平行世界の最弱の龍が重桜に『保護』されました。これより治療を始めます。   作:八意 颯人

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第8話「事の代償 part 1」

W勇人が友伽里に抱き着かれている頃 上城の世界の舞鶴鎮守府内の食堂にて

 

「……んで、彼方様の艦娘達をフルボッコし、更に『彼方様の優香里』にバレそうになり、そして全ての後始末を勇人に任せて帰ってきた……と?」

 

角は生えていないものの『三笠に瓜二つの顔をし、白い軍服の上にエプロンを着たポニーテールの髪型をした女性』が正座している一馬と上城側(艦娘の方)の一航戦の前に仁王立ちをし、上城達の経緯を聞いたのか、怒りを露にするかの様に眉を痙攣し、正座している三人に低い声で問い質すと、艦娘の方の加賀である加賀美と一馬は仁王立ちをしている女性の怒りに触れない様に挙動不審になりながら答えた

 

「は……はい……()()()()……彼方の艦娘達を大破させた事については私と赤城さんの独断で行いました……」

 

「……すまん()()……これ以上、俺が居たら更に面倒な事になっていたから……」

 

そう、今三人を説教をしている女性こそ『上城の育ての母』であり『()()()()()()()()()()()()』こそ『上城 朱里(あかり)』だったのだ

 

何故、彼女が『三笠の1人』と明記したかと言うと上城の世界では……

 

「まぁまぁ『()()()()()』……折角の宴会なんだし、此処は『お節介焼きの大将』に任せれば……ね?」

 

「……泣けるわね……所で()()、宴会用の酒は?」

 

……そう、上城の世界では三笠が『二人』居るのだ

 

朱里は『もう1人の自分』であり『妹分』である『艦娘の比叡に似た若い女性』……『三笠元帥』に呆れる様に聞くと、三笠元帥は艦娘の力を総動員し、ビール等の酒が入っているであろう山積みになった段ボールを厨房に置くと、三笠元帥は艦娘の力を総動員したせいで少し疲れているのか、一呼吸を置き、同艦である朱里の質問に答えた

 

「ふぅ……大量に買い占めたわ……あ~……肩が痛かった……」

 

「ごめんね、()()()()が終わって忙しい時に呼んで……」

 

朱里は自身の妹分である三笠元帥を労いつつ謝罪すると、三笠は宴会を楽しみにしているのか、胸を踊らせながら言った

 

「気にしないで、大将の元カノが住んでいる異世界の住人達と宴会を行うと聞いて仕事をすっぽかしたの♪」

 

「……『大本営のトップ』であり『海軍元帥』であるアンタが『そんな理由』でボイコットするとは……まぁ良い、残りの仕事は一馬に任せれば良いからアンタも付き合いなさいよ」

 

「言われなくても勝手に付き合うわよ♪ってか、私と立場が違うけど、お姉ちゃんも『海軍元帥』でしょ?……んじゃ『お義兄ちゃん』、休暇が終わったら残りの仕事を宜しくね♪」

 

「今回の後始末を勇人にやらせた罰よ……分かったわね?」

 

「……泣けるぜ」

 

三笠元帥は一馬をからかいながら御願いをすると厨房から見ていた『友伽里をかなり若くした様な金髪の女性』……もとい『勇人を平行世界に漂流させた女性』が呆れながら言った

 

「……ったく、カズは相変わらずミッチャンに尻に敷かれているわね……ねぇミッチャンに三笠さん、今勇人の様子を見に行ったんだけど……アッチは今『収拾が付かない状態』になっているわよ」

 

「収拾が付かないって……何か有ったの?(ゆかり)?」

 

「……あの大将の事よ、どうせ短気起こして録でもない事を起こしたのでしょ?八雲(やくも)さん?」

 

W三笠は『勇人を平行世界に漂流させた女性』こと『八雲(やくも) (ゆかり)』に朱里は少し焦りながら、三笠は上城の性格を熟知しているのか呆れながら紫に聞くと、紫は三笠の予想が当たっているのか、溜め息を吐き、頭を抱えながら言った

 

「……三笠さんの言う通りよ、勇人は『アッチの世界の実の母親』である『上城 友伽里』と『平行世界の勇人(自分自身)』を隙間(能力)を使って強制的に再会させたのよ」

 

「へぇ~♪短気を起こしたとは言え『平行世界の母親』を再会させるなんて、大将も粋なことをするわね♪流石、お姉ちゃんの子よ♪」

 

「……あの馬鹿息子、()()()()()()()をやらかしたわね……」

 

「へ?とんでもない事?」

 

三笠元帥は上城が行った事に対して好評しているのか、微笑みながら上城と朱里に絶賛すると、朱里は上城が行った結果が分かったのか、頭を抱えながら言うと、紫もまた上城が起こした短気(行動)の結末を察したのか、顔を少し歪め、三笠元帥に分かりやすく説明した

 

「……ええ、今『平行世界の勇人』が居る世界……面倒臭いから彼方の世界の艦隊から取った名称『アズールレーン(蒼き海路)』と説明するが、本来アズールレーンにいた勇人は……10年前にセイレーン……『アズールレーン版の深海棲艦』の事だけど、そのセイレーンが作り出したウイルスに感染し、()()()()()()()のよ……これは私の予想だけど友伽里は『アズールレーンの世界に飛ばされた勇人』だけなら兎も角『この世界の勇人』を彼方に滞在させる……いえ、2度と帰れない様に捕まえるつもりよ……そして、この世界の日本の防衛は『救済龍』であり『戦場の狂龍』の異名を持つ『勇人』という『脅迫材料(後ろ楯)』を失う事になるわよ……それはこの世界の日本にとって『()()()()()()』になると思う?」

 

「大将が彼方に拘束されると……ッ!?此方の日本が……()()()()()()()()()()()()()()()()()!お姉ちゃん!今すぐに大将を……」

 

「……そう言う事!紫!すぐに隙間を!」

 

二人は事の重大さに気付いたのか、慌てながら紫に隙間を展開させる様に言うと、厨房から割烹着を着用した若い女性が微笑みながら慌てている二人を窘める様に優しく言った

 

「それに関しては大丈夫だと思いますよ三笠元帥に朱里さん、もし仮に大将が『平行世界の実の母親である友伽里さんに捕まった』としても、すぐに逃げ切れるかと思いますよ……というより紫ちゃんと『同じ隙間が使える大将』を捕まえる事自体が()()()では?」

 

女性は友伽里が上城を捕獲する事が不可能だと結論付けた理由を二人に優しく言うと、三笠元帥は失念したのか、少し安堵しながら呟き、朱里と藤田もまた少し安堵したが『別の問題』が頭に過ったのか、再び焦りながら答えた

 

「……あ!?そう言えば……なら良かった……」

 

「ああ、それなら納得……する訳無いでしょ!『美奈』さん!あの馬鹿息子の事よ!!もし、友伽里が勇人を捕まえようとしたら、勇人の能力が再び暴走し、彼方の世界の全てを壊してしまうわ!!」

 

「そうですよ『間宮』さん!()()()()で一時的に()()()()()()()()()()とは言え、今の提督なら彼方の世界の全てを破壊する事が可能です……だから提督が短気を起こして暴走する前に此方に戻す必要があります!」

 

朱里と藤田は割烹着を着た女性『艦娘 間宮』改め『岡部 美奈』に別の問題である『上城の暴走』を美奈に伝えると、美奈は二人の不安を一掃する様に微笑みながら言った

 

「それについても問題無いと思いますよ♪今の大将は一時的ではありますが『()()姿()()()()()()()』がまだ残っているので暴走する事が出来ませんよ♪」

 

美奈は上城が『暴走しない』否『暴走出来ない理由』である『上城の一時的な身体的後遺症が残っている事』を朱里達に伝えると、紫を除く朱里達は……

 

「「「「……あ!?そう言えばそうだった……なら大丈夫だな」」」」

 

「……勇人が再び短気を起こし、更に悪い方向に向かなければ良いのだが……一応、アッチの状態を隙間に繋げるわ……」

 

「……皆さん、心配性ですね」

 

……納得したのか、手をポンと打ち、紫は再び上城が暴走しないか不安になっていたのか、こっそり隙間を解放した

 

だが、紫の不安が的中……否、予想より斜め上な事が起きるとは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして『勇人の世界』改め『アズールレーンの世界』の佐世保鎮守府にて

 

「勇人……」

 

「母さん……」

 

「……泣けるぜ」

 

「……元帥、上城殿が困惑しているので離した方が……」

 

友伽里は二人を熱く抱擁し、勇人もまた友伽里に答える様に力強く抱擁していると、三笠は上城が困惑しているのに気付き、二人の再会を邪魔した事による罪悪感があるのか、少し控えめに言うと友伽里は困惑している上城を見て優しく問い掛けた

 

「分かったわ……所で『逞しい方の勇人』……『貴方の世界』の私は生きているの?」

 

「……ああ」

 

「……そう、それは良かったわ…………それから私も貴方の事を『上城』と呼べば良いの?」

 

友伽里は『平行世界の自分自身』が勇人と同じ運命を歩んでいなかった事に安堵し、上城に聞くと、上城は少し思考を巡らせているのか、少し唸りながら友伽里に答えた

 

「う~ん……いや、それだと他の重桜の連中が混乱するから俺の事は『博霊(はくれい)』と呼んでくれ」

 

「博霊?だけど貴方の名字も私と同じ『上城』なのに、どうして『博霊』と?」

 

友伽里は上城が何故『博霊』と名乗り直した理由を聞くと、上城改め『博霊』は簡潔に友伽里に答えた

 

「……父方の母……俺の祖母の家元が『博霊』という格式の高い神社の一家だから『宗教的な理由』と『血縁者を残す理由』で本名とは別に『博霊一家としての本名』が付けられているんだ、ちなみに『博霊一家としての俺の本名』は『博霊 飛龍(ひりゅう)』だ」

 

「……そう言う事ね……分かったわ、博霊さん……」

 

「飛龍って……僕と同じ名前ですね♪飛龍さん♪」

 

友伽里は上城(博霊)の説明に納得し、飛龍に関しては上城の『もう1つの名前』が自身と同じ名前に少し驚きつつも、外見が『筋骨粒々で男らしさ全開』の上城(博霊)に一目惚れをしたのか、目がハートになり、暴走した赤城みたいに高揚した表情のまま上城(博霊)に抱き着き、微笑みながら言うと、上城(博霊)自身(艦娘)の方の飛龍と被ったのか、少し苦笑しながら言った

 

「……過度なスキンシップは『艦娘の方の飛龍(ウチの同艦)』と変わらないな……」

 

「ちょ!?コラ!飛龍!!……私だって抱き着きたかったのに……妹がすみません……えーっと……飛龍さん……と呼べば良いのですか?」

 

蒼龍は飛龍のアプローチ(行動)に羨ましそうに一喝し上城(博霊)に謝罪し、妹と同じ名前を持つ上城(博霊)に抵抗があるのか、少し控え目に質問すると、上城(博霊)は蒼龍の思考を察したのか少し微笑み、蒼龍に優しく言った

 

「……言い難かったら上城で構わねぇよ、それに気にして無ぇよ」

 

「……すみません上城さん、飛龍!離してあげなさい!」 

 

「そうですよ飛龍さん、アッチの僕……本当にごめん……」

 

蒼龍と勇人は再び上城(博霊)に平謝りをしつつ、飛龍に一喝すると、飛龍は上城(博霊)と一緒に居たいのか、勇人達に『とんでもない発言』をした

 

その発言とは………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「姉様の命令とは言えとも、嫌なモノは嫌です!!上城さんも指揮官と同じく『この世界』に残って下さい!!」

 

「「「「「ッ!?」」」」」

 

「………はぁ?」

 

……上城(博霊)を自身の世界である『アズールレーンの世界』に在留させる事だったのだ

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