平行世界の最弱の龍が重桜に『保護』されました。これより治療を始めます。   作:八意 颯人

9 / 46
第5話「境遇(トラウマ) last part」

13年前の勇人が元居た世界の横須賀鎮守府内の牢屋にて

 

「ううっ……こ……此処は……痛ッ!」

 

勇人は先程の三笠の砲撃が原因で火傷を負っており、勇人は火傷による激痛に耐えながら部屋を見渡すと、勇人と同じく火傷等の痛々しい傷を負った少女と背中に所々、破壊されているが、軍艦と思わせる武装を背負い、右腕が欠損している金髪のツインテールの女性が勇人に近付き、勇人の事を心配しながら言った

 

「大丈夫?」

 

「ッ!?き……君は!?」

 

「ッ!?き……君は?見た所『艦娘』では無さそうだが……ヒッ!?か……艦娘!?僕に近付かないで!!」

 

勇人は艦娘に似た特徴を持った女性を警戒し、人間であろう少女に聞くと、二人は勇人の様子を見て、窘めながら答えた

 

「落ち着いて、この人はドイツの艦娘の『Prinz(プリンツ) Eugen(オイゲン)』さんで……私は優花……『桜花(さくらばな) 優花(ゆうか)』よ……」

 

「プリンツ・オイゲンです……君がadmiral……いえ、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ですか?」

 

「ッ!?お父さんとお母さんの事を知っているのですか!?それに何故僕の事を……」

 

勇人は金髪の女性改め艦娘『プリンツ・オイゲン(以降オイゲン)』の言葉に驚愕し、オイゲンと亡くなった両親との関係について聞くと、オイゲンは俯き、重たい口を開ける様に勇人の質問に答えた

 

Ja(はい)……私は()()()()()()として鎮守府に勤務していました……本当は亡きadmiral(提督)命令(遺言)で、私が勇人君……いえadmiral(上城大将)の御子息達と優花ちゃんを引き取り、御姉様達と共にドイツに亡命する筈でしたが……」

 

「……『あの艦娘(三笠)』に見付かって、上城さんやオイゲンさんみたいに『()()()()()()()()()()()()()()()()()()()』の『()()()()』として、オイゲンさんは右腕を……私は……」

 

優花はオイゲンの説明を付け足すと、優花は服を脱ぎ、生々しい火傷や暴行された様な打撲傷の跡を勇人に見せ、俯きながら答えた

 

「……日本の艦娘達にサンドバッグ(玩具)にされ、こんな身体に……」

 

「ッ!?ひ……酷い……なら、早く此処から出よう!!そして勇次達を連れて……」

 

「……そうは問屋が卸せないわ、クソガキ」

 

「「ッ!?」」

 

「み……三笠!」

 

勇人は優花の傷付いた身体を見て絶句し、残された弟達が心配なのか、急いで牢屋……いや日本から脱出しようと企てると牢屋に『球体物が入った4つの袋』を持った三笠が不敵な笑みを溢しながら入ると、勇人と優花は恐怖に怯え、オイゲンは二人を守る様に二人の前に立ち、壊れた艤装を三笠に向けると、三笠はオイゲンを見下す様に微笑みながら言った

 

「あら?これはこれは……裏切り者のプリンちゃんじゃないの……」

 

「『プリン』じゃなくて『Prinz(プリンツ) Eugen(オイゲン)』よ!!名前すら覚えられないの?クソババア!!」

 

オイゲンは三笠に噛み付く様に反論し、罵声を浴びせると三笠は微笑みを崩さず、オイゲンに反論した

 

「仕方無いじゃない、()()()()()()()()()()()()()()()程、私は暇じゃないの……今回は()()()を持ってきたわ」

 

「手土産……だと……」

 

「フフッ……これよ」

 

オイゲンは三笠が言っていた『手土産』について警戒しながら聞くと、三笠は持参した4つの袋をオイゲンに放り投げる様にオイゲンに投げ渡し、オイゲンは袋の中身を確認した

 

「……ッ!?嘘………嘘でしょ……お……御姉様が……」

 

「……何が入っているのですか?」

 

オイゲンは袋の中身を見て、絶句し、勇人はオイゲンの様子を察し、勇人も袋の中身を見ようとしたがオイゲンは袋の中身を覗こうとした勇人を止める様に怒鳴った

 

「ッ!?子供が見ても良い物じゃないわ!!見ないで!!」

 

「ッ!?は……はいィィ!!」

 

勇人はオイゲンの怒鳴り声に驚き、臆しながら袋を開封するのを止めると、三笠はオイゲンの気持ちを踏み弄る様に微笑み、袋を開封させ『袋の中身』を勇人と優花に見せた

 

「あら?見ても良いわよ……そーれ!」

 

ゴロゴロッ……

 

「「ッ!?」」

 

勇人と優花は袋から飛び出た物を見て絶句し、吐き気を催したのか、口を押さえ、目を反らした

 

何故なら……

 

「うっ……に……人の……女性の『生首』だ……」

 

「び……『ビスマルク』さんと『グラーフ』さん……『Z1(レーベ)』ちゃんに『Z3(マックス)』ちゃんが……オェッ!!」

 

そう、袋の中身は本来、勇人達を助ける筈だったドイツ艦の艦娘『ビスマルク』『グラーフ・ツェッペリン』『Z1』こと『レーベレヒト・マース』そして『Z3』こと『マックス・シュルツ』の『()()』だったのだ

 

勇人は吐き気を我慢し、優花に至っては堪えきれず、そのまま吐き出すと、三笠は優花が嘔吐したのを見て、顔を歪ませながら言った

 

「……此処で吐かないでくれない?掃除する手間が増えるから……」

 

「き……貴様ァァァァァァァ!よくも御姉様達をォォォォォォ!!」

 

プリンツは三笠の蛮行に激怒し、破損している艤装の主砲を三笠に照準を合わせると、三笠もまた即座に艤装を展開し、プリンツに向けた

 

「……死体が一つ増えそうね………死ね」

 

「……その『増える死体』が私じゃなくて……貴様だァァァァ!!」

 

ドカン!!

 

「うわっ!!」

 

「キャッ!!」

 

二人の内、どちらかの主砲が放した弾が爆発し、勇人と優花は爆風により吹き飛ばされると、煙から艤装の一部が勇人の足元に転がり、勇人は足元に転がった艤装を見て煙の中に居るオイゲンの事が心配なのか、大声でオイゲンの安否を確かめた

 

「ッ!?プリンツ・オイゲンさーん!!大丈夫ですか!!」

 

勇人はオイゲンに向けて大声で質問すると、三笠は高々と笑い、弾を装填し、答えた

 

「フフフ……アハハハハ!!残念ながらプリンちゃんは()()()()……空砲を放て!」

 

ドカン!

 

三笠は煙を吹き飛ばす様に空砲を放すと、煙は壁に押し付ける様に流れ、二人を目視する事が出来たが……

 

「プリンツ・オイゲンさんが……」

 

「うっ……」

 

勇人は絶句し、優花は堪えきれずに、そのまま気絶した

 

何故なら……

 

ドサッ……

 

「……習わなかったのか?轟沈寸前の艦娘が敵の砲撃を喰らうと……人間と同じ()()()()()()()()()()をね……」

 

そう、オイゲンの身体は三笠により上半身が吹き飛ばされ、残された下半身から噴水の如く血が噴出され、そのまま崩れる様にプリンツの下半身が地面に倒れたのだ

 

「……さて!邪魔者が居なくなったし、後は……」

 

三笠は『下半身しか残っていないオイゲン』を退かす様に蹴飛ばし、主砲を気絶している優花に向けると、勇人は優花を守る様に三笠の前に立ち、自身が感じている恐怖を吹き飛ばすかの様に強く、そして大声で三笠に怒鳴った

 

「ッ!?彼女を……優花ちゃんに指一本触れるなァァァァ!!」

 

勇人は三笠に怒鳴ると、三笠は勇人の行動に感心したのか、不敵な笑みを溢し、勇人に言った

 

「フフッ、意外と根性はあるようね……分かったわ、私は()()()()()()()()

 

「ホッ……」

 

勇人は三笠の言葉に安堵すると、三笠は、()()()()()()()()のか、主砲を静かに優花に向け、そして……

 

ドカン!!

 

「ッ!?」

 

気絶している優花に向けて砲撃をしたのだ

 

三笠は勇人に(わざ)とらしく微笑みながら謝罪をした

 

「あら?ごめんなさいね……主砲が()()しちゃったわ♪だけど……私は、()()()()()()()()()()()から恨まないでね♪」

 

「う……嘘……」 

 

ドサッ……

 

勇人は三笠の砲撃により優花もオイゲンと同じく木端微塵になり、爆発により吹き飛ばされた彼女の生首が勇人の足元に転がり、勇人は『子供にとって耐えきれない衝撃的な出来事の数々』に精神的に耐えきれなかったのか、そのまま気絶した

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

場所は変わり、現在の佐世保鎮守府内部の『勇人の自室』にて

 

「……そして僕は……」

 

勇人はトラウマが再発したのか、身体を激しく震え、顔面蒼白、そして目の瞳孔が開き、冷や汗を流しながら赤城に説明すると、赤城は素人目から見ても()()()()()()()()()()()を止める様に大声で勇人の説明を止めに掛かった

 

「もう止めて下さい!!!指揮官様!!もう充分、分かりましたから……これ以上言わないで下さい!!このままだと指揮官様が……」

 

「し……しかし……」

 

赤城はトラウマを再発しかけている勇人に強く包容すると勇人は赤城の行動により身体の震えが少し治まり、赤城の願いを渋る様に言うと、二人しか居ない部屋に()()()()()()()()が二人の耳に入った

 

「……フム、これは完全に『PTSD』……トラウマを重症化になった症状になっているな……」

 

「ッ!?き……君は……()()()()()()()!?」

 

「ッ!?やはり、この赤城は幻影を見ていなかったのですね……さぁ、殺し(ソウジ)をしましょう……」

 

勇人は今、目の前に居る『()()()()()()()()()()()()()』がいきなり現れた事に驚き、赤城は勇人を守る様に瓜二つの男を排除しようと艤装を展開したが、男は慌てながら二人に言った

 

「待てまぁ!!俺は()()()()()!!艤装を仕舞えって!!」

 

「それは、この赤城が判断しますわ!さぁ……その首……指揮官様に捧げなさい!!」

 

赤城は男の説得に耳を貸さず、殺意剥き出しのまま男に攻撃を行おうとしたが、勇人は男に『ある違和感』を感じていたのか、赤城を止めに掛かった

 

「赤城さん!!ちょっと待って下さい!!いきなり殺すのは不味いですよ!それに彼……亡くなった父さんに『そっくり』……いや僕に()()()だ」

 

「ッ!?そう言えば……指揮官様に……()()()ですわ……しかも階級が『大将』……まさか!?指揮官様の御父様!?」

 

二人は男の顔や声が勇人と瓜二つ……否、勇人と同一人物と思わせる様な顔と声の特長が一致している事に違和感を感じていると、男は勇人の自室に備え付けられている椅子に傍若無人に座り、懐からタバコを取り出し、喫煙をしながら二人に言った

 

「フゥ……んな訳無ぇだろ、先程の軽率な行動については謝るが、俺……いや俺達は……勇人、()()()()()()でもあり、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()だからな」

 

「な!?指揮官様を……()()()()()()()()……()()()!?」

 

「君の仲間が……僕の為に……それに君は……」

 

赤城は男の発言に味方と判断したのと同時に男の仲間が瀕死の重傷を負った勇人を此処に漂流させた事に驚き、勇人は男に感謝しつつ、男の素性を探ろうと質問をすると、男はタバコの灰を携帯灰皿に入れ、答えた

 

「……赤城、感の良いオメェなら()()()()()()筈だ……俺が()()かって……」

 

「この赤城が……ッ!?まさか貴様……いえ()()()は!?」

 

「分かったのですか赤城さん!?彼の正体が!?」

 

赤城は『男の発言』と『勇人の経緯』の2つの出来事(ピース)が合わさったのか、男の正体が分かり、声を荒げると、勇人は赤城の荒げた声に反応し、赤城に聞くと、赤城は今、目の前に居る男の存在自体に混乱しているのか、しどろもどろになりながら答えた

 

そう、この男の正体は……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ええ……これは、この赤城の予想ですが……彼は……『()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()』……つまり、平行世界の『上城勇人』様ですわ……」

 

「なっ!?」

 

「……」

 

……『佐世保の龍』と言われていた平行世界の勇人()()だったのだ

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。