転生愉悦部の徒然日記   作:零課

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皆様あけましておめでとうございます。今年もどうかよろしくお願いします。

色々仕事で気を病んでいたり、モチベ殺されつくされたり、いろいろ大変で筆が進まず申し訳ありませんでした。

まさかの実装が昨年から相次いでびっくりです。リンボをあの自爆軍師で射出することを楽しむ方はどれほどいるのか気になったりしています。


観戦開始

 「ふぅー・・・ようやく一息付けます」

 

 

 「全くだ。あー・・・茶が染みる」

 

 

 魔神柱、もといイアソンとその一派をさっくり始末して、聖杯も確保できたので今は一息休憩。すぐに帰ろうにも、聖杯がもう一つあるのでそれをしっかり回収するためなのと、この度の同盟の約束を果たすことに。

 

 

 「いやーしかし、イアソンとかいうの。ほんと頭は切れるんだろうがなあ。欲にくらんだ目をしておったし、惜しいのお。ちゃんと諫言を強く言える親友、家臣が2人いればまた違ったのかね」

 

 

 「そうかもしれないですねー・・・あのメディアリリイ? さんもイアソンも聞くに互いを見つつも互いを見ていないという感じでしたし・・・あ、オッズ出ましたね・・・ふーむ。これは勝てば今夜は食堂で豪勢なランチを食べられそうです♪」

 

 

 「あー・・・もう、人があんな風に変わる光景は二度と見たくない・・・」

 

 

 「私もです。あ、先輩。観戦弁当の販売が始まりましたよ」

 

 

 『いやいやいやいや! 待ちなさい貴方たち!』

 

 

 その大一番は私達でも入ることは駄目。なので見守ることにしていているのですが、そこに飛び込んでくるのはオルガマリー様の大声の通信。あ、ハチたちも目をしぱしぱさせています。不意打ちでしたからねえ。

 

 

 「どうしましたか?」

 

 

 『どうしましたか? じゃないわよ! なんで! 特異点の問題を倒してあともう一つの聖杯を待つ際に賭博と観戦してんのよ貴方たちは!!!』

 

 

 「え? いやーせっかくの大海賊同士の戦いだぞ? しかもイギリスを大国に押し上げた星の開拓者と海賊のイメージを世界中に決定づけた海賊の中の海賊。それのガチンコ勝負を横やりなしで見られるなんてそりゃあ見るしかないでしょ」

 

 

 「それに約束ですし、見届け役が必要ですから。見ていきましょうよ。世界を変えた海賊と海賊を知らしめた海賊の戦いを。それに、ほら。ご本人たちも快諾している始末ですから」

 

 

 そう。みんなで世紀の一戦。ドレイク海賊団VS黒ひげ海賊団の対決。互いに同盟を結んでイアソンを倒した後に殺し合うと約束していたのでそれの未届けをしつつ。そのバトルを楽しもうと銀嶺隊に英霊の皆さん、そしてメアリー様とアン様も交じって大騒ぎ。

 

 

 ドレイク船長からは「アタシら悪党の戦いが娯楽になってるのならいいさね。ただし、アタシに賭けておくれよ? むしった分でまた酒盛りしてやるのさ、二次会の費用ってやつだ!」 ティーチ氏は「ひと様蹴落として、潰して名誉もへったくれもない拙者たちの戦いが盛り上げられる一大エンターテイナーになるのならモーマンタイ! デュフフフwww あ、ただしジャッジは公正にと横やり厳禁ですぞ」という具合でお互いに自分の勝利に賭けているという盛り上がりよう。

 

 

 「一応船長に賭けたんだ。勝ってもらわなきゃ困るね。あ、そこのメロンソーダとワイバーンリブスティックバケツ詰め頂戴」

 

 

 「私はあえて大穴狙いのドレイクさんですわ。うふふ。勝てれば英霊の座に戻っても遊べますし、どちらかは確実に得しますからね♪ 私は銀嶺印のビールジョッキ2つとワイバーンタコス、フィッシュ&チップスチリソースかけを」

 

 

 うちの部隊が方々で集めたこの特異点の食材と海賊たちがもっていた乾燥させたトウモロコシなどを利用しての料理と出店の数々を出店。そこで皆さん思い思いに料理を頼んでは砂浜にそのまま座ったり流木を椅子代わりにして今も海でドンパチしている二隻の船の戦闘を見て大盛り上がり。

 

 

 ちなみに、一緒に観戦している海賊コンビに関しては「あくまでも船長同士でやりあったほうがいいでしょ」とのことでここに。あくまでもドレイクと黒ひげの双方が生前、今の船乗り同士でしっかり白黒つけてほしいという計らいからだそうで。

 

 

 「さ、藤丸君? お姉さんたちと一緒に食べましょうか~♡」

 

 

 「流れ弾が来ても僕たちが対処してあげる。おいでおいで。ついでにそのハンドガンの整備もサービスしてあげる」

 

 

 「え・・・うおわ!?」

 

 

 「あ、ちょ・・先輩!?」

 

 

 「ますたぁ様に何をしているのですかお二方・・・シャアア!!」

 

 

 「いやー盛り上がっておる。しかしまあ。オッズはドレイクが1,8で黒ひげが1,1。やはり英霊ということが大きいのかのお」

 

 

 「船も船員も宝具。持久戦になれば流石に改造したあの船でもきついでしょうから、ま、皆がそう思っているのでしょう」

 

 

 『あー・・もう。分かったわよ。止めないわ。ただし、聖杯の確保はしっかりしてきなさい華奈、藤丸・・・あと、そこの昼ドラかコメディか知らないけどそこの騒ぎも抑えてね』

 

 

 よこで蛇と海賊が藤丸様をおいしくいただこうとしているのを横目にオルガマリー様の指示に了解と返しておきます。まあ、ほどほどのスキンシップならスルーですけど。

 

 

 その間も海戦は激白。まさしく海の上の要塞といえるほどの頑丈さと火力を誇るティーチ氏の船。ドレイク様の船は改造してまだ日が浅いのにすぐさま乗りこなして軽快な動きと聖杯を使って呼び出す大砲を使っての攻撃でティーチ氏の船の動く先をけん制していくことで攻撃をよけて回る。

 

 

 互いに互いの強みを活かし、火薬と海水のしぶきが舞う。いやはや。私は生涯を通して陸戦、野戦だったのですが、なるほど海の戦いも激しい。

 

 

 同時に感じるのは、この戦いをどちらも楽しんでいるというのがまた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「そらそら! お前らちょうどいい練習だ! これだけ打ち込んで怯まない、壊れない船なんて最高の的。ありったけぶち込んでやんなあ!!」

 

 

 「「「アイアイサー!」」」

 

 

 「姉御ぉ! 敵の方も動きが慣れて来やした! 少しづつ着弾の狙いがずれてやす!」

 

 

 いくら打ち込んでも壊れない。初めて会ってちょっかいをかけられた時と同じように。ただ、それでもそうとわかれば。この聖杯とやらで生み出した大砲で多少なりともダメージを与えられるとわかればやりようがある。

 

 

 「なら一部は帆を狙え! 方向転換と風をつかむ相手の足を無理やりにぶっ叩いて動きを鈍らせろ! ついでにあの馬鹿どもの船員もつぶせ!」

 

 

 華奈たちと集めた素材を使ってより強く、早くできたこの船の小回りを活かして常に動き回り、あのくそ髭野郎の船員を削りつつ、備える。勝利というお宝と、なめた真似した落とし前をつけさせるのなら、多少の手間や手段は問わないさ。

 

 

 宝だって地図や情報を探し、手にし、あるいは相手から分捕ってからようやく手にできる。今はその前準備。

 

 

 「見ろ! 前はアタシらをからかった相手が引っ掻き回されてこっちにゃあたりもしない! もっとからかってやれ! 木偶の棒が何しに来たってなあ!!」

 

 

 ついでに、いえば、これに乗ってくれればこちらもやれることがある。というか、それに乗ってくれないと困る。まあ、ああ見えて切れるやつだし、短い付き合いだがようやくわかった。

 

 

 あのくそ髭、道化を演じる切れ者。アタシへの罵倒は分からんが自身も楽しみつつ煽ったりからかったり欲望を出して、その自身への侮蔑や、評価自体も利用して自分が有利になるようにことに運ぶ。ならま、楽なものだ。無視してやればいい。

 

 

 そら、乗ってきた。後は・・・円卓きっての技術者集団の手が入ったこの船の頑丈さと根性勝負さね!!

 

 

 

 

 

 

 「ん・・・けっ・・・乗らないか。なら、こっちも動かす人手を増やして腕のいい砲手のみ攻撃に回せ、流石にもらいすぎても面白いものじゃねえし、前とは違う」

 

 

 いやー全く、あのBBA・・・一度戦い、華奈氏、拙者たち英霊を理解するや動きを変えてきたのと、こちらをちまちま削ってくる動きに変えてきやがった。

 

 

 こっちの船も決して遅いわけじゃない。むしろ切込み強襲、奇襲の経験を合わせればむしろ早く動ける。そのはずなのだが・・・

 

 

 「華奈氏の・・・銀嶺の手が入ったせいであの船も半ば宝具に近しい。後は・・・拙者たちの経験していた海の数の差ですな」

 

 

 拙者たち新大陸、欧州の海周辺を縄張りにしていた海賊と違い、あちらは星の開拓者、世界一周を成した船長と舟、船乗り。経験してきた荒波も潮も数も質も千差万別を味わっている。だからだろう。この海の海流の流れをつかみ、グレードアップした船、こちらの足を鈍らせることで基礎スペックの差を埋めてきている。

 

 

 だからこそ拙者の船員たちもけが人が増え、一部船に傷がついている。的確に相手の嫌な部分を狙える目利きとそれを実行できる手腕。だからこそスペインの艦隊さえも燃やし尽くして打ち砕いた。なるほど敵に回せば厄介だ。生き残れば勝ちな海賊の考えと戦術指揮官としての才も持ち合わせている。それは一度生き延びさえすれば的確に対策を練って相手を潰せるという強さにもなりえてしまうし、事実今こうして翻弄されているのだ。

 

 

 「クソッ! あいつら調子に乗りやがって・・・!」

 

 

 「その汚ねえ口動かしている暇あるのなら狙いつけろ。でなけりゃ、死んでな」

 

 

 「! は、ハイッ!」

 

 

 更には煽りも入れてうちの船員も動きが鈍る。砲撃の数も絞って砲煙をあげすぎずに狙いをつけやすくして質を上げようとしても狙いきれていない。

 

 

 そして砲手も狙われ始めて手札をじりじりと削られている。拙者の魔力も聖杯がない、華奈氏の料理で補給したとしても限りがある。なら、もう打てる手は限られる。

 

 

 「野郎ども、舵を取れ! BBAの船に切り込んで斬り合いだ!」

 

 

 持久戦は分が悪い。そう考えるも既にあのBBA・・・フランシス・ドレイクは既に俺の船の横っ腹に衝角でぶつかるために動いていた。しかもまあ、ご丁寧に帆と舟が動こうとする方向を邪魔するための砲撃までおまけ付きで。

 

 

 「遅いよ黒ひげ! そら野郎ども切り込め! 今までのうっ憤晴らすときだよ!」

 

 

 「「「アイアイサー!!! 姉御に続けェ!!」」」

 

 

 そしてその船からいの一番に乗り込んでくるドレイク。その声、動き一つで味方を奮い立たせ、敵さえも圧倒する。ああ。美しい。そして気高い。

 

 

 「デュフフフフ・・・! 負けるな野郎ども! 俺たちの船に土足で上がり込んだ阿保ども撃ち殺せ!」

 

 

 「「「ウォオオ!!」」」

 

 

 しかしこちらの方も負けてはいない。船員たちに檄を飛ばし、ぶつかり合わせる。そして、なぜだか示し合わせたように出来た、拙者とドレイクの邪魔の入らない殺し合いの空間。

 

 

 「覚悟はできているね? 黒ひげ」

 

 

 「おあいにく様、これくらいで往生するほどいい性根してませんぞwww」

 

 

 「そりゃそうか。出ないと海賊なんぞしていねえ。なら・・・今から性根ごと叩き潰すのみ!」

 

 

 「望むところですぞ。出来たらの話ですがなあ!!」

 

 

 最高の海賊との一騎打ち。多分ですが、今、拙者一番興奮して、幸せかもしれませんなあ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「む・・・ドレイクが船に切り込んだ・・・船長狙いだろうけど・・・滅茶苦茶するなあ」

 

 

 「あのまま逃げ回って勝利を狙うのもできたのでしょうに・・・いえ。下手に時間を与えるのが性に合わない、あとは何らかの策を練る時間を与えるのを惜しんだのでしょうか?」

 

 

 「まあ、それもいい判断でしょう。船も壊れていませんし」

 

 

 海で起きる迫真の撃ち合いから一転、ドレイク様の船がティーチ氏の船の横に衝突してからの白兵戦に移行。まあ、一撃当たればアウトになりかねないアウトボクシングを続けるよりは密着して台風の目の中で勝ちを狙うのもありということでしょう。

 

 

 私もよく敵陣ど真ん中に突っ込んで弓矢を撃たせないようにしつつ意識を引いて側面から別動隊で敵を潰したりしましたし、ありっちゃあありなんですよね。

 

 

 ここにも聞こえるほどの怒号、怒声、銃声。激しい戦いが繰り広げられるのに一同大盛り上がりしていたのですが、一部は息をのんで推移を見守っていたり、用意していた遠見の水晶や望遠鏡を借りてみています。

 

 

 「うーむ・・・ドレイクと黒ひげ互角か・・・いや、片方生身なんだよな?」

 

 

 「ストームがそれ言いますか?」

 

 

 その中でも人間離れした動きで目立つ二人の人影。ドレイク様とティーチ氏ですが、ストームがそれを言うと違和感が。

 

 

 ローマでお会いしたネロ様もそうですが、生前の英雄はやはり怪物が多いですねえ。そしてドレイク様の周りの部下も倒すというよりは倒れない。大将同士の決着までの時間稼ぎを主にしています。やはりティーチ氏達への攻撃が通るのはドレイク様だけだと理解しているのでしょう。その上で切り込みをやったのですからやはりすごい。

 

 

 おおよそ十分程でしょうか。船の上の戦いが続きましたが、とうとう勝者は決まりました。ティーチ氏の船と、気配、匂いが薄くなりました。

 

 

 「勝負あり・・・星の開拓者は、英霊と人の差さえも乗り越えましたか・・・」

 

 

 海賊同士の頂点のぶつかり合い。それも追え、ここの特異点でのおおよその事は今終わりました。

 

 

 

 

 

 

 「・・・・・・・届かないか・・・まったく。これだからこの女は怖い・・・ははは」

 

 

 「散々てこずらせて、おちょくったと思えば急に素直になったねえ。・・・・・・この船も、あんたと一緒に消えるのかい?」

 

 

 一騎打ち。海賊というよりは騎士同士のような不思議な戦いの勝利は拙者ではなくB・・・ドレイクの方に軍配が上がった。

 

 

 後の時代の技術と、英霊という強みを持っても尚、拙者という荒波をもこの女傑は乗り越えてきたのだ。

 

 

 「まあな、英霊ってのは・・・影法師・・・ちゃんととどめを刺されれば死ぬ。そこはちゃんと人と同じだからなあ・・・」

 

 

 「そうかい。見な。あそこであんたに賭けていた連中と、アタシに賭けていた連中が騒いでいるよ。それと、称賛の声もね」

 

 

 そういって海岸を見れば確かに騒いでいた。銀嶺も、カルデアの小僧たちも、みんなが。海賊の最後なんてようやくくたばりやがったと侮蔑をもらいながら死ぬのが常。だというのにまあ、こんな歓声をもらい、そして最も尊敬した女、船乗りに討ち取られて最期を迎える。全く持って幸せとしか言えない。

 

 

 「わからねえものだなあ。俺たちがこうして扱われるなんて」

 

 

 「ああ。本当にわからないねえ。そしてだ・・・黒ひげ。首は取らないでおいてやる。きっちり首一つまで全部抱えてあの世に行け。アタシはそんなでけえ首抱える気も起きないんでね」

 

 

 「! ・・・ああ。勝者に拒まれちゃあしょうがない。この首はそのまま持って帰ろう」

 

 

 きっと、ドレイクなりの拙者への手向けだろう。海賊の死体なんて弄ばれ、侮蔑のための玩具にされ、使われていくのがオチ。拙者の死んだ後もそうだった。けれど、今は違う。

 

 

 尊敬する相手に敬意を向けられ、むかつく相手をぶん殴ることを手助けしてくれた趣味友たちに称賛をもらい、悪党同士の戦いなのにお祭り騒ぎにして楽しく見てもらえた。全く。何もかもが最高過ぎるというもんだ。

 

 

 「じゃあな、ドレイク・・・最高の旅だったぜ」

 

 

 「ああ。黒ひげ」

 

 

 最後は満面の笑顔を抑えきれずに拙者は退去。あーもう。今度はちゃんと決め顔で逝けるように練習しませんとなー

 

 

 

 

 

 

 

 

 「さーてと・・・これでやることはやったわけだが、アタシ的にはまだやり残したことがある。藤丸」

 

 

 「え? あ、はい・・・?」

 

 

 ティーチ氏の船が消える前に自分たちの船に乗り移り、無事に帰ってきたドレイク様。その後に何かを思い出したのか頭をかきながらドレイク様は藤丸様を呼び、藤丸様も清姫様とアン、メアリー様お二人、マシュ様達にもみくちゃにされていた中どうにか抜け出して歩み寄る。

 

 

 「覚えているかい? 少し前の賭けのさいにそっちが欲しいものを私が欲しいものを用意できなかったこと。今回の同盟の事や、あの海賊とやりあえたことも含めてだ。これなら釣り合うかと思ったが、どうだい?」

 

 

 そういって差し出すのは聖杯。まさか過ぎる。この後どうやってドレイク様から聖杯をもらおうかとしていた問題が一気に解決しました。

 

 

 「あの・・・いいんですか?」

 

 

 「ああ。アタシにとっては商人としての矜持を貫けて、戦友に、恩人に、そして、あの英雄たちとともに入れたお礼だと思えば安いもんだ。で、どうする?」

 

 

 「ありがとうございます。マシュ。保管をお願いしていい?」

 

 

 「はい! ドレイクさん。ありがとうございます!!」

 

 

 藤丸様も聖杯を受け取り、マシュ様の盾の保管スペースにうつす。そうなると、特異点を形作っていた聖杯。そして、ポセイドンの持っていた聖杯。どちらがなくなっても片方があればこの特異点は続いたでしょうけど、その二つがカルデアにあり、そしてイアソンたちも倒した。そうなれば

 

 

 「・・・空が変わった気がする」

 

 

 「潮も変わりましたね。特異点が終わり始めましたよ」

 

 

 この不安定な、歪んだ場所は消え始める。周りにいるメンバーも、海賊の皆さんがちらほら消えていきます。

 

 

 それに対して銀嶺隊の皆さんも握手やハグ、ハイタッチに武器の交換などをしたりして愉快に。最後まで笑顔であほなことを言いつつ消えていきます。いやはや、最後まで心地のいいことで。

 

 

 「あーあ。これで終わりか。でもま、海賊なのに勝利を見届けて、酒と飯を食べながら追われるなんて最高の終わり方だね。ありがとう。カルデアの皆。今度機会があれば僕たちを呼んでほしいな」

 

 

 「楽しい時間をくれましたからね。私達のコンビネーションの真価もしっかりお見せしたいですし。それに・・・この子なら大丈夫そうですから」

 

 

 海賊コンビ組は最後まで藤丸様にベタベタなまま退去。呼んだらさっそく藤丸様は部屋でおいしくいただかれるんでしょうねえ。

 

 

 「ほんと、とんでもないものを見せられたわねえ。世界最古の海賊、アルゴノーツを策で嵌め殺し、最後は海賊同士の打ち合い、私や駄妹がいればもっと面白かったでしょうに。余計なジャマを潰してもっと気楽に楽しめたわ」

 

 

 「で、も・・・すごかった・・・」

 

 

 「・・・そうね。ああ。それとアステリオス。私の護衛。ご苦労様。おかげで楽しく食事もできたし、感謝するわ。ほら・・・失礼。ん・・・相変わらず、大きいわよね」

 

 

 「!  ありがとう。エウリュアレ」

 

 

 

 エウリュアレ様とアステリオスはのんびりお菓子やお酒を飲んでいましたが、退去の時間に。なのでエウリュアレ様は最後にアステリオス様の肩に乗っていたのでちょうどいいやとほほにキス。それをするのと同時に二人仲良く退去。

 

 

 「ギリシャの英雄も倒し、誰一人落伍者なし・・・こりゃ、えげつない狩人も出てきたもんだ」

 

 

 「ねーねーダーリン! 騒ぎも終わったし、二人で愛の逃避行しよ?」

 

 

 「いや、一応今真面目なこと考えているからね? まーいいや。カルデアの皆。お前さんらならこの先もいけるだろう。たくさんの希望を、星を。欲望にも獣性にも負けない輝きを放つ星をかき集めて進め。そんなら、イケるだろ。なんなら、俺ちゃんと今チューして縁を結んで招く? 本来なら頼りになるし。華奈ちゃんとか、マシュちゃんあたりに」

 

 

 「ダ~リ~ン・・・?」

 

 

 「ひえっ!? じゃ、じゃあな! また会える日を楽しみにしているぜ~!」

 

 

 オリオン様がアルテミス様に掴まって顔面がどこかの五歳児みたいに伸びたところで二人そろって退去。うん。相変わらずなのと、とりあえずキスされたり、アルテミス様から何か貰わないでよかったです。ギリシャの場合・・・どう動こうが災難になる場合が多いんですよね。特にあの二人は。

 

 

 「ありがとう。華奈。一度ならず二度も世話になった」

 

 

 「アタランテ様。いえいえ。気になさらずに。そちらがダビデ様を守っていたからこそ策も余裕が出来ましたし、相手もエウリュアレ様を狙うのに本気を使うこともなかったのでしたから」

 

 

 「そうか。なら、今回は私としても気持ちが軽いし、嬉しい。縁があればまた共に戦うことを願っているよ。ただまあ・・・私は今度からどんな目でアルテミス様を見ればいいのだろうな・・・」

 

 

 私と笑顔で握手をした後に、速攻で目のハイライトが消えて退去したアタランテ様。まあ、うん・・・信仰している女神さまのあーぱー具合を見てしまえばああなりますかねえ?

 

 

 

 「僕も帰ろう。ナンパは空振りだけどアークを使わないですんだのは幸いだ」

 

 

 「ったく。贄一つ次第で世界も滅ぼせるってやっぱりダビデ王はやばいのばかり持っているなあ」

 

 

 「そうかな? 僕からすれば君の方が恐ろしいよ。ストーム1」

 

 

 「?」

 

 

 「・・・僕の方は世界が狭かったし、神様の入る時代だった。だけど、君の時代は神様が去り、化学が普及し、世界の形、星の形がすべて知られた時代。それなのに空の向こうから神様のごとき力や攻めを使う相手を一人、あるいは二人、おおくても数十人あるかないかで跳ね返し、生き残ってきた。人の力で。

 

 

 きっとその力はカルデア、そしてその先を進むアビ・・・ではなく狼の助けになるはずだ。頼むよ。嵐の勇者」

 

 

 「おう・・・! お前さんも、すぐアビシャグ連呼してナンパする癖治せば持てるだろうになあ~」

 

 

 「え? そう? なら治してからカルデアに来て真面目にナンパしてカルデアの皆に・・・」

 

 

 あちらはあちらで熱い握手を交わしながら何やらストームがダビデ様にナンパ方法の改善を話し、驚いていたダビデ王が何やら企みつつ退去。うーん・・・来たら大変そうですね。主にロマニ様が。

 

 

 「アタシも頃合いみたいだね・・・はは。あんたらといっしょに旅を続けるの楽しかったが、これで目的・・このいかれた海を抜け出せるわけだ」

 

 

 「ですね。ですが、貴女とも進める海もありましょう。貴方は英雄ですし、だれもが認める相手ですから」

 

 

 「何言っているんだい! アタシらみたいなろくでなし。悪人が認められるってか? 英霊に。ないない」

 

 

 そして、いよいよドレイク様も退去の時間。楽しい旅路が終わろうとしている。その中でまた行けるかもといえば手を振って笑うドレイク様。

 

 

 「それを言えば私だって敵からすれば悪人で、恨みを多く買った女です。ドレイク様も多くの恨みを買っていたり、ろくでもないことをしているから言っているのでしょう?」

 

 

 「まあね。そりゃあ人様に言えないことをたくさんしたし、ろくな最後は迎えないだろうと思うよ。だからこそ今を楽しむわけだし」

 

 

 「そうですね。でも、それほどの感情を多くぶつけられるほどの事をした、だれもの記憶に刻まれたほどの貴女様は同時に認められてもいるんですよ。史に名を刻むほどの傑物だと。これからの貴女様の旅路はきっとそうなりますよ。私が保証します」

 

 

 「・・・ははは! 悪党としてか、商人としてかどうかは分からんが、ならやってやろうじゃないの。英霊となれるほどの旅と人生を続けて、その上であんたらともう一度進んでいく。その上で、もう一度アタシを雇ってくれないか?」

 

 

 にっこりと笑い、キャプテンハットをくるくる回しながら快活に笑うドレイク様。この記憶も消えるのでしょうけど、きっとこの先の旅路でもこんな笑顔で周りを引っ張って、進み続けるのでしょうねえ。そして、この問いかけにも私もこう答えるしかないですよ。

 

 

 「もちろん。その際はカルデアの皆が歓迎するでしょう。どうかよろしくお願いします。ドレイク様。そして、これからの旅路に幸多からんことを」

 

 

 「ああ。円卓の狼の激励。確かに受け取った。じゃあね! またどこかで合おう!」

 

 

 そういってドレイク様も退去。その後に私たちも退去が始まり、全員が無事に帰還。こうして、新しい特異点の方も無事に乗り越えることが出来ました。




これにてオケアノス終了。早いところアメリカに行かせたいですなあ。


???「ほお・・・この困難さえも笑顔で乗り切って、戦い抜く狼に、嵐の勇者・・・それについていくひな鳥たちか。わえも、少し興味がわいたぞ?」

???「あらー神さえも、困難を越えた勇者さえも策にはめ込んで封殺。自然に振る舞っているようで考えているし、この状況の先を見据えつつも潰れない・・・うふふ。ちょっと興味湧いちゃうかも。お姉さんも♪」
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