平行世界の最弱の龍が重桜に『保護』されました。これより治療を始めます。   作:八意 颯人

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どうも私です。

注意喚起をしますが、この話を食事中に閲覧するのは極力、お控え下さい。

何せ『前話の宴による()()()()』ですから……

『未成年の読者の方々』は意味が分からないと思いますが『二十歳超えの成人の読者の方々』は嫌と言う程『味わっているであろう苦い経験』を表した内容です。

そして今回の章は『彼方(艦これ)の方』みたいにシリアスでダークな内容では無く、キャラクターストーリーみたいに日常系の内容な為、完全なシリアスでは無く『ほのぼの系』や『パロディネタ』もガンガン入れるので宜しくお願い致します。


第2章「新たな指揮官の初仕事」
第19話「佐世保の主治医(マッドドクター)、帰還する」


侵入者騒動から半日後、とある高速道路にて……

 

「………どうしたの天城ちゃん?難しい顔になって?」

 

軍医の男は助手席(となり)に座っている天城が『とある書類』を睨み付けている様な鋭い眼孔で閲覧している様子に首を傾げながら聞くと天城は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()に「う~ん……」と難しい表情で声を唸らせ、思考を巡らせながら男の質問に答えた。

 

「……名前もそうですが、やっぱり似ていますわね。10年前に亡くなった上城中佐に……そして『あの男』にも……」

 

天城は『とある書類』こと『最高機密と書かれている判子が押されている書類』の内容である『勇人に関する身辺情報』を閲覧し、勇人が上城と博霊に似ている事に疑問視している事を素直に答えると男は天城が言っていた『あの男』こと『博霊』について聞いた。

 

「あら?そうなの?所で『あの男』って?」

 

「……実は先程の『ゴキブリの件』で……」

 

天城は先程の『ゴキブリの件』もとい『侵入者騒動の真相』を独断で軍医の男に報告していなかった事を謝罪しつつ説明した。

 

「……という訳です。本当に申し訳ありませんでした……この天城の独断とは言え艦船として『あるまじき行為』を……」

 

天城は自身の独断で行った行為を深く猛省していると男は天城の性格等を完全に把握しているのか微笑みながら答えた。

 

「……中佐に……そして、あの『新米君に似た侵入者』……ねぇ……まぁ別に良いわ。天城ちゃんが逃がしたって事は()()()()()()()()()()()()()()()で入ってきたのを()()()()()()()()()()()?」

 

男は天城を許すかの様に微笑みながら答えると天城は男が許してくれた事に安堵しつつも何故、博霊を逃がした理解を答えた。

 

「はい。暗くて細部までは分かりませんでしたが、あの男は『異物な穴』から出没し、『此処、どこ?』と呟きながら困惑していたので一言入れて御帰り願いました」

 

「……まさか、その『一言』って『ゴキブリに苦内を投げた事』を指しているんじゃないよね?」

 

男は天城の威嚇行為である『苦内を投げた事』に苦笑しながら聞くと天城は微笑みながら答えた。

 

「それも()()()()()……」

 

「あるの!?やっぱり()()()()()()()だわ……やる事が過激過ぎるわ……」

 

「……軍曹、最後まで話を聞いても?それに赤城に『ちゃん付け』は『小さい方』と間違え易いので御止め下さい」

 

天城は男の冗談にムッと軽く苛つきながら聞くと男は「ごめんなさいね……ささっ、続けて」と軽く謝罪しながら話を促せると天城は軽い溜め息を吐きながら話を続けた。

 

「……ったく、それで話を戻しますが……その後『あの男』の行方は分かりませんが、確実に苦内による切り傷を負っていますので多分『彼の血』が何処か残っていると思われますので……」

 

「だから土佐ちゃんを叩き起こし、彼の正体を暴く為に現場に残っているであろう『彼の(DNA)』を探し、それを調べさせたが……あの土佐ちゃんの悔しい表情(カオ)から見て……」

 

男は天城の報告を先読みをし、もう一人の同行者であり後部座席(後ろ)で天城の命令で死ぬ程疲れているのか座席に溶け込む様にグッスリ寝ている加賀を彷彿させる様な銀色の九尾と髪色の艦船『土佐』を見て残念そうに言うと天城もまた『博霊の血』が手に入らなかった事による無念さを抑え込みながら答えた。

 

「……相手も相当『場馴れ』しているのか、汗一つ落ちていませんでした」

 

「……本当に何者かしら?あの『新米に似た男』は……しかも、よく見たら『小動物みたいな可愛い顔』なのに『男の危険な香り』が漂う良い男じゃないの。あの新米君……」

 

男は勇人の写真をチラリと見て少し欲情が湧き、微笑みながら呟くと天城は男の反応に物凄く呆れながら注意した。

 

「……軍曹、御気持ちは分かりますが公私混同は御控え下さい。亡き中佐のお蔭で()()()()()()()は『10年前に世界規模の大量感染(パンデミック)を起こしたウイルス』のせいで男性が急激に減少しただけではなく、その事が()()で今では『貞操概念と男女の立場』が()()()()()()のですよ。もし彼が貴方様みたいな『ソッチの気』が無かったら他陣営に亡命してしまう恐れがあるのですよ。只でさえ重桜の艦船達は『曲者』が多いのに……」

 

「分かっているわよ。それに私は子供の時に感染し、その『ウイルスの()()()』で『性同一性障害』……『身体は男』だけど『中身は生粋の女』になってしまったから、それに関する小馬鹿にした言い方は止めてね……でないと……()()()()

 

男は天城の『ソッチの気(小馬鹿)』発言に少し怒り、先程までの少年染みた高い声から男らしさ全開のドスの効いた低く殺気が篭った声を発しながら警告すると天城は男の殺気にブルッと身体を震わせながら謝罪した。

 

「も……申し訳ございません。この天城、その様な気持ちで言ったつもりではありません……」

 

「……ったく、次は無いわよ」

 

男は天城の謝罪に悪態を吐くと先程まで死んだかの様に寝ていた土佐が男の殺気を感じ取ったのか、寝惚けながらも天城の俯いた表情を見て『侵入者(博霊)の件』だと思い、眠たそうに聞いた。

 

「……ん?どうした軍曹?天城さんが取り逃がした侵入者が再び現れたのか?それとも説教が続いているのか?」

 

「両方違うわよ。それに起こしてゴメンね土佐ちゃん……佐世保に着いたら起こしてあげるから、ゆっくり休んでて……ね?」

 

男は土佐を起こしてしまった事に申し訳無さそうに言うと土佐は「それじゃ、御言葉に甘えて……何か逢ったら起こしてくれ」と言って再び後部座席で横になり仮眠を取ると天城は土佐の寝惚けた発言によって先程の一喝に身体の震えが少し収まったのか何時もの様に物腰の柔らかい口調で男に『この世界の問題』と『その問題と勇人の関連性』について聞いた。

 

「……話を戻しますが、彼は……『指揮官様』は『平行世界の重桜(日本)』から来ているので『この事』を知っているのですかね?重桜以外の陣営(国々)はウイルスの二次災害である『男女の貞操概念等の全てが逆転』している事に……それに亡き中佐が自身の命を費やして精製した『ワクチン』を接種していないとなると……」

 

「……あ!?それは、それで不味いわね。少し飛ばすわよ……アレを接種しないと彼の身体に大変な事が起きるわ!」

 

天城は勇人の身辺情報を参考に『この世界の情勢』そして上城が命を費やしてまで精製した『ワクチン』が勇人に接種していない事を危険視しながら聞くと男は血相を変え、自身の愛車『RX-7 FD3S』に鞭を打つ騎手(ジョッキー)の様に強くアクセルを踏み、そのまま勇人が居る佐世保鎮守府へ向かった……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

3日後、佐世保鎮守府 医務室にて……

 

「うぅ~……頭が痛い……吐き気もする……明石さん、二日酔いの薬を……」

 

「明石、私にも……」

 

「すまぬ明石、我とした事が……」

 

勇人と赤城そして三笠は昨夜まで博霊達と歌えや騒げやの混沌な歓迎会の影響なのか深酒による『軽度の二日酔い』になり頭痛が起きているのか頭を押さえながら明石に言うと、明石は大鳳や瑞鶴等、一部の艦船達が過度な飲酒による『重度の二日酔い』になり、文字通り『阿鼻叫喚』になっている艦船達を治療しつつ呆れ返りながら言った。

 

「……みんな自業自得ニャ。飲むのは良いが、もう少し節度を持って飲んで欲しいニャ。いくら彼方に対抗意識があるとは言え、飲み過ぎで身体を壊したら本末転倒ニャ……それに他の艦娘達なら兎も角、あの()()()()()()()()()()。色々とブッ飛んでいる事位、安易に想像着くニャ()ろ?よって工作艦権限で暫くの間は全員『禁酒』ニャ!!分かったニャ?」

 

「「「……はい。分かりました」」」

 

三人は明石に叱られ、ぐうの音も出ず只々申し訳無さそうに俯いていると何故か宴会の影響が無かった翔鶴が勇人と三笠は兎も角、あの赤城が明石に叱られている様子を見て少し悪意のある笑みを溢しながら赤城に言った。

 

「あら~♪あの『赤城先輩』が明石ちゃんに叱られているとは……一航戦で名高い貴女が指揮官の前で、こんな『醜態』を晒すなんて……ねぇ……」

 

「お……おはようございます翔鶴さん……気持ち悪い……ウプッ……」

 

「……チッ、何故『悪運の塊みたいな貴女』が二日酔いにならなかったのよ……」

 

勇人は二日酔いによる吐き気を我慢しつつ翔鶴に挨拶をし、赤城は翔鶴の悪態に舌打ちをし、悔しそうに呟くと翔鶴は赤城の呟きを聞いて赤城を小馬鹿にする様な悪意丸出しの笑みを溢しながら答えた。

 

「フフフ♪それは簡単な事ですよ♪初日こそはベロベロに酔いましたが2日目からは自粛(休肝日)も兼ねて給仕(ホステス)として回っていた事もありましたが一番大きかったのは『上城さんの方の(翔鶴)』は『下戸』だったから、少し酒を御酌しただけで直ぐに酔い潰れましたので二日酔いには、なりませんでした♪まぁ『彼方の妙高さんと足柄さんと瑞鶴』にこっぴどく叱られましたが……」

 

「……意外と強かな艦船(オンナ)ね……寄りによって『彼方の同艦(藤田様)』が『大食漢』ならぬ『大食娘』で『蟒蛇』だったとは……」

 

翔鶴は微笑みながら何故、二日酔いにならなかった理解を簡潔に答えると赤城は悪態を吐き、三笠は二日酔いによる頭痛に耐える様に頭を押さえながら翔鶴と勇人に命令した。

 

「うぅ~……頭が痛い……なら翔鶴……今日1日、明石の補助に回ってくれ……このままじゃ業務に支障が出るからな……そして指揮官、少々酷かも知れないが我と共に初仕事を行うぞ……ッ!?……無理、吐きそう……」

 

「ご……御指導の程、よ……宜しくお願いします……あ……赤城さん、ご……ゴミ袋を……2つお願い……します……もう……無理……っぽい……」

 

「ちょ!?指揮官様に三笠大先輩!?此処で吐いたら私に被害が!?少々お待ちを!!翔鶴!二人を別室に!!」

 

「分かりました!!二人共、此方へ!!」

 

勇人と三笠は我慢の限界なのか頬を膨らませ、口を押さえながら言うと赤城と翔鶴は焦りながら二人を別室に向かわせようとした途端、場内アナウンスの電源が入り、アナウンスの声である愛宕と高雄が二日酔いによる吐き気に耐えながら場内に居る全員に報告した。

 

「うぅ~……鎮守府に……ウップ……軍曹と天城さん、そして土佐が、ちゃ……着任……しました……これより………ッ!?……もう無理、高雄ちゃん、後は宜しく!!

 

ちょ!?拙者に託されても……まぁ以上だ……き……気持ち悪い……吐き気もする……」

 

キンコンカンコーン……

 

「ゲッ!?こんな時に天城姉様と土佐が!?」

 

「しかも研修(大湊)に行っていた軍曹まで……最悪ニャ」

 

「ん?ど……とうしたのですか皆さん?」

 

勇人は高雄と愛宕の放送内容を聞いて嫌そうな表情になっている赤城と明石を見て二日酔いによる吐き気に耐えながら聞くと二日酔いによる『満身創痍』になっている日向がゾンビの様に這いつくばりながら答えた。

 

「し……指揮官……い……今すぐ吐いて……酔い止め薬を服用するか……上城さんを呼んでくれ……マジでヤバい……」

 

「吐くって……どっちの方?それに博霊さんを呼ぶ程、ヤバい事なのか!?」

 

勇人は日向がアドバイスした『吐く』という意味を『最高機密を暴露する事』か『文字通りの意味』のどちらかについて聞くと日向は自身の吐き気に耐えながら答えた。

 

「何を言ってんだ。ゲロの方だ……早くしないと軍曹に『治療』と言う名の『実験台(ラット)』にされるぞ……」

 

「う……うん。分かった……明石さん、酔い止め薬を……」

 

「分かったニャ!上城さんについては明石が連絡するから三人は早くトイレに行ってくるニャ!翔鶴、指揮官と赤城そして三笠の介護を御願いするニャ!」

 

「わ……分かったわ!」

 

勇人は明石から酔い止め薬を貰い、翔鶴に介護されながら赤城と三笠と共にトイレに向かうと明石はポケットから小さな陰陽球のストラップが着けられたスマホを取り出し『(艦これ)の世界』に帰っている博霊に連絡した。

 

「……もしもし重桜の明石ニャ!上城さん!ヤバい事が起きたニャ!!今すぐ重桜(こっち)に来て欲しいニャ!!」

 

明石は焦りながら博霊に言うと博霊もまた危機的状況に陥っているのか声を荒げながら答えた。

 

「無理だ!!此方も今、ヤバい状況になっているんだ!!」

 

「ニャんと!?上城さんの所も!?ちなみに今、どういう状況ニャ?簡潔に教えて欲しいニャ」

 

明石は『博霊の所も此処と同じく二日酔いによる阿鼻叫喚な状態』になっていると思いながら聞くと博霊は焦りながら答えた。

 

兄弟分(ダチ)がドイツで撃たれたから治療しに向かっているんや!!今、急いでいるから切るぞ!!」

 

「ド……()()()!?それに()()()()!?りょ……了解ニャ……忙しい時に電話してゴメンニャ……」

 

明石は博霊の状況が此処以上に危機的状況に陥っている事を理解し、申し訳無さそうに通話を切ると日向は明石の落ち込んだ表情を見て不安そうに聞いた。

 

「ど……どうだった明石?」

 

「……駄目ニャ~……アッチの世界は今、此処以上に修羅場になっているニャ。しかも人命に関わる程『酷い状況』ニャ……上城さんについては絶望的ニャ……」

 

明石は肩をガックシと落としながら答えると日向は「まぁ、そうなるな」と明石の表情と会話内容から見て予想通りの結果になった事で少し落ち込むと先程到着したであろう『軍曹と呼ばれた若い男』と『天城』そして『土佐』が入り、医務室が阿鼻叫喚な状態になっている事に驚きながら言った。

 

「ただいま……何これ……それにゲロ臭ッ!!」

 

「……酷い匂いだ」

 

「ウッ!?……明石、この状況を説明して頂戴」

 

男は辺り一面に『酸っぱい匂い』と『アルコール臭』が満ちた医務室の匂いを嗅いだせいで鼻を摘まみながら物凄く嫌な表情をし、土佐もまた男と同じく鼻を摘まみながら呟き、天城は湿気が混じった刺激臭に満ちた医務室に驚愕し、袖を使って口元をマスクの様に被いながら明石に聞くと明石は罰の悪そうに答えた。

 

「実は……新しく入隊した指揮官と歓迎会を行って……」

 

「……成程。大体察したわ……ったく、みんな飲み過ぎよ。少しは節度を持ちなさいよ……身体壊しても知らないわよ」

 

「……面目無いニャ。みんな新しい指揮官が来て嬉しかったから、つい……」

 

「……そうでしたか。では、その指揮官様は?」

 

「それに赤城さんと三笠さん、姉上、二航戦の二人と翔鶴が居ないんだが……まさかトイレで吐いているのか?」

 

男は物凄く呆れながらも今の現状に納得し、天城は勇人を、土佐は勇人の他に医務室に居ない6人について聞くと明石は更に罰の悪そうに目を反らし、しどろもどろになりながら答えた。

 

「指揮官と赤城、三笠は翔鶴が責任持ってトイレで介護しているニャ……只、加賀と二航戦は……その……何と言えば良いのか……その……」

 

明石は天城達に後ろめたい事があるかの様に消極的な口調で呟くと天城は明石を罠に嵌めるかの様に神妙な表情になりながら言った。

 

「……()()()()()()()()()()()()()の所に居るのですか?」

 

「ッ!?ど……どうして上城さんの事を……」

 

明石は天城の推測に狼狽えながら聞き返すと天城は阿鼻叫喚に吐いている艦船達からの『貰い泣き』ならぬ『貰いゲロ』に耐えながら答えた。

 

「ウプッ……そうでしたか……あの男の名字は指揮官様と同じ『上城』……つまり彼は()()()()()()()()()()()だったのですか……少し悪い事をしてしまいました……」

 

「ニャんと!?天城さんも上城さんに会った事があるニャ?それに悪い事?」

 

明石は天城の意外な発言に少し驚愕しながらも彼女の『悪い事』について聞くと天城と男そして土佐は『博霊が勇人の双子の兄弟』だと思い、反省するかの様に申し訳無さそうに明石に答えた。

 

「……侵入者だと思い、苦内を投げて威嚇しました。しかも……」

 

「掠り傷とは言え怪我を負わせてしまったのよ……」

 

「あの男には大変申し訳無い事をしてしまったな……指揮官の身内相手に『こんな事』を……」

 

「……だから上城さんは耳を怪我していたニャ……それに上城さんは……」

 

明石は三人の謝罪に内心「上城さんが三人にキレたら、もっとヤバい事になっていたニャ……良かったニャ……」と安堵しつつも、宴会の時に博霊が怪我した理由について納得し、ついうっかり博霊の素性を暴露しようとした途端、トイレから帰って来た勇人、赤城、三笠そして翔鶴が吐き気による嫌悪感に耐えながら言った。

 

「あ……明石さん。これ以上は……」

 

「明石、相手が天城姉様とは言えベラベラと喋る様な軽い内容ではありませんよ」

 

「そうだぞ……」

 

「ウウッ……私まで貰いゲロを……不幸だわ……」

 

「しょ……翔鶴ちゃん、それ……()()()()の……ウプッ!!オロロロロ!!」

 

「「ちょ!?山城さん!?ウプッ!!オロロロロ!!」」

 

「「此処で吐かないで!!わ……私達(我々)が……もう無理……オロロロロ!!」」

 

勇人達は口を押さえながら山城が顔面蒼白になり、バケツを抱えながら吐いた事による二次災害(貰いゲロ)を受けながら天城達に言うと二次災害(貰いゲロ)を受けた勇人達から視線を外し、呆れながら男に聞いた。

 

「……これでは聞こうにも聞けませんね。軍曹、どうなされます?」

 

天城は心底呆れながら男に意見を仰ぐと男もまた天城と同じ心情なのか完全に呆れ返りながら答えた。

 

「……仕方無いわね。私と天城ちゃんで()()を行うから土佐ちゃん、悪いけど明石ちゃんと共に医務室の事は任せたわよ」

 

「分かりました。では土佐、後は宜しくお願い致します」

 

「……泣けるな」

 

土佐は二人の命令に物凄く嫌そうに答えると勇人は全てを吐いて少し楽になったのか執務室に向かう男を呼び止め、申し訳無さそうに言った。

 

「ちょっと待って下さい……自己紹介が遅れました。僕は『上城 勇人』と言います。こんな形ではありますが、よ……宜しくお願い致します」

 

勇人は軽い吐き気に耐えながら自己紹介をすると男も「そう言えば自己紹介がまだだったわね……」と呟き、完全に忘れていたのか少し恥ずかしそうに自己紹介をした。

 

「……私は此処の『軍医』兼『副指揮官』の『桜花(さくらばな) 優花(ゆうか)』よ。宜しくね少尉」

 

「嘘を吐くな軍曹、本名は『(まさる)』だろ?指揮官が混乱する。私は土佐だ……宜しく頼む」

 

「天城です。妹が御世話になっています」

 

「チッ……」

 

土佐は男こと『優』にツッコミを入れると優は機嫌悪くなったのか舌打ちをし、そのまま黙り混むと勇人は優の名前を聞き、驚愕しながら聞いた。

 

「ッ!?あ……貴方が……この世界の……()()()()()……」

 

「あら?私の事を『ちゃん付け』で呼ぶなんて……物好きな上官(ヒト)ね……貴方、気に入ったわ♪」

 

優は勇人の『ちゃん付け』に少し驚きながらも、自身の事を『女性』として接してくれた事に嬉しかったのか上機嫌に答えると天城は『勇人が無理して言っている』と思ったのか気を使いながら勇人に優しく言った。

 

「し……指揮官様、無理して言わなくても……」

 

「何よ天城ちゃん、彼は貴女達とは違って『性同一性障害(こういう事)』に理解のある『大変素晴らしい人』よ。まぁ本当に無理して言っているのなら『桜花さん』でも構わないわよ少尉♪」

 

優は天城の『余計な一言』に少し頭に来たのか、天城に対して少々毒の入った言い方で返しつつも、勇人に気を使いながら言うと勇人は微笑みながら答えた。

 

「此方こそ御気遣い、ありがとうございます。ただ……()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()……()()()()()()()()()

 

「「「ッ!?指揮官!!それ以上は……」」」

 

「……ハッ!?」

 

「そう、それは……ん?アッチ?」

 

「……成程、そういう事でしたか……強ち『間違い』では、ありませんでしたね……あの書類も……」

 

赤城達は勇人が無意識で『博霊側の優』こと『優花』の事について触れると赤城達は顔を強張り、優は首を傾げ、天城に至っては『勇人に関する素性』が記載されている書類の内容を思い出し、勇人の発言が決定打(動かぬ証拠)となり、彼女自身の憶測が現実味を帯びた事に気分が高揚したかの様に微笑みながら呟き、うっかり最高機密の内容を暴露しかけ、狼狽えている勇人達に苦笑しながら言った。

 

「……指揮官様に赤城達、一応言っておきますが……この天城達は最初から佐世保鎮守府所属している為、必然的に『佐世保鎮守府内での最高機密取扱者』としての資格を有しているので罪にはなりませんよ。勿論、指揮官様の素性も事前に把握していますので言葉を濁らさなくても大丈夫ですよ」

 

「え!?そ……そうだったのですか……よ……良かった……」

 

勇人は天城の言葉に安堵すると赤城もまた勇人と同じく安堵したものの、勇人の素性を知っている天城に対して『隠し事をしていた事』と『勇人が重桜に来た経緯』の事で後ろめたい気持ちが混み上がったかの様に俯きながら言った。

 

「……って事は指揮官様が、この世界に来た経緯も既に……」

 

「……ええ。大体は把握しているわ」

 

天城は赤城の後ろめたい気持ちを許すかの様にブランクな口調で微笑みながら言い、続けて勇人の経緯を簡潔に言った。

 

「……平行世界の艦船こと『艦娘』に虐げられ続け、何かしらの事故で()()()()()()と共に、この世界に来た……で合っているかしら?」

 

天城は自信満々に答えると赤城は天城の推測が『微妙に間違っている事』に苦笑しながら『間違っている所』を指摘した。

 

「……あの……天城姉様、自信満々に御答えした所を悪いんですけど……上城様は『指揮官様の双子の御兄弟』では、ありませんよ」

 

「……え?指揮官様の御兄弟では……()()?」

 

「これは厄介な事になりそうだわ……教えてくれない?」

 

「……教えてくれ、あの男の正体を……」

 

天城は自信満々に答えた内容が間違っていた事に恥ずかしそうに赤面しつつも優と土佐と共に首を傾げながら聞き返すと赤城は『大和撫子』な性格でありながら『文武両道』そして『才色兼備』の()()()()()()()()()()()である天城に勝ったかの様に優越感に浸りながら答えた。

 

「フフッ♪……あらあら♪皆さん、少し頭を柔らかくすれば分かる事ですわ♪フフフフッ♪」

 

「赤城さん……楽しんでいませんか?それに意地悪しないで答えれば良いじゃないんですか……」

 

「……指揮官、こればかりは仕方無い事だ。今まで赤城は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()……大目に見てはくれぬか?」

 

「……泣けますね」

 

勇人は赤城の煽りに痺れを切らし呆れ返りながら言うと三笠は赤城の『天城に負け続けてきた事による悔しさ』を理解している為、痺れを切らしている勇人を窘めていると天城は勇人と三笠の言葉を聞き、質問の相手を赤城から勇人に変え、優しく落ち着いた柔らかい笑みを溢しながら聞いた。

 

「ふむ……なら直接、本人に聞いた方が良いわね……指揮官様、あの()()が隠している事を教えて頂けないでしょうか?」

 

「ッ!?天城姉様!!それ()()ですわ!!ってか愚妹って酷過ぎますわ!!」

 

「あら?誰も()()()()()()()()()()()のだが?何を寝惚けた事を言っているの?」

 

赤城は『天城の答えに反論出来ない事』と『逆に天城に遊ばれた事』による2つの悔しさなのか、それを表すかの様に「ムキィィィィ!!この赤城が……この赤城がァァァァァ!!」と悔しそうに嘆くと勇人は赤城を哀れに思いながらも素直に博霊の正体を暴露した。

 

「この頭脳戦(勝負)、赤城さんの負けですね……天城さんの前に現れた彼は『別の平行世界から来た僕自身』なんですよ」

 

「………へ?あの筋骨粒々な体型以外、指揮官様に瓜二つの彼が『別世界の指揮官様本人』!?」

 

「あ……あり得ないわ。そんな事……」

 

「……って事は、あの男も艦娘達に虐げられ……」

 

天城と優は勇人の言葉に驚愕し、土佐は(加賀)譲りの強い精神力で冷静さを保ちつつ、博霊もまた勇人と同じ様に艦娘達に虐げられていた事を予想しながら勇人に聞くと、勇人の代わりに三笠が微笑みながら土佐の質問に答えた。

 

「……安心して土佐。上城殿は艦娘(彼女)達に虐げられては無い。それ所が彼方の世界の艦娘達は彼の事を『最愛の夫』として慕っているぞ」

 

「……そうか」

 

「あら?彼、既婚者だったの?」

 

土佐は三笠の説明に安堵しながら納得し、優は博霊に異性として興味を持ち、三笠が発言した『最愛の夫』について少し残念そうに言うと三笠は優の内情を把握した上で苦笑しながら答えた。

 

「相変わらず歪み無いなぁ軍曹は……まぁ……彼の場合は『独身』でもあり『既婚者』という少々『訳有り』な状態に置かれているんだ……」

 

「独身でもあり既婚者?物凄く矛盾してないミッチャン?」

 

「……これって触れない方が良いのでは?」

 

「えぇ~……良いじゃない!これ位……」

 

優は三笠の事を『ミッチャン』と呼びつつも三笠の説明に首を傾げ、土佐は「彼方には『彼方の事情』があるだろ……これ以上、首を突っ込む訳にはいかないだろ?」と内情思いながらも、その思いを『遠回し』で尚且つ『短く』伝えると三笠は土佐の心情を察し、苦笑しながら駄々を捏ねる優の質問に答えた。

 

「軍曹、その事については我々も分からぬ。所で軍曹、もう『軍医過程(研修)』が済んだのか?予定より早く帰還してきたが?」

 

三笠は土佐の心情に答えるかの様に無理矢理ではあるが話の内容を変えると優は三笠に話を変えられ少し悔しそう呟きつつも何か良い事があったかの様に満面な笑みを溢しながら答えた。

 

「何か強引に話変えられた気が……まぁ良いわ。研修は済んだわよ♪そして見事『一発合格』で医師免許を取得したわよ♪しかも『主席』で合格したから残りの研修期間が特例で免除になったのよ♪これも天城ちゃんの御陰ね♪」

 

「……主に『軍曹の()()()』として……ですが……まぁ、その御陰で病弱体質が完治したので良しとしますが……もう二度と味わいたく無いです」

 

「……同情するぞ天城さん」

 

優は満面な笑みを溢しながら医師免許を取得した事を三笠に報告し、天城は物凄い溜め息を吐きながら嫌そうに呟き、それを土佐が同情しながらポンと肩に手を添えると三笠は『優が合格した事』と『天城の病弱体質が治った事』に相当嬉しかったのか我が事の様に満面な笑みを溢し、先程までの二日酔いは何処へ行ったのやら、それを感じさせない溌剌とした口調で二人を祝福した。

 

「なぬ!?合格したのか!?それに完治したのか!?これは目出度いな♪では指揮官、今晩は二人の祝賀会を……」

 

三笠は満面な笑みを溢しながら勇人に二人の祝賀会を開こうと計画すると、それを聞いた明石は激怒し、三笠に怒鳴り吐けた。

 

「駄目に決まっているニャ!!今日と明日は()()()だから祝賀会は明後日にしろニャァァァァァ!!!只でさえ天城さん達以外の艦船達と指揮官が二日酔いになっているのに追い討ちをかけて、どうするんだニャァァァァァ!!」

 

「……そうだったな」

 

「……まぁ、そうなるな」

 

「……デスヨネー」

 

「こればかりは仕方無いね……」

 

上から三笠、日向、勇人そして優の順に明石の言葉に納得しなざるを得なかったのか、残念そうに呟くと先程まで悔しそうに呟いていた赤城が精神的に立ち直り、何時もの物腰柔らかい口調で勇人に言った。

 

「では話が纏まった様なので指揮官様、そろそろ初仕事を……」

 

「あ!?そうですね……では赤城さん、御指導の程、宜しくお願いします」

 

「フフッ♪私の指導は厳しいですよ指揮官様♪覚悟して下さいね♪」

 

赤城は微笑みながら勇人に言うと勇人は「お手柔らかにお願いしますね……」と苦笑しながら赤城と共に執務室に向かおうとすると優は『ある事』を思い出し、呆気ない声を発しながら二人を呼び止めた。

 

「……あ!?忘れる所だったわ……勇人君、貴方『予防接種』していなかったよね?」

 

「ん?予防接種ですか?それに僕に『君付け』される様な年齢(トシ)では……」

 

「フフッ♪私に『ちゃん付け』で言った『御礼(おかえし)』よ♪少尉♪」

 

「……それに関しては必要無いニャ軍曹。後、指揮官に君付けは似合わニャ()いから止めて欲しいニャ」

 

勇人は優が冗談で発言した『君付け』について少し戸惑いながらも予防接種について聞くと明石は勇人の身体を隅々まで調べ尽くしていた為、予防接種する必要が無い事を簡潔に答えると優は首を傾げながら勇人に聞いた。

 

「ん?『必要無い』って事は、もう予防接種を受けたの少尉?」

 

「いや……僕自身、此処に来てからは注射による治療を受けて無いのですが……うーん……何でですかね?」

 

勇人は優の質問に二人一緒に首を傾げながら明石に聞き返すと明石は「え!?これ……マジで言っているニャ?」と少し驚愕しながらも勇人の免疫力について答えた。

 

「簡単な話ニャ。指揮官は前の世界で『劣悪』いや『()()と言い変える位の()()()()()()』で育ったせいで免疫力が上城さん(化け物)並』()()()()()()()()()……」

 

「あらあら……華奢な身体に似合わず中身はタフな身体ね……」

 

「え!?そ……そうなんですか!?」

 

「……ですが一応『保険』として投与した方が良いのでは?」

 

「それに関しては私も天城姉様と同意見です。指揮官様には()()()()()()()()()()()()……」

 

二人は明石の答えに驚愕し、天城と赤城は神妙な表情で『保険』として勇人に予防接種を受ける事を強く勧めると勇人は二人の神妙な表情と赤城の縁起悪い言葉に気圧されながら優にお願いした。

 

「死ぬって……そ……そこまで……ですか……なら軍曹、一応ですが予防接種をお願いします」

 

「分かったわ……右腕を出して……ッ!?」

 

「「ッ!?」」

 

勇人は優の指示に従い袖を捲り、右腕を出すと優と天城そして土佐は勇人の『火傷や打撲傷等の生傷が多数残っている酷く(やつ)れた右腕』を見て絶句し、優は狼狽えながら勇人に聞いた。

 

「ひ……酷過ぎる……まさか、この傷全てが艦娘(元部下)達が行ってきた……」

 

「……はい。え~っと……何かすみません。お見苦しい物を見せてしまって……」

 

「ギリッ……人間である指揮官様相手に……こんな蛮行を……許せませんね……」

 

「……全くだ。今すぐにでも彼方に出撃したいな」

 

「ええ……アイツらに……少し頭を冷やさせないと行けない様ね……」

 

勇人は自身の右腕を出した途端、雰囲気が変わった事に困惑しながら謝罪すると天城と土佐そして優は勇人が元居た世界の艦娘達に強い怒りを露にすると明石は三人の怒りに臆しながらも窘めながら言った。

 

「まぁまぁ……三人共、落ち着いてニャ……マジで怖いニャ……その件に関しては上城さん……別の平行世界の指揮官が何とかするから……」

 

「な!?何を言っているんだ明石!?その……上城と言うと指揮官と被るし……」

 

「流石に私も納得出来ないわ!!それに……えーっと……彼に何か役職等があれば良いのだが……」

 

土佐と優は明石の発言に強い口調で問い質すが『博霊の本当の名字』と『勇人の名字』が同じ為、勇人と被らない様に狼狽えながら悩むと勇人の二人の悩みを察し、博霊の素性を教えた。

 

「僕は一応、彼の『もう1つの名前』である『博霊』と呼んでますね。それに彼の役職(肩書き)は『平行世界の重桜』こと『日本海軍 佐世保鎮守府所属 鎮守府総司令官』兼『特務軍医長』で階級は『海軍大将』ですよ。そして彼は色んな世界に移動出来る『能力』を持っていますので問題ありませんよ」

 

「なっ!?か……海軍大将に軍医!?」

 

「色々とブッ飛んでいるわね……ってか総司令官って『鎮守府のトップ』じゃないの……」

 

「……指揮官様……ひょっとして、その『能力』って……あの『異形の穴』の事を言っているのですか?」

 

土佐と優は博霊の素性を聞き文字通り『開いた口が塞がらない』と言わんばかりに驚愕し、天城は狼狽えながらも勇人の背後に発生した『異形の穴』こと『隙間』を指差すと勇人は微笑みながら答えた。

 

「そうですよ。そして、お帰りなさい加賀さんに蒼龍さんに飛龍さん」

 

勇人は微笑みながら三人を出迎うと隙間から加賀が「後ろを頼むぞ二人共……」と踏ん張りながら『袋詰めにされた大量の茶色い薬』を担ぎながら隙間から登って来る様に現れ、後からニ航戦の二人が加賀を押し上げながら現れると優と土佐は驚愕した。

 

「え……えぇぇぇ!?変な穴から加賀ちゃん達が現れたァァァァァ!?」

 

「なっ!?これは一体……」

 

二人は驚愕していると三人は清々しい表情で勇人に報告した。

 

「戻ったぞ指揮官。これが『土産』だ……お!?帰っていたのか軍曹に天城さん、土佐……」

 

「お久し振りです軍曹、後『コレ』は上城さん特製の『酔い止め薬』です。効き目は私達を見れば分かりますが……」

 

「物凄く効きますよ『コレ』♪今すぐ皆さんに服用して下さい♪後、これが『薬の配合書(レシピ)のコピー』です」

 

「ニャんと!?上城さん特製の!?これは助かったニャ♪しかも配合書(レシピ)まで♪お手柄ニャ♪上城さん特製の酔い止め薬を大量生産すれば更に儲けが……フフフフ……」

 

明石は飛龍から『茶色い薬』こと『博霊特製の酔い止め薬』と『酔い止め薬の配合書(レシピ)』を喜んで受け取ると優と土佐そして天城は狼狽えながら加賀達に聞いた。

 

「え!?ちょ!?それ大丈夫なの!?何か危なくない!?」

 

「……まさか麻薬じゃないよな?それ……」

 

「どちらかと言うと乾燥大麻を粉にしたかの様な形状ですね……本当に大丈夫なのですか?」

 

三人は狼狽えながら疑心暗鬼になりながら聞くと加賀は苦笑しながら答えた。

 

「それなら問題無い。彼方の鹿島曰く『主原料は薬草や漢方等の自然由来の物を使用していますから艦娘だけじゃなく人間にも使えるので大丈夫ですよ♪しかも提督さん自ら服用しているので効力は絶大ですよ♪』……と彼方の艦娘達『お墨付きの薬』だそうだ」

 

加賀は天城達の疑心暗鬼を払拭する為に敢えて冗談混じりでKC鹿島の声真似をしながら説明すると勇人は「それは止めて下さい。まるで本人が目の前に居るようで……」と震えながら一喝すると加賀は「あ!?すまない指揮官、そのつもりじゃ無かったんだ……」と勇人に対しての配慮が足りなかった事を申し訳無さそうに謝罪しつつも今、優が勇人に『予防接種』を受けようとしている所を察し、神妙な表情で勇人に言った。

 

「……そう言えば『あのウイルスの予防接種』を受けていなかったな指揮官……此処は今すぐ受けた方が良いぞ」

 

「それ……天城さんと赤城さんに同じ事を言われましたが……では気を取り直して……軍曹、お願いします」

 

勇人は優にお願いすると優は軍服の懐から簡易的な『注射セット』を取り出し注射器にワクチンを注入し、ワクチンが入った注入器の空気を排出する為に軽く指で数回弾き、勇人の右腕にゴム製のチューブを巻き付きつつアルコール消毒液を塗りながら言った。

 

「……それじゃ行くわよ」

 

優は手際良く勇人の右腕にワクチンを注入すると勇人はアルコール消毒液の酒臭い刺激臭によって再び現れた二日酔いによる嘔吐感に耐えながら注入されると優は嘔吐感に耐えた勇人を微笑みながら言った。

 

「……はい。終わったわよ♪よく我慢出来たわね……コレ結構痛いのよ♪」

 

「痛いのは慣れていますが……その……消毒液の匂いのせいで再び吐き気が……」

 

「……あ!?ソッチね……そればかりは自業自得よ……」

 

「ほら指揮官。上城さん特製の酔い止め薬を服用して下さい」

 

「あ……ありがとうございます」

 

優は違う意味で耐えていた勇人に苦笑すると勇人は蒼龍から博霊特製の酔い止め薬を受け取り、服用すると薬が相当苦かったのか顔を強張りながら言った。

 

「ウッ!?も……物凄く……苦い……コレ本当に効くのですか?」

 

「『良薬口に苦し』……良い薬ほど苦い物なんですよ指揮官……ソレを服用したく無かったら節度を持って飲酒して下さい……私も他人の事が言えませんが……」

 

「……泣けますね」

 

勇人は蒼龍の軽い説教に軽く不貞腐れると赤城と三笠は苦笑しながら蒼龍から博霊の薬を受け取った。

 

「あらあら……指揮官様も可愛い所があるのですね……では私も……ッ!?」

 

「まだまだ子供だな指揮官……では我も……ッ!?」

 

二人は蒼龍から受け取った薬を服用した途端、顔を顰め、苦しそうに言った。

 

何故なら……

 

「に………苦ッ!!!何この()()()()()()()()()()()()()()()()は……」

 

「ううっ……これは……苦過ぎる……『良薬苦口(りょうやくくこう)』とは言え、流石にコレは……」

 

……薬の味が予想以上に『物凄く苦かった』のだ。

 

赤城は自身が苦手とする飲み物である『コーヒー』を彷彿させる様な強い苦味に三笠と共に顔を物凄く顰めると加賀は配合書(レシピ)を再確認しながら赤城に言った。

 

「……あ!?どうやら体内に残っているアルコールを排出する為に極めて少量の珈琲豆を使って『利尿作用』を促しているみたいだな……後、彼方の長門の手書きで『苦味が相当強く、後味も強く残る為、私みたいに薬に苦手意識を持っている者や艦歴の長い者は()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()!長門より』と書かれているぞ」

 

加賀は手書きで男らしく豪快な文字で書かれているKC長門の言葉(注意喚起)に苦笑しながら勇人達に説明すると勇人達は……

 

「加賀さん!それを最初に言って下さい!!苦過ぎます!!」

 

「そうよ!!しかも、あの『コーヒー(忌々しい飲み物)』みたいに、()()()()()()()()()が続くの!?」

 

「彼方の長門に遠回しに我を老婆扱いするでは無い……と言いたいが……流石に……この『センブリ茶を彷彿させる様な苦味』は耐えきれぬ……それに、その事を最初に言わぬ御主も悪いのだぞ!!」

 

「す……すまない……私は大丈夫だったから多分行けるかと思って……」

 

……『その事』を最初に言わなかった加賀を責めつつも薬の苦味に数時間、悶絶し続けたのは言うまでも無かった。

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