龍剣物語 ~少年の歩む英雄譚~   作:クロス・アラベル

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こんにちは!クロス・アラベルです!
今回は短めとなっております。
次回から原作のストーリーが始まる予定です。
それでは、どうぞ!


夜空の下で

 

 

迷宮都市オラリオは今夜を迎えている。一般民は家に帰り、ダンジョンに篭っていた冒険者は酒場で飲んで笑って大騒ぎしている。

そんな冒険者街はまだ明かりが煌々と点いているが、民家はそうではない。なので、民家で夜空を見上げれば星は綺麗に見える。

エオスファミリアのホームもその例に漏れなかった。特にエオスファミリアのホームである壊れかけの教会は周りに明かりが少なく、よく星がたくさん見えた。この事を知っているのは、ルキアただ一人。だが、今夜は一人の客人がいた。

「……綺麗」

そう、エオスファミリアに入ってきた新人、マナである。一人夜空を見上げている。すると、地下室からルキアが出てきた。

「……ルキアさん…」

「……眠れないのか?」

「……少しだけ、目が冴えてしまって………すみません、すぐに寝ますね」

 

「…綺麗だな」

 

「…はい?」

マナはルキアの口から出てきた言葉に一瞬唖然とし、そして、盛大な勘違いをして顔を赤らめさせた。

「えぇっ⁉︎ちょ、でも、そんないきなり…っ⁉︎」

「…言葉が出ないって言うのは、こういうものなんだって、驚いてたぞ、俺も」

「ふぇぇっ……⁉︎」

マナの異変に気付かずにルキアは続けていく。マナはすでに茹でダコのようになっている。

 

「…ここでこの星空を見上げていたくなるのも、わかる」

 

「………はい?」

「……?」

ルキアの言葉に完全な勘違いをした事を悟ったマナは苦笑いしながら答える。

「で、ですね」

「……初めて夜空を見た時は、呆然とした。こんなにも、世界は広いのか、ってな」

「……小さな存在ですよね、私達って…」

 

「ああ……俺はな、いつか、空を飛んでみたい、死んでこの夜空に消えてしまいたいと思った」

 

また夜空を見上げるマナにルキアは過去を吐露した。

「っ⁉︎だ、駄目ですっ、そんな事っ……⁉︎」

「……だが、今は違う。前は俺はなにかを得ることも失うこともなかった。でも、今は失いたくないものがある。だから、そうは思わない」

マナはルキアのこれまでの人生を知らない。だが、なんとなく察した。そして、何故そうなったのかという怒りや悲しみも。

「…!」

「……俺はここに来て得た物が色々ある。エオスやアミッド、エイナ……そして、お前だ」

「……っ、ルキアさん…!」

「…俺は…………失いたくは、ない」

「………」

 

「……だから、失わないように、強くなりたいんだ」

 

「一緒に、頑張りましょうね」

「…ああ」

ルキアの誓いの言葉。それをしかと見たマナは頰を赤く染めながらも頷いた。

「………マナ、明日からお前はエイナにダンジョンについて習うと言ってたな」

「は、はい」

「……それは止めだ。ダンジョンに行くぞ」

「えっ⁉︎」

「……やはり、 実戦が一番だ。聞くより、見る、見るより、戦う」

「で、でも、エイナさんが……」

「次の日にでも行けばいい」

「……わ、わかりました」

 

後日、エイナにしっかりと叱られたと言う。

 

 

 

 

 

 




次回《少年と剣姫〈強き者〉》
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