オーバーロード ~天星剣王~   作:zunda312
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遅かった理由 ククルがでなかった。イクサバ・・・心折れた。


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「・・・・失態だ」

嫉妬マスクを付けたアインズは村長に村を助けた報酬として情報を聞いている最中、アインズは自分の行動の愚かさを実感していた。

 

最初に聞いて驚いたのはユグドラシルでは全く聞いた事のない地名の数々。

そして国家間の領土関係の説明を受け、先ほど村を襲っていた騎士がスレイン法国の偽装工作の可能性が浮上し、先ほど生き残りの騎士を全員活かして帰したことを後悔していた。

 

(一人ぐらい捕まえて情報を引き出すべきだった)

アインズは各々の国に対する対応をある程度考えた後、別の思考に没頭する。

自分と同じようにこの世界に来ている可能性があるプレイヤーに関しての事だ。

 アインズ・ウール・ゴウンは悪のロールプレイを是としていたため、相当の恨みを買っていたはずだ。プレイヤーがいた場合敵対する可能性が高い。

それを避けるために、できる限り周囲と敵対することは控え、個人的にアインズ達に恨みを持つ者がいた場合のための対策を練る必要がある。

 

結論として今後の課題として戦闘を見据えての戦力拡大とこの世界の情報収集を重要視する判断をアインズは下した。

そこで、アインズは先ほど村に来たとき最初に遭遇した、人物を思い浮かべた。

 

村長の知っている内容が間違っている可能性も考えられるが、彼女は少なからず第九位階魔法を知っており、プレイヤーの可能性も考えられる。しかし、アインズ・ウ-ル・ゴウンの名を聞いても反応する素振りは無かった。

(プレイヤーで無かったにしても、この世界の情報を村長よりも確実に知っているかもしれない)

「一度、話してみる必要がありそうだ」

「どうかされましたか?」

「いえ、なんでもありません。想定とは少々異なっていましたので、取り乱してしまいました。それより他の話しを聞かせてはいただけないでしょうか?」

「は、はい。分かりました」

 

村長の話はモンスターと呼ばれる存在への話しと変わっていき、冒険者の説明、最寄りの城塞都市、エ・ランテルについての情報を貰った。

ここで一度村長は話しを区切り別の話しを口にする。

「それとなんですが、王国の何処かにはよろず屋というものがあると聞いております」

「よろず屋ですか?」

「は、はい・・ですが、噂程度のもので実際あるかどうかも分からず確証がないため説明が遅くなってしまいました」

「いえ、助かりますよ」

(情報屋の存在が確かならば、この世界の常識や情報を集めやすくなるかもしれない)

アインズはエ・ランテル行って暮らすことを決めた。

 

そのとき、ドアがノックされ葬儀の準備がととの連絡が来たため、ひとまず解散となった。

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・なにそのお面は」

「あまり、村人達を怖がらせてもと思ってのことです」

葬儀が行われている後方でアインズは目的の人物をみつけ近づいた。

「それで、村の周りにいた貴方の仲間は帰ったの?」

「ええ、どうやら思わぬ行き違いがあったようで、帰らせましたよ」

アインズは驚きを消して表には出さずに返答したが、エッセルへの警戒を強めた。

(やっぱりこの人はこの世界では異様なほどに強い・・・やっぱりプレイヤーなんだろうか)

 

 

「そう・・・」

そうつぶやきエッセルは葬儀に視線を向けた。彼女が聞きたいことは終わったらしい。

 

エッセルがプレイヤーであるか聞きたかったが、後ろにいるアルベドにあまり聞かせたくない話しのため、先ほど聞いた別の話題を聞いてみることにした。

「王国に万屋というのがあるみたいなんですがご存じですか?」

アインズの言葉を聞き、エッセルは悩む素振りを見せる。少したった後エッセルは口を開く。

 

「・・・・・・あるよよろず屋」

「本当ですか!」

適当に選んだ質問に思わぬ答えが返ってきたことに多少動揺したアインズだが、表には出さない声が多少大きくなる程度に納めた。

アインズは一語一句聞き逃さないようにエッセルの声に集中する。

 

「・・子供達を助けようとした貴方は、見た目とは裏腹にむやみに悪事を働きそうになさそうだから答えた・・だけど、場所は教えられない、悪いけど自分で探して」

「ええ、あることが分かっただけでも助かりましたよ」

(やっぱりそんなにうまくもいかないか、でもあることが分かったのは大きな進展になる)

 

エッセルはこれ以上話す気はないようで村の方に続く道を歩いていってしまった。

 

 

 

 

 

葬儀に中断されながらも、アインズが周辺のことやある程度の常識を学んだ頃には結構な時間が経過しており、村長の家を出た時には夕日が浮かんでいた。

その間、エッセルはエンリ達と話しており、少しずつだが仲を深めていた。

 

 

「ここですべきことはほぼ終わった。アルベド、撤収するぞ」

「承知いたしました」

返事をしたアルベドはいまだにピリピリとした空気が立ちこめている。アルベドが警戒してる理由は今この村で一人しかいない。

「エッセルは今のところ我々には無害だ、そんなに警戒する必要はない」

「し、しかし!」

アルベドはアインズの護衛であり警戒するなと言われても無理な話である。

エッセルはまだ、聞きたいことがあるが、今聞くことはできず、日を改め一人で来る算段をつけ、村を去る前に村長を探しはじめる。

 

しかし発見した村長は他の村人と真剣な顔でなにや相談しており、緊迫感が漂っていた。

また厄介ごとか。

アインズは舌打ちをするのを我慢しつつ村長のもとに歩み寄った。

 

 

 

 

 

「ご安心を今回だけは特別にただでお助けしますよ」

話しの内容を聞きアインズはそう返答し、こちらに迫ってきている騎兵たちに目を向けた。

 

 

やがて騎兵一行は馬に乗ったまま広場に乗り込できた。

その後アインズと村長の前に見事な整列をみせ、リーダーだと思われる男が進み出た。

 

「私は、リ・エスティーゼ王国、王国戦士長ガゼフ・ストロノーフ。この近隣を荒らしまわっている帝国の騎士たちを討伐するために、村々を回っているものである」

彼の深い声が広場に響き渡り、ざわめきが聞こえ始める。

 

「王国戦士長・・・・」

ぼそりとつぶやく村長にアインズは口を寄せる。

「・・・・・どのような人物で?」

「商人達の話しでは、かつて王国の御前試合で優勝を果たした人物で、王直属の精鋭兵士を指揮する方だとか」

アインズは目を凝らし騎士たちに目をやる、すると確かに王国の紋章が見える。

 

「この村の村長だな」ガゼフの視線が逸れ、村長い向かう。「横にいるのは一体誰なのか教えてもらいたい」

「それには及びません。はじめました、王国戦士長殿。私はアインズ・ウール・ゴウン。この村が騎士に襲われておりましたので助けに来た魔法詠唱者です」

 

アインズはガゼフと会話を続けながら、ふとエッセルが見えないことに気がつく、同時にエンリ達、姉妹もいないとわかり村の奥の方にいると推測した。

(この騒ぎに気がついていないとは思えない・・意図的に避けている?それとも面倒ごとにかかわりたくないだけ?)

 

アインズが思考をやめ話しに意識を戻す。

どうやらガゼフ達はこの村で一泊することになるようだ。

「ではその辺りも踏まえて、私の家でお話出来れば―――」

村長が答えかけたその時だった。一人の騎兵が広場に駆け込んできた。息は大きく乱れ、運んできた情報の重要さを感じさせる。

 

騎兵は大声で緊急事態を告げる。

「戦士長! 周囲に複数の人影。村を囲むような形で接近しつつあります」

 

 

 

 

 

「エッセルさん私達はどうすれば?」

村の家の影に隠れるようにアインズとガゼフの話し合いを聞き、囮になるかのごとく離れていくガゼフを見送りエッセルは姉妹に視線を戻す。

「・・とりあえず村人達は全員彼が魔法を張った家屋に集まるみたい・・貴方達もいきなさい」

「エッセルさんは?」

エッセルが来ないことに疑問を持ったエンリが質問する。

「・・私はもう少しここにいるよ、大丈夫、私は強いから」

エッセルはそう言って、多少笑顔を作り、姉妹を説得し家屋に向けて送り出し移動を開始した。

 

 

 

エッセルは戦闘が見える高台に場所に移動すると共に、付近に潜む兵士を気絶させ王国戦士長達の戦いを観戦していた。

「・・・あの調子だと」

死闘が行われているその戦場で立っている王国軍は戦士長ただ一人。

その戦士長も遂に倒れた、なんとか立ち上がろうとしているが、立てないでいる。

そんな彼に向かって天使たちがにじり寄ってくる。

 

眼の前で殺されるのを見ていられるような人間ではない、エッセルは援護しようと銃を構えるエッセル・・・だが何もせずに銃を戻す。

 

「がああああああああ! なめるなぁあああああ!!!」

雄叫びを上げ、全身に力をこめ立ち上がるガゼフがそこにはいた。

しかし、彼はそこから動くことが出来ない。既に体はとうに限界を超えている。

 

 

エッセルはそんなガゼフを見続ける。

この世界の現状、スレイン法国がどんな考えをもっているのかも知ってる。この介入が後に大事になるのも分かっている。

しかし、既にこの村の姉妹を助けようと介入した。ならば一回も二回も同じこと。

そうしてエッセルはゆっくりと銃を構えた。

 

 

 

ガゼフは既に限界だった。立っているのがやっとであり持っている剣を振ることなど不可能。

しかしガゼフは笑う先ほど敵が話した内容が愚かだと。

「くっ、くく・・・・・くく」

「・・・・何がおかしい」

「・・・グゥッ、愚かなことだ。あの村には・・・俺より強い人がいるぞ。お前達全員でも勝てるかどうか知れないほどの・・まるで、あの武人のように強い・・・・。そんな・・はぁ・・そんな人が守っている村人を殺すなぞ、不可能なこと・・・」

 

 

「・・・王国最強の戦士であるお前よりも? そんなハッタリが通用すると思うのか?愚かきわまりないな」

ガゼフは薄ら笑いを浮かべる。初めてアインズ・ウール・ゴウンという人物に出会った時に、分かったのは自分との圧倒的な力の差だった。

もし、突然眼の前に現れ全力が出しても傷一つ着けられなかったあの武人のような大男と合っていなければ、底知れない男としか思わなかったかもしれない。

 

アインズ・ウール・ゴウンと敵対すれば魔法など使わずとも素手で殺される。そう彼の本能が告げていた。

 

そんな彼にニグンが遭遇したときどのような態度を示すか。それを考えるとあの世への良い土産になると考え。

「・・もう一度・・あの方とお会いしたかった」

そう小さく呟いた。

 

 

「天使たちよ、ガゼフ・ストロノ―フを殺せ」

冷酷な言葉に重なるように無数の翼のはためき。

他の天使よりも急速でこちらに向かって来た3体の天使。

 

ガセフが決死の覚悟で走りだそうとした時・・・・・眼の前で天使は弾け飛んだ。

同時に横から声がかかる。

 

 

――――――そろそろ交代だな。

 

ガセフの視界が変わった。今までいた深紅に染まった草原ではない。土間を思わせる素朴な住居のような光景。

周囲には部下たちの姿が転がり、そして心配そうに見つめてくる村人達の姿もあった。

「こ、ここは」

「ここはアインズ様が魔法で防御を張られた倉庫です」

「そんちょうか・・・・。ゴ、ゴウン殿の姿は見えないようだが・・・」

「いえ、先ほどまでこちらにいらっしゃったのですが、戦士長さまと入れ替わるように姿が掻き消えまして」

 

そうか。頭に響いた声の主は・・・・・。

ガゼフは必死に込めていた力を抜き地面に倒れた。

意識が途切れる直前ガゼフの頭をよぎったのは負けるイメージが一切浮かばないアインズ・ウール・ゴウンと遠くで聞こえた銃声だった。

 

 

 

 

「・・・・私が介入する必要なかった」

エッセルはガゼフと入れ替わるように姿を現したアインズを複雑な表情で見る。

「・・もっと早く出てきても・・・・私も同じか」

そう言ってエッセルは銃をしまい観戦に戻った。

 

 

それは戦争とは言えない一方的なものだった。

その後アインズが転移門で消えるまでエッセルがこの場を動くことはなかった。

 




読んでくださったかたありがとうございます。
また感想くださったかたも感謝です。


これで原作一巻は終了ですかね 駄文で申し訳ありません。



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補足
シェロ畜はでません。
アグニスに救いを・・・・







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