平行世界の最弱の龍が重桜に『保護』されました。これより治療を始めます。 作:八意 颯人
体操を始めてから数分後……
「ッ!?これが……自衛隊体操か……」
「何か普通のラジオ体操を大袈裟に動かしただけの様な体操ですね……」
「確かに、これは……重りが無いと効果が出ませんね……」
「……拍子抜けですね。指揮官様も、この体操に拍子抜けを……え?嘘でしょ……」
赤城を含む艦船達は序盤ではあるものの、自衛隊体操の動作に拍子抜け、余裕綽綽で咲夜の動きを真似をしつつ、赤城は自身の感想を勇人に伝えようと彼を見た途端、覇気の無い声を出し、少し驚きながら呟いた。
何故なら……
「グォォォォ……お……重い……」
「其処まで体力が無いとは……」
勇人が音を上げ、顔を思いっきり顰めながら体操していたのだ。
赤城は非力過ぎる勇人を見て、動揺すると咲夜は他所見している赤城に一喝した。
「赤城様!! 他所見しないで下さい!! 次、他所見をしたら御主人様用の重りを追加しますよ!!」
「ッ!? は……はい!!」
赤城は咲夜に一喝され、慌てて体操に集中すると富崎は次の体操動作である『とある運動』を高々に叫んだ。
それは自衛隊体操の中でも『一番の見せ場』でもあり、今の勇人にとって『地獄的なキツさ』を誇る動作である……
その運動の名は……
「スゥ……『
「「「「「ま……待って!統制運動って……何?」」」」」
……『統制運動』である。
この統制運動とは自衛隊体操の中でも群を抜いて躍動感があり、自衛隊らしくメリハリのある動作を要する体操種目である。
勇人達は自衛隊体操の1つである『統制運動』に少し疲労困憊になりながらも怪奇そうに聞くと、咲夜は自身の爽快感を勇人達に見せ付けるかの様に少し妖艶に汗ばみながらも微笑みながら答えた。
「自衛隊体操特有の体操動作です。では私が統制運動の流れをレクチャーしますので、後から真似をして下さい……スゥ……」
咲夜は勇人達に答えると、軽く息を吸い、統制運動を行った。
その『統制運動』の動作の流れとは……
「イーチッ!!」
まず『1の号令』で左足を肩幅に開き、素早く手を肩へ持っていき、指先を肩に着け……
「ニィッ!!」
『2の号令』で左足を更に大きく広げ、同時につま先を外側に向け、左手は真上に、右手は真横に伸ばし……
「サンッ!!」
『3の号令』で『1の号令』の体勢に戻り……
「シッ!!」
『4の号令』で『気を付け』をし……
「ゴーッ!!」
『5の号令』で『1の号令』の時に動かさなかった反対の手足を使い、『1の号令の動作』を鏡写しをしたかの様に動作をし……
「ロクッ!!」
『6の号令』で『5の号令』と同じく、先程『2の号令』の時に動かさなかった反対の手足を使い、『5の号令』と同様に『2の号令』を鏡写しをしたかの様に動作をし……
「シチッ!!」
『7の号令』で『5の号令』と同じ体勢に戻り……
「ハチッ!!」
『8の号令』で『気を付け』に戻る……
これが『統制運動』の一連の流れである。
「……これが『統制運動』の流れです。分かりましたか?」
「は……はい……如何にも『軍隊』って感じの体操ですね……キツそう……」
「そ……そうですね……」
勇人達は咲夜の気合いが籠もった号令に臆しながらも、統制運動の動作に少し狼狽えると咲夜は微笑みながら勇人達に命令した。
「……では始めますので、着いて来て下さい。では……統制運動、始めぇ!!イチッ!!」
「「「「イチ……ッ!!!」」」」
「い……ウッ!?」
勇人達は咲夜の号令そして動作に合わせると勇人達に『とある感覚』が襲い掛かった。
それは……
「クッ……重りのせいで……上手く……動けない……」
「結構……来ますわね……」
「腕が……上がらない……だと!?」
「足が……」
「う……動かない……何故……」
……『
上から加賀、赤城、勇人、蒼龍そして天城は『
「皆様!! 何チンタラとやっているのですか!! たかが10キロで音を上げないで下さい!! 私なんて『
「く……クソッタレェェェェ!!」
「「「フンヌゥゥゥゥ!!」」」
「チクショォォォォ!!ウォリャァァァ!!」
咲夜は勇人達に檄を飛ばすと勇人達は咲夜からの檄を受け、罵声を咲夜に浴びせる様に悔しい声を上げ、腕や足をブルブルと震わせながらも辛うじて咲夜の動きに着いて行き……
更に数分後………
「「「「「ゼェ………ゼェ………たかが体操で、こんなに……」」」」」
勇人達は自衛隊体操の最後の動作である『深呼吸』まで終わり、疲労困憊になりながら休憩していると咲夜は辛うじて着いてきた勇人達に微笑みながら言った。
「フフッ……根性だけはあるようですね……ちなみに、今からリストバンドを追加し、再び体操をして貰いますよ♪ それを『10
「「「じゅ……10
「……この人、鬼だ……」
「……泣けますね」
咲夜は微笑みながら勇人に言うと、勇人達は疲労困憊になりながらも再度、自衛隊体操を再開した。
勿論、あの『リストバンド』を咲夜みたいに両腕、両足に着けたまま……
そして
「ぜぇ……ぜぇ……もう……動かない……」
「病み上がりには……ぜぇ……酷過ぎる……はぁ……トレーニングですね……」
「「も……もう……無理……」」
「ぜぇ……も……もう少し……ぜぇ……楽な方法は無いので……はぁ……すか?」
上から勇人、天城、一航戦の2人そして蒼龍は『変な体操』こと『自衛隊体操』のハードさに完全に音を上げ、その場に倒れ込みながら咲夜に言うと、咲夜は勇人達の『体力の無さ』と『蒼龍の愚痴』に物凄く困りながら言った。
「そんな事を言われましても……本来なら1ヶ月以上掛けて『
「全くです。嘆かわしい……」
咲夜と富崎は勇人達の体力の無さに困惑しながら答えると、加賀は咲夜の感想に疲労困憊になった身体に鞭を打つかの様に強い口調で反論した。
「いや……貴女達が化け物染みているからだろ!高練度の艦船でも音を上げるぞ!!このトレーニングメニューは!!」
加賀は強い口調で2人に反論すると先程まで執務室の窓から勇人達の体操を見学していた優と三笠が鎮守府の玄関から現れ、加賀の意見に同意しながら言った。
「加賀の言う通りだ咲夜殿に富崎殿。御主達の考えも分かるが、これは些か『やり過ぎ』なのでは?」
「初っ端から『20キロの重りを着けた状態での"自衛隊体操フルコース"』は『
「『オーバーワーク』じゃなくて『オーバーキル』ですよ……
勇人は三笠と優にツッコミをすると2人は自身の気不味さを隠す様に苦笑しながら答えた。
「いや〜……てっきり普通に自衛隊体操をしているのかと……」
「トレーニングの邪魔になると思ったから口を出さなかったのよ……ごめんね」
2人は苦笑しながらも申し訳無さそうに答えると咲夜は自身の
「……では三笠様に桜花様。貴女達なら、どんなメニューを考えるのですか?何せ時間がありませんからね」
咲夜は力也の命令である『勇人の
「そうだ!昔『
三笠は慣れないカタカナ語に苦戦しながらも嘗て『
「それって『ビ○ーズブートキャン○』の事ですか?確かに、あのエクササイズなら『
「そ、そうなのか……ってか上城殿の世界にもあるんだ」
咲夜は遠回しではあるが、三笠の案を却下すると三笠は『博霊の世界でもビ○ーズブートキャン○がある事』に内心、驚きつつも『"
「う〜ん……肉体改造に特化した『自衛隊体操』を行うか、護身術に特化した『
優は声を唸らせながら思考を巡らせていると咲夜は優が発言した『とある方法』を聞き、微笑みながら言った。
「……それ、良いですね!『2つ一緒』なら肉体をバランス良く鍛えれますし、護身術も身に付きます!それで行きましょう!」
「……話聞いてたの?2つ一緒に行うと『
優は咲夜の提案に呆れながら反論すると、咲夜は微笑みながら優が懸念している内容である『勇人が博霊みたいなボディービルダー顔負けの筋骨隆々な身体になってしまう事』についての解決策を勇人達に言った。
「それなら大丈夫ですよ。明日から自衛隊体操は『統制運動』まで留めて置き、その後に『
「護身術と肉体改造がバランス良く仕上がって来る……と言う訳ね……それなら問題無いわ」
優は咲夜の案に軍医として問題無い事を伝えると、勇人は先程の自衛隊体操に『苦手意識』が芽生え、嫌そうな表情になりながら咲夜に聞いた。
「まさかだと思うけど……あの『
勇人は物凄く嫌そうな表情になりながら咲夜に聞くと、咲夜は微笑みながら答えた。
「勿論です……と言いたいのですが、流石にリストバンドを着けながら両方を行うのは上城様達にとって酷な事だと判断し、
「「「「「ホッ……良かった……」」」」」
咲夜は微笑みながら答えると勇人達は安堵を零し、疲労困憊な身体を休めるかの様に寝そべると三笠は勇人達の姿を見て、顔を引き釣りながら言った。
「し……指揮官だけでは無く、赤城達までもが……余程、濃い内容の訓練だったんだな……参加しなくて良かった」
「……大丈夫かしら?後でビスちゃんや土佐ちゃん達に連絡しておくわ」
三笠は咲夜が考案したトレーニングメニューのハードさに安堵し、優は疲労困憊で全く身体が動かない勇人達を運ぶ為に非番の艦船達やビスを呼び、数分後、三笠と共に勇人達を私室に運んだ。
そして数時間後、私室に戻った勇人達は案の定……
「「「「「イッ!! き……筋肉痛でう……動けない……」」」」」
……重度の筋肉痛が起き、一日中ベットから出れなかったのは言うまでも無かった。