平行世界の最弱の龍が重桜に『保護』されました。これより治療を始めます。 作:八意 颯人
勇人達がTVゲームに没頭している頃 1940 佐世保鎮守府内の一般開放区域内の広場にて……
「……ゴメン霊夢、完全に迷ったわ」
「……だろうと思った」
「「はぁ〜………泣けるわね」」
レミリアの依頼で此処に来た霊夢と赤城の依頼で此処に来たビスマルクは疲労困憊になりながらベンチに座り、意気消沈になっていた。
2人は何故、迷った経緯を順を追って説明しよう……
先ずはビスから……
事は遡り、約2時間前……
「……此処が重桜の佐世保鎮守府が一般開放している街ね。私の所とは違って京都にみたい和を基調とした町並みだから少し新鮮ね……
トン……
「「ん?」」
ビスは『自身の佐世保鎮守府』と比べ『西洋建築』が極めて少ない……否、京都の町並みを彷彿させる様な和を基調とした町並みに内心、京都に旅行している外国人の様に心を踊らせながら風景を楽しみながら探索していると『高貴な黒い軍服を着たビスに瓜二つの金髪の女性』の肩に軽く当たり、女性は少し申し訳無さそうにドイツ語で謝罪した。
「ごめんなさい。怪我は無い?」
「気にして無いわ。それに私も他所見してたから………ん!?ちょっと待って!貴女、日本の……いえ『重桜の人間』じゃないわね……誰?」
ビスは女性が流暢にドイツ語で話してきた事に自身も釣られてドイツ語で返したが、それが『彼女が他陣営の人間』だと言う決定打となり、すぐに女性が日本人では無い事に気付き、警戒心を露にしながら追求すると女性は少し困惑しながらドイツ語で自己紹介と佐世保に来た理由を言った。
そう、この女性こそ……
「そんなに警戒しないで、私達は
「………泣けるわね。偶然とは言え、まさか『此処』で『この世界の私』と鉢合わせになるとは……面倒な事になったわ……」
……『この世界のビス』こと『鉄血宰相』と言われている艦船『ビスマルク』本人だったのだ。
ビスは警戒心を解きつつも、まさか此処で『この世界のビスマルク』に会うなんて予想していなかったのか、少し困惑しながら日本語で悪態を吐くと、ビスマルクは日本語が分からないのか首を傾げながらドイツ語で聞いた。
「どうした?何か不味い事でも起きたの?」
ビスマルクは困惑しているビスの事が気掛かりに思い、心配そうに聞くとビスは冷静を装いながら答えた。
「……何でも無い、此方の話よ。自己紹介が遅れたわ。私は『佐世保鎮守府の外部委託通訳員』として一般の会社から派遣された『
ビスは咄嗟に『本来の世界ではあるが人間として戸籍登録している自身の本名』と『偽りの役職』を織り交ぜながら自己紹介するとビスマルクは先程、ビスが困惑した原因を察したのか、自己完結したかの様に軽く溜め息を溢しながら言った。
「……『
「……それ、どういう意味よ」
ビスは内心、
「……私、ビアンカさんと比べて『感情表現』が『苦手』だから、この暗い服装と貴女に瓜二つの顔と相まってビアンカさんが怖がっていると思ったの。誤解を招く様な事をして申し訳無い」
「フフッ……此方こそ誤解して悪かったわ。それで誰を探しているの?良かったら手伝うわよ」
ビスはビスマルクの悩みである『感情表現が乏しい事』を知り、先程までの警戒心が一気に薄まり、友人と会話するかの様に微笑みながらビスマルクに謝罪するとビスマルクは友好的に接して来るビスの御厚意に申し訳無く思い、ビスの御厚意を控え目に拒否した。
「気持ちだけ受け取るわ。私を含めて重桜の風景に似合わない外見をしているから、すぐに見付かると思う。それに『ありがとう』ビアンカさん。貴女程の『感情豊かで友好的な人』に出会えて……今度、
「フフッ……分かったわ。その時は『貴女の友人』として来るわ」
「ええ……上手く誘えて良かった」
ビスマルクは初めて友人が出来た事に内心、喜んでいたが、まさか
……『青髪のツインテールの少女』が2人に向けてドイツ語で泣き叫びながら猪の様に突進もとい近付いて来たのだ。
ビスは少女を見て、ビスマルクに微笑みながら言った。
「……どうやら『貴女のお連れさん』が見付かった様ね」
「そうだな」
2人は泣き叫んでいる
だが、それは……
「心配してたんですよ姉貴……あれ?姉貴が2人!?まさか『
「ッ!?」
(え?何この子!?
……違う意味ではあるが『ビスの正体』を当てたからだ。
ビスはU-556の言葉に驚愕し、警戒するとビスマルクは溜め息を溢しながらU-556に言った。
「違うわU-556。彼女は外部委託で此処の翻訳員として勤務しているビアンカさんよ。まぁ、私と同じ『ビスマルク』だが……」
「ほぇ?外部委託?姉貴と同じビスマルク?姉貴、私にも分かりやすく説明して下さい……」
U-556はビスマルクの説明に頭の整理が追い付かず、少し混乱しながら聞くとビスは「……この様子だとバレて無い様ね」と判断し、安堵しながら自己紹介を始めた。
「自己紹介が遅れたわね。私は『佐世保鎮守府の外部委託通訳員』として外部から派遣された『
ビスはU-556に微笑みながら自己紹介するとU-556は先程のビスマルクの説明の真意が分かり、慌てて自己紹介を始めた。
「こ……此方こそ宜しくお願いしますビアンカさん。私はビスマルク姉貴の妹分の『U-556』です!しかし容姿と言い、名前と言い……本当に佐世保が姉貴を建造したかと思いましたよ……」
U-556はビスを見て胸を撫で下ろし、安堵しながら言うとビスは「フフッ……驚かせてゴメンネ」と子供をあやす様に頭を撫でながら優しく言い、ビスマルクに聞いた。
「探し人が見付かって良かったわねビスマルク」
ビスは微笑みながら言うと、ビスマルクはビスの言葉に軽く苦笑しながら答えた。
「ああ……と言いたいが『もう1人』居るのよ」
「もう1人?」
ビスはビスマルクの言葉に首を傾げながら聞くと、ビスの質問をU-556が困惑しながら答えた。
だが、その『もう1人の連れ』はビスにとって『平行世界とは言え"決して忘れてはいけない大事な人"の名前』だったのだ。
それは……
「『プリンツ・オイゲン』さんですね。あの人は本当に自由奔放ですからね……一体、何処へ行ったのやら……」
「ッ!?プ………『プリンツ・オイゲン』……ですって……」
……『博霊の世界』では『博霊の前任者』である『堤下 督郎』が独断で無慈悲に
ビスはU-556が探している『
「……大丈夫?顔色が悪いわよ」
「ビアンカさん、大丈夫ですか?重桜の『サシミ』を食べて、お腹を壊したのですか?」
2人は心配そうに聞くとビスは声を震わせながら答えた。
「だ……大丈夫よ。これ位……それにサシミで当たる様なヤワな身体じゃないわ」
ビスは自身の動揺を抑え付ける様に毅然とした態度で振る舞いつつも、かなり動揺し、心配しているU-556に優しくジョークで返すと、ビスマルクの背後から『露出度の高い黒と赤の軍服を着た銀髪に赤のメッシュが入った女性』が妖艶に微笑みながら3人に言った。
「あらあら、一般人を虐めちゃ駄目よビスマルクにU-556……ごめんなさいね。久々の旅行だから浮き足立っちゃって……大丈夫?」
「虐めって……重桜の艦船にセクハラしている貴女には言われたく無いわ」
「……同感です」
女性は冗談染みた口調でビスマルクとU-556に優しく一喝しつつも、先程までの会話を聞いていたかの様に優しくビスに聞くとビスはビスマルクとU-556の悪態を聞いて微笑みながら冗談で返した。
「……大丈夫よ。貴女みたいにセクハラされていないから」
「………初対面なのに『ソレ』は酷くない?それにセクハラじゃなくて、私なりの『スキンシップ』よ。ビアンカだっけ?貴女、本当にビスマルクに瓜二つね……」
女性はビスの冗談に苦笑しながら反論し、ビスの容姿について懐かしさを覚えるかの様に一瞬、哀しい表情になるが、すぐに妖艶に微笑みながら触れるとビスは女性の妖艶な態度に戸惑いながら聞いた。
「それ、よく言われるわ。それにナチュラルに尻を触らないで……所で貴女は?」
ビスは女性に尻を撫でられた事を優しく一喝しつつも女性の素性について聞くと女性は尻を撫でる事を止め、微笑みながら答えた。
そう、彼女こそ……
「ごめんなさいね……私は『プリンツ・オイゲン』よ。宜しく」
「ッ!?何……だと……貴女が……」
「そうよ。何なら……」
……ビスマルクの探し人である『この世界のプリンツ・オイゲン』だったのだ。
ビスは自身が知っているプリンツ・オイゲンとは全く似ても似つかない容姿だった事に戸惑いを見せるとプリンツ・オイゲンは何かを察したかの様に微笑みながら、ビスを
そう、あの『言葉』を……
「………ビアンカよりも、此方の方がシックリ来るでしょ?『
「ッ!?……まさか……貴女……
……そう『艦娘のプリンツ・オイゲン』がビスを呼ぶ時に使う言葉である『ビスマルク御姉様』であったのだ。
そして彼女こそが『
ビスはプリンツ・オイゲンの発言に衝撃が走り、思考が停止したかの様に身体を震わせながらプリンツ・オイゲンに聞くと、プリンツ・オイゲンは再会を喜ぶかの様に微笑み、自身の正体をビスマルク達に聞かれない様に呟いた。
「……そうよ。貴女の事は『この世界の八雲 紫』から聞いたわ。まさか本当に『
「……貴女が『
ビスはプリンツ・オイゲンの素性を知り、
「『何処かに』と言うより転生した全員が今『此処』や『貴女の目の前』に居るわ。まぁ記憶が蘇っているのは今の所、私だけだが……」
「………まさかビスマルクやU-556も近い内に前世の記憶が蘇って来る……って事?」
「……そうよ。そして此処に来た本当の目的は『
「……貴女なりの『あの人に対しての"ケジメ"』って訳ね」
ビスは『
「これで分かったかしら?私が此処に来た目的を……」
「……ええ。私も貴女に……いえ貴女達に会えて良かったわ」
ビスは微笑みながらビスマルク達に言うとビスマルクとU-556もまたビスに釣られたかの様に笑みを溢しながら答えた。
「ええ。それでは失礼するよ。行くよ2人共」
「はい!それでは♪」
「またね、ビアンカ♪」
3人は微笑みながらビスと別れるとビスは転生したプリンツ・オイゲン達が和気藹々に、そして幸せそうな様子を見て、少し感傷的になっていた。
(………まさか転生したプリンツ達に会うとは……正しく『事実は小説より奇なり』を体現した様な出来事だわ……しかし、アッチで死んだ私達が転生し、今を幸せに生きていて良かったわ……さて、そろそろ鎮守府に向かうか)
ビスは気持ちを切り替え、本来の目的地である『佐世保鎮守府』に向かった………
「……やっぱり腹ごしらえをしてから向かうわ」
………訂正、本来の目的地である『佐世保鎮守府』に行く前に夕飯を済ませる為、街中に向かい、佐世保の艦船達が経営しているレストランで霊夢と出会い、今に至る訳である。
そして此処から霊夢が迷った経緯を説明しよう。
時は更に遡り、ビスがビスマルクと出会う少し前、佐世保鎮守府付近の繁華街にて……
繁華街の外見は『鎮守府の"和"を基調とした外見』に合わせる様に京都の町並みを彷彿させる様な和を基調とした町並みになっていた。
そんな華々しく、そして日本の
「……腹減った……そして……」
ガサゴソ……
「……何時もの如く、金も無い……泣けるわ……」
無一文で空腹のまま、街を彷徨っていたのだ。
霊夢はレミリアの指示で此処に来たのは良いが、普段から自身の家である『何かと
「あら?ごめんなさいね。他所見してしまって……」
プリンツ・オイゲンは微笑みながら謝罪すると、霊夢は……
「あぁ?
「……まさか普通の人間が艦船にカツアゲをする人がいるなんて……それなら他の人にやってね。カツアゲをする相手が間違っているわよ」
………巫女とは思えない位の酷い脅し文句を吐き出し、カツアゲを始めたのだ。
プリンツ・オイゲンは霊夢を見て怖じ気ず、むしろ酷く衰弱している霊夢の状態を見て、情けを掛ける様に苦笑していると霊夢は自身の要求を断ったプリンツ・オイゲンを見て怒りが増し、更に追い打ちを掛ける様に脅し文句を吐き捨てた。
「あぁ?相手が間違っているだと?娼婦であるアンタが?笑わせないで!!散々、寝取った男から絞り上げたんでしょ?なら、その金をさっさと出しなさいよ!!」
霊夢はプリンツ・オイゲンの露出の多い服装と妖艶な雰囲気を察し、彼女を『娼婦』と勘違いし、金を要求すると、プリンツ・オイゲンは苦笑しながら答えた。
「……私、娼婦ではなく『艦船』なんだが……」
プリンツ・オイゲンは苦笑しながら自身の素性を簡潔に答えると霊夢は怒り狂いながらプリンツ・オイゲンの発言を否定した。
「アンタが艦船?嘘を吐くのなら、もっとマシな嘘を言いなさいよ!!なら意地でも……」
霊夢は怒り狂いながら否定し、プリンツ・オイゲンに掴みかかった途端………
「………腹が減って力が………」
……霊夢の空腹度が限界に達し、某アンパンなヒーローみたいな台詞を溢しながら膝を着いたのだ。
プリンツ・オイゲンは空腹で覚束ない足取りになりながら立ち上がろうとしている霊夢を見て、完全に同情し、苦笑しながら手を差し伸べた。
「……取り敢えず、レストランに行く?」
「………ええ」
霊夢は恥ずかしそうに頷き、プリンツ・オイゲンと共にレストランに向かった。
数分後、重桜の艦船達が経営しているビュッフェ形式の多国籍レストラン『to-go』にて……
「……久々の飯だ!!では……いただきます!!」
ガツガツガツガツ!!
モグモグモグモグ!!
ゴクッ!!ゴクッ!!
「け………結構食べるわね。貴女……」
プリンツ・オイゲンは大皿に山の様に盛りに盛った海軍カレーを平然と、そして豪快に平らげる霊夢を見て顔を引き釣りながら苦笑すると霊夢は口一杯に入れた料理を豪快に飲み込んだ後、プリンツ・オイゲンに言い返した。
「ゴクン!!仕方無いじゃない!!此方は2日間『水』しか取って無いのよ!!あーもう!!あん時、
「そ……そう……アッチの世界の貴女も貧乏性だけは変わらないのね。同情するわ、アッチの勇人君」
「ん?何か言った?」
霊夢はプリンツ・オイゲンが小声で喋った内容について触れると彼女は微笑みながら「何でも無いわ」と答え、コーヒーを一口飲み、微笑みながら霊夢に聞いた。
「……所で何故、貴女の様な『巫女』が佐世保で彷徨っていたの?頼れる人が居たんじゃないの?」
プリンツ・オイゲンは何故、霊夢が衰弱した状態で彷徨って居た経緯について聞くと霊夢は自身の目的が『この世界の最高機密』である『勇人に関する内容』だった為、気不味そうに目を反らし、しどろもどろになりながら答えた。
「そ……それは……その……」
「……ごめんなさいね。今のは無かった事にして」
プリンツ・オイゲンは霊夢が狼狽える理由である『
「助かるわ……ゴクッ……ゴクッ……ふぅ〜……それで何故、私が『巫女』だと分かったの?重桜の艦船にも似たような連中がいるのに?」
霊夢はプリンツ・オイゲンが発した『巫女』について触れるとプリンツ・オイゲンは微笑みながら答えた。
「確かに重桜の艦船にも貴女に似た服装をしている艦船だっているわ。しかし重桜の艦船は尻尾や獣耳等、身体の一部が獣化しているのよ。それを踏まえた上で『巫女』だと推測したのよ」
「あぁ〜……何か納得したわ。確かに三笠も角が生えているし、赤城に至っては九尾が生えているからね……」
「ッ!?三笠……」
「ん?どうしたの?三笠に何かされたの?」
霊夢は手をポンと打ち、納得しながら言うと先程まで妖艶に微笑んでたプリンツ・オイゲンが一瞬、顔を顰めた事を見抜き、首を傾げながら聞くとプリンツ・オイゲンは元の妖艶な笑みに戻り、微笑みながら答えた。
「……ええ。昔、佐世保と演習してた時に三笠に滅多打ちにされたのよ」
……勿論これは嘘であり、本当は『
プリンツ・オイゲンは微笑みながら嘘を言うと、霊夢は彼女の嘘を信じ込み、同情しながら言った。
「あぁ〜……同情するわ……ん?演習?それに滅多打ち?アンタ、本当に艦船だったの?」
霊夢はプリンツ・オイゲンの
「そうよ……ってか漸く信じてくれたの?」
「……名前は?」
霊夢は漸くプリンツ・オイゲンの素性を信じ、先程の無礼を詫びる様に神妙な表情で彼女の
「『鉄血』の『キール鎮守府』所属の『プリンツ・オイゲン』よ……貴女は?」
「霊夢……『博麗霊夢』よ」
霊夢はプリンツ・オイゲンの素性を聞いて、神妙な表情で自己紹介をするとプリンツ・オイゲンは霊夢とは逆に友好的に微笑みながら「宜しく」と言い、空になったコーヒーカップを持ちながら席を立つと霊夢は首を傾げながら聞いた。
「何処へ行くのよ?」
「お代わりよ。せっかくのビュッフェだし、霊夢もしてくれば?」
プリンツ・オイゲンは微笑みながら霊夢に勧めると霊夢は「それもそうね」と空になった大皿を手に取り、一目散に数多く並べている料理が置かれているエリアに向かうとプリンツ・オイゲンは微笑みながらドイツ語で呟いた。
「それじゃ私はビスマルクと合流しますか……その前に霊夢に『仕返し』しなくちゃ……ね♪」
プリンツ・オイゲンは微笑みながら会計エリアに行き、その時に会計を担当していた艦船『
そして数十分後……
「はあ〜……食った食った♪さて、そろそろ鎮守府に行きますか……」
霊夢は何食わぬ顔でレストランから出ようとした途端、近くに居た紀伊が慌てて霊夢を呼び止めた。
「ちょ!?お客さん!?御会計がまだだよ!!」
「御会計?それならプリンツが払ったんでしょ?それに誰?」
霊夢は怪奇そうに首を傾げながら聞くと、紀伊は霊夢の発言を強く否定しながら『プリンツ・オイゲンが残した手紙』を霊夢に渡した。
「私は佐世保所属の艦船『紀伊』よ。彼女から代金では無く『手紙』を預かっているわ……」
「手紙?どれどれ………ッ!?」
霊夢はプリンツ・オイゲンからの手紙を受け取り、手紙の内容を黙読すると、手紙に書かれていた『内容』が霊夢の逆鱗に触れ、ワナワナと身体を震わせ、鬼の形相になっていた。
何故なら手紙には、こう書かれていたからだ……
「私にカツアゲをしようとした仕返しよ♡自分の分は自分で払ってね♡オイゲンより♡」と……
しかも御丁寧にも手紙の右下にプリンツ・オイゲンのキスマークが霊夢を挑発するかの様に付けられていたのだ。
霊夢は手紙を黙読し、怒りに任せる様に……
「ムキィィィィィ!!!」
癇癪を起こしたかの様な阿鼻叫喚に叫びながら手紙を細かく破り捨てたのだ。
霊夢はプリンツ・オイゲンに一杯食わされ、相当ご立腹になりながら紀伊に言った。
「ちょっと紀伊!この代金『アンタの所の指揮官』か『男の方の飛龍』にツケといて!嫌とは言わせないわよ!」
霊夢は紀伊に恫喝する様に自身が食べた代金を勇人か博霊にツケさせる様に言うと紀伊は霊夢を『お客様』ではなく『食い逃げ犯』として対応を変え、先程までの友好的で柔らかい口調から霊夢に負けない位の荒い口調になり、霊夢を恫喝し返した。
「はぁ?出来る訳無いでしょ!!アンタみたいな『見ず知らずの女』が指揮官や飛龍さんにツケとくのは無理な話よ!!」
「『見ず知らず』じゃないわよ!!私はアイツの又従兄妹よ!!」
「どっちのよ!?」
「両方よ!!」
「嘘つかないで!!貴女みたいな野蛮で傲慢な人が指揮官や飛龍さんの血縁者な訳、無いじゃない!!」
「だから本当だって!!」
ワーワー!!
二人は霊夢の恫喝を皮切りに言い争いを始めると食事を取りに店内に入ってきたビスが二人の様子を見て、驚愕しながら二人に言った。
「喧しいわね……スミマセン、今やっていまs……って霊夢!?何やっているのよ!?」
「あ!?ビスマルク!丁度良かったわ!助けて頂戴!!」
「あ!?いらっしゃい、ビスさん……この『食い逃げ犯』とは知り合い?」
霊夢は藁を縋る様に、紀伊は首を傾げながら言うとビスは紀伊の発言から今起きた状況の経緯を察し、呆れながら重い溜め息を溢しながら言った。
「……残念ながらね。その食い逃げ犯は私の所の
ビスは頭を抱えながら紀伊に聞くと、紀伊は机の上に置かれている会計票を手に取り、霊夢の代金を言った。
「『
「ビュッフェなのに安いわね……ん?『ダイヤ』?ダイヤって……確か……これの事?」
ビスは紀伊が発言した『ダイヤ』という言葉を聞き、首を傾げながらも博霊から渡されたであろう『アズールレーン用と書かれている青色のガマ口財布』から赤色の宝石を取り出すと紀伊は「そうよ」と肯定し、ダイヤの使い方について詳しく説明した。
「……この様子だとダイヤの
「へぇ〜……此処の紙幣を持っていない人にとって非常に助かる
「あぁ〜……アイツから貰った『
「え!?ダイヤを
「……馬鹿な女だな、アンタ。まぁ先行投資とはいえ
「それに関しては同意見よ……」
ビスと紀伊は『霊夢の無計画さ』と『博霊の豪快な先行投資』に物凄く重い溜め息を零しながら皮肉ると霊夢は2人の皮肉を一掃し、逆ギレしながら2人……特にビスに言った。
「うっさいわね!!だったら『
霊夢はビスに逆ギレをしながらも代金を建て替えて貰う様に言うと、ビスは「……仕方無いわね」と言わんばかりに重い溜め息を溢しながら紀伊に頼んだ。
「……このままだと埒が明かないから霊夢の分まで支払うわ。丁度、腹を空かせているからね。前払いで良いかしら?」
「それもそうね。なら『900ダイヤ』を貰うわ。アンタは、コイツとは違って指揮官を救ってくれた恩もあるからね」
「
ビスは紀伊の
「構わないさ。これは私なりの『
「
ビスは紀伊の計らいに物凄く申し訳無さそうに言うと紀伊は苦笑しながら2人に言った。
「本当はビスさんだけ『タダ』にしたいんだが、そうなると利益ところか材料の原価が……ねぇ……味の評判は良いんだが基本『
紀伊は苦笑しながら言うとビスは店の事情を知った上で優しく、そしてビスに課せられた『とある条件』に触れる内容だった為、その事を理由に付けて紀伊のサービスを断った。
その条件とは……
「何言ってるのよ。貴女が悔やむ事じゃないわ……その気持ちだけで十分だから私も霊夢と同じ料金にして欲しいわ……でないと『見返りを求めない』と宣言した
それは数日前に起きた宴会時に博霊を含む艦娘達全員が勇人達に『重桜からの見返りを一切求めない』と宣言したからだ。
ビスは自分達のせいで店が
「……あの人の命令なら仕方無いね。時間に気にせず思う存分食べてね」
「
「そう言えば自己紹介がまだだったわね。私は紀伊よ。宜しく」
「宜しく、紀伊……それじゃ御言葉に甘えるわ」
紀伊とビスは代金に関する交渉を終え、微笑みながら切り上げると霊夢はビスと紀伊の交渉内容に不満があるのか、紀伊に恫喝しながら不満を零した。
「ちょっと何言ってんのよビスマルク!こういう時こそ『タダ』に持ち込ませる様に交渉するのが常識でしょ!!そして紀伊!ビスマルクじゃなくて私の分を『タダ』にしなさいよ!!私だってアンタの所の指揮官を助けた1人よ!!」
「いや……それは…………」
紀伊は霊夢の
「ひでぶ!?」
「相手の事情を察しなさいよ!この
……ビスの強い
霊夢はビスに
「あははは……まぁ取り敢えず席に案内するよ」
「お願いね」
「戦艦の鉄拳制裁は……マジで洒落にならないわ……』
紀伊は苦笑しながらも2人を空席に案内し、数分後ビスは少し遅めの夕飯を取った。
ちなみに……
「それじゃ、いただきます……の前に霊夢、勝手に私の
「
「
「嫌よ!!私にも頂戴よ!!」
ワーワー!!
「……本当に飛龍さんの又従兄妹なのか?意地汚いわね……」
……紀伊はビスのビールを奪い取ろうとしている霊夢を見て物凄く困惑したのは言うまでも無かった。
そして更に数十分後……
「はぁ〜……食ったわ……料理は美味しいし、料金も安い、そして何よりも『ご当地ビール』が美味い……案外、重桜の佐世保も悪くないわね♪今度、
「うぅ……結局は水しか飲めなかった……その時は私も誘いなさいよビスマルク……」
ビスは満足そうに少し膨らんだ腹部を軽くポンポンと叩き、霊夢は悔しそうに不貞腐れながら呟くと紀伊はビスの満足した笑みに釣られ、微笑みながら言った。
「そりゃ良かったよ。所で2人は、この後どうするの?」
紀伊は微笑みながら聞くとビスは微笑みながら、霊夢は不貞腐れながら同時に答えた。
「「鎮守府に行くのだが……って
2人は目的地が同じだった事に驚くと紀伊は苦笑しながら答えた。
「あらら……2人の目的地が一緒だったとは……なら案内しよっか?」
紀伊は2人に鎮守府までの道のりを案内すると提案するがビスは店の片付け等で忙しい紀伊を気遣う様に優しく断った。
「大丈夫よ。少し散歩しながら向かう予定だから」
ビスは優しく断ると紀伊は微笑みながら言った。
「そう?今度は飛龍さん……アンタの方の指揮官を連れて来てね」
「そうさせて貰うわ。それに1つ……
ビスは微笑みながら冗談混じりで店を後にすると紀伊は「上等よ」と言いながら2人を見送った。
そして店を後にした2人は数分後……
「「何故か迷った……どうしよう……」」
……何故か佐世保鎮守府の郊内に設けている広場で途方に暮れ、現在に至る訳である。
そして後半に続く……