転生愉悦部の徒然日記 作:零課
いよいよオケアノス。これでようやく三分の一が進んでいけたくらいでしょうか? 後半の特異点はどれこれも濃厚ですし。
ここでの書き方が久しぶり過ぎてどうなるか不明ですがどうかお願いします。
海賊の海へレッツラゴー
次の特異点を観測できたカルデア。新たな戦力。今回は特に文官や護衛などの派手な前線での槍働きよりもカルデア内部の充実を急いだ分、その成果は大きいものだった。
生え抜きの精鋭を失い、武将も大半を消耗。更には建国の祖である皇帝は死去し、次の主は政治経験なんてまるでない皇帝を盛り立てて北伐を5度こなし、時に3都を寝返らせて後の名将姜維を引き抜き、黄巾の乱から戦歴を重ねる魏の名将すらも討ち取って見せた孔明。彼に任せたカルデアのメンバーは人数こそ普段のカルデアを運営するには苦しいものだがやる気もこのしばらくの戦いで磨かれた技量も采配を振るうに足るもの。
そして護衛や知識を蓄えてその職員の雑務や簡単であれば現代機器での事務処理もこなせるようになった銀嶺隊隊員。なんやかんや仕事ができるちびノブたち。彼らの仕事での無駄を省き、休暇を与えつつ長く組織を動かし続けるシステムを再構築。
今まで若干クマを目に張り付けていたカルデア職員は安心して職務に励んでいくことしばらく、今度は現場で特異点攻略をこなすメンバーたちの出番となった。
「よし・・・これでいいはず・・・だよね?」
「私は問題ないかと思いますよ先輩」
「うっははは! わしを採用するとはいいことじゃ! 任せておけい! 水軍とも何度となく戦っておるからのお!」
用意を終えてまず入ってくるは藤丸、マシュ、信長。藤丸のほうはいつものカルデアの制服の裏地のほうにローマで得た布などを用いて作った礼装を上乗せ。防弾、防刃機能に治癒魔術の効果を加えた防御強化。今回が海の上。必要ならば船の上での行動。つまりは狭い場所での戦闘を考えたうえでのもの。
そしてそのために参加するメンバーも少数。相棒であり守りに秀でたマシュ。銃での遠距離の制圧とここ数日英霊同士の実力を見るための訓練で剣の腕前も低いわけではない、遠近すべてに対応できることから信長。信長は自身の経験もあって相談役にもなるだろうとのチョイスだ。
「やっほー今日も一番乗りだね藤丸君、マシュ、ノブ。うんうん。いいことだよ」
「今回はこのチョイスで行くのね。私は悪くないと思うわ。華奈たちが来てから今の時点で分かっている特異点の情報を話して再度少し時間をあげるけど」
「やあ藤丸君、マシュ、信長。うんうん。昨日もチェックしたけど健康そうだ。今回は船旅を味わうかもだし気少しの不調もないほうがいいからね」
来てくれた藤丸たちにダ・ヴィンチちゃん、オルガマリー、ロマニが笑顔で出迎える。ローマでの経験でさらに一皮むけたか、装備の確認など騒がしいがどこか落ち着きを感じることに三人もますます頼もしくなったと嬉しくなる。
「ジャンヌオルタも来たがっていたけど、その、船とかが燃えたら大変ですし」
「今回は海のある地域と聞きましたし、その、協力者になってくれる人の船を焼いたり、私たちの足になるかもしれないものを壊しかねないので」
「実際、燃やせばいいとか脳筋丸出しじゃったの。孫子でも読んでおけと渡しておいたわい。華奈先輩と紫式部の本の中にわかりやすい解説もあったりしたし、今頃リベンジ考えながら読みふけってるんじゃないか?」
船が鉄の船となった言ったのは割と近現代。それ以外は木造が多かったのだが今回はおそらく中世の時代。そんな中にあの業火とパワーを持つ、更には沸点の低いジャンヌオルタを持ち込めば下手な騒ぎいらぬ損害を出しかねない。そういう意味でも信長の判断は正しいものと皆が納得。
なおジャンヌオルタは信長の言葉の通り紫式部に探してもらった孫子、軍略の本を読みながら汚い字ながら要点を書き綴っていたり。陸戦と海戦、能力の使い方についてヤマジやアンナ、軍曹にも講義を頼んでいる当たり本当に根が真面目なものだ。
「お待たせーお、今日は信長とマシュちゃんで行くのね。クー・フーリンはいいの?」
「あ、ストーム1さん。はい。ほら、中世とかだとクー・フーリンの伝説は有名ですし、その、身体が痺れた後に海へドボンとかは怖いですし。折を見て呼んだほうがいいのかなと」
「あー・・・・・なるほど」
そこにまた参加してくるのはペイルウィングの姿で入ってくるストーム1。藤丸たちのメンツを見て最高戦力の一人であろうクー・フーリンの姿が見えないことに小首をかしげていたが理由を聞いて納得する。一つの神話の頂点といっても過言ではない実力者。間違いなく強く、本人も割り切りや戦略戦術を理解する実力人格共に文句なしの戦士。
ただ、その鮮烈すぎる伝説はあまりにも有名であり、その弱点、ゲッシュを突かれることもある。そこを配慮、加えて呼ぶとしてもそこはタイミングを見てから。その間の守りはマシュが行い、タイミングの見極めは信長が行う。なるほど悪くない。
「イヤッホー! 皆さん! 続けて私も登板! 最強の沖田さんも暴れちゃいますよ~!」
「おー人斬りも来るか。ま、確かに狭い街中で切った張ったをしていた弱小サークルの頭なら大丈夫かのお」
「実際助かるわ。私じゃあ基本兵器がパワーありすぎるからね」
「え~ノッブも来るんですか? 大丈夫です? やたら焼き討ち大好きなノッブに沖田さんたちが使うかもな船を燃やされても困るんですけど~」
さらにそこに来るのは沖田。生前の戦歴も市街戦などの経験を多く経験しているので狭所での戦闘にはなれたもの。病弱による吐血と急なダウンもないのでその天才の剣筋を振るえる。のだが早速信長と煽り合いの勃発。喧嘩するほど仲がいいということでストーム1は止めもせず、面白いものを見たとバイザーの下からくすくすと笑う。
「わしが焼き討ちするのは必要な時だけですぅ~物の価値も戦術戦略も理解できない狂犬集団に言われる筋合いなんてないわ」
「なんですって!? 沖田さんだって隊長として色々考えて戦って来ました~! カルデアでは華奈さんとアルトリアさんが戦術戦略考えるから考えていないだけですよ!」
「はいはい。だったら今は我慢しなさい沖田。この喧嘩をヒートアップしてカルデアの備品一つでも壊したら私が切ります」
「お、アルトリア。用意できたんだ」
「ええ。どうにも胸が大きくなったので服やら諸々の用意で手間取りましたよ」
そこに聖剣を構えながら新たな鎧とバトルドレスをを着こなしたアルトリアも参加。アヴァロンでマシュの治療をするために長く手放していた反動での成長した肢体を包むための新たな装い。具体的には胸がたわわに成長したのでそれに合わせた調整がされている。
やたらめったら自分と同じ顔のやつはぶっころがす考えのアルトリアだが沖田は同僚。そして姉たちと同じとはいかずとも十二分に豊かな胸。聖剣を手にしていて以降ずっと諦めていた自分の望みが一つかなったこともあって上機嫌。ストーム1もそれを感じ、手間取ったといいつつもほほが緩んでいるのを見逃さず嬉しそうに見つめていた。
「ローマに行く時点から成長していたそうですしね。その・・・あの。大丈夫ですか?」
「マシュ。ええ、大丈夫です。私の場合は止まっていた成長が少し進んでいただけですし、今は鞘も持っています。気にせずとも大丈夫ですよ。それよりも、今日の体調は大丈夫ですか?」
「はい! おかげで元気満点です!」
「そっですか。ふふ。これなら頼れますね」
聖剣の鞘をしばらく手放していたことによる不調を心配するマシュに優しく頭を撫でながら微笑むアルトリア。マシュの英霊の正体を知っている人は少し懐かしいものを感じ、それ以外のものもそのほほえましい光景に目を細める。
「ぅぅう~~・・・フラム様・・・これ・・・見せないといけませんかあ・・・?」
「新装備のお披露目ですからね。しっかり見せませんと♪」
そうこうしているとカルデアの技術屋フラムともう一人のマスターにして英霊の戦力の一人、華奈の声が響いてくる。
「はぁ・・・もう。その代わり、今度リクエスト一つ聞いてもらいますからね? えっと・・・皆さん、お待たせしました」
何やらもめているようだがその理由は華奈のその姿を見てすぐに理解した。
何せ白いタイツのようなスーツが肌に張り付いて華奈の細くもメリハリのある肢体を嫌でも強調し、胸元を開けたそのデザインは扇情的。
カルデアにも戦闘服なる礼装はあるがそれを数段魔改造したとしか言えないもの。ぶっちゃけエロゲの衣装やそういう店のコスチュームといわれても仕方ないほどのものに身を包んだ華奈がほほを赤らめながらもじもじとしていた。
「マスター・・・そっちの趣味が?」
「おぉースケベじゃの。これはそそる」
「姉上・・・似合っていますよ」
「これは・・・エロい」
「先輩!? 華奈さんも、何ですかその衣装!?」
さすがにこれにはみんなが凝視し、色々と声を出すせいで華奈はますます縮こまり、膝をついて両手で身体を隠す。
普段は明るく笑顔で振る舞っている分その差は大きく、皆が「ちょっとかわいいかも・・・」と内心思っていたり。
「うぁ・・・も、もう・・・私の礼装です・・・フラムさんたちがカルデア戦闘服の礼装を私ように魔改造しまして・・・大変有用なスキルばかりなのですが・・・ああ・・・もう! 私はやっぱり無理ですよ! やっぱり上から何かを着けてきます」
「どうせそういうと思いまして用意していますよ~ささ、私達からはこれで。ふふ。いいものも見れましたし」
「了解だよフラム。ああ、それと華奈の礼装のデータとその写真は私にもくれたまえ。いい酒の肴になるから」
その視線に耐えきれずに体を起こしてすぐさま移動する華奈と表情を眺めつつご馳走様と手を合わせてそそくさと去っていくフラム。そのフラムが隠し撮りをしていたことを見抜いて寄越せというダ・ヴィンチちゃん。
マスターがそろうことでようやく話が進むかと思いきやむしろ混乱しつつしばらくして鎧に身を包んだ華奈が戻ってきたことでようやく話が進んでいく。
「こほん・・・さて、全員がそろったことで話を進めていくわ。今回の特異点は海。正確には海といくつかの島々がある場所といえばいいでしょうか」
「いわゆる大海原を舞台にすることと、時代は1573年。大航海時代の前後あたりと思えばいいかな。エリザベス一世による統治、欧州のパワーバランスが変わっていった瞬間だろう。そのきっかけが海に関わるものが多いことを踏まえても今回の場所はまた歴史のターニングポイントだね」
「あの人のやり方はすさまじいの一言ですからねえ・・・経済に関しては苦労続きでしたがフランスやスペインに並ぶレベルにまで国を押し上げていったのですから」
ようやく華奈の新礼装による騒ぎが収まり、皆が席に着いたところで今回の特異点の軽い情報。どうにも海で動かねばいけないらしいことやこれまた藤丸たちでも知っている大きな歴史の転換点。当時は二流国だったイギリスがかの女王たちによる努力によって大英帝国となっていく時代。その大きなものが海にある。
自身との結婚を餌にして欧州の戦争によるイングランド征服の優先順位を下げ、かつ結婚を利用して大国同士をぶつけさせるようにするなど自身の価値を十分に利用し、さらにはライバル国の財力を削いだうえで自身の国力のプラスになる方法私掠船を用いて国に優秀な海賊を海軍として組み込むことに成功。
その先にスペインの艦隊すらも打ち破ることでイギリスの強さを示したり陸のシルクロードに変わる海の航海ルートの開発。そこから産業革命や株式システム、植民地システムの土台に芸術でも大きな作品を生み出す国の基盤を作り上げたことからもこの時代の海が特異点になるのにも納得だろう。
「この後にネルソンなどが生まれたり海軍のシステムを作るし、納得じゃの。海軍は百年をかけて成長するもの。なら海賊を軍に組み込んで自身の軍にノウハウを組み込むほうが早いし、わしらもそうしたからのお」
「後々の世に関わるものを多く生み出すその土台を生み出す前の海ですか・・・」
「当然、凶暴で危険な海賊も多い。だからローマのように協力を取り付けても油断はしないようにしてほしいね。華奈も今回は戦力としては前回ほどに活躍できないだろうし」
「私の戦歴は基本陸戦。水軍はジャック将軍やコ―ウェン将軍に任せていたりで基本船は水運に使うくらいですからね」
華奈が戦力として活躍できないということに皆が驚くも、華奈の場合は陸での戦いを多くこなしていたためにそこらへんはうまくいかないと先に言っておく。
「そっか。華奈さんの場合は基本騎馬戦での遊撃、奇襲をメインにしていましたものね」
「でも、いてくれるだけで安心します」
「あらあらまあまあ。ふふ。ま、変に邪魔をしないようにしつつ頑張りますよ」
それでも頼りにしているという藤丸の声に嬉しそうに返す華奈。その間にコンソールをいじっていたロマニからレイシフトOKとのハンドサインが出たので皆は腰を上げてコフィンに入っていく。
「できる限り陸地に飛ばすとはいえ何が起こるかわからない。みんないざという時は令呪で英霊を呼び出して助けてもらったりして生き延びることも考えてほしい」
「私とストームは問題なし、アルトリア様もあの鎧があるのなら大丈夫でしょうし、やはり藤丸様達が問題ですね。ロマニ様、ダ・ヴィンチちゃん様。場所はまあまだしも今回は私たちと距離を開けないようにできれば。そうすれば対処もできましょう」
「オッケー♪ とはいえ、何が起こるかは本当にわからない。いざとなればカルデアからの援軍もすぐに向けるようにはするし華奈も気負い過ぎずに」
「私もいざとなれば行くわ・・・どうか無事で、そして帰ってきてよ皆」
カルデアの技術班、そしてオルガマリーたちに見送られながら華奈たちはレイシフト。次の旅路へと踏み込んでいった。
「目が覚めたら大海原でした。小説でもないスタートですねえ・・・いや、最近ではありますか?」
「言ってる場合じゃないですよ!? おお・・・落ちています!」
「おーちーるー!」
『すいません船坂さん藤丸君! マシュ君! 場所がずれてこうなってしまった!』
カルデアからの声も二人は聞く余裕もなく、空からの自由落下を味わっている藤丸、マシュ。華奈はこのスカイダイビングを楽しんでいるようだがこのままでは藤丸も危ないもので、華奈も手札を切る。
「大丈夫ですよ。おいで。レギア、イネンナ」
華奈がそう呼ぶとすぐさま現れるのは二匹のワイバーン。赤と緑の巨大なワイバーンが藤丸たちの空を飛び、優しく背中にマシュ、華奈、藤丸を受け止める。
「わ、ワイバーン・・・? にしては大きい・・・」
「華奈さんの魔獣部隊のワイバーンですね。レギアとイネンナ。確か偵察と強襲で大変助けたとか。まさかこうして乗れるなんて感激です!」
「ふふ。長く人と関わっているので優しい子たちですよ。で、アルトリア様、ストーム。大丈夫ですか?」
藤丸とマシュの安全を確保したところで今度は自身らの英霊の方に目を向ける。とはいえさほど心配はなく。また英霊たちも全く問題なかった。
「ええ。念のためにとこの鎧を蒸着できるようにしてよかったですよ。カリバーのブーストでは支える手もないですからね」
「うははは! 何その鎧欲しい! なに? 出力なんじゃそれ?」
「この装備だとあんまり重すぎてもダメだけど・・・武装を一つ持たないようにするだけで大丈夫って沖田、軽いわねえ」
「装備も軽いですしね。ありがとうございます。ストーム1さん」
なにやらSFチックな全身鎧に身を包んだアルトリアが信長をお姫様抱っこで抱きかかえ、ペイルウィングのストーム1が沖田を抱っこすることで支えている。最も、ストーム1はもともと飛ぶために重量制限などもある武装のために長くは飛べず、華奈の乗っているイネンナの方に沖田と一緒に乗ることとなるが。
『みんな無事で何よりだよ! 一応、こちらでも観測してはいるけど、大きな島は周辺にはないみたいなんだ。あたりに足となる商船とか、船はないかな?』
「ふーむ。船が見えますが・・・どう見ても海賊船ですねえ・・・一応は交渉してみますが駄目でしたら戦うということでいいですか?」
「私も賛成ですね。女性がほとんどの私たち相手にろくなことをするわけもないですし、何でしたら全員海に落としてから船を姉上の船乗りたちで動かすのもいいとは思いますが」
「一応、そんな感じで行きますか。ストーム、信長様はレギアとイネンナに乗って援護射撃を。私達が交渉に向かいますので」
割とさらりと眼下に見えていた船への接触のプランを練り上げてから船に飛ぶようにレギアたちに指示を飛ばす華奈。
こうして華奈たちの特異点の攻略はまた始まったのであった。
オケアノス編開幕。でもさっくり終わりそう。というか多分ロンドンまではさっくり行きそうです。
ノブって原作でも沖田の動きを読んでいたとはいえ背後からの奇襲をあっさり防いでいたりほんとやばいですよね。今川義元を倒す際に自身も馬を降りて前線で戦ったという話もありますし、浅井を滅ぼす際も馬周り衆で奇襲しかけたり、前線の経験も豊富故にできる技でしょうか。
頼んでいた絵が出来たゆえの再開。これを華奈の礼装にしたかったんですよね。
華奈の礼装のスキルは
魔力譲渡(チャージ式)余剰魔力を常に礼装に貯め込み、必要な際に渡す。ゲームならターンごとに10チャージ。最大50を味方単体にチャージ。
武装転換(ストーム1専用)ストーム1のクラスを条件を無視してクラスチェンジを行う。ゲームだとストーム1以外だとオーダーチェンジ。
重層治療 常に治療魔術を礼装に施すことで傷をいやし続けていく。華奈のスーツ元ネタ対魔忍八津紫の忍術を一部再現。ゲームなら三重治療をイメージしてくだされば
今回書いてみて自分でもこの書き方は難しいと思いましたので次回から対魔忍での書き方を今後やっていこうと思います。どうかご了承を。
それでは皆様また次回まで、さようなら。さようなら。