平行世界の最弱の龍が重桜に『保護』されました。これより治療を始めます。   作:八意 颯人

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どうも私ですm(_ _)m

今回からは読み易さを考え『艦これの方』と同じく英文等の長い台詞は全部『斜体』を持ちいる事しましたので御理解の程、宜しくお願い致しますm(_ _)m


第20話「優の『負い目』そして上城の『懺悔』」

1400 佐世保鎮守府 執務室にて……

 

「うぅ~……漸く『あの苦味』と『書類』から解放された……ウグッ!?お……お腹が……三笠さん、少しトイレに行ってきます」

 

「大丈夫ですか指揮官様……ッ!?み……三笠大先輩、赤城も少し『御花』を摘みに行って参ります……」

 

「……言わんこっちゃ無いな……あの『苦味』を消す為とは言え牛乳や氷菓(アイス)を大量摂取する愚行に走るなんて……ッ!?我もトイレに……」

 

勇人、赤城そして三笠は博霊特製の『酔い止め薬』による副作用である『後味が物凄く残る強烈な苦味』を紛らわす為に大量の牛乳やアイスキャンディーを摂取したせいなのか、執務室に置かれている『円型の大きいゴミ箱』には空の紙パックや袋が山積みにし、勇人と赤城は牛乳の過剰摂取により腹を下し、三笠は内股になり焦りながら優に言うと優は呆れ返りながら三人に言った。

 

「……そう言いながら金剛ちゃんが淹れたハーブティーをガブ飲みしてた貴女も他人の事が言えないわよミッチャン……残りの書類は私達がやっておくから行ってきなさいよ三人共」

 

「すみません軍曹。では……」

 

「お願いします!!」

 

「た……頼んだぞ!!」

 

三人は優が承認したのと同時に脱兎の如く執務室を後にし、そのままトイレに向かって走って行くと天城、土佐、明石そして加賀は三人の滑稽過ぎる行動に呆れながら会話した。

 

「……全く、たかが薬の苦味位で……加賀を見習いなさいよ……」

 

「全くだ。情けない……姉上は何故『あの薬』を飲んでも平気に居られるんだ?」

 

「私か?私は他陣営との交流も兼ねて『無糖無乳(ブラック)コーヒー』も嗜んでいたから問題無かったと思うが……まぁ姉様……いや赤城は……まぁ……」

 

「……それにしては大袈裟過ぎるニャ。明石達の為に用意してくれた上城さんに申し訳無いニャ……」

 

「「正しく、ソレな」」

 

「……今度、平行世界の指揮官様……いえ『博霊様』に御会いしたら『あの時の御詫び』も兼ねて『折菓子』を準備しないと行けませんね……」

 

加賀と土佐は明石の申し訳無い気持ちに同感し、天城は未だに『侵入者事件』での罪悪感を引き摺っているのか申し訳無さそうに呟くと優は博霊の事が気になっているのか確認するかの様に明石と天城に聞いた。

 

「所で明石ちゃん、天城ちゃんに加賀ちゃん。三人って『平行世界の勇人君』……『博霊君』と会った事があるのでしょ?どんな感じの男だったの?」

 

優は未だ見ぬ博霊について聞くと天城と明石は難しい表情になりながら、加賀は微笑みながら言った。

 

「う~ん……あの時『一瞬』でしか見て無かったので何とも言えませんが……第一印象は『野生溢れる雰囲気を持ちながら知性のある不思議な殿方』でした。まぁ悪い印象ではありませんでした」

 

「……明石も同じニャ。最初は『傍若無人』という言葉にピッタリな無礼で荒々しい人かと思えば指揮官や明石達の為に身体を張って守り通す『男らしさ』やヤクザ染みた性格に似合わず『頭脳明晰』でありながら『義理人情』に重んじていたりと……まるで『新米時代の中佐』を思い出すニャ」

 

「そうか?彼は『優しさ』と『強さ』そして『私と同じ思考』を持った親近感溢れる男だったな……そして天城さん好みの男性像に『ピッタリ過ぎる殿方』……と言って置こうかな」

 

「なっ!?な……なななななな……何を言っているのですか加賀!!確かに博霊様の外見は私好みの『筋骨粒々の知的ある美男』ではあるが……って、何を言わせているのですか!!」

 

「ほほう……という事は()()()?」

 

天城と土佐は加賀の評価を聞き、天城は恋する乙女の様に赤面し、狼狽えながら一喝し、土佐は加賀が好む『理想の男性像』を完全に把握しているのか、ニヤニヤと悪意ある微笑みを溢しながら加賀をからかう様に聞くと加賀は土佐(いもうと)からの質問(攻撃)に天城同様、恋する乙女の様に赤面し、狼狽えながら答えた。

 

「勿r……って、何を言わせているんだ!!確かに上城さんは私好みだが……」

 

「完全に墓穴掘ったわね加賀ちゃん……まぁ『良い(ヒト)』だと言う事は間違い無いそうね♪」

 

優は墓穴掘った加賀に苦笑しながら言いつつも三人の評価を聞いて安堵感と期待感が入った優しい口調で確認すると勇人の机の上に置かれているパソコンに『一通のメール』が入り、その入電を知らせる『ゆっく〇ボイス』が優達を知らせた。

 

メールだよ。ゆっくり見ていってね……

 

「……誰なの?こんな『ふざけた機械音声』を入れたのは?」

 

優は『ゆ〇くりボイス』が気に入らなかったのか、顔を少し顰めながら聞くと明石は後ろめたさがあるのか申し訳無さそうに答えた。

 

「じ……実は上城さんが……一昨日、酔っ払って……勝手に改造してしまったニャ……しかも自分の鎮守府(世界)と勘違いをして……お蔭で重桜いや全ての陣営の中でもトップクラスの高性能を誇る『化け物PC』になったニャ……あの人の『改造癖』は彼方の世界の艦娘達でもさえ手を焼く程の酔っ払い癖ニャ……」

 

「……天城ちゃんと土佐ちゃんと比べれば、まだ幾分マシな方ね。まぁ、あの『機械音声(〇っくりボイス)』だけは何とかして欲しいわね。せめて『GAC〇T』や『男性声優』等のイケボ系に変えて欲しがったわ……まぁ良いわ。取り敢えずメールを……ッ!?……えーっと……不味いわね……」

 

優は個人的な不満を呟きつつも先程入ったメールを確認すると宛先が『他の鎮守府の艦船』からだと知り、先程までの不満だらけの顰めっ面から一転し真剣な表現になると加賀は表情を変えた優に嫌な予感を察したのか真剣な表現になりながら聞いた。

 

「……どうした軍曹。何か問題でも?」

 

加賀は神妙な表現になった優に恐る恐る聞くと、優は困ったかの様に頭を抱えながら答えた。

 

「……演習の御誘いよ」

 

「何だ、演習の御誘いか……それで演習先は?呉?舞鶴?大湊?はたまた柏島か?」

 

加賀は自身の予想である『重桜内での演習』だと思い込み、演習先について聞くと優は加賀の予想を否定するかの様に顔を顰めながら答えた。

 

その『演習相手』は……

 

「……『ブレスト鎮守府』つまり『ロイヤル(英国)』からの御誘いよ」

 

「「ゲ!?よ……よりによって、()()()()()()()()()()()()()()()……あの()()()()!?ヤバいかもな……主に指揮官の貞操が……」」

 

「……泣けますね」

 

「……全くニャ。それで何て書かれているニャ?」

 

……『レッドアグシス』とは違う『もう1つの陣営』こと『アズールレーン』内に編成された艦隊『ロイヤル艦隊』だったからだ。

 

優達は他陣営からの御誘いを受け、彼方(ロイヤル)の今の現状を把握しているのか、嫌悪感を表すかの様に顔を顰めていると明石は恐る恐る優に聞くと、優は嫌々ながらも英文で書かれているメールの内容を読んだ。

 

「……"突然のメッセージ、大変驚かれたことと思います。私は『ロイヤル艦隊 ブレスト鎮守府第一前衛基地所属の指揮官専属秘書艦(メイド長)』の『ベルファスト』と申します。今回は我々の『新たな御主人様』こと『ブレスト鎮守府第一前衛基地 指揮官』に優花様の『戦闘哲学』を御教授して頂きたい事と私を初めとする新入りの艦船達との交流を兼ねて『重桜艦隊 佐世保鎮守府第一前衛基地の皆様』と演習を提案した所存でございます。もし我々の提案に御賛同して頂けるのでしたら返答を宜しくお願い致します。尚、詳しい日程は重桜(ソチラ)の皆様の御都合に合わせますので、御了承を宜しくお願い致します。ベルファストより"……だとさ」

 

「……本当に不味い事になりましたわね」

 

「……そうだな」

 

「ニャ?ニャニャ?難しい英語がバンバン出て分からないニャ……」

 

「……すまない軍曹、日本語で言ってくれないか?明石が混乱している」

 

天城と土佐はベルファストのメールを聞き頭を抱えながら困り果て、明石は長い英文を翻訳仕切れなかったのか混乱すると加賀は明石の為に優に日本語で翻訳する様に頼むと優はメールの内容を簡潔に翻訳し、明石に伝えた。

 

「……彼方の新入りちゃん達との御勉強と交流を兼ねて演習したいそうよ。日程は私達に合わせるから宜しく……と言っているのよ」

 

「ニャんと……これは不味い事になったニャ……」

 

明石は優の説明に天城と同じく頭を抱えながら困り果てているとトイレから戻った勇人、赤城そして三笠が優達が困り果てた表情を見て首を傾げながら聞いた。

 

「はぁ~……漸くコッチも治まった……ん?どうしたのですか皆さん?随分、困っているような雰囲気ですね……」

 

「ふぅ……スッキリした……あら?どうかなされたのですか?」

 

「ん?何か問題事でも?」

 

三人は首を傾げながら聞くと優は困り果てた表情になりながら先程の経緯を説明した。

 

「実は先程『ロイヤル』の『ブレスト鎮守府』から『演習の御誘い』が来たのよ」

 

「ッ!?確かに、これは不味いわね……」

 

「……頭が痛くなるな」

 

「他国との演習かぁ……ん?どうしたのですか皆さん?それに何か不味い事でも起きたのですか?」

 

赤城と三笠は彼方(ロイヤル)の事情を知っているのか優達と同じく顔を顰め、この世界の事情を知らない勇人は首を傾げながら聞くと優は勇人に『ある事』を聞いた。

 

「……少尉、貴方が嘗て居た世界の『男女の立場』について教えて」

 

優は勇人に『ある事』の内容である『男女の立場』について聞くと勇人は優の質問に呆気を取られながらも質問に答えた。

 

「へ?男女の立場ですか?基本的に此処と同じ『男女平等』ですけど……それがどうしたのですか?」

 

勇人は優の神妙な表情に呆気を取られながらも此処と同じ立場だと伝えると優は「……やっぱりね」と呟き、神妙な表情のまま勇人に『この世界の情勢』を説明した。

 

「少尉、落ち着いて聞いてね。この世界は……いえ重桜以外の世界では10年前に『とあるウイルス』が『世界的大感染』……『パンデミック』が起きたせいで『男女の立場』や『貞操概念』等『男女に関する全て』が反転したのよ。そして今じゃ重桜以外全ての陣営(くに)が『男性保護法』という法律……文字通り『()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()が出来上がってしまったのよ……」

 

世界的大感染(パンデミック)による『男女に関する全てが反転』ですか……先程の注射は、そのウイルスによる感染防止の為に予防摂取をした……という訳ですね……それで、そのウイルスとは一体……」

 

勇人は先程の予防摂取が、その『ウイルス』に対するワクチンだと知り、予防摂取を強く勧めてくれた赤城達に感謝しつつ、ウイルスの性質について聞くと優は自身もまた嘗て、そのウイルスの『感染者』であり『とある男の命』を使って治療した経験も相まってか俯きながら答えた。

 

「……そのウイルスの名称は『GD-Cell』そして性質は……人類が持っている遺伝子情報『性染色体』の『Y染色体』だけを死滅させる厄介なウイルスよ。そして、そのウイルスに感染したら私みたいに心身共に男性としての機能が無くなったり……最悪、感染による急激な体質変化に身体が着いてこれず、文字通り『身体が崩壊』したり『ショック死』してしまうのよ……まぁ大半の陣営は『最悪の結果』に終わったが……そして生前の上城中佐と彼の父親である『上城元帥』こと『上城和馬』さんは……当時、重桜以外の他陣営で蔓延しているウイルスに関する情報とサンプルを闇ルートで入手し、それ(サンプル)を元にワクチンと治療薬の2つを開発し、重桜の被害を最小限に抑えたが同時に自身も……いえ当時『重桜初の感染者』であり子供だった頃の私から空気感染をし亡くなったのよ」

 

「……そうだったのですか」

 

勇人は簡潔ながらも『優の生い立ち』『上城の死因』そして『GD-Cellの脅威』を知り悲しく俯きながら呟くと優は自身のせいで二人を死なせてしまった罪悪感なのか、懺悔をするかの様に涙声になりながら勇人に言った。

 

「だ……だから……私は……中佐……いえ上城先生と元帥を殺してしまった『償い』として彼と同じ『軍医』兼『佐世保鎮守府第一前衛基地 指揮官』として入隊、着任したのよ……そして今、貴方を見て……中佐が生き返ったかと思い……本当に……ごめんなさい……私のせいで……」

 

「……」

 

勇人は優の生い立ちを聞いて一昨日の宴会前に起こった『博霊側の金剛達からの謝罪』と被った所があったのか悲しく黙り込むと三笠は優の生い立ちを聞いて悲しく俯きながらも勇人に小声で御願いした。

 

「……指揮官、すまないが中佐と入れ替わってくれぬか?これは流石に指揮官の言葉ではなく中佐本人の言葉で答えた方が良いからな……やってくれぬか?」

 

「……勿論ですよ。今丁度、飛龍さんも居ませんしね……」

 

勇人は三笠の願いを快く承諾し、目を瞑り、勇人に憑依している上城を呼び起こし始めた。

 

此処からは勇人視点で送りします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

勇人の精神内にて……

 

「上城さん、実は御願いがあって交代したいのですが……」

 

僕は『何もない真っ白な空間』で座禅を組んで瞑想している上城さんに聞くと、上城さんは全ての経緯を把握しているのか何時もの落ち着いた優しい笑みを溢しながら答えた。

 

「……sure(勿論だとも)♪経緯は分かっているさ……これは私が行かないと駄目だからな♪では行ってくるよ。good ruck(また会おう)♪」

 

「いってらっしゃ~い……」

 

僕は上城さんの頼もしくて優しい笑顔に安堵し、まるで仕事に向かう兄を見送る弟の様にラフな口調で見送ると上城さんは見送る僕を見て「……まるで勇次を見ている様だな」と『この世界の勇次さん』もとい『この世界の僕の弟』と被ったのか懐かしく微笑みながらも僕は『身体の主導権』を上城さんに託した。

 

 

 

 

 

 

 

そして再び、佐世保鎮守府第一前衛基地 執務室にて……

 

此処からは再び『第三者視点』に戻ります。

 

「……待たせたな……いや『久しぶりだね』……そして『立派になったね』桜花君♪」

 

「え!?しょ……少尉!?え……いや……上城先生!?」

 

「な!?指揮官様が中佐に!?赤城、説明して頂戴!!」

 

「え!?ちょ……これ、どういう事なんだ姉上!?何故、指揮官は私達と同じ力を持っているんだ!?」

 

優、天城そして土佐は勇人が重桜の艦船特有の()()()()()()()()()()()()()()()()()もとい『上城』に変身した事に驚愕し、狼狽えながら一航戦の二人に聞くと二人は三笠の考えが分かったのか微笑みながら答えた。

 

「成程……そう言う事でしたか……軍曹、土佐そして天城姉様、指揮官様は『八百万神々(ヤオヨロズノカミガミ)』の『一部の力』を授かった亡き中佐に憑依されたから、こんな『摩訶不思議(オカルト)な所業』が出来るのですよ」

 

「そして中佐は、これを利用して私達を助けてくれているんだ……本当に凄い御方だ……ちなみに中佐本人の確証は上城さん……『筋骨隆々の方の指揮官』が霊媒師(シャーマン)の力を使って確認しているから安心してくれ」

 

二人は天城と土佐そして優の質問を簡潔に答えると天城と土佐は目の前の現実を否定するかの様に目をパチクリと驚愕しながら呟いた。

 

「嘘でしょ……こんな非現実的な事が起こるなんてッ!?普通『あり得ないわ』ッ!指揮官様ッ!真面目に行って下さい!!」

 

「……魂が入れ替わっただけで(なかみ)だけではなく身体(そと)まで……まるで遊〇王の武藤遊〇じゃないか……まぁ千年アイテムは無いが……」

 

天城は驚愕のあまり自身の存在意義である『お淑やかな大和撫子』は何処へ行ったのやら、何処ぞの『奇妙な冒険に出てくる女主人公(空条〇倫)』みたいな粗暴で乱暴な台詞を吐き捨て、声を荒げながら一喝し、土佐は目の前の現実を受け止め、今の上城の状態を『二重人格の某デュエリスト』に喩えながら呟くと上城は「……予想通りの反応だな」と苦笑しながら呟き、優達に微笑みながら言った。

 

「……まぁ現に私は彼の身体を借りて君達の前に現れているんだ。何なら私に関する質問をすれば良い……言ってごらんなさい」

 

「そ……それじゃ……貴方の生前の最後の愛車は?」

 

優は上城の言葉に頭が追い付いていないのか自身の『不安』や『葛藤』『戸惑い』『勇人に対しての不信感』そして『上城に対する罪悪感』が入り交じった感情を露にするかの様に挙動不審になりながら聞くと上城は微笑みながら答えた。

 

「……『白のRX-7 FC3S』と『赤のHONDA shadow』だ。まぁ後者はMotorbike(バイク)だけどね♪それに君も子供の時、後ろに乗った事があるだろ?」

 

「ッ!?正解よ……」

 

「……それじゃ、この天城が質問を……飛龍と挙式した場所は?」

 

優は上城の答えに少し安堵しながら答え、次に天城が『飛龍と挙式を挙げた場所』について聞くと上城は懐かしそうに顔を綻びながら答えた。

 

「……懐かしいな。昨日の様に思い出すよ……挙式場所は『亀山八幡宮』で行ったな♪まぁ当時の天候は生憎の小雨だったが……それでも飛龍の白無垢姿は実にBeautiful(綺麗)なのは未だに覚えているな……そして私は飛龍の綺麗さに緊張し偶々、神社で遊んでいた桜花君や祝福している艦船達の前で袴を踏んで盛大に転んでしまったな……いやはや恥ずかしいEpisode(失敗談)だったよ♪ハハハ♪」

 

「……どうですか軍曹、合っていますか?」

 

上城は懐かしむ様に陽気に笑いながら答え、天城は優に聞くと優は上城の言葉に確証を得たのか驚きを隠せないまま答えた。

 

「嘘……そこまで細かく……え……ええ。先生が皆の前で転けた所は私も鮮明に覚えているから間違い無いわ……」

 

「……最後に私だ。お前の……いや貴方の『偽名』を教えてくれ」

 

土佐は何も躊躇いも無く淡々と即答する上城に確証を得たいのか他陣営に使う『偽名』について聞くと上城は「フム……」と少し考えながら土佐に聞き返した。

 

「……偽名かぁ……結構あるんだよなぁ~……全て答えれば良いのかい?」

 

「……勿論だ」

 

土佐は上城の質問に内心「『結構』って……どんだけ有るんだよ……」と呆れながら答えると上城は微笑みながら答えた。

 

「それでは……ユニオン陣営に対しては『クリスタル・ヘプラー』ロイヤルでは『クリム・ヘプラー』鉄血では『クリス・スタインベルト』そして東煌では『明智 久利須(クリス)』として名乗っていたな……まぁ最終的に殆どの陣営での愛称は『クリス』または『クリム』で統一されてしまったが……」

 

「……龍驤が聞けば『ベルトさん』と呼びたくなる偽名ばかりだな。それで軍曹、当たっているのか?」

 

土佐は上城の偽名を聞き、上城の『奇抜過ぎるネーミングセンス』に呆れながら優に聞くと、優は初耳だったのか狼狽えながら答えた。

 

「え……し……()()()()()()。先生の偽名なんて……それは蒼龍ちゃんと飛龍ちゃん、ミッチャン、鳳翔ちゃん、そして上城元帥しか知らない内容(最高機密)よ……それに当時の私は()()であり()()だったのよ!知らなくて当然よ!聞くのなら鳳翔ちゃんに聞いて!」

 

「……それも、そうだな。それじゃ三笠さん、今すぐ鳳翔さんを呼んできてくれないか?」

 

土佐は優の答えに納得しつつ三笠に御願いすると、三笠は「うむ」と一言だけ返事をし、場内放送で鳳翔を呼ぼうとした途端、扉のノック音が聞こえ、ノックした本人である鳳翔が心配そうに勇人……もとい上城に聞いた。

 

「旦那様、鳳翔です。お腹大丈夫ですか?暖かい『ほうじ茶』を御持ちしました」

 

「あら!?良いタイミングに来たわね……入って良いわよ鳳翔ちゃん」

 

優は勇人(上城)の代わりに答え、招き入れると『花魁』もしくは『高級旅館の女将』を彷彿させる様な落ち着いた雰囲気を醸し出している艦船『鳳翔』は「失礼致します」と言いながら上品に一礼し、入室すると上城に変わった勇人を見て懐かしそうに微笑みながら言った。

 

「あら?中佐♪御無沙汰しております♪」

 

Long time no see(久しぶりだな鳳翔).元気にしてたかい?」

 

上城は10年来の仲間である鳳翔の再会に嬉しく思ったのか微笑みながら言うと鳳翔もまた上城との再会に嬉しく思ったのか、微笑んでいる上城に釣られる様に微笑みながら答えた。

 

「はい♪中佐も相変わらず元気そうですね♪」

 

「まぁ『彼に憑依した事』と『彼が原因で腹が痛い事』以外は変わって無いよ♪ハハハハ♪それじゃTea(ほうじ茶)を頂こうか♪」

 

「フフフ♪なら『みたらし団子』もどうぞ♪」

 

「Thank You♪」

 

上城と鳳翔は久々の再会なのか陽気に笑いながら雑談をすると上城の精神内に待機している勇人が二人の再会に水を指してしまう事に凄く申し訳無さそうに上城に言った。

 

(あの~……上城さん。久々の再会に花を咲かせている所を悪いんですが……そろそろ本題に……後、ズルいです……僕も食べたいです)

 

(おっと!?そうだったな……)

 

上城は勇人の消極的な一喝に少し残念そうに答え、笑みを崩さないまま鳳翔に聞いた。

 

「所で鳳翔、君は『私のCode name(偽名)』を知っているかね?」

 

「中佐のコードネーム……偽名の事ですか?」

 

「Yes.知っている範囲で良いから土佐達に教えてくれないか?」

 

上城は本題である『上城の偽名』について聞くと鳳翔は昔を懐かしむ様に柔らかい笑みを溢しながら土佐達に教えた。

 

「フフッ♪懐かしいですね……龍驤ちゃんが聞けば『もう"ベルトさん"で良いのでは?』と言いそうな偽名ばかりでしたからね……では……ユニオンでは『クリスタル・ヘプラー』ロイヤルでは『クリム・ヘプラー』鉄血では『クリス・スタインベルト』東煌では『明智 久利須』として活動してましたね♪ですが他陣営から『偽名が多過ぎる!!』と苦情が来た為、最終的に『クリス』または『クリム』と統一されましたね♪しかし本当に懐かしいですね……飛龍ちゃんなんて『ミセス(婦人)』と言われる度に顔をニヤけながら中佐に抱き着いていましたからね……そして他陣営から付いた渾名は『重桜1の鴛鴦(オシドリ)夫婦』と言われていた位『ラブラブ』でしたからね……それがどうか成されたのですか?」

 

鳳翔は微笑みながらも何故、上城が偽名について聞いた理由について首を傾げながら聞くと上城は苦笑しながら答えた。

 

「いやぁ~……桜花君や土佐達が信じてくれなくてな……助かったよ」

 

「……成程……そういう事でしたか……では、私は夕飯の仕込みがあるので失礼しますね♪」

 

鳳翔は上城の答えに苦笑しながらも納得しつつも『シリアス過ぎる重い空気が漂う居辛い雰囲気』を察し、そそくさと執務室を後にすると優は完全に確信したのか涙声になりながら、土佐と天城に関しては先程の無礼を詫びる様に頭を下げながら上城に言った。

 

「ほ……本当に……先生だったのですか……」

 

「「も……申し訳ございませんでした!!まさか中佐本人だったとは……」」

 

「だから最初から、そう言っているじゃないか……まぁ良い。桜花君……結論から言うと私は君に謝罪しないといけないんだ。君が私のせいで残りの人生を棒に振る様な事をさせてしまった事に……本当に、すまなかった……」

 

「「中佐……」」

 

上城は優が自身のせいで『負い目(償い)』を背負いながら過ごしていた事に申し訳無い気持ちを全面に現す様に頭を深く下げ、謝罪すると天城と土佐は上城の嘘偽りの無い言葉に悲しい表情ではあるが只々、黙り込むと優は上城の謝罪を見て悲しい表情になりながら答えた。

 

「……先生、確かに私は貴方が亡くなった事で負い目を背負って生きてきた事実は変わりません……それに関しては貴方の死のせいで『トラウマ』になりました」

 

「……」

 

「……しかし」

 

優は上城の嘘偽りの無い謝罪に答える様に自身が過ごしていた日々を簡潔に、そして上城を責める様に答えながらも自身が『本当に言いたかった言葉』を上城に伝えるべく、言葉を詰まらせながらも『自身の本音』を上城に続けて言った。

 

その『本音』とは……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……それ以上に貴方に『感謝』しているんです。私を死なせない為に自身の人生を棒に振ってまで治療して頂いて……本当に『ありがとうございます』。こんな身体になってしまったが、貴方のお陰で今を楽しく過ごしています」

 

「「「軍曹………」」」

 

……上城に対しての『感謝の気持ち』だったのだ。

 

優は自身の気持ちをぶつけるかの様に上城に静かに頭を深く下げながら言うと上城は優の言葉を聞いて悲しく俯きみながら答えた。

 

「……私は君に感謝される資格が無いんだ。君を心身共に完治出来なかったから、この様な結果に……」

 

上城は優を心身共に完治出来なかった事による『軍医としての悔い』が残っており、自身を追い詰める様に答えると優は先程、自身の思いを伝えた事によって『心の引っ掛かり(自身の負い目)』が無くなり、清々しく毅然のある表情になりながら上城に言った。

 

「ですが私は今こうやって生きていますし、先生の亡き後、重桜含む全ての陣営の男性達は先生が精製したワクチンのお陰で『少なからず』ですが今も生き残っています。これも全て先生と元帥のお陰ですよ……」

 

「……しかしだな。私は……」

 

優は上城のお陰で重桜(日本)を含む『全陣営(全世界)の男性達』が少数ではあるが生きている事を上城を励ます様に言うが、やはり上城は自身の性格である『責任感の強さ』と『完璧主義な性格』が仇となり、過去の事を悔やむ様に狼狽えながら言うと優は上城の戸惑いに苛つき始め、渇を入れる様に強い口調で怒鳴った。

 

「『しかし』も『へちま』も無いわよ先生!!しっかりして下さい!!今の貴方を上城元帥や飛龍ちゃん、少尉そして平行世界の貴方……いえ博霊君が見たら笑われてしまいますよ!!男ならウジウジと女々しい事を考えず、男らしく『ドッシリ』と前に進みなさいよ!!それでも『重桜1の名医』であり『軍神』じゃないの!?それに貴方のお陰で全陣営が『最悪の事態』を免れたのよ!!だから……だから……過去の事を悔やみ続けたせいで自分を()()()()()()()()()()は止めて下さい!!」

 

「……」

 

上城は優の『訴え』に黙り込みながら、嘗て優と似た様な言葉を言った『ある男が勇人に向けて放った言葉』を思い出した……

 

それは……

 

 

 

 

 

 

……ああ。だが、それは勇人では無く『アイツの未練』だ。アイツに答えるのは勝手だが、それに答える余り、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。『アイツ』は『アイツ』『お前』は『お前』だからな。

 

 

 

 

 

(……そう言えば彼方の私も桜花君と似た様な事を言ってたな……事情(かたち)こそは違うが『()()()()()()()』って……)

 

「……フッ、私もまだまだだな……若造に叱喝されるとはな……」

 

……そう、あの宴会の時に博霊が勇人に放った言葉を思い出したのだ。

 

上城は博霊の言葉を思い出し、先程までの自身の振る舞いに猛省するかの様に軽く微笑むと優は軽く微笑んだ上城に少し気味が悪かったのか、恐る恐る聞いた。

 

「あ……あの……ど……どうしたのですか?いきなり微笑んで……」

 

「……いや、この前のParty(宴会)の時に『ある男』が少尉に言った言葉を思い出してな……」

 

「……『ある男』って『博霊君』の事ですね……少尉に何て言っていたのですか?」

 

優は上城が言った『ある男』こと『博霊』の事に触れつつも博霊が勇人に言った言葉について聞くと上城は微笑みながら答えた。

 

「……君と同じく『自分を見失うな』ってね」

 

「……フフフ♪なら彼の言う通り『無駄な負い目』を捨てて前に進まないと行けませんね……先生だけではなく私も……」

 

「……そうだな」

 

優は博霊の言葉に軽い親近感を覚え、微笑みながら上城に言うと、上城もまた優の言葉に共感し、微笑みながら答えると、それを見ていた一航戦、三笠、天城、土佐そして明石は二人の様子を見て微笑みながら会話した。

 

「……これで二人の蟠りが取れて本当に良かったな。まぁ最終的には上城さんが指揮官に向けた言葉が二人を後押しする決定打になってしまったが……」

 

「そうね加賀。三笠大先輩も『この事』を読んで指揮官様を通じて中佐を呼んだのですか?」

 

「……うむ。だが先程、加賀が言ったが最終的に上城殿の台詞が二人に効いたのは予想外だったが……まぁ最終的に『一陽来福(いちようらいふく)』……いや我には似合わぬ言葉だが『結果オーライ』になって良かったじゃないか。なぁ天城に土佐」

 

「そうですね。博霊様にも感謝しないといけませんね」

 

「……だな」

 

「今度、みんなを代表して明石が改めて上城さんに御礼言うニャ♪勿論『上城さんの所の開発品を此方に横流しをする為の交渉』を成功させる為の『切り札』としてだ(ニャ)……」

 

明石は相変わらずの『商売気質』な性格なのか、ある意味『少し黒い商売』を計画していたが、三笠達は二人の『師弟関係』が回復した事に微笑みながら見届けていた。

 

 

勿論……

 

 

(良かった……二人の仲が戻って……後、演習はどうなるんだろうなぁ~……まぁ良いか♪何とか成るだろ♪)

 

上城の精神内に待機している勇人もまた二人の関係が戻った事に自分の事の様に嬉しくなり、微笑みながら二人の久々の再会による会話をBGMの様に聞きながら寛いだ。

 

ただ勇人は、その時『重大なミス』を犯そうとしていた。

 

『指揮官』として、そして『男』として『重大な事』である『他陣営との演習』に対する『女性対策』を()()()にしてしまった事に……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして場所は変わり『ブラスト鎮守府 第一前衛基地 執務室』にて……

 

「ベル、彼方の返答は?」

 

勇人と同世代であろう『白い軍服を着用したモデル体型の容姿端麗の長身金髪の女性』が重桜(日本)との時差の関係上『深夜』だった為、ビールを片手に摘まみである『フィッシュ・アンド・チップス』……重桜(日本)で言う『魚の唐揚げとフライドポテト』を一つの大皿に纏めた料理を味わう様にビールを豪快に飲みながらメイド服を着た銀髪の艦船『ベルファスト』に聞くと、ベルファストは静かに、そして凛とした表情になりながら指揮官(御主人様)である『金髪の女性』に母国語である『英語』で報告した。

 

まだ返答が来ておりません。何せ此方からの急な提案でしたから準備に手間取っているのかと……後、此処では英語でお願い致します

 

「……分かっているわよ。それに、もし仮に演習が決まったら嫌でも日本語で喋らないといけないのでしょ?だから……」

 

「……私を使って練習を……御主人様、それは演習が決定してから練習して下さい。少々、気が早過ぎるのでは?

 

ベルファストは女性が『日本語』を勉強し、それを自身に試された事に少し呆れながらも彼女の努力を認める様に微笑みながら言うと女性はベルファストの笑みに釣られて微笑み、摘まみを租借しながら答えた。

 

「モグモグ……そう?重桜の『霧島』が言ってたじゃない。『備え有れば憂い無し』って……」

 

言いませんよ。まぁ重桜の諺ではありますが……」

 

ベルファストは女性の言葉に苦笑しながら答えると女性はグラスに残ったビールを一気飲みをしながら聞いた。

 

「プファ~………ゲェェェッフッ!!……そうだっけ?まぁ良いわ。今日は遅いから上がって良いわよベル

 

「………分かりました。では御言葉に甘えます。それでは………と、その前に後2つ、このベルファストから御主人様に忠告をさせて頂く事があります

 

ん?どうしたの?

 

女性はベルファストの忠告に首を傾げながら聞くとベルファストは微笑みながら答えた。

 

一つ目は『飲み過ぎ』には御注意を、2つ目は先程のゲップは『マナー違反』でもあり『殿方が一番嫌う作法』なので人前ではやらない様に御願い致しますね。では……」

 

ベルファストは女性を茶化す様に微笑みながら忠告し、メイド特有の優雅な立ち振舞いを残しつつ退室すると女性は机の上に置いてある分厚い小説『Depravia(デプラビア)』と書かれた小説を手に取り、小説に描かれている『とある挿絵』を見て溜め息を吐き、相当酔っているのか管を巻く様に嘆いた。

 

はぁ~……みんな二言目には『男』って……みんな『男』に飢え過ぎよ!!しかも()()()()()()()()()()()()()()な『重桜』が演習相手になった途端、飢えた狼の様なヤバい目付きになって……私だってベル達みたいに本能に従って生きたいわよ!!まぁ欲を言えば、この小説の登場人物みたいに『500年前に突如と現れ、反逆の天使を討ち倒し、女性天使兵と共にロイヤルを救った重桜の男』こと『灰被りの天使様』みたいに強く優しい男性(ヒト)が居たら尚良いんだが………人生、上手い様には行かないねぇ~……ヒック!!」

 

女性は小説に描かれている挿絵の登場人物(キャラクター)である『6つの白い翼を授かり、近代的な防具服(アーマー)を着た筋骨粒々で容姿端麗の日本人男性』こと『Cinderella Angelo(灰被りの天使)』に一目惚れしているのか、その登場人物に思いを馳せる様に酒を煽りながら机の上に寝込む様に熟睡した。

 

だが後に勇人を含め全陣営が、その小説が『フィクション(作り物)』では無く今後『世界を守る為に重要な物』だと知るのは当分、先の話である……

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