GATE 大日本帝国 彼の地にて、斯く戦えり 作:人斬り抜刀斎
1946年 帝都東京 皇居で天皇陛下や各大臣や官僚や軍の参謀達を交えて御前会議が開かれていた。
「これより 御前会議を始める」
と天皇が言うと各大臣は天皇に一礼し着席する。議題となったのは降伏後の帝国の処置でした。
『帝国解体』
強硬派側の主張
「帝国に賠償を支払わせる為に領土・鉱山・油田を奪取するべきです。我が国は帝国の重工業及び生産財の80%を徴収します。いずれにせよ帝国を解体し孤立した弱小の小国の寄り合い所帯にしてしまわなくてはなりません」
一方の穏健派の主張
「我々は賠償と言う考え方には反対です。先の第1次世界大戦後ドイツに巨額の賠償を課した結果、先の世界大戦を引き起こした事を忘れてはいないからです。帝国に同じ事をすればドイツの二の舞になってしまう」
強硬派
「成る程、ヴェルサイユ条約は失敗だった。しかしあれは、各国が現金払いを要求したからだ。我々は、生産財や原料と言った現物を要求しているのだ」
穏健派
「そうかも知れん。だがしかしもし帝国と言う馬に馬車を引かせようと思ったら糧秣くらいは残しってやらなくちゃ空きっ腹じゃ馬は動きませんぞ」
強硬派
「いや 我々としちゃその馬がくるりと向きを変えてこっちを蹴ったりしないように監視してなくちゃならないんでね」
帝国が再び蘇るのを警戒する気持ちは穏健派の海軍とて同じだった。帝国は、降伏後約5年間日本が占領する事が決定された。
次に議論になったのはアルヌスの丘についてだった。
『アルヌス処分』
強硬派の主張
「我々にとってアルヌスは生死に関わる問題です。歴史を通じてアルヌスの丘の門を越えて日本を攻撃する為の通り道となったからです。我々は独立したアルヌスが誕生する事を望んでは居ますが それはあくまで日本を守る事に役立たせる為でなくちゃならない」
フォルマート領に位置するアルヌスの丘は人々にとって聖地であり先の銀座事件で帝国軍の攻勢の拠点でもあったからだ。一方の穏健派はアルヌス及びフォルマート領を日本陣営の一員として確保したいと考えていた。
穏健派の主張
「1945年に我が国はアルヌスを帝国軍の侵略から守る為に危険を冒して戦争に参加しました。我々にとってのアルヌスは物資的な利害ではなくて名誉の問題です」
既にアルヌスには日本軍に協力的な住民が沢山いた。結果この議題は天皇陛下の有無もあって戦後アルヌスで自由選挙を実施し国民自ら選ばせる事でまとまった。
裕仁親王
「朕は、アルヌスにいる1万人の市民の感情を大切にしなければなりません。私は、アルヌスの市民に対してアルヌスでの選挙が公明正大に行われる事を保証したいのです。どうかそれだけは約束してください」
そして穏健派の提案として『平和条約を締結するための外相会議の設置』『帝国占領統治政策の決定』『帝国の選挙を監視する行動』『帝国の休戦条約緩和と国際連合への加入』を挙げた。
一方の強硬派の提案として『帝国の軍備の解体』『賠償』『帝国領の日本による信託統治』『帝国の親日政権の国連による承認』
『帝国のゾルザル政権の問題』などを挙げた。特に問題になったのが賠償問題、ゾルザル政権の扱いを巡って陸軍と海軍が対立したが天皇陛下の仲裁もあって会議は決裂を免れ、占領下での帝国の議論に移た。
続いて討議されたのが帝国の占領政策であった。すでに日本による占領と、帝国軍の武装解除、戦犯処罰、現物による賠償が合意されていた。占領政策についても討議が行われていたこともあり、各占領地域に統一的な行政制度を敷くことで合意された。その後政治的・経済的な政策の原則が合意され、『東京協定』として明文化された。
帝国の占領政策
・帝国占領政策を統括する大日本管理理事員会を設置する。
政治的原則
・日本による占領統治の確認。
・旧帝国軍・オプリーチニナなどの武装解除。旧帝国軍は武装解除された後、各自の家庭に帰り平和・生産的に生活出来る機会を与える。
・人種、異種族、政治的・宗教的信条などを理由とした帝国時代の法令制度の廃止。
・戦争犯罪や帝国の戦争政策に関与した者の裁判と追放。国民を欺いて日本征服を乗り出す過ち犯させた勢力を永久に排除する。無責任な軍国主義が世界から駆逐されるまでは、平和と安全と正義の新秩序も現れ得ないからである。我々の意思はフォルマート人を民族として奴隷化し、フォルマート国民を滅亡させようとするものではないが、帝国における日本国民の虐殺を含む戦争犯罪は処罰されるべきである。
・帝国主義や軍国主義の影響の排除(反帝国化)。帝国が、無分別な打算により自国を滅亡の淵に追いやる軍国主義者の指導者を引き続き受けるか、それとも理性の道を歩むのかを選ぶ時が到来したのだ。
・憲法制定・国会開設の準備。
・民主的な政党の設立。
・政治構造の分権化。帝国の貿易と産業を再建。
・学制改革。
・通貨制度。
・裁判所の開設。
経済的原則
・戦争に使用される兵器・船舶等の製造禁止。
・過度な資本集中の解体。産業は農業と平和的産業を優先させる。
・鉄道・電信の整備。
・帝国は単一の経済単位として扱わなければならず、占領地域での政策はこれを前提としなければならない。
・大日本管理理事員会は帝国の経済政策、対外資産などの監視を行う。
・賠償の支払いは、国民生活を圧迫しないように行う。
帝国の賠償
・大日本帝国は、その占領地域から賠償を徴収する。大日本帝国の徴収からフォルマルト伯爵領への賠償は充当される。
・帝国の平時経済に不必要であると判定された工業設備・資材の10%は無償で、15%は物資との交換で日本に引き渡される。
・賠償徴収は2年以内に行わなければならない。
・大日本帝国は各占領地における資本の請求権を放棄する。
帝国海軍船舶
・帝国海軍が保有する船舶は、日本に引き渡される。
・帝国が保有する帆船は30隻を除いてすべて解体される。30隻は研究のために日本に引き渡される。
戦犯裁判の準備
・国際軍事裁判所憲章に基づいた裁判を執り行う。
・最初の被告リストは1946年9月までに公表する。
帝国正統政府の設立
・御前会議で基づき、大日本帝国は帝国正統政府が正当な帝国の政府であると認定する。
・大日本帝国は領域内にある帝国元老院資産を、帝国正統政府に引き渡す。
・帝国各地の帝国軍と商船は、帝国正統政府の元に復帰し、それを支えなくてはならない。
・できるだけ早く自由で公平な選挙が行われなければならない。
平和条約と国連機関
・日本は帝国の現在の状態は平和条約の締結によって終了されることが望ましいと考えている。
・帝国との国交は、平和条約締結交渉の中で、別個に検討される。
・国際連合への加盟には、国際連合憲章にある義務を尊重する必要がある。加盟申請に際しては国際連合安全保障理事会の勧告に基づき、国際連合総会において決定される。
占領地問題
・大日本帝国政府は、エルベ藩王国などによる日本軍占領作業を改善するため、国の占領当局が情報を日本に伝えていることを留意する。
・大日本帝国政府はエルベ藩王国などの占領は、停戦協定を受け入れた政府との合意を根拠とすることを確認する。
異世界人追放
・大日本帝国政府は日本にいる異世界人が本国に移送されなければならないことを認識する。
・大日本管理理事員会は占領された帝国の各領地が、どの程度受け入れ可能であるかを調査する。
エルベ藩王国の油田
・エルベ藩王国の油田問題については、日本が代表を出す委員会を設置して調査を行い、検討する。
イタリカ撤退
・大日本帝国軍はフォルマルト伯爵領に位置するイタリカから撤退するべきであるが、撤退に関する詳細は1946年9月の外相理事会で検討される。
帝都
・強硬派の提案を検討した結果、帝都は戦略的な重要性から、国際的な管理体制が行われるべきである。帝都の問題は東京で開催される各役所の大臣が行う会議によって検討される。
帝国貿易会議
・日本は帝国における内陸輸送委員会を開催する。
補遺
・帝国政府はこの会議の決定に基づき、帝国占領に関する指令を当局に伝達する。
・14条では会議の間、共通の軍事問題を検討するため、参謀本部による会議が行われる事が明記されている。
・付属議定書1ではフォルマート占領統治への日本代表の参加が定められた。
付属議定書2
付属議定書2では、穏健派の複数の提案が記載されている。これらの提案はおおむね了承されたが、正式な外交ルートを通じて解決されるべきであるとされた。
・賠償の負担と、占領による利益が日本国民に与えられるべきではない。
・占領地の財産を急いで収奪することは、結果として日本国民の損失につながる。効果的な大日本帝国への補償を実現させる占領政策を取るべきである。
・民間の補償要求は、賠償と同等に扱われるべきである。
など以上の事が記載されている。
帝国の国歌を描こうと思うんですがどれを参考にしたらいいですかね?
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『廃墟からの復活』
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『皇帝陛下万歳』
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『神よ、皇帝フランツを守り給え』
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どれでも良い