バンドリ 〜THE amazing〜 作:JOKER1011
サンダーボルツのケントが私のお父さん‥なんで‥
私は‥お父さんの顔を知らない‥
そう思った瞬間、忘れていたのかどうかも分からない記憶が流れてきた。
「ほら〜美波〜パパだぞ〜」
「美波は将来立派な子に育つさ!なんたって俺とお前の子だからな!」
「お!美波!パパのギターが好きか!そうかそうか。」
「また上司に怒られちまったよ‥お!美波!俺を慰めてくれるのか?」
「お父さん‥」
その夜、晩御飯が終わって私はお母さんに大事な話があると行って椅子に座ってもらった。
「どうしたの?美波?あ!もしかしてバンドの話?悪いけどお母さんはバンド活動なんか認めないよ。バンドなんて大嫌いさ。」
そう言ったお母さんの前にコピーした紙を見せた。
「これは‥美波、これどうしたの?」
「今日偶然友達からこのバンドの話を聞いて調べた。お母さん!これどういうこと?」
「知ってしまったのね。そうよ、このケントは永田健人。あなたのお父さんよ。」
「教えるわ。全て。翔太も呼んでらっしゃい。」
私は翔太を呼びに行き、翔太を私の隣に座らせた。
「元々私はサンダーボルツのファンで売れない頃から応援し続けてたの。夢に向かって頑張る彼をすぐ近くで応援したくて結婚したわ。
彼は私と子供達の為に働きながら夢を追い続けた。でもね?彼はある日、バンドを捨てて私達の為に頑張る。そう言ったの。」
「私は嬉しかった。でもそれと同時にもう彼の演奏は聞けないんだって‥そう思ったの。」
「そして解散を告げる為にいつものライブハウスに行ったの。その帰りだったわ。彼は車に轢かれたの、飛び出した子供を助けようとして。毎日泣いたわ。毎日毎日。彼に会いたくて死のうとも考えた。でも死ねなかった。美波とお腹の中にいた翔太の事を考えたら、死ねなかった。
だって私しかいないんだもの。」
「あなたにバンドをして欲しくなかったのはね?バンドをしてまた私の目の前から大切な人がいなくなるのが怖いからなのよ。」と言い泣き出した。
そうだったのか。だからお母さんは‥
「私は‥私は!絶対にいなくならない!お母さんの前からも翔太の前からも絶対にいなくならない!」
「だから‥だから‥」と私も泣いた。
「俺もだ。俺だって母さんと姉ちゃんの前からいなくならねえ!約束するよ!」
「二人共ありがとうね。最後にもう一度聞くわ。あなたはバンドをやる。その決心は固いのね?」
「うん!やる!」
「分かったわ。少し待ってなさい。」と席を立ち、二階に上がっていった。
そして手にギターケースを持って降りてきた。
「開けてみなさい。」
そう促され、開けると中には埃を被ってはいるが、波のような模様が入った真っ赤なギターが入っていた。
「これって‥」
「ええ、健人さんからのプレゼントよ。将来自分みたいに美波がギター始めたら渡すつもりだったのよ。」