上城が『自身の特別防衛機密』を三笠達に暴露する少し前 勇人が元居た世界の佐世保鎮守府にて
「クッ……みんな……無事か……」
ナガトは先程の粉塵爆発により全身火傷を負っているのか、全身が赤く腫れ上がっている身体に鞭を打つかの様に立ち上がり、皆の容態を確認すると『勇人が元居た世界の方の明石(以降 アカシ)』も爆風によって大怪我を負っているのか、覚束無い手先で催涙弾の配線を弄りながらナガトに報告した
「…………全員『轟沈寸前』……です……特にアカギさんとカガさんは轟沈判定……艦娘として『再起不能』になっています……」
「チッ……今すぐ全員を入渠させろ……アカシ、何か手立ては無いのか……」
ナガトは『上城の宣戦布告』を聞き、アカシに案を求めると、アカシは俯きながらナガトに言った
「……ありません、私も初めてです……平行世界のアイツは『私達が知っているアイツ』と比べて根本的に何かが違うので……そもそもアイツは本当に人間でしょうか……原爆を模した催涙弾を仕掛けるだけではなくユカリさんを再起不能にし、アカギさん達を轟沈させるわ……一体何者なのでしょうか……」
「チッ……平行世界のアイツが、これ程まで頭が切れ、戦闘能力が極めて高い奴だったとは……所でミカサ様は?まだ戻っていないのか?」
「……はい、少し前の情報ですが『平行世界のミカサ樣』と交戦中だと……しかもセイレーンは全滅寸前、そしてミカサ樣自身も彼方に苦戦しています」
「……少し前?何時位前なんだ?」
ナガトはアカシの『少し前』という言葉に反応し、アカシに聞くと、アカシは自身の怪我の痛みに耐えながら答えた
「……あの催涙弾が爆破される数分前です」
「チッ……だとしたら……ミカサ樣は……ん?あの催涙弾から何か聞こえるぞ……」
「フゥ……どうやら繋がった様ですね」
ナガトはミカサが朱里達に殺されないか不安になっていると、アカシが弄っていた催涙弾のスピーカーが、ある程度直り、ジャミングが入るもののスピーカーから『とある音声』を拾い、スピーカーから『とある音声』が流れて来たのに気付くと、ナガトはスピーカーに耳を当て、拾った音声を聞き始めた
その『音声』とは……
「……大丈夫だ三………俺は人間では無く『現人……ジジ……』であり『戦……ジジ……三笠』の『……ジジ……』に『母さんの……ジジ……が入った身体』……言わば『……ジジ……樣』と『…よ……』そして『艦娘の……ジジ……の血』が混ざりあった『か……ジジ……人間』になっているんだ……あのクサレ……ごときに負ける筈が無い……」
「な!?平行世界のアイツは……に……人間ではない……だと!?」
「ッ!?その様ですね……」
……ジャミングのせいで全ては拾えなかったが、上城が三笠達に暴露した『特別防衛機密の内容』だった
ナガトとアカシは上城が『人間では無い事』に驚愕し、ナガトは焦りながらアカシに頼んだ
「アカシ、至急『催涙弾』を復旧してくれ!アイツから情報を盗み聞きをすれば私達にも勝てる見込みがあるはずだ!」
「分かりましたナガトさん、至急復旧に取り掛かりますのでナガトさんは入渠してください!」
「……分かった!」
ナガトはアカシに命令すると、アカシは了承すると共に佐世保鎮守府の中で一番損害の大きいナガトに命令し返すと、ナガトは上城の宣戦布告に苛立ちながら急いで入渠しに部屋を後にした
そして同時刻 『アズールレーンの世界』の佐世保鎮守府 出撃ドックにて
「か……上城殿が……我と同じ『艦船』……いや『艦娘』……に……」
「俺の場合は『艦娘』じゃなくて……ん?『艦船』?『艦女』じゃ無かったのか?」
上城は三笠の質問に肯定しながらも、三笠が言った『艦船』について聞くと、三笠は動揺が大きかったのか、少し混乱しながら答えた
「……艦船は『この世界の艦娘の正式名』だ、だが赤城や加賀みたいに『正式名』に不服のある者は艦船ではなく『艦女』と名乗ってたからな……上城殿が戸惑うのも無理は無い」
「成程……ってか俺からすれば、アンタが今一番戸惑っている様に見えるが?」
「それは御主のせいだ!それに平行世界とは言え『鎮守府の提督』である御主が『艦娘』と共に戦場に赴く事自体、非常識極まりないのだ!!分かっているのか!」
三笠は上城にツッコミながら叱ると上城は三笠の言葉に疑問を抱いたのか、首を傾げながら三笠に反論した
「ん?俺の世界では『千川』や『柏木』、『一馬』、『蘭花』、『優花と由香奈』更には補給艦である『美奈』までもが普通に出撃しているんだが?」
「「「ハァ!?上城さんみたいな人が複数も居るの!?しかも補給艦である間宮まで!?イカれているよ!!上城さんの世界は!!」」」
「ッ!?なん……だと……我の常識が間違っているのか……」
三笠は上城の言葉に衝撃を食らったのか、俯き呟くと朱里は三笠に同情しつつも励ましながら謝罪した
「それは私達の世界だけよ……ごめんなさいね三笠、ウチの馬鹿息子のせいで更に混乱させて……」
「だ……大丈夫だ……問題無い……」
「……泣けるわね」
朱里は三笠の戸惑う姿を見て溜め息を吐き、頭を抱えながら呟くとミカサは上城が『改造人間』だと聞いて『何か良からぬ事』を思い付いたのか、笑みを溢しながら呟いた
「フフフ……成程ね……まさか此処で『あの計画の成功例』がいるなんて……しかもアッチには『成功例』が多数いるなんて……思いがけない収穫だわ……なら……」
「なんだ?気でも狂ったのか?アイツ?」
「それは元からでしょ……それに『計画』?『成功例』?一体何を言っているのよ?」
上城と朱里は突然微笑みだしたミカサに侮辱しながら首を傾げるとミカサは二人の言葉に少し苛ついたものの、上城を脅すかの様に高々と笑いながら『自身の世界の計画』と『殺した後の上城の処遇』を告白した
「……フハハハハ!勇人の弟達は『出来損ない』から『失敗』したが……貴様を殺して解剖すれば『人間を完全に兵器化にする計画』……『人類兵器化計画』が飛躍的に進むからな!!」
「人類兵器化計画って……エヴ〇みてぇな……ん?ちょっと待て、お前……今、弟達を『出来損ないから失敗した』と言ったな……」
「ま……まさか、勇次達は……」
上城は計画のネーミングの悪さに少し呆れたが、ミカサが言ってた『失敗』という言葉を聞いて、勇人は嫌な予感がしたのか、声を震わせ、上城は呆れた表情から徐々に『ある感情』を抑え込む様に神妙な表情になりながらミカサに聞くと、ミカサは二人を精神的に追い込ませるかの様に『勇人の弟達の今の状態』を微笑みながら答えた
その内容とは……
「ああ、勇次なら『アンタに助けを求め』ながら、実験途中で『死んだよ』……ったく、せっかく『裏切り者の艦娘』を使って実験したのに……勿体無い事をしたわ、まぁ人間の命なんてゴキブリの様に多くて軽いから、どうでも良いけど……それに妹達も実験に失敗したが生きているから『慰安婦』として敵国に売り捌いたから、今頃、敵国で野垂れ死んでいるだろうね……これも全部アンタが此処に逃げたせいよ……勇人♪」
「「「ッ!?」」」
「そ……そんな……僕の……せいで……」
「ええ♪しかし愉快だったわ♪最後まで『助けて!兄さん!』と……」
「もう……止めてください……」
「「ッ!?指揮官様!しっかりして下さい!あの女の言葉に耳を傾けないで下さい!」」
「そうよ!貴方は逃げたんじゃないわ!」
「ハァ……僕が……勇次達を……」
……実験材料にされ、人としての威厳を徹底的に破壊され、亡くなっていた事だったのだ
艦船達と友伽里はミカサの言葉に絶句し、勇人はミカサの最後の言葉に自身が弟達を殺した事を知り、膝を着き、強い罪悪感が生まれたのか、全身を震わせ、目の照準は定まらず、顔面蒼白になっていると、赤城と大鳳そして友伽里は勇人に寄り添い、ミカサは更に勇人を追い込ませ様としたが、上城がミカサに『ある感情』をぶつける様に低い声を出し、静かに言った
「……黙れ下種が、テメェの馬鹿みたいな甲高い声なんて聞きたくも無ぇんだよ……そして、平行世界の息子としての最終警告だ……紫、親父に言っといてくれないか?『今回ばかりは命令違反させて貰う』とな……」
ボワッ……
「「「ッ!?上城さんに……赤黒いオーラが……」」」
「ちょ!?アンタ!?何馬鹿な事を言っているのよ!!正気に戻りなさい!」
「「命令?それに、この状態は……勇人!冷静になって!此処でキレたら……」」
「あら?最終警告?随分威勢が良いじゃないか……んで、その警告を無視したら?」
艦船達と友伽里は上城の身体から発せられている赤黒いオーラに驚き、ビスと朱里そして紫は焦りながら直ぐに上城を説得し、ミカサは上城を更に煽る様に余裕のある口調で聞くと、上城は静かに、そして重い声でミカサに言った
ミカサがもし『上城の警告を無視した場合』上城は………
「……此処で死んで貰うぞ……アバズレが……」
……一馬の命令を破り、ミカサを殺す事だったのだ
上城は怒りを露にし、静かに、そしてドスの効いた低い声でミカサに言うと、ミカサは今の上城を見て怒りを煽る様に挑発した
「私を殺す?本当に馬鹿息子だわ……貴様みたいな『ヤクザ風情』が私に勝てる筈が無いわ……それに『ヤクザ』みたいな雰囲気を出しても無駄よ♪『ヤクザ』みたいな事を言わずに、黙って私に殺されなさい♪馬鹿息子♪」
「……『ならず者』か……生憎だが、俺は海軍に入る前は……」
ガシッ!
ブチブチブチブチ……
「「「え!?」」」
「はぁ!?」
「にゃっ!?」
「嘘でしょ……有り得ないわ……」
「……」
上城はミカサの要求を無視するかの様にボロボロになった制服を掴み、破り捨てる様に引き裂くと、上城の身体は上半身裸になり、艦船達と勇人は驚き、友伽里は上城の背中を見て絶句し、朱里とビスそして紫は上城の怒りを察したのか黙って見ているとミカサは声を震わせながら言った
「な!?この背中は……まさか!?」
ミカサは上城の背中を見て驚愕し、上城は自身の怒りが爆発したかの様に『背中のある物』が鮮やかに、そして殺気が籠った荒々しい物を見せながら自身の過去を打ち明けた
その『背中のある物』と『過去』とは……
「そうだ……海軍に入る前は学生であり『極道者』だ……さぁ……始めるか……艤装展開『battle mode aegis ver.2』」
……そう上城は海軍に入る前は普通の高校生であり『極道者』だったのだ
今の上城を表している様な背中の和堀『応龍』が目覚めたかの様に上城は自身の艤装を自身の頭上に発生した隙間で此処に転送し、艤装が落下しながら上城の腰に装着すると、上城の姿は三笠に似た顔付きになり、茶髪のポニーテールに軍服、そして『妖刀 村正』を改造された刀『ムラマサブレード』に三笠と同じ艤装を装着した『女性』になったのだ
「な!?上城殿が……『女性』に!?」
「「「えぇぇ!?どういう原理で性転換したの!?」」」
「………成程ね、これは意地でも回収しないとね……こんな上玉……売れるわ……」
勇人と友伽里そして艦船全員が上城が女性になった事に驚愕し、ミカサは興奮しながら言うと、女性になった上城は殺気をミカサにぶつける様に女性ながらもドスの効いた低い声で言った
「テメェ……生きて帰れると思うなよぉぉぉ!!此処で死に晒せぇ!!!」
「掛かってこい!!直ぐに殺してあげるわ!」
上城は怒りを露にし、ミカサは興奮しながら、互いに向けて剣を交えた
だがミカサは知らなかったのだ……
本気になった上城の恐ろしさを……