも、藤丸様が生きるように、マシュ様たちのサポートをできるようにいろいろ頑張りますから」

 

 一瞬、悲しい表情を見せた後に柔和で、女性らしい笑顔を浮かべて藤丸に話しかける華奈。月明かりに照らされて見えるそれは美しく、安心してしまうものであると同時に頼もしい言葉に、やさしい言葉に少し気持ちが楽になったか藤丸は少し目を閉じ、強く目をつぶり、両手でほほを叩いてからすっくと立ちあがる。

 

 「ありがとうございました。・・・手はまだ震えますし、怖いですが・・・気持ちが楽になりました」

 

 「っふふ・・・そうですか。ああではこれを。ダンカンに渡せばおいしいお酒とジュースがありますよ。皆様がいるところで飲んで、いろいろ話して気を楽にしてください。人生の大先輩方です。もっと気が楽になりますよ」

 

 なにやら小さな紙きれを渡して華奈も立ち上がり、安心したといつもの穏やかな空気に戻る。どうやらこのこうなるかもと予想していたか、元から用意していたのか。お見通しなように思えて自分は小さいなと内心藤丸はほほをかく。

 

 「そうです藤丸様。一ついいですか?」

 

 「あ、はいどうかし―――・・・っ!?」

 

 ダンカンを見つけに行こうと歩き始めた藤丸を引き留める華奈の声。それにくるりと振り向くと華奈はいない・・・いや、いるのだが自分を抱きしめ、そっと背中を撫でていた。鎧も脱いでいるせいでそのしなやかかつ出るとこの出た豊満な肢体の柔らかさやいろんな匂いが混じっているのにも関わらず感じる華奈自身の、女性の甘い香りに一気に藤丸の心拍数は跳ね上がり、顔が真っ赤になる。

 

 「いいですか。きついときは、こうして誰かに甘えたり、吐き出してくださいね? 頑張るようには言いましたが、頑張りすぎても壊れちゃうのです。癒しや、元気をもらうために弱音を晒すのも、必要ですから」

 

 「は、はい・・・・・」

 

 「よかった・・・・では、私も少し別用があるのでこれで。ああ、ダンカンはこの先の角を右に曲がったところで鍋を開いていましたから、そこでもらってくださいね?」

 

 くすくすと、藤丸の反応を見て笑った後に後頭部を優しくなでた後に華奈も荷物をもってふらりと表通りに移動。すぐにまわりにいた人々が華奈の名前をあげていたことからもまた人波にもまれているのかもしれない。そんなことをぼんやりと考えながら藤丸は先ほどの華奈の言葉と感触、匂いにぼうっとしてしまい。

 

 「・・・みんなに、いろいろ話を聞こう・・・」

 

 つぶやくようにそういうと華奈の話した場所に歩いて行った。

 

 

 

 

 

 

 「ね? いいものでしょ? つらいことも、疲れたこともみんなで共有して、薄めて、おいしいご飯やお酒・・・マシュちゃんは未成年だからジュースで吹っ飛ばしてしまうのよ」

 

 「はい・・・! 少し、楽になりました。その、命を奪わないようにしましたが、正直、あの場所・・・戦場の空気は、フランスとはまた違って」

 

 藤丸が華奈のハグにぼんやりしているときからほんの少し前、ペイルウィングのままのストーム1とマシュも銀嶺隊と一緒に勝利の宴会を楽しんでおり、ストーム1はワイン。マシュは雰囲気だけでもとぶどうジュースを飲みながら銀嶺の人も魔獣も関係ない宴会芸や踊りに笑ったり、驚いたりしながら時折食事をつまみ、そのまま相談会となっていた。

 

 「いやー、本当、おいしいご飯をこうして食べる戦帰りの夜は私の生前じゃあ珍しかったわねえ。民間人時代は逃げながらそこら辺のコンビニや弁当屋さん、スーパーから分けてもらったり、買ったおにぎりとお茶でしのいで、EDFもレーションばっかりな時も多かったから」

 

 「それどころか夜襲作戦や、本当にいろいろしていましたものね。・・・・・・・そういえば、先輩、大丈夫でしょうか・・・」

 

 英霊の力、その精神性もあるせいかいくらか血、戦に関しての耐性があるとはいえマシュも元は戦も知らない、それどころか外の世界も知らないほどの超弩級の箱入り娘。ストーム1、銀嶺のみんなと話して、慰めてもらい、笑うことが出来たが民間人。というワードから藤丸を思い出したか表情が沈み、心配の色が顔に出てしまう。

 

「大丈夫よ。あの子は強いし、弱さを吐き出せるだろうからねえ。マシュちゃんもまずは自分が元気でいるようにしておかないとだめよ。そうでないと藤丸を心配しても逆に心配されちゃうしね」

 

 マシュの頭をポンポンと撫で心配ないとほほ笑むストーム1。相変わらずその表情はよく見えないがその空気や仕草から優しさは感じ、マシュも少しだけ表情が和らぐ。

 

 「どうせここにでもふらっと来て、いろいろ話すと思うから、その時に付き合ってあげなさい。その時はマシュもしっかりと言いたいこと、怖かったとか、きつかったとかの弱音もはいちゃってよ? ため込んで暴発、いざという時に動けない。は大変だから」

 

 「はい・・・その、少しづつ話していくようにします。しっかりと言葉にできるかはわかりませんが・・・」

 

 「マシュちゃんなら問題ないわよ。あ、ほら藤丸が来たわよ。みんなで話しちゃいなさい」

 

 ストーム1が指さす場所から藤丸が何やら小樽を二つほど持ってきてこちらに歩いてくるのをマシュも見かけ、表情がぱあっと明るいものになる。

 

 「あ、先輩! ストーム1さん。ありがとうございました。いろいろ、話してみようと思います!」

 

 すぐさま立ち上がり、藤丸に近づいていくマシュ、その後に清姫やジャンヌオルタ、クー・フーリン、ジークフリートたちが集まって騒ぎ始めたのを見届けた後に腰を上げ、都市の外周辺、警らの兵を配置している場所の一つに飛行ユニットを使って移動。天幕の一つに入っていく。

 

 そこには既に華奈が腰かけ、酒を軽く飲んでから用意していたつまみをストーム1に差し出し、椅子も用意してくる。

 

 「お疲れ様です。マシュ様は大丈夫でしたか?」

 

 「お疲れさま。まあね。冬木の時から思ったけど、芯がものすごく強いわね。あの二人。あ、ありがと」

 

 ストーム1もそれを受け取って口にし、酒を一息に呑む。予想以上に早い立ち直り、無理をしている空気も感じなかったし、意識の切り替えが得意なのか、それともこの異常事態の連続の特異点攻略の旅が鍛えたのか、兎にも角にもマシュと藤丸は強い。それがストーム1の今までの見てきた感想である。

 

 「さすがにあのヘルモード、ないしノーフューチャーな戦いに行くと決めた人間。成長度合いが凄まじいですよ。藤丸様のほうもどうにか立ち直れそうです。今夜はとにかくみんなと騒いで少しでも発散の仕方を覚えてくれれば・・・」

 

 「あんまり、人同士の争い、それも戦争に慣れさせるのもあれだけど・・・精神が壊れないようにメンタルチェック、ケアも考えておくべきよねえ・・・」

 

 「姉上、ストーム1。ここにいましたか。探しましたよ。オルガマリーも一応は大丈夫そうです。今は紫式部の用意しておいた本に術で心を休めています。あと謎のナレーションやらで気がまぎれたかつぶれることはなさそうです」

 

 二人の会話に交じる声。アルトリアも酒と干し肉を手土産に天幕の中に入り、左翼の戦場で指揮を取っていたオルガマリーの様子を報告、酒を飲んで一つ息を吐く。

 

 「アルトリア様もお疲れ様です。よかった・・・これでとりあえず三人は一つの波を超えましたか。後は・・・ローマの危機は一つ越えましたし・・・」

 

 「こちらの私用。布やらいろいろやっちゃいましょう。あ、そうです。カルデアからロマニ、ダ・ヴィンチちゃんからカルデアの物資を送れるように霊脈の確保、近くの・・・え、・・・・え・・エトナ火山。そう、エトナ火山のほうで召喚サークルのセットをしてほしいそうです」

 

 「・・・あれ、あそこは確か死霊の類が跋扈してなかったか? 少し空飛びながら見ておいたけど」

 

 酒が体の中に入り、かすかな心地よさに身をゆだねながらの今後の話。カルデアの動きのためにも召喚サークルが欲しいのだがどうにもストーム1のガンナーの目で見るにそこもまたちょっとした危険地帯。魔力が多く流れる霊脈である以上仕方ないのだが、死霊とは少したちが悪い。

 

 「私としてはアルトリア様、香子様、ジャンヌダルク様、ジャンヌオルタ様、エミヤ様とオルガマリー様、マシュ様と藤丸様のメンバーで退治ついでに訓練を積ませておきたいですね・・・礼装のアイデアにもなるでしょうし・・・どの道死霊を相手するならジャンヌ様はうってつけでしょう」

 

 『カルデアから見る分にも戦場と比べれば危険度も脅威度も天と地ほどですが・・・船坂さんもなかなかにスパルタですねえ』

 

 戦を終えての翌日も実戦。カルデアの事情もあるので仕方ない部分はあるのだが、それでも思わずツッコミが入る。

 

 「というよりも、しないといけない部分は私たちの観点からもそうですが、死霊が下手に行動範囲を広めて被害が出ないという意味でも必要なのですよ・・・私は私で前線の様子を見てから許可をもらってローマに戻ります。良馬様のほうでも礼装のデータ収集。お願いします」

 

 『了解です。船坂さんもどうか無理をなさらずに。一応バイタルは問題ないですが』

 

 『華奈が受肉した英霊とはいえ、無茶は大変だからねえ・・・礼装はレオナルドとフラムが頑張っている。とりあえずは基盤固めを明日から頑張ろうか』

 

 「はぁ・・・とりあえず、明日は動き回れるようにフェンサーにしておこう。ワイバーンとかもいないし」

 

 その後はみな酒を軽く飲み、夜食をつまんでから休息。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ガリアの安全のためにより先に進むのも上策・・・だが、余にはこの先に踏み込むには今は難しいとみるが・・・どう思う? 華奈、ストーム1よ」

 

 「私の部隊は野戦特化。ある程度の野営地、砦くらいならどうにかなりますが・・・これは一筋罠ではいかないかと」

 

 「俺にも危険に見えるな。一つ二つ潰せても、意味がないか、罠に見える」

 

 二日目の朝。ネロは諸将を集めての敵の第二の防衛ラインに関して勢を頼みに攻めるか、一息つけるかの議論のために軍議を開いた。結果としてはその場にいたほぼ全員が今は攻め込むのは難しいと判断。客将の一人である荊軻もどこもかしこも怪しいというほどであり、最後に華奈、ストーム1もこれに同意見。

 

 そもそもが魔獣による機動戦術に重きを占める銀嶺は城攻めは苦手。防衛に関しても前準備が普通の部隊よりも必須。少なくともアンナの魔術部隊、ヤマジ、ダンカンの工兵部隊で用意させて無事に城を取れる。しかし、この左右の端を抑える大樹の城、連合ローマの最後の砦となる谷、点在する野営地や砦、どれもが配置の仕方、強さも並みのものではなく、不用意に何処を攻めても返り討ちが関の山と見る。

 

 カエサルを倒してもまだこれほどの陣地設置、軍略に秀でた人材が連合ローマにいる。相手の敷く兵の配置でもこうも見せつけられるのだから恐ろしいものだと華奈も少し眉根を寄せてしまう。

 

 「ここはローマの強さを・・・砦、野営地を前線に用意して守りとすぐに兵士を出せるようにしつつも兵士を休めるべきかと。ひたすらに戦い通しでは兵士たちも大変ですし、これから先は相手の城塞施設を攻めるのです。根気よく構えるのもローマならたやすいかと思いますが・・・」

 

 「よくぞ言った! ローマの建築力で戦うのは実に良い! 大反撃をするための備えともなる策。採用するぞ! なら、華奈の部隊の狼、猪らはその間警備に斥候に出てもらおう。それとだが、このガリアを奪還した後の総督についても今協議したい。やはり統治するには総督が必須であり、にらみ合いになることからもここで兵士たちや集まる人々の不安があってはならん。というわけで・・・・・・」

 

 その後は連合ローマの襲撃によって死亡して空白になっていたガリアの総督に客将ではあるが国を治めた経験のあるものとしてブーティカを短期間の臨時でという条件付きで任命。ネロ自体も先には進みたいがそれよりも戦後処理でてんやわんわといったところらしく、ストーム1がちらりと視線を移せばここにまで持ち込んでいる書類の山がずらり。

 

 形としてはローマの失地回復を進めるという姿勢を見せてはいたが本音はこの処理に意識を向けたかったようで、すらすらと戦後処理、その間の守り、対策に軍議はほとんどされることとなり、華奈たちは火山での悪霊退治とローマの警護をするというとあっさり了承。初顔合わせの荊軻、ブーディカには軽く挨拶をしてから会議半ばで抜け出すこととなった。

 

 

 

 

 

 

 「ふぅ・・・・・ネロ陛下も大盤振る舞いですねえ。『先に褒美を渡すから欲しいものをいうがよい!』で布が欲しいと言えばこれほどのものを・・・しかも皇帝の証文付き・・・」

 

 「いいことじゃあないか? しかし、本当にこの量なら下着だけじゃなくて、服もいろいろ作れそうだ」

 

 「ストーム1曰く変人とは聞いていたが・・・服を作るのを目的の一つに特異点に来るとはな・・・しかもそれが円卓のあの女騎士。納得はするが・・・」

 

 あの後、ネロからもらった皇帝直々の国がお金を払います。の証文と山ほどのお金をもらってローマに戻り、人ごみの中でフェンサーのパワードスケルトンで事故があっては大変だと結局レンジャーに戻ったストーム1。移動途中に急にかかってきたメディアからの通信で染料、その他霊薬、使えそうな薬のメモまで渡されて服飾の下準備に気を回す華奈。そして約束通り無事にあって自己紹介を終えたストーム2隊長こと軍曹。

 

 カルデアの現状、そして軍曹から見た砦や相手の守りの強さを語らいながら用意した荷車に布や染料を買い求めるショッピングをするという少し変わった時間を過ごし、合間合間にこちらを呼んでくれる市民の人々に応えて手を振るという具合。

 

 「いやあ、急な襲撃といいますか爆破テロのせいでいろいろ大変なうえに特異点以外外にも出れない。こういう形で補給しないと大変なんですよ。シバの観測システムの応用で物資が運び込めないともっとかつかつだったでしょう」

 

 「で、軍曹。来たのはいいけどどうしたんだ? ほかの人たちは前線で守りについているんだろう?」

 

 「うむ。ストーム1が認めたマスター。その手腕は疑わない。仮契約を結んでほしいのと、後はこれを渡しておきたい」

 

 そういうと軍曹は持っていたブレイザーのマガジンの一つを華奈に渡し、仮契約を結びたいと申し出てきた。

 

 「カルデアの状況と特異点。よければ俺も藤丸くんとやらの助けになりたいし、職員の補助を行いたい。特異点攻略後にできればカルデアに召喚してほしい。コンバットフレームの免許もあるし、ある程度の電子機器での処理、雑用は出来る。どうだろうか」

 

 「もちろん。軍曹さんたちほどの方々なら大歓迎です。では、契約を。ふふ、これからもよろしくお願いします」

 

 現代のテクノロジーに触れている人間であり、歴戦の戦士。人手不足で常にてんてこまいなカルデアにとってもうれしい話であり、華奈も迷わず契約を行使。ストーム2たちとの魔力のラインをつなぐことが出来た。

 

 『頼もしい、不死身な男たちが来ましたね。あ、船坂さん。報告です。無事に所長、藤丸君たちがエトナ火山を攻略。召喚サークルを設置出来たのでこちらからも服飾道具と物資を送ります』

 

 『あー・・・それとなんだけど、メディアがすごいやる気満々で、一応こっちから3時間と元が疲れない、負担を感じない時間でのこちらへのレイシフトを許可したけど・・・暴走を抑えてもらえないかな・・・?』

 

 「了解です。アンナ様と・・・ダンカン・・・いえ、クラークですね。後は確か服飾が得意なうちの部隊の人は・・・」

 

 やっぱりか。という感想を持ちながら急遽借りた野営地の一つに足を進め、銀嶺にも報告。メディアのハッスルに巻き込まれる女性陣に心の中で手を合わせつつ華奈はストーム1と荷車を押し、残りの布や必要なものを移動しながら買い集め、まだ事情を理解できていない軍曹は不思議に思いながら華奈と荷車を押す役を代わり、市場を抜けて、また雑談に花を咲かせた。




次の場所が固すぎて下手に攻められない。兵士たちの疲労も大きい。そもそも戦後処理や羅行政機能の復活で動けない。というわけで小休止。進軍自体は減るので華奈たちもさほど大きな動きは取りませんし取れません。

銀嶺も魔獣との連携での機動力が売りなので城攻めは苦手。水軍なんてさらに無理です。

ローマを練り歩こうかと思ったらその前のことでいっぱいになったのでローマ散策、物見遊山はまた次の機会に。

荊軻ら客将ともしっかりと顔合わせをしたり、こまごまとしたことをしていきます。

それでは皆様また次回まで、さようなら。さようなら。
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