第4話、どうぞ!
《ディアンケヒト・ファミリア》ホームの玄関口。
そこに2人の少年少女が立っていた。
空色の髪に
ルキアは白いシャツとズボン、そして、黒いコートを身に纏い、腰には片手直剣を装備していた。防具が入った鞄も背負っている。
あれから2日後。ルキアは予定より1日遅れて出ることになった。
「……本当にいいんですか?私のファミリアに入ることも出来ますが…」
「いや、いい。言った筈だ。何処のファミリアにも入る気は、無いと」
ルキアらアミッドからの再三の誘いに即座に断りを入れた。
「…世話になった。すまない」
「…そこは謝るのではなく、お礼を言うところですよ?」
「………善処する」
「何度も言ったのに、治りませんね。やはり私でも直せないものはありますか」
「……」
初めて会ったときよりアミッドの声が優しくなったように聞こえる。
「……じゃあな」
「……………お元気で」
ルキアはそう言ってメインストリートへ向かった。
◇
《
そこは都市の下にあるダンジョンの恩恵を受けている。
『世界の中心』とも言われるほど栄えた街だ。ヒューマンを筆頭にエルフ、
そして、極めつけは、《
大昔、ダンジョンから出てくるモンスターを自力で押さえていた下界の子供達はある日突然、天界から降りてきた神々に出会った。その神々曰く、『楽しそうだから来てみた』という、天界にはなかった面倒臭くて面白い娯楽を求めて来たという。
それから、子供達に
それから始まって今も続くこの千年間を«神時代»と呼ばれている。
そんな巨大な都市に世間を知らない一人の少年が飛び込んだ。これから少年の新しい人生が始まる。
◇
田舎者がオラリオに来たら、まずやっておくべきことはギルドに行くこと。いずれファミリアに入るだろうから、行っておいた方がいい……とアミッドは念を押していた。
自分はファミリアに入る気はこれっぽっちも無い、つくづく言っていたから関係無い。
そう思っていたルキアはオラリオをなめてかかっていた。
「ん?うちで働きたいだって?じゃあ、どこのファミリアに所属しているんだい?…………はあ!?入ってない?なら他を探しな。」
「私の店で働く?なら、私のところのファミリアに入団ください。…………え?入る気は無い?じゃあ来るんじゃねえよ」
と、ことごとく断られた。
「………ファミリアの所属の有無はそこまで重要なのか…」
思わずこぼれる呟き。これではここで生活するどころか、働けずに飢えて死んでしまう。
「………」
これからどうするか。暫しの黙考。
「ギルド、だったか……」
アミッドの言葉。『ギルドに行った方がいい。』ルキアはその意味が今になって理解した。
「……」
ルキアはギルドを目指して歩き始めた。
次回『ギルドのチュートリアル』