平行世界の最弱の龍が重桜に『保護』されました。これより治療を始めます。   作:八意 颯人

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第10話「勇人を漂流させた功績者(元凶)

三笠達が『勇人が元居た世界の方の三笠』と接触した頃、佐世保鎮守府『緊急作戦室』にて

 

「……チッ、想像してた以上に厄介な事に……」

 

「……ええ、あのセイレーンが見知らぬ連中と手を組むなんて……」

 

「……」

 

上城(博霊)と友伽里そして勇人は朱里が言ってた『セイレーンの連合艦隊』……言わば、()()()()()()()()()()()()()()()()に顔を歪ませ、思考を巡らしていると加賀は先程、紫が言ってた『平行世界』という言葉(ピース)を思い出し、憶測ではあるものの『三笠達が勇人達に嘘の報告した理由』否『セイレーンと手を組んだ連中の正体』が判り、自身の憶測を三人に言った

 

「紫さんが言ってた『平行世界』に『隙間』……まさか!?三笠大先輩達は……指揮官の身を守る為にセイレーンと手を組んだ連中……『平行世界の朱里さん達』と接触した事を私達に悟られ無い様に、わざと……」

 

「ッ!?み……三笠様が……」

 

「だとしたら不味いわね……加賀に博霊さん、今すぐ飛龍を叩き起こして、軽傷の艦女と共に勇人を護衛して!アッチの八雲さんが来る前に!」

 

加賀の憶測に勇人は顔面蒼白になり、友伽里は眉を潜め、上城(博霊)達に命令を出すと、上城(博霊)は余裕の笑みを見せながら友伽里の命令に反論した

 

「いや、今の艦女達はアッチの紫達には勝てない……」

 

「じゃ、どうやって……」

 

友伽里は上城(博霊)の反論に神妙な表情で聞くと、上城(博霊)は、袖を捲り上げ、そのまま結界が張られている隙間の前に移動し、友伽里に言った

 

()()()()()()()()……()()()()だ……紫、準備出来たか?」

 

「……結局は『いつもの()()()()』ね……分かったわ、此方は準備万端よ!」

 

「待て紫、これを勇人に渡してくれ」

 

一馬は紫に『ある物』を渡すと紫は一馬に渡された物を見て「フフッ♪成程ね♪」と微笑みながら受け取ると勇人達は何か『嫌な予感』を察したのか、焦りながら上城(博霊)を止めに掛かった

 

「ま……まさか!?」

 

「ちょ!?アッチの僕!?いくら何でも『それ』は……」

 

「無理よ!それに危険だわ!今すぐ止めなさい!」

 

「……スゥ………」

 

勇人達が感じた『嫌な予感』である『上城(博霊)が結界が張られている隙間の前に移動した()()()()()()()』を察したのか、冷や汗を流し、慌てて上城(博霊)を止めようとしたが、上城(博霊)は勇人達の制止を無視するかの様に構え、そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「………無駄ァ!!」

 

 

 

 

バリーン!!

 

「紫!捕まれ!!」

 

ガシッ!

 

「オッケーよ!」

 

「ドッセイ!!」

 

スポン!

 

「隙間閉鎖!」

 

シュン……

 

……そのまま自身の右の拳で結界を破壊し、そのまま自身の世界に右腕を伸ばすと、紫は隙間から出てきた上城(博霊)の腕に抱き着く様にしがみつくと上城(博霊)は、そのまま紫ごと隙間に伸ばした腕を引っこ抜く様に力強く引くと右腕にしがみついた紫が現れ、紫は慌てて隙間を閉鎖をしたのだ

 

上城(博霊)の『物理的(原始的)な手段』で結界を破壊した事に三人……否、その場に居たアズレン組(勇人達)『全員』が……

 

「「「……もう、全部アイツ一人で良いんじゃないのか?」」」

 

……と驚愕しながら呟いたのは言うまでもなかった

 

そして、上城(博霊)の右腕にしがみついついる紫が何事も無かったかの様に地面に立ち、微笑みながら自己紹介を始めた

 

「皆さん、初めまして……私が『貴方達の指揮官を助けた方』の『八雲紫』よ、お見知り置きを……」

 

「あ……貴女が……ですか……あの時は本当にありがとうございます!お陰で助かりました!」

 

「「「ッ!?貴女が……指揮官(息子)を助けて頂き、本当にありがとうございます!」」」

 

勇人達は慌てて紫に『勇人が、この世界に漂流させてくれた事』の御礼を言うと紫は「気にしないで♪私の気紛れでやった事だから♪」と微笑みながら言うと、上城(博霊)は事を急いでいるのか、少し苛つきながら言った

 

「……紫、今は……」

 

「……分かっているわよ、後、一馬(カズ)から貴方に御褒美(伝言)を預かっているわ……()()と共にね」

 

「サンキュー、んで……親父から?何て?」

 

上城(博霊)は神妙な表情で紫に聞くと、紫は懐から『携帯型高速修復材と書かれている水筒』と『箇条書きで書かれた書類』を取り出し、それを上城(博霊)に渡し、上城(博霊)に『御褒美』をあげるかの様に微笑みながら預かっていた書類を読み上げた

 

一馬から預かった『伝言(御褒美)』とは……

 

「……『海軍元帥として、父親として勅命(命令)を下す、上城大将の特別防衛機密を一時的に解除すると共にセイレーンの連合艦隊を壊滅せよ、ただし平行世界の三笠達は殺すな』……つまり『条件付きではあるが思いっきり暴れて来い』ってね♪」

 

「「「な!?」」」

 

「フッ……」

 

……上城(博霊)の参戦を許可する命令(御褒美)だったのだ

 

アズレン組(勇人達)上城(博霊)の参戦に驚き、友伽里と加賀は一馬の命令に狼狽えながら上城(博霊)に聞いた

 

「ちょ!?博霊さん!?貴方……指揮するだけではく、()()()()()()!?それに()()()()()()!?貴方、何者なの!?」

 

「それに、()()()()()()()()()がどうやってセイレーンに対抗するんだ!?」

 

「……だから平行世界のアンタの息子だって……それに今は()()()()()()()()()()()……盗み聞きは良くねぇな……」

 

「全くよ……」

 

上城(博霊)は自身の特別防衛機密(隠し事)が解除された事に気が楽になり、狼狽えているアズレン組(勇人達)に微笑み、そして紫と上城(博霊)は加賀の後ろに現れている『隙間の亀裂』を見つけ、呆れながら続けて言った

 

「「……『平行世界の()』」」

 

「「「「ッ!?」」」」

 

「チッ!バレたのなら仕方無いわ!此処で死になさい!」

 

「ッ!?アッチの僕!?」

 

「上城さん!!」

 

「……あの馬鹿……」

 

二人は呆れながら加賀の後ろに隙間を展開させた本人である『平行世界の紫(以後 『ユカリ』)』に言うと、ユカリは隙間から現れ、直ぐ様、懐から小脇差(ナイフ)を取り出し、上城(博霊)に向けて刺しに向かったが……

 

ガシッ!

 

「……泣けるぜ」

 

「「「ッ!?ナ……ナイフの刃の部分を()()()()()()!?」」」

 

「ッ!?離しなさい!!」

 

……上城(博霊)は『片手』しかも『素手』でユカリの小脇差(ナイフ)の刃の部分を鷲掴みをし、ユカリの攻撃を止めたのだ

 

上城(博霊)はユカリの行動に呆れ返り、小脇差(ナイフ)を掴んでいる右手の力を徐々に強く握りながらユカリに一喝した

 

「……こんな()()で俺を殺せる訳……無ぇだろ!!」

 

バキッ!!

 

「「「ッ!?握力だけでナイフを()()()()」」」

 

「なっ!?鬼でもさえ破壊出来なかった小脇差(ナイフ)が意図も簡単に……」

 

「……相変わらず凄い馬鹿力ね……アンタ……」

 

紫は呆れ、紫以外『全員』が上城(博霊)の馬鹿力によって小脇差(ナイフ)が破壊された事に驚愕すると、上城(博霊)は呆れながらユカリに言った

 

「……なぁ平行世界の紫、平行世界の母さんと共に帰ってくれねぇか?平行世界とは言え、俺の手違いで身内を殺したくない」

 

「殺す?私を?貴方、面白い冗談を言うわね……私は『妖怪』で三笠さんは『艦娘』よ……()()()()()()()が私達を殺せる筈が無いわ……人間(雑魚)の分際でデカイ口を叩くんじゃないよ……青二才が!」

 

ユカリは上城(博霊)の発言に少し頭に来たのか、少し苛ついた声で言い返すと上城(博霊)と紫はユカリの発言に頭を抱え、上城(博霊)は溜め息を吐き、紫に言った

 

「……ハァ~……紫、この馬鹿を元の世界に返してやってくれ、話にならん」

 

「……そうね、では……招かざる人は、ご退場願いましょ……隙間オープン!」

 

クパァ……

 

「ちょ!?貴女!?隙間展開!」

 

紫は呆れながらユカリの足元に隙間を展開させると、ユカリは紫の隙間に落ちない様に咄嗟に自身の隙間を紫の隙間の上に展開し、その隙間を掴み、焦りながら言った

 

「危ないわね!アッチの私!私を落とs……」

 

「勇人、壊して」

 

「おう……さて!ご退場願おうか!!」

 

パリーン!

 

「ちょ!覚えてなさいぃぃぃぃ!!」

 

紫はユカリの言葉を遮り、上城(博霊)に御願いをすると上城(博霊)もまた指を鳴らし、ユカリが作った隙間を踏み壊す様に踏み潰すと、ユカリの隙間が破壊され、ユカリはそのまま、隙間に落ち、元の世界に帰って行った

 

「………結構深いな、取り敢えず……境府『四重結界』っと……これなら『アッチの紫』は此処に現れる事は、まず無いな」

 

「……そうね」

 

上城(博霊)はユカリが落ちた隙間の深さに苦笑しつつ、再びユカリが現れない様に結界を張ると勇人達は上城(博霊)の化け物染みた行動に驚愕しているのか、開いた口が塞がらない状態になりながらも自身を助けてくれた上城(博霊)と紫に戸惑いながら言った

 

「……す……凄い……僅か数分で……撤退させた……」

 

「博霊さん……貴方……本当に()()なの?妖怪である『彼方の八雲さん』を……」

 

「俺は……ん?待てよ………フッ……」

 

「ん?どうしたの?」

 

友伽里は上城(博霊)の『非常識極まりない方法』でユカリを撤退させた事に驚きつつ、勇人と共に上城(博霊)に聞くと、上城(博霊)は悪巧みを思い付いたのか、悪意丸出しの不敵な笑みを溢しながら言った

 

「それについては『()()()()()()()()()()()()()()()から、そう急かすな……」

 

「ッ!?……成程……ねぇ……アンタ、意外と腹黒い事を考えるわね♪」

 

「お前に言われたくねぇが……分かっていると思うが、()()()()()()()?」

 

「ええ♪勿論♪」

 

「ど……どうしたの?アッチの僕?」

 

上城(博霊)は不気味な笑みを溢し、紫は上城(博霊)が考えた作戦内容(悪巧み)を察し、微笑みながら答えると、勇人は二人の悪意のある不気味な笑みを溢している状態に少し躊躇う様に聞くと、上城(博霊)は笑みを崩さず、勇人の質問に答えた

 

「……『面白い作戦』と『勇人の治療法』を思い付いたんだ……乗るか?」

 

「「「?」」」

 

「え!?僕の()()()!?」

 

艦女達は上城(博霊)の作戦に首を傾げ、勇人は上城(博霊)の治療法について聞くと上城(博霊)と紫は微笑みながら答えた

 

「まぁ今、思い付いた俺なりの荒療治だが……これが成功すれば、ある程度のPTSDの症状が緩和され……」

 

「……彼方の三笠が()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()♪作戦内容を聞く?」

 

二人は三流の悪党臭漂う不敵な笑みを溢しながら勇人達に聞くと、高雄は何となくだが、二人の作戦内容を察し、二人の雰囲気に少し臆しながら答えた

 

「も……もし、それが()()……上城殿が殺されたら……指揮官殿が……」

 

高雄は二人が考えた作戦が失敗……『上城(博霊)が平行世界の三笠に殺される事』を危惧しているのか不安そうに聞くと、上城(博霊)は高雄の不安を一掃する様に微笑みながら答えた

 

「なぁに、()()()()()()()()()訳無ぇよ、ただ息子として『アッチの三笠』に『ドキツイお灸』を添えるだけだからな♪」

 

「そうそう♪それに『私の方の勇人』はゴキブリ並の生命力(しぶとさ)を持っているから失敗する(殺される)事なんて滅多に無いわ♪だから、乗ってみる?」

 

「「「………」」」

 

紫は微笑みながら再度、勇人達に聞くと、勇人達は二人を信用したのか、神妙な表情で答えた

 

「「「……作戦内容を御願いします」」」

 

「……分かった、では作戦内容を言うぞ……」

 

上城(博霊)は勇人達の願いを聞き、微笑みながら作戦内容を勇人達に言った

 

 

 

 

 

 

 

そして……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻 同世界の佐世保鎮守府 警戒海域内にて

 

「……雑魚ねぇ……その言葉、そっくりそのまま返すわよ、アッチの私」

 

朱里は『平行世界の三笠(以後 ミカサ)』の挑発を嘲笑うかの様に微笑みながらミカサに挑発し返すと、ミカサは朱里の挑発に眉をピクリと動かし、少し怒りが籠った低い声で答えた

 

「……ほう、アッチの私は大層な自信家じゃないの……」

 

「……朱里殿、そろそろ我慢の限界が……」

 

三笠は今にも自身の怒りが爆発しそうなのか、殺気の籠った目でミカサを睨み付け、主砲をミカサに向けながら朱里に言うと、朱里もまた自身の怒りが爆発しない様に一呼吸を置き、神妙な表情で怒り心頭の三笠を窘めた

 

だが、それは……

 

「……怒りを爆発したい気持ちは分かるけど、少し落ち着いて……あの『()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()』を懲らしめる方法を考えているから……それに、此処で怒り(感情)が爆発したら相手の思う壺よ……私に任せて……ね?」

 

「「「!?」」」

 

「ちょ!?朱里殿!?そ……それは女子(おなご)として言っては……それに『殿方の主砲』って、破廉恥極まりないぞ!!」

 

「女子?私こう見えて子持ちの母よ、もう子供(ガキ)じゃないわ」

 

「そういう問題ではない!!……聞いている此方が恥ずかしい……」

 

「「プッ!アッチの三笠大先輩やセイレーン達の事を『頭の悪いヤリ〇ン(娼婦)』って……クスス……」」

 

「……教官、一応『平行世界』とは言え『貴女自身』なんだけど……」

 

「あんなヤリマ〇みたいな女共と一緒にしないで、ビスマルク」

 

……セイレーン達とミカサを女性として『卑猥極まりない侮辱発言』をしながら説得したのだ

 

朱里の下ネタが混じった説得に赤城、蒼龍は朱里の下ネタが自身のツボに入ったのか高々と笑い、ビスは呆れ、三笠は自身の貞操概念が古いのか赤面し、狼狽えながら呟きつつも、皆、少しではあるが冷静さを確実に取り戻したのだ

 

そして、それと同時に……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「貴様ァ!!この私を頭の悪い娼婦扱いにして!!許さん!!此処で殺してやる!!セイレーン達!行くわよ!!」

 

「「「ああ!!」」」

 

ミカサとセイレーン達の怒りが爆発したのだ

 

朱里は自身の挑発に乗ったミカサを見て、微笑み、気合いの入った声で三笠達に指示を出した

 

「あら?意外と煽り耐性が無いようね……皆、各自戦闘配置に着け!思う存分、暴れるわよ……さぁ!!掛かって来んかい!『セイレーン達(パチモンの深海棲艦達)』に『ミカサ』!!」

 

「「「「はい(うむ)!」」」」

 

「「「「此処で死ねぇ!!」」」」

 

ドカン!

 

朱里は三笠達に気合いの入った声で攻撃命令を出すとミカサ達は自身が率いているセイレーン達に怒りが籠った声で怒りを奮い起たせる様に命令し、朱里とミカサは互いの怒りをぶつける様に主砲に装填された弾をぶつけ始めた

 

 

 

そして佐世保鎮守府では……

 

 

 

ドカン!

 

「「「!?」」」

 

「……始まった様だな、では始めるぞ」

 

二人の砲撃音が鳴り響くと、上城(博霊)は吸っていた煙草を携帯灰皿に入れ、悪意のある微笑みを溢しながら動き始めた

 

まるで、その『悪意の微笑み』が、この世界に災害をもたらすかの様に……

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