FGO脳ザビ子が行く、リトライ不能Fate/EXTRA紀行 作:藻介
初めましての方は初めまして。エクシエともうします。お楽しみいただければ幸いです。
また、よろしければ、拙作『ぐだ×ぐだOrder ~ようするにぐだ子がぐだ男を呼ぶ話』も読んでいただけたらとおもいます。
初めましてでない方は恥めまして(否誤変換)。今後も一層精進していくつもりなので、こちらの方も楽しんでいただければ幸いです。
前口上が長くなりました、新作の方、どうぞよろしくお願いします。
chapter1:戦闘システム
「戦闘はこのように、Attack、Break、Guardからなる、三つのコマンドの三すくみで行ってもらう」
どこにつながっているとも知れぬ空間。その中を一つの声が響いている。
とても天の声、などとは呼べないその声が、私に問うてきた。
「さて、理解したかね」
私は、ひと呼吸おいて答える。
「大丈夫」
そして、同時に思った。
(ようはあれか、ムシ〇ングか。時代を感じるなあ)
天の声。ゲーセン好きだったんだろうか。
私はそれを口に出すことはしなかった。
chapter2:負けイベント
すっかり灰色に染まってしまった死体の山。
その中に倒れていたドールの一つが、一人でに立ち上がり、襲ってくる。
こちらも、かたわらのドールで対抗。
(六手すべてが判らない……、ここはGuardで耐えて様子を見るしか)
結果、二勝三敗一引き分け。
(み、見えねー! どんなんだったけ? いや、というか、やっと与えられたダメージが1って何!)
気づいてしまった。これは、勝てない。
(では、ここで私は死んでしまうというのか)
すこしAttackを増やしてみる。一勝四敗一引き分け。逆に受けるダメージが増えてしまった。耐えきれず、こちらのドールが倒れる。
(あきらめるしか、ないというのか)
敵のドールが標的をこちらに変えた。一歩一歩、威圧するようにゆっくりと迫ってくる。逆に滑稽に見えた。だが、滑稽は滑稽なりの恐ろしさがある。
(それは、認められない)
ここは逃げよう。一歩でも、一メートルでも、アレから遠くへ。
(私はまだ、自分がだれかすらも分かっていない)
だが、私が苦渋を飲む思いで離した距離など、一息ですむとでもいうように、ドールの気配はほんのわずかな間に迫ってくる。
(まだ、何もなせていない)
背中に一筋の感触が走った。斬られた。そう気づくのに、どれほどの時間を使ってしまっただろう。
いや、そもそも。傷なんてどうでもいいことだ。それにはすぐ気づけた。
(そして、何よりも)
あきらめない。
(私は、まだ)
あきらめない。なぜなら、私はまだ――
(チュートリアルガチャすら引いていないんだから!!)
瓦礫が崩れる音が、私の意識を叩き起こした。
その中から、何か、人型の赤いものが降ってくる。
それは、あれほど苦戦したドールの攻撃をたやすくかわし、その上で、まるで枝でも折るように、一刀に伏した。
そして、赤い騎士は言う。
「さて、一応聞いておくが、私のマスターは君かね?」
赤い外套が印象に残る青年だった。
私は答える。
「はあ、恒常星四か……」
「いっぺん死んでみるか」
「いえいえ、すみません。私があなたのマスターです」
――――フラグ回避成功。
一方そのころ一周目ザビ子さん
「そうしゃー、夜ご飯の時間だ。何をたべる? 外食か? 配達を頼むか? それとも、余の手作りがいいか?」
「いや、いつもお世話になってるし、今日は私がつくろうかな」
「そうしゃの、手作り、だと……!?」
「うん。なにがいい? セイバー」
「何でもよいぞ。というか、そうしゃの作るものなら余は何でもよい!」
「もう、セイバーったら」
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「マスター、紅茶の砂糖はいくついるかね」
「いや。いらない。お腹いっぱい」