龍剣物語 ~少年の歩む英雄譚~   作:クロス・アラベル

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こんにちは!クロス・アラベルです!
再び、ギルドでエイナさんに会うの巻。
それではどうぞ!


少年と助言者

女神と出会い、ファミリアに入団、ホームに案内してもらい、神々の恩恵(ファルナ)を刻んで荷物を置いて、ルキアはギルド本部に向かった。

「いらっしゃいませ……クラネル氏!ファミリアには入団できたのですか?」

「……ああ、一応」

受付に行くと、あのエルフの職員が対応してくれた。

「エオス・ファミリアだ。いわゆる零細ファミリアらしい」

「分かりました、お預かりします」

その職員はルキアが渡したファミリア登録書を受け取って、受付の奥に行った。

そして、帰ってきた彼女が持っていたのは

「クラネル氏、ギルドでは武器や防具などの初期装備として、売っています。多少値段は張りますが、どうでしょうか?」

「いや、武器と防具はもう持っている」

「そうですか……それでは、もう一つ。ギルドでは1人の冒険者……正確には一つのファミリアに1人、《助言者(アドバイザー)》をつける方針になっております。如何でしょうか?」

助言者(アドバイザー)》。ルキアにとっては聞き覚えのない単語だ。

「その、アドバイザーって言うのは…有料なのか?」

「いえ、無料になっております。ちなみにアドバイザーとは、冒険者のダンジョン探索をサポートするためにダンジョンについての知識や情報を提供する職員のことです」

有料ではないのなら、利用させてもらおう、そう思ったルキアはそれを承諾した。

「それでは、アドバイザーの希望の性別と種族をお選び下さい」

「……空いてる奴でいい」

「……かしこまりました。アドバイザーを選抜して来ますので……あの窓際のテーブルでお待ち下さい」

と言って、受付の奥に消えた。

 

 

 

 

その五分後、彼女は奥から出てきた。

「……選抜、終わったのか?」

「はい、それではご紹介します」

そして、彼女は言った。

 

「ルキア・クラネル氏の冒険者探索アドバイザーを務めることになりました、ハーフエルフのエイナ・チュールです」

 

そう、彼女がルキアのアドバイザーを務めることになったのだ。

「……よろしく頼む」

「よろしくお願いします。それでは、早速これからのことについて、話し合いたいんですが……よろしいですか?」

「ああ」

「はい、あとそれと……喋り方をくだけてもよろしいですか?」

多分、彼女はルキアより年上だろう、まあ、それを拒否する理由も無いので承諾した。

「……ああ」

「……ふぅ、これからよろしくね?ルキア君」

エイナは年上らしい喋る方に変わった。言うならば、姉と言ったところだ。

ルキアにとっては新鮮で、初めての体験だった。

 

 

 

 

「じゃあ、ルキア君。これからの活動方針だけど、まず、これをホームに帰ったら読んで。」

どんっと置かれたそれは、分厚い本。『ダンジョンについての基礎知識』という題名だ。

「……読む…文字が読めも、書けもしない俺に、言うことなのか?」

と、至極真っ当な答えが帰った来て、エイナは頭を抱える。

「………じゃあ、これも読んで。共通語(コイネー)について学ぶ本だよ。これで勉強して、私が認めたら、ダンジョンを探索していいから。ね?」

ダンジョンに探索しに行ける。その言葉に、ルキアは頷いた。

「はい。今日はダンジョンには行かないこと。なんの知識もない人が入ったら、どうなるかわからないんだよ?これだけは肝に命じておいて」

「……わかった。」

こうして、初めての活動方針決定会議が終わり、ルキアはエイナと別れた。

だが、ルキアはエイナの言葉(やくそく)をこの一時間程後に破ることになる。

 




次回「約束破り」

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