書いて直ぐ投下したので誤字があるかもしれませんが反省はしません。
吾輩はアイルーである。名前はメメント・モリ。全身を黒い毛で覆う、カギ尻尾が自慢のオトモアイルーである。
数か月前まではモガの村でご主人と共に村付きのハンターとそのオトモとして活動をしていたが、今は何の因果か筆頭オトモなんぞをやっている。
ある日の事、主人が突然『ダレンモーラン見たいからバルバレに行く』と言いだして、あれよあれよと言う間にモガの村を離れる事となった。
そして、新しい地方に行くなら裸一貫でと言う謎のポリシーを語り出し、インナー姿で砂上船に乗り込んだまではまだ良い方で。その船が件のダレンモーランに出くわした辺りから、話は更にややこしくなる。
装備は無くともそこは歴戦のハンター。船に備え付けられた設備を使い、巨大な古龍を撃退してしまって裸の英雄として名が知れてしまう。更に、その船に乗り合わせた旅団の団長に気に入られてしまったのだ。
そうして次の就職先はその旅団――通称『我らの団』と呼ばれる、未知の古龍を探しに行く為に集まった者達の一員となる事に決まる。そのおかげで吾輩はただのアイルーから、『お前今日から筆頭アイルーだから』と言われて転職する事となった。最早、このご主人の理不尽さなど慣れた物である。
そして、その団で暮らす事早数か月。団の者達や筆頭ハンターの仲間達が追い求めていた未知の古龍――ゴア・マガラの秘密を暴き、狂竜症の対抗策を手に入れる事に成功していた。
それに飽き足らず、霊峰の頂にて、団長の追い求めていた純白の龍にも出会い、討伐する事にも成功している。新たに訪れた居場所でも、また伝説を作り上げてしまったという訳である。
それから、様々な伝説と言われた龍や希少なモンスター達。狂竜症に侵された狂竜化モンスターすらもあまたに屠り続けて来た。幾度も死にかけ、それでもご主人は止まらない。
天に食いつける程に巨大な大蛇ダラ・アマデュラも、粘菌を自在に操る爆弾魔ブラキディオスとその亜種も、我輩のご主人は屠り下して来たのだ。
伝説の黒龍とも再会を果たし、武器を変え品を変えての大立ち回りで全身の装備が揃うまで狩り続けていた。防具が揃えば次は武器のコンプリートだと、更に張り切って居た時は流石に黒龍が哀れに思えた物だ。
新たな地方に来てご主人がもっとも喜んだのは、ハンターギルドが新たに開発した二種類の武器の存在である。盾斧と呼ばれるチャージアックスの、盾と剣を組み合わせて斧へと変形させる機構にはロマンを刺激されて喜び。
敵の体からエキスを奪い持ち主を強化する躁虫棍には、戦略の幅広さとジャンプからの攻撃や回避に感銘を受けていた。もちろん、エキス採取の為の猟虫の厳選にもこだわりを見せて大はしゃぎだ。
中でもとりわけ気に入ったのは盾斧の様で、その効率的なチャージ瓶回収やコンボの発見に余念が無かった。『チャージ斬り二回からの納刀チャージからのチャージ斬り二回して属性強化回転斬りからの納刀チャージで変形属性開放斬りしてかーらーのー高圧縮属性開放斬り最高』等と、謎の呪文を言い始めた時は遂に気が狂ったのかと思った程だ。むしろこっちの気が狂いそうだ。
こんなんだが新たな武器を手にしたご主人は、古龍だろうが何だろうが只管に狩りまくり。団の仲間達にも筆頭ハンターの仲間達にも、その実力を認められ一目置かれる存在となったのだ。
そして、そんな英雄的活躍をした人物は今、火山でひたすらにピッケルを振るっていた。
一つ振っては投げ捨てて、二つ振ってはまた投げる。希少鉱石も遥か太古の発掘武器も投げ捨てて、目当てにするのは風化した御守りだ。
一心不乱にピッケルを振るい、わざわざ作り上げた採掘用の為の装備を着こんでまた振るう。掘っても掘っても満足せずに、今日も昨日も明日すら火山には甲高い採掘音が響くのだ。
何がこのご主人を突き動かすのだろう。何が気に入らなくて、豪邸が立つような貴重な物を投げ捨てているのだろうか。発掘される小さな御守りが、完全に風化しきったボロボロのそれに、そんなに価値があるのだろうか。アイルーである我が身では、それは計り知れない。
ただでさえ暑いと言うのに、無益に思える行動には苛立ちが募ってしまう。だから素直に聞いてみた。いったい何故、伝説的な所業を為したアナタがこんな事をしているのかと。
「神オマが出ないんだよ……」
やはり、アイルーである我輩には理解の及ばない世界なのだろう。そしてやはり、我輩のご主人は変人なのだ。
ただ一つ分かる事があるとすれば、この行為はご主人が満足するまで延々と続くと言う事だけだろう。今日も、明日も、カミオマとやらが掘り当てられるまで。
否、もう一つ分かった事がある。
ウラガンキンは炭鉱夫の成れの果てという噂は、絶対に嘘であろう。いまだ、我が主人はウラガンキンにはなっていないのだから。
我輩はアイルーである。名前はメメント・モリ。涼しかったモガの森に、ひたすらに帰りたい。
間隔があいたので前の物と比べると少し違和感があるかもしれませんが反省はしません。