平行世界の最弱の龍が重桜に『保護』されました。これより治療を始めます。   作:八意 颯人

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第7話「平行世界の母との再会」

場所は変わり、横須賀鎮守府(大本営)内部の宿舎(マンション)の一室にて

 

「………只今、和馬に勇人」

 

「お邪魔します元帥に中佐」

 

友伽里と蒼龍は玄関に飾っている若い男と壮年の男性の写真……この世界の『亡き勇人と和馬』に一礼をすると台所から卯の耳を着けた銀髪の女性が二人を出迎う為、玄関に現れ、二人を労う様に優しく微笑みながら言った

 

「お帰りなさい姉様に元帥!今、晩御飯を作っていますので先に風呂に入って下さい」

 

「いつもゴメンね……『飛龍』」

 

「ありがとう『飛龍』」

 

友伽里と蒼龍は空母『飛龍』を精霊化した艦女『飛龍』に申し訳なさそうに言うと、卯の耳を着けた銀髪の女性である飛龍は微笑みながら言った

 

「気にしないで下さい元帥に姉様、元帥のお陰で『他の鎮守府の(同艦)』と比べて女子力が格段に上がりましたので……」

 

「そう言って貰えると嬉しいわ……二人を見ていると、まるで勇人が『この世』に生きて帰ってきた様に見えるわ」

 

「えへへ……嬉しいです」

 

「まぁ私達は女性ですから息子というより娘の方が合っている気がしますが……所で飛龍、三笠大先輩から連絡があった?」

 

蒼龍は友伽里の感謝の言葉に自身の照れを隠す様に優しくツッコミを入れつつ、飛龍に三笠について聞くと飛龍は首を傾げながら答えた

 

「いえ、ありませんでしたが……どうかしたのですか?」

 

「……新人の件の()()を伝えようとしたが留守だったみたいなの」

 

「……集まらなかったのですか……」

 

飛龍は蒼龍の言葉を察し、俯いた表情で呟くと、友伽里は軍服の上着をハンガーに掛け、仏壇の前に座り、線香を添え、二人に言った

 

「……そう言う事よ、もしかしたら佐世保に問題が……」

 

友伽里は心配そうに呟くと飛龍は仕事で疲れ果てた友伽里を労う様に優しく助言した

 

「なら今連絡してはどうですか?今なら出れると思いますよ」

 

「……そうするわ」

 

友伽里は飛龍の助言を聞き、すぐにスマホで三笠に連絡を始めた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして友伽里が帰って来る数分前、佐世保鎮守府では……

 

「あちゃ……よりによって親父まで来るとは……」

 

上城は自身の父の乱入により、三笠達及び勇人が混乱をする事を目に見えて分かっていたのか、頭を抱えながら呟くと上城の父親が驚愕している勇人と三笠達に近付き、優しく言った

 

「お前なぁ……ん?全員どうした?まるで『死人が生き返ったかの様』な驚いた顔になって……」

 

「……言っとくけど親父……『この世界』と『勇人が元居た世界(平行世界)の親父』は既に()()()()()()()んだぞ」

 

「……本当か?」

 

上城の父親が上城に聞き返すと、上城は黙って頷くと三笠と勇人は上城の父親の登場に三笠は混乱し、勇人は死んだ筈の父親が目の前に居る事に感極まって嬉し泣きをしながら質問をした

 

「ちょ……ちょっと待って!!上城殿が御主の事を『父親』と……それに我が知っている上城元帥の旦那様は……この世界の勇人さんと同じく亡くなっている筈だ……」

 

「嘘……父さんが……グスッ……」

 

「……驚かしてすまない、俺は平行世界の君……いや、この馬鹿息子の父親『上城 一馬(かずま)』だ、これが俺の名刺だ」

 

「やはり平行世界の……でしたか……」

 

「本当にすまない……」

 

上城の父親……否、一馬は自身の乱入に三笠達を驚かしてしまった事と勇人を落胆させた事を謝罪しつつ、三笠に自身の立場等を記載されている名刺を渡すと、三笠は戸惑いながら名刺を貰った

 

「こ……これは御丁寧に……ッ!?大本営直属の最高副司令官!?それに元帥だと!?」

 

「それに、胸元に飾ってある2つの勲章は……まさか『大勲位菊花大綬章』なのか!?」

 

「あ……ああ……」

 

「それに、私達の知り合いの中で元帥以外にも『大勲位菊花大綬章』を受賞した人が複数います」

 

「な!?複数も!?一体誰が……」

 

三笠は一馬の肩書きに、加賀は一馬の軍服の胸元に飾ってある一番名誉のある勲章『大勲位菊花大綬章』が2つ飾っていた事に驚くと、一馬は戸惑いながら答えると『艦娘の方の加賀』である『加賀美』は溜め息を軽く吐き、少しドヤ顔になりながら三笠達に一馬以外に『大勲位菊花大綬章』を受賞した人について言った

 

だが、それは三笠達と勇人にとっては『一番あり得ない人物』が受賞していたのだ

 

その人物とは……

 

「元帥以外に受賞者の1人が私の()()であり、()()()()()()()()()が、この前『大勲位菊花大綬章』を受賞しました」

 

「まぁ、そう言う事だ……後、旦那言うな」

 

そう『平行世界の勇人』である上城が大勲位菊花大綬章を受賞していたのだ

 

それを聞いた三笠達は………

 

「…………嘘!?か……上城殿が!?」

 

「……凄すぎる……」

 

「……そんな……」

 

「……アッチの僕のスペック高過ぎますよ!!」

 

「「「「………」」」」

 

……若くして受賞した上城に驚き、文字通り『開いた口が塞がらない』状態になったのは言うまでもなかった

 

上城達は勇人達の様子を見て黙って呆れていると……

 

 

 

 

 

ブーン……

 

ブーン……

 

 

 

「ッ!?我の携帯が……元帥からだ……」

 

三笠の懐からスマホが鳴り響き、三笠は慌ててスマホを弄ろうとしたが……

 

「あ……あれ!?お……可笑しいな……動かない」

 

「動かない?まさか故障か?」

 

……三笠の指にスマホが反応しなかったのだ

 

三笠は自身のスマホが故障したのか、慌てながら上城に言った

 

「……うむ、携帯が反応しないんだ!!」

 

「貸しな……ん?上城元帥……まさかな……」

 

三笠は上城に鳴り響き続けているスマホを渡し、上城は試しに通話モードにする為、指で操作すると……

 

プッ……

 

「もしもし三笠、私だけど新人の件……集まらなかったの……」

 

「……三笠、今後スマホを操作する時は手袋を外せ……多分、手袋のせいで反応しなかったんだ……すまない、さっきまで俺がスマホを修理していたんだ……今三笠に……」

 

上城は電話相手である『上城元帥』という女性に簡潔に言い、三笠に渡そうとすると通話相手である『上城元帥』は上城の声を聞き、驚きながら言った

 

「ッ!?待って!!貴方……何者!?」

 

「佐世保鎮守府の指揮官の候補生の知人だ」

 

「え……知人!?それに……その()……()()()()()()()()……()()()()()……」

 

「ッ!?やべぇ……」

 

「どうしたの?アッチの僕?」

 

「……はいよ」

 

「ん?」

 

勇人は電話相手の言葉に顔を引き釣り、少し焦っている平行世界の勇人(上城)に聞くと、上城はスマホのマイク部を指で押さえ、何も言わず、そのまま勇人に渡すと、一馬は自身の息子が珍しく焦っているのを見て質問した

 

「……誰からだった?」

 

「……平行世界の『お袋』だった」

 

「……それは不味いな……今、俺達の事を知ったら……()()()が此処にカチコミに来るからな……」

 

「上城殿に一馬殿……アイツって?」

 

三笠は二人が言っていた『アイツ』について聞くと、一馬と上城は焦りながら三笠の質問に答えた

 

「……平行世界のアンタ自身であり、俺の育ての母親だ」

 

「……朱里……いや平行世界の君には『アッチの前妻には会うな!』と強く言われているからな」

 

「な!?上城殿も指揮官と同じく『平行世界の我の息子』だと!?まさか、上城殿も平行世界の我に……」

 

「……それじゃ君も僕と同じ『酷い過去』を?」

 

三笠は上城も勇人と同じく『平行世界の自分の息子』だと知り驚愕し、勇人も上城の過去について聞くと、上城は勇人の質問に『半分当たっている』のか、少し眉を潜めながら答えた

 

「ん~……半分正解だな……俺の場合は産みの母親が『ある事』をしでかしたせいで糞上司に弱味を握られ、その糞上司から俺達を守る為に、俺の産みの母親は『わざと』俺達を虐待していたんだ……そんな俺達を助けて貰ったのは母さん……平行世界のアンタに助けて貰ったからな……」

 

「……そうだったのか」

 

「指揮官様とは『ある意味』真逆な人生を歩んでいたのですね……」

 

「……よく精神が崩壊しなかったな……アッチの指揮官は……」

 

三笠と赤城は上城が勇人みたいに情緒不安定にならなかった理由を聞き、納得し、加賀は上城の過去を聞き、上城の精神力の高さに驚くと、加賀の呟きを聞いた一馬が頭を抱えながら言った

 

「ああ……その代わり、子供の時は物凄くグレたんだ……一般人(堅気)相手に恫喝(カツアゲ)や暴行は当たり前に行ったり、そして今も俺の世界の敵国の首相相手に喧嘩を売り、殺してしまう程『ヤンチャなガキ』になってしまったが……」

 

「……だろうな、今の上城さんの立ち振舞いを見れば……って!?て……敵国の首相!?しかし……今の日本は敵国なんて居る筈が……」

 

加賀は一馬の言葉に驚愕し、一馬に質問すると一馬の代わりに加賀美が答えた

 

「それは貴女達の世界だけよ……私達の世界は未だに『C国』と『K国』と対立しているわ……提督は私達を助ける為にK国の首相を暗殺し、C国の政治家の幹部を今後の医療の為に実験材料(ラット)として飼い殺しているのよ」

 

「……この事を『あの子達』が聞いたらトラウマ発症待った無しだな、一応分かっていると思うが……『東煌(とうえん)』の連中にトラウマを埋め付ける様な真似は止めてくれよな?あの子達はアンタ達とは無関係だからな……特に上城さん……今のアンタなら『やりかねない』から……」

 

「……大丈夫よ、提督も、それ位の区別は出来るから安心して……多分……」

 

加賀は平行世界の自分達(加賀美達)にC国籍の艦女の艦隊『東煌』に手を出さない……というより『トラウマを埋め付けるのを止めて欲しい』と懇願すると、加賀美は上城達の性格を理解しているのか、目を反らし、少し自信が無さそうに答えると、加賀は加賀美の呟きが聞こえたのか、冷や汗を流しながら言った

 

「……()()()()()さえ無ければ安心出来たが……本当に頼むぞ……」

 

「ねぇ三笠!!一体どうなっているの!!勇人と和馬に似た声が聞こえるわ、大勲位菊花大綬章とかどうのって……それ以前に無視は止めて!!」

 

スマホで通話相手である上城元帥……もとい友伽里は三笠達に怒鳴ると、上城は今の現状を思い出し、頭を抱えながら言った

 

「……はぁ~……取り敢えず親父と一航戦は元の世界に帰れ、後は俺がやる」

 

「……そうだな、後の事は頼んだぞ」

 

「「……それでは皆さん、失礼しました」」

 

上城は隙間を起動させ三人を元の世界に戻し、神妙な表情になりながら勇人に言った

 

「……アッチの俺、此処からはテメェの口で話すんだ……平行世界とは言え『母親に言いたかった事全て』をな」

 

「……うん」

 

上城は不安になっていた勇人の背中を優しく押す様に優しく言うと、勇人は平行世界とは言え『母親』に拒絶されないか不安になりつつも電話相手である友伽里に言った

 

「もしもし……『平行世界の母さん』……僕は『平行世界の貴女の息子』の勇人です……」

 

「ッ!?本当に……勇人なの!?」

 

勇人は震えながら友伽里に言うと、友伽里は勇人の言葉に驚愕し、勇人に聞き返すと、勇人は平行世界とは言え友伽里に対して『嬉しさ』と『罪悪感』が混み上がり、二つの感情が入り交じっているのか、泣きながら言った

 

「う……うん、だけど、さっきの彼もそうだけど僕は平行世界の貴女の息子だから……この世界の勇人さん本人じゃないんだ……本当に御免なさい……」

 

勇人は自身の罪悪感である『この世界の勇人本人では無い事』を友伽里に伝えると、友伽里は勇人の言葉に自身の感情を抑えているのか、少し声を震わせながら言った

 

「わ……分かっているわ……勇人は、もう10年前に……」

 

「……それは分かっていますが……」

 

「「………」」

 

勇人は友伽里の言葉を聞いて、顔を俯き、二人は沈黙をすると、痺れを切らした上城が怒鳴りながら石川弁で二人に言った

 

「……えーんな(あーもう)!!そないに黙るんなら俺の隙間で平行世界のお袋を呼んでやらぁ!!隙間開放!!」

 

パチン!

 

上城は苛つきながら指を鳴らすと天井に隙間が現れ、そして……

 

「え!?ちょっ!?いきなり落とし穴がぁぁぁ……」

 

モフッ……

 

「「きゃぁぁぁ!!」」

 

「あ!やべぇ!?」

 

バシッ!

 

……天井(隙間)からベットに吸い込まれる様に友伽里が落ち、後から落ちてきた二航戦の二人が近くに居た上城に抱き着く様に落ちてきた

 

「……ってか何故『和装風のバニーガール』が落ちてきたんだ?」

 

「「それを言わn……へ?嘘……何で佐世保鎮守府に……それに……」」

 

上城は落ちてきた二人を受け止め、首を傾げながら言うと、二人は上城の顔を見て驚愕すると三笠は二人の心境を察したのか、簡潔に説明した

 

「……それは上城殿の能力で三人を此処(佐世保)に連れてきたんだ……」

 

「え!?ちょっと待って下さい!!今……彼の事を『上城』と?」

 

「それに……亡くなった中佐が二人も……」

 

「……それについては俺が説明するから、先ずは離せ」

 

「「ッ!?す……すみません……」」

 

上城は二人に呆れながら一喝すると二人は上城に抱き着いている事に赤面しながら謝罪しながら離すと友伽里は上城と勇人を見て今まで抑えていた感情を放つ様に泣きながら二人に言った

 

「本当に……貴方達が平行世界の勇人?」

 

「うん……」

 

「ああ、初めまして……だな」

 

勇人は平行世界とは言え亡くなった母との再会に嬉し泣きをし、上城は色々と複雑な心境なのか、少し戸惑いながら言うと友伽里は二人に嬉し泣きをしながら言った

 

「二人共、此方に来て……」

 

「うん……」

 

「あ……ああ……」

 

二人は友伽里の指示に従い、友伽里の前に移動すると、友伽里は二人を……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ギュッ……

 

「ッ!?母さん?」

 

「……」

 

「……平行世界とは言え、会いたかったよ……勇人」

 

そう、友伽里は感極まって嬉し泣きをしながら抱き着いたのだ

 

「……母さん……」

 

「ッ!?……もう一回呼んで……その『言葉』を……」

 

勇人は友伽里の事を母親と呼ぶと、友伽里もまた嬉しかったのか、もう一度、勇人に懇願すると勇人は完全に吹っ切れたのか、大声で友伽里に言った

 

「母さん!!」

 

「勇人!!」

 

勇人と友伽里は嬉し泣きをし、亡くなった身内の再会を噛み締めるかの様に優しく、そして強く抱きしめた

 

ただ『もう1つの平行世界の勇人本人』である上城は……

 

「……泣けるぜ」

 

物凄く困惑し、戸惑ったのは言うまでもなかった

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