平行世界の最弱の龍が重桜に『保護』されました。これより治療を始めます。 作:八意 颯人
「悪夢の始まりは、母さん……いや両親が事故で亡くなった直後に起きたんだ……」
「……」
勇人は俯き、恐怖に怯える様に身体を震わせながら自身の
時は遡り、13年前、勇人が元居た世界の横須賀市内のとあるマンションにて
「お父さん……お母さん……」
コンコン……
「ッ!?はーい……」
当時、幼い勇人は残された弟と妹と共に亡き父『
「貴様が『あの夫婦』の息子か……」
「ッ!?どちら様ですか?」
当時、勇人は『艦娘』の存在を知らず、女性の不敵な笑みに警戒心を出しながら質問をすると、女性は勇人の言葉や態度が気に食わなかったのか、女性は先程までの不敵な笑みから一転、般若の様な怒り狂った表情になり、幼い勇人に怒鳴った
「ッ!?貴様ァ!!艦娘も知らないのか!!私は貴様の母親であり『敷島型三番艦 三笠』だ!!何も出来ない人間風情が私に歯向かうな!」
「ッ!?」
そう、この女性が勇人にトラウマを植え付けた元凶の一人であり、艦娘の頂点に立つ
勇人は三笠の怒鳴り声に吃驚し、更に警戒心を増し、三笠に言った
「僕の……母親ですか……」
「ああ、この私が軍の命令で貴様を引き取りに来たのだ……今から行くぞ!」
「え!?ちょ!?離してよ!!」
勇人は三笠に拉致当然に連行され、三笠の怒鳴り声に震え、縮こまっていた弟や妹達が我に返り、三笠を止める様に反抗した
「兄ちゃんを連れて行くな!!」
「にぃにを離して!」
「連れて行かないで!!」
勇人の弟や妹達が三笠に抵抗していたが、三笠は弟や妹達の抵抗に苛ついていたのか……
「離せ!クソガキ共が!!」
ドカッ!
「「「うわっ!!」」」
当時の勇人より幼い子供相手に本気で凪ぎ払い、子供達は三笠に吹き飛ばされた弾みで壁に叩き付けられ、叩き付けられた痛みにより幼い弟や妹達は号泣し、三笠は邪魔者が居なくなったのか、少し安堵しつつ、幼い勇人を肩に担ぎ、泣きわめいている弟や妹達を見下す様に冷たい口調で言った
「フン!お前達は『別の艦娘』に引き取って貰うから安心しろ……たった今からコイツは私の
「勇次!沙耶!蘭!!助けてぇぇぇ……」
「うわぁぁぁぁぁん!!」
「うるさい!静かにしろ!!」
勇人は三笠から離れようと暴れたが、子供の力では
そして数時間後、
「こ……此処は……」
拉致された勇人は恐怖に怯えながら三笠に聞くと、三笠は勇人の言葉が気に食わなかったのか、握り拳を作り、強い口調で答えた
「あ?貴様が知る事ではない!黙って着いて来い!」
ドカッ!
「グハッ!はい……」
三笠は先ほど作った握り拳を勇人にぶつけ、殴られた勇人は『この痛み』が本物だと知り、先程迄の経緯が現実に起きた事を実感したのか、更に怯えるかの様に身体を震わせながら、黙った三笠の後に着いて行くと、勇人は偶々、擦れ違った艦娘達を見付け、助けを求めた
「ッ!?お姉さん、僕を助けて下さい!お願いです!!」
勇人は三笠の恐怖に耐えきれなかったのか、大声で助けを求めたが、その艦娘達は勇人を見て、こう言った
「へぇ……これがウチらの『玩具』かぁ……」
「これは気分が高揚しますね……『赤城』さんに『龍譲』さん」
「せやな」
「ええ、そうですね『加賀』さん、では行きますよ」
「ッ!?そ……そんな……」
擦れ違った艦娘達……否『龍譲』『加賀』そして『赤城』は勇人の助けを無視する所が勇人を玩具として見て、その場を去ったのだ
勇人は三人の言葉を聞き、絶望すると、三笠は勇人を見下しながら言った
「貴様は
「ッ!?」
三笠は見下しながら幼い勇人に分かりやすく、そして残酷な現実を伝えると勇人は、この先の地獄を察したのか身体を震わせ、そして三笠の……いや政府の考えを子供の発想力で察したのか、三笠に殴られるのを覚悟し、質問をした
「ま……まさか……政府は孤児になった僕達を……」
勇人は殴られるのを覚悟し、身体を震わせながら聞くと、三笠は勇人の洞察力に感心したかの様に「ほう……」と呟き、勇人の質問に答えた
「そうだ、政府は孤児になったクソガキ共を『保護』すると言う『名目』で貴様達を『慰安兵』として『徴兵』したんだ……そして貴様の両親は海軍の中でも我々『艦娘』の考えに反した思考の持ち主で、常に
「ッ!?」
三笠は勇人の両親が死んで安堵したのか、不敵な笑みを溢しながら言うと、勇人は幼い身体に耐えきれなかったのか、三笠に泣きながら言った
「嫌だ!!こんな所には居たくない!!帰りたい!!」
勇人は最後の力を振り絞り、暴れながら三笠から離れようとしたが……
「……艤装展開、主砲、一斉射」
ドゴーン!
「ガバッ!」
三笠は艤装を展開し、逃亡する勇人に向けて主砲に装填された弾を発射し、勇人の動きを止めるかの様に弾は勇人の前に爆発をし、勇人は爆風により三笠の方に飛んで来て、三笠の足元に転がり、そのまま気を失った
そして場面は変わり、佐世保鎮守府内の勇人の自室にて
「……これが僕の『悪夢』の始まりだったんだ」
「……ギリッ……外道な真似を……」
勇人は『幼少時代の悪夢の始まり』を
「ヒッ!?……つ……続けても良いですか?」
「ッ!?ごめんなさい、この赤城、指揮官様の幼き頃の経緯を聞いて久々に腹が立ったもので……指揮官様こそ大丈夫ですか?先程以上に震えているわ……」
赤城は勇人を怖がられた事に謝罪をしつつ先程以上に身体を震わせている勇人に気を使うと勇人は自身の身体の震えを抑える様に数回、深呼吸をし、赤城に言った
「……大丈夫です、では……続けます……」
勇人は身体の震えが収まったのを確認し『自身の幼少時代の悪夢』そして『着任してからの