転生愉悦部の徒然日記   作:零課

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~船上~

メディア「よっしゃ来たわ! さあ華奈。作戦を教えなさい!!」

華奈「元様目を回していますよ・・・まあ、そうですね。ではまずすることですが、この部隊と魔術兵装を用いて・・・」

メディア「ふむふむ・・・で・・・あ・・ー・・・というかね。あの阿保と白歴史しばいた後にそちらの魔術兵装見せてくれないかしら? 発想が面白いし、軍用と民間用で分けられている視点が私達にはないものだわ」

華奈「いいですよ? 作り方もうちの工兵隊長を回しましょう」

ドレイク「敵の方もこっちの存在に気付いたようだね」

黒ひげ「好都合ですぞ。砲撃用意。何時でもぶち込めますなあ」

マシュ「あの、華奈さん・・・私たちはどうすれば?」

華奈「待機。私達が合図をするのでその際にイアソンたちをしばきに行ってください」




ヘラクレス簡単クッキング。はいよーいスタート

 「はははは! 聖杯求めてのこのこここまで近寄ってくれるとはやはり俺は今度こそ天を味方にしたようだ。船の上での戦いなんてなれたものだ。ヘクトール。俺が船を動かす。その飛ぶ槍で敵の足を壊してしまえ、その後はヘラクレスの投擲でぼろ船の一つ二つ楽に壊せる」

 

 

 「あいあい」

 

 

 「そしてメディア。頭数はあるやつらだ。万が一に備えて結界を。とはいえ、すでに仕込んでいたか」

 

 

 「ええ。もちろんですわイアソン様。長く私たちの旅を支えたアルゴー号。相性もいいですし、最高のものを用意できています」

 

 

 船上で私くらいでしょうが聞こえるやり取り。指輪で聴力を強化していますが、なるほどあちらも無策ではないですし、ヘラクレスが最大戦力である分動かすことへのリスク管理もあると。

 

 

 ですがまあ、同時にヘラクレスを動かせばどうにかなる。という感じがひしひしとしますし、相当な信頼、同時に神話でのあの暴れっぷりを生で見ればそうなるかもですねえという感想が素直なものです。

 

 

 まあ、私達はそれを利用させてもらいますけど。

 

 

 「よーいしょ・・・・・もうすぐで着くよマスター」

 

 

 「ん。ありがとうございます。って早速来ますねえ」

 

 

 「・・・しんぱい・・」

 

 

 ストームには一度うちの部隊に武装を渡しておき、ダビデ様のいる岸に着いたところでフェンサーにクラスチェンジ。一緒にアステリオス様とエウリュアレ様も来てもらいましたが、どうにもそわそわして落ち着かない模様。

 

 

 「ヘラクレスが気になります?」

 

 

 「・・・うん・・・ヘラクレス。かなり、つよい」

 

 

 「当然よ。あれが狂って襲うとかオリュンポスの大神たちでも驚くかもなことよ?」

 

 

 「だなー神話の最強レベルの一つだし。だからこそ、ここで俺たちが引き寄せなきゃいけない。確実に勝つために、みんなで笑うために」

 

 

 「! うん・・・!」

 

 

 ストームが背中をポンポンと叩きながらアステリオス様に微笑むと(フェンサーの武装のせいで表情見えないですけど)アステリオス様も笑顔で返して斧を握りしめる。エウリュアレ様は「これだから英雄ってのは・・・」と半ばあきれていますけど。

 

 

 「■■■■!!!」

 

 

 「来ましたか。では、まずは逃げましょうか。ストーム。殿を」

 

 

 「おう。引きながらの槍での反撃はお家芸だ」

 

 

 「アステリオス様とエウリュアレ様は先に移動を。アルトリア様とアタランテ様が待っています」

 

 

 「わかった!」

 

 

 「私をわざわざ引き出したんだもの、勝って来なさいよ! 華奈! ストーム1!」

 

 

 そうこうしていたらヘラクレスがこんにちは。敵の方もアークと女神をここに連れ出す意図を感じたか、つられたか。

 

 

 援護らしいものや魔術支援は筋力強化と敏捷性の気配を見られますし、シンプルにヘラクレスを強くしているものばかり。ただ、ストームもそれを想定してのグレートシールドと最高のスピアを用意しているので反撃しつつ距離を取れている。

 

 

 「ああくっそ・・・! エルギヌスの突進を想起するレベルの一撃って何だこれ! 神話の住人は滅茶苦茶か!」

 

 

 「■■■■■!!!」

 

 

 「大体そんなものですよ! 私も支援しますからゆっくり下がりましょう」

 

 

 私も斬撃を飛ばしてヘラクレスの視界や足場を奪いつつ撤退を開始。さてさて、どうなるか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ほう・・・アタランテとアーク・・・ダビデとやらにアステリオスと女神が合流。更には側にセイバー、アーチャーと思える英霊がいる・・・か」

 

 

 「加えて、現在はヘラクレス様の攻撃を凌いでいるのはランサーと思われる全身黒鎧の男。もう一騎セイバーらしき女性が殿を務めているようです」

 

 

 まだ少女のころのメディアの報告を聞いてふむ・・・とあごに手を当て思考を巡らせるイアソン。宝具と思わしき船と、何やら魔獣種の素材を用いて強化された船。この二隻を使わずに英霊をほぼほぼ半分に割り振っての移動。加えて、そこにアタランテいることを踏まえて

思考を巡らす。

 

 

 「・・・おおよそだが、俊足のアタランテにセイバーとアーチャーにアークと女神を運ばせつつ護衛。アステリオスは今ヘラクレスの相手をしている二騎が倒れた際に迷宮でも生み出すのだろうさ。

 

 どこかで俺たちの情報を手にして船足の勝負ではアルゴー号に勝てないと踏んだゆえのアタランテの足を活かしてどこかに雲隠れする腹積もりだろう。わざわざ船を見せているのは俺たちとぶつかってこれも逃げるための時間稼ぎか・・・」

 

 

 「ええ! 私もそう思いますわ。流石イアソン様です」

 

 

 「はっはっは! そうだとも。それに、何重に足止めをしようがヘラクレスを殺せるものか! たとえ殺せようともそれに耐性をつけてよみがえる英雄! 最強の益荒男!! 迷宮だろうが幾百の英霊が来ようともすべてなぎ倒すさ」

 

 

 「まー実際、更に強化されて盤石を期しているとは思いますがね。此方が倒れては元も子もない。此方はどう動くんで?」

 

 

 英霊数騎にわたる護衛と速度に秀でた英霊が守り、迷宮を生み出す英霊がいることを聞いても何一つヘラクレスの勝利を疑わないイアソン。目の前でいくつもの勝利と、その強さを見てきた故の絶対の自信と、自分の勝利を疑わない驕り。

 

 

 しかしそれも仕方のないこと。失敗したとはいえ聖杯は確保し、アークも補足。そこに女神までわざわざついてきているというのだ。取り逃がした魚が自ら赴いてきた。これに自身の勝利の運命を疑わない程イアソンという男は一度目がくらめば周りが見えなくなり、同時にそれを支えるメンバーも強く諫言をするものがいない。

 

 

 「ふん・・・アルゴー号の結界で対処しつつ俺たちは一度待機。何だったら接舷している場所も使っての守りだ。ヘラクレスは無敵だ。とはいえ、あの不意打ちを見た以上警戒されているのは明白。俺たちがあの船の雑魚どもを連れてしまい逃がすための肉壁を増やせばまた逃がすかもしれない」

 

 

 「なら、おじさんは守りの一人だねえ」

 

 

 「当たり前だ。さっきのへまの分しっかり俺を守れ。とはいえ、まあ攻撃の程は知れているだろうがな」

 

 

 神代の時代の荒波を乗り越えたアルゴー号、そして自分に都合のいい時代のメディア。更には防衛の名手のヘクトールがいる。敵の攻撃なんて大したことはないだろう。そう高をくくった数十秒後。イアソンたちの目の前には大量の鉄の嵐と、神代の魔術弾の雨あられ。そしてその神代の魔術を軍用転用したものに面食らう羽目となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 「撃て! 敵の船粉みじんにするくらいに打ち込んでやりなあ!!」

 

 

 「船舶レ〇プはたまりませんぞ~ほらほら動かないで動かないで」

 

 

 「あぁあああ!! アルゴー号! 私の白歴史もろとも消し飛びなさいよ!」

 

 

 「うーん・・・周りの気迫がすごいことになっているわね・・・コンパウンドボウ部隊用意・・・放て! 私も・・・!」

 

 

 ところ変わって海賊同盟組。メディア、アンナ、銀嶺隊の弓兵部隊を交えた砲撃はすさまじいものとなり鉄の砲弾に魔術、赤雷、ストーム1の武装をエミヤにコピーしたもの、更には魔術兵装の装備が一つの船に飛ぶ。

 

 

 ちょっとした艦隊ならすぐさま海の藻屑に変えるほどの攻撃が飛び込んでいるすさまじい光景を見せていた。

 

 

 『これを耐え凌ぐアルゴー号、そしてメディアさんの若いころからの才能ぶりがわかるね・・・』

 

 

 「これは・・・私の盾でも防げるかどうか」

 

 

 「流石神話の船。対策もばっちりしているというわけだ。で・・・華奈ちゃんからの合図はまだか?」

 

 

 「まだよダーリン。何でも敵が驚いて、こっちに意識を向けてリソースを裂いたところで使うんだって」

 

 

 「マジックジャマ―・・・敵の結界や通信を遮断するための術式が盛り込まれた弓矢。うーん。ほんとあの時代の最先端を行っているんだね」

 

 

 そして、そこにあとで投入する魔術兵装の一つ。マーリンのような魔術師、結界などを用いて守りに入る城や敵陣を崩すために用意した専用の弓矢を見てつぶやく。

 

 

 「アタシらの船にも色々改造してもらいたいぐらいだねえ。そらそら! どんどん打ち込め! 船は守れても動かせやしないだろう!? うちらのジョーカーがあのトンデモ英雄を吹っ飛ばすまではりつけだ!」

 

 

 「人の軍、魔獣の群れ、それさえも統率してきた王の軍、巨人族にオーガの軍。あの島のすべての脅威とぶつかってきたと言っても過言じゃない銀嶺隊。武装はそれこそたくさんあるし、作れるわ。第二・・・マジックジャマ―用意! 華奈たちが動いたわ!」

 

 

 アンナの声を皮切りにコンパウンドボウ、幾つもの銃口、大砲に相手の結界、通信遮断モロモロを詰め込んだ魔術師殺しの武装がこめられ、神代の魔術師でも守りに意識を完全に向けるように仕向けていく。

 

 

 「マシュ、坊や。今のうちに接近するわよ。それとアルテミス様も。ささ、早く乗って乗って」

 

 

 「メディア殿たちのレベルではあのマジックジャマ―の数でも数分くらいしか凌げませんからね。いや・・・数十秒か? まあ、その間にメディア殿の更なる妨害魔術結界を張ってくれれば、うちの大将の渋い策が決まるぜ・・・」

 

 

 「その後に俺たちは切込みを仕掛けて、ヘクトールを足止め」

 

 

 「防衛線に長けた相手を逆に相手取って守り、アルテミスに近づけず、同時に敵の札を一つ潰す。ねえ・・・華奈ちゃん。相当狩り、戦慣れしているなありゃ・・・」

 

 

 「ダーリンが認めるくらいの狩人、軍人ねー・・・あたしの加護、あげちゃおっか?」

 

 

 「本人の許可とろうな?」

 

 

 その間に小舟の船頭を務めるテニールの声でこっそりと降りていくマシュ、藤丸、メディア、オリオン、アルテミス。メディアは話しつつも既に結界を張るための術式を練り上げ始め、テニールも敵の視界に入らないようにと巧みに船を動かして接近。

 

 

 「よし・・・出来たわ・・・行くわよ」

 

 

 術式を練り上げたメディアの結界が薄くアルゴー号を覆う若きメディアの結界よりさらに上に覆う。

 

 

 練り上げた術式は銀嶺隊のマジックジャマ―とは違い、内部からの魔術を結界内の外部に漏らさないようにしたもの。なので船を守る結界自体は維持もできる。だが、同時にヘラクレスの支援は一切できない。

 

 

 これに気づければイアソンたちも策を練れたが鉄の嵐と爆風と爆音。近現代の火器と古代の魔術の暴力にイアソンは混乱し、船もまともに動かせない。船の守りの綱である若いメディアはマジックジャマ―とさらに腕を上げ経験を積んだカルデアのメディアの結界の対処に手一杯になり、気を抜けば鉄の嵐が船を蹂躙される。

 

 

 ヘクトールは奥の手にしては若いメディア一人でどうにかこうにかなっているこの現状と外の情報が入らないことで思案を巡らせる。動きが止まり誰もが虚の時間を作った。そのわずかな時間を生み出した状況はもう一つの場所で大きな戦果を挙げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「ぐぉおお・・・・! うっしゃあ!」

 

 

 「ぐっふ・・・もお。受け流すのだって痺れるのに・・・っ!」

 

 

 「■■■■■!!! ■■■!」

 

 

 「加勢します姉上! ストーム1!」

 

 

 私の合図を見てくれた海賊同盟&カルデア組が砲撃を強めてくれたのを見て、私たちも急いでフィニッシュとしゃれこもうとしているのですが、本当にこの防風を足止めするのは骨が折れます。

 

 

 ストームもスラスター、ブースター全開でぶつかっていってからの至近距離でのキャノンショット、ガリアなどの重砲撃で吹っ飛ばしたり、私も受け流していますが体ごと吹き飛ばされてちょっと口の中を切りましたし、ストームのグレートシールド・・・隕石や大質量の攻撃さえも受け止めるストームの盾さえも少し疲労が見える。

 

 

 幸いなのは合図を見てみんなが動いてくれること。ここで一つ。フィニッシュを決めるべきでしょうかね。正直、この人間台風、いや竜巻? を何度も相手しては腕が馬鹿になって帰ってからの楽しみもなくなっちゃいます。

 

 

 「じゃあ、決めますよ・・・!」

 

 

 「風王鉄槌!」

 

 

 まずはヘラクレスが攻撃するタイミングでアルトリア様がヘラクレスの足場を風王鉄槌で吹っ飛ばしてぐらつかせる。

 

 

 「っ・・・狐火灯籠・・・!!」

 

 

 それでもヘラクレスの振るう特大の石剣はすさまじい威力を秘めている。これを受け流すために私がその剣の軌道の前に出て体ごと使った受け流し技を披露・・・数合ならしていないと本当きついですね。

 

 

 「もういっ・・・ちょぉお!!」

 

 

 「三段突き!!」

 

 

 「■■■■!!!?」

 

 

 そうやって逸らした剣閃をストームが更に身体と盾ごとぶつかっての軌道をいなし、力を幾重にも逸らし、怪物の一撃が緩んだその刀身に叩き込まれる魔剣の絶技。沖田様の宝具が大きく泳いだ岩剣を腕ごと吹き飛ばす。

 

 

 これでもなお自身の筋力で無理やりに開いた腕を引き戻して再度振るおうとするヘラクレスの腕に突き刺さる鉛玉と弓矢。

 

 

 「ふん。わしの弾丸ならこやつの守り、神秘だろうと撃ち抜けるってものじゃ」

 

 

 「しかし、まだ空いている手が・・・!」

 

 

 信長様とアタランテ様の連撃がヘラクレスの剣を持つ手を打ち抜き、更に手を動かせなくする。とはいえ、まだ片手は空いているのと、相手は軍さえも退治できなかった怪物を絞め殺すことさえできた英傑の極みの一人にして最早怪獣と差し支えないパワーの持ち主。まだ残っている手を握りしめてパンチを放とうとするのですが。

 

 

 「うがぁあああああああ!!」

 

 

 同じランク、もしくはそれ以上の怪力を誇るアステリオス様が切りかかってヘラクレスの身体を袈裟懸けに切りつけ、拳を腕でガード。そのまま腕をつかんで力の限り抱き着く。

 

 

 「離さない! はなさないぞ!!」

 

 

 「ふふ・・・さてさて・・・では、賭けの一つ、策の一手を・・・と」

 

 

 足はもつれ気味、武器を持つ手ははじき返されて銃弾、弓矢で傷多数。もう片手はアステリオス様が渾身の力をもって離さない。加えて、最初に攻撃を逸らして以降周りの攻撃や存在の追加で視線がそれた。

 

 

 他のクラスならこれでもダメかもですが、バーサーカー、理性を削がれ、技術も心の置きようも薄れた今ならできる。こっそり後ろに忍び寄り、用意していた短剣で腰にブスリ♂ と突き刺しちゃいます。

 

 

 ヘラクレスの12の命を持つ宝具「十二の試練」これにはBランク以下の攻撃さえも防いでしまうという強烈な防御効果がある。だから普通なら私の、銀嶺隊の武装の一つの短刀なんて普通は刺さらない。剣技も使っていないので尚更。

 

 

 「■■・・・■・・・! ■・・■、■・・・」

 

 

 でも、この策は、用意したものは聞いたようで子の英傑は膝をつき、先ほどまでのあたりにまき散らした戦意も覇気も、殺意もしぼんでいく。

 

 

 『・・・毒だね? しかも魔獣の毒』

 

 

 「ご名答」

 

 

 あの守りに普通の毒は愚か攻撃も生半では通らない。でも、英霊は生前の死因には通用する。ヘラクレスもあの幾つもの試練を乗り越えた後であっても最後は下半身に魔獣の毒を塗られてしまうことで死んだ。ならそれを再現してやればいい。

 

 

 『・・・カルデアのデータベースにはヘラクレスを倒せるほどの魔獣の毒を持つ相手はいなかった。マイガールたちの旅路でもね。一つ、側面を引き出さない限りではあるが』

 

 

 「もう気づかれましたか」

 

 

 「流石にネ。メデューサ。かつてその見たものを石に変える魔眼でサンゴを生み出し、生き血は蠍や毒蛇を生み出したとされるもの。毒の生きものを生み出す逸話が残る。ヒュドラに負けないほどに激烈で、強烈な毒。

 

 

 ただーカルデアのデータで見る限りあのメデューサはまだ怪物ではなく英霊の域にとどまっていた。もらったものからその側面を引き出したと考えるが?」

 

 

 モリアーティー様には少しのヒントでたどり着きましたか。そう。私はかつて冬木でその二騎とぶつかったことがある。加えて、特異点でもキャスターのクー・フーリン様の情報に一部の差異を除けばほぼほぼ過去私「達」が戦った英霊の配置のまま。

 

 

 あれほどの戦力を敵なら利用しない手はないし、特異点に呼び出されている英霊に混じっていたり呼び出される可能性もあった。

 

 

 なのでぐだぐだ特異点でメデューサ様に出会った時は色々交換条件を出してまで血液をおねだりして800mlもらいましたし、ストックも作った。

 

 

 「その通りです。うちの部隊の専属魔術師、そして現代故の世界中の毒の情報を探れるフラム様に現場でもそういう毒の研究を続けていた魔術師、魔術使いと戦ってきた冬利様、咲様。彼らに協力を頼んで二つほどつくらせました。

 

 

 一つは毒の生物を生み出すほど強烈な神代の魔獣の毒。もう一つはあらゆる病、不調を直せる霊薬として改良しました。毒と薬は表裏一体。それを用いでどうにか」

 

 

 まあ、霊薬の方はロマニ様の手助けも合ってですがね。

 

 

 「さすが・・・だ・・・ネッソスの毒よりも・・・堪える・・・」

 

 

 「! ヘラクレス! 狂化が解けて・・・!」

 

 

 「あら。ついでに切っておきましたが、どうにかなりましたね。・・・世界を壊す友人の大馬鹿を手伝いきる前に止めておきましたよ」

 

 

 そうこうしていたら概念を少し切っておいたのでヘラクレスの狂化が切れてくれたのでお話を。光の粒が舞っているところを見れば私は少し切り込みを入れただけですので限界も終わりかけで付与された狂化が外れていきかけているのでしょうかねえ。

 

 

 「ありがとう。イアソンは本当は私が止めるべきだったがそれもかなわず・・・」

 

 

 「大丈夫ですよ。未来をつかまんと戦う若人たちと、お礼参りをしたいとハッスルする海賊たちがしばきまわしてくれるでしょう。あと、過去の行いから怒っているこわーいことになっている魔術師様も」

 

 

 「メディアさん。かつてないほどにブチぎれていましたからねえ」

 

 

 「・・・ははは。彼女がいるのなら・・ますます安心だ・・・時間があれば、謝りたかったが・・頼んだ・・・ぞ・・・」

 

 

 最後に少し苦笑しつつ、にっこりと、優しい笑顔を見せて、あの猛毒に犯されて尚、私たちに後事を託してヘラクレスは退去をした。

 

 

 ・・・まったく。イアソンも本当は彼のこの笑顔や頼もしい言の葉を聞きたかったはずですのに。バーサーカーじゃないと自分の望みを止められるとでも考えたのでしょうかねえ?

 

 

 「ともあれ、バーサーカー、ヘラクレス撃破。・・・合図を送るぞ」

 

 

 「ええ。カルデアの方でも観測されているでしょうけど、こちらの目で見たうえでの合図でより確実にしたほうが」

 

 

 「へらくれす・・・わるいやつじゃ、ない・・・のか?」

 

 

 「ですね。恐らく、狂っていなければこちらと一緒に旅をしていたかもしれないですよアステリオス」

 

 

 「・・・そっか。いっしょにたびを、したかったなあ」

 

 

 退去したヘラクレスの腕の感触を思い返しながらぼんやりとしていたアステリオス様をアルトリア様がポンポンと背中を撫でながら撫でているとイアソンたちの方面であの肉の柱が出現。

 

 

 「しんみりもさせてくれんのかあの肉柱は・・・まったく。人斬り。行くぞ。わしらも早く加勢して聖杯もぎ取って大一番を見に行くんじゃ」

 

 

 「はいはい・・・今回は華奈さんの作戦勝ちですし、力を残せた分アクシデントを潰して首級を稼ぎますよ~」

 

 

 「あの気配は・・・イアソン・・全く。メディアに諭されたか奥の手かは知らんが、私の元船長がああではな・・・手を貸す」

 

 

 いうや早く動き始めた信長様、沖田様、アタランテ様。俊足の面々ですし、私たちもあとを追いかけましょう。しかし、これで決まってよかったです。それが出来なかったらストームのバ火力兵器と信長様の奥の手、私の宝具と枷を外しての連撃、アルトリア様のカリバー乱発。これを叩き込んだうえでアークをぶん投げてヘラクレスにお見舞いする作戦でしたし。使わないでよかったよかった。

 

 

 『やれやれ。また魔神柱の出現だ。マシュちゃんたちとあの海賊コンビ、アン&メアリー、銀嶺隊でぶつかっているが決め手に欠けている。また絨毯爆撃でもぶち込んでしまえばいい』

 

 

 『あの白歴史・・・ろくなことしないで・・・! 私が許可するわ華奈。アルゴー号ごと吹き飛ばして』

 

 

 「了解です。ストーム。奥の手一つ切りますよ。ルシフェルSを」

 

 

 「おっし。ほいマスター。そっちにもバズーカ」

 

 

 「私も行きます。正直、この後の一大決戦のほうが興味ありますし」

 

 

 魔神柱一つでも面倒なので早いところぶっ潰すためにダブルルシフェルSとアルトリア様のダブルカリバーを援護射撃にぶち込めばマシュ様達と信長様達もすぐさま連携を取って勝負あり。

 

 

 この後は悠々とイアソンたちのいる場所に向かいましたとさ。




 メデューサの血。赤いサンゴを生み出した原因だったり、その目で作りだしたりといろいろなものを生み出していますよね。


 華奈、元から使うつもりだったのでそれを利用するためにぐだぐだでは接近していました。これ以外にもいくつかの仕込みを既に始めています。


 最後にちょこっと出したルシフェルS 地球防衛軍2で登場した最終ミサイル兵器の一つ。最初は一つのミサイルですが上空で分離。ダメージ800のミサイルを32発叩き込むという中々のロマンミサイル。上空で分離したミサイルは悪魔の顔っぽく見える軌道を描くそうです。私もなんとなくでしかわかりませんでした。


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