GATE 大日本帝国 彼の地にて、斯く戦えり   作:人斬り抜刀斎

104 / 165
いや今年最後の投稿になります


追跡

1946年2月

大日本帝国と帝国の間の半年半に及ぶ激闘は頂点に達する。ゾルザル・エル・カエサルが死力を尽くして日本軍を叩き潰せと命じたのだ。しかしスタンレービン近郊での数時間の死闘の末帝国軍は撤退した。そして「S-51」が上空を飛行し帝国軍残党を捜索する。

 

「待機せよ目標を確認中」

 

『了解 急いでくれもうすぐ当たりだ』

 

上空を飛行するヘリをボーガンで射抜こうとする者も居た。

 

「この距離なら・・・」

 

「バカ!動くなっ」

 

だが矢の刃の光の反射により日本軍に見つかった。

 

「目標確認誘導する!1番機!〇九〇から進入せよ」

 

ウウウウウウウウ・・・・

 

目標に向かってスツーカ独特の「ジェリコのラッパ」の鳴らしながら急降下するJu87スツーカは胴体と左右の翼に搭載している陸用爆弾を投下する。

 

ズ ズ ズン

 

「こちら1番機爆撃完了これより帰投する」

 

「あーもっと爆撃してー」

 

爆心地跡では日本軍歩兵部隊が帝国軍残党狩りを行い、拡声器で降伏を促す。

 

『降伏しろ!手を上げて出て来い。今すぐに武器を捨てて投降しろ!そうすれば命の保証はする!帝国兵よ降伏せよ!祖国に戻れるぞ、これが諸君らの戦争か?日本の同士は諸君の苦しみを理解し諸君らを死に追いやるオプリーチニナより諸君の身を思っている。我々は諸君の敵ではない!諸君の敵は血に飢えたゾルザルと軍国主義の元老院議員の奴らだ』

 

「くそっ ニホン軍め ここは一旦山脈の向こうに退くべきか・・・」

 

その頃アルヌスの大日本帝国特地派遣軍総司令部では各方面部隊からの戦況の報告と整理が行われていた。

 

『第四戦闘航空団は敵仮称デュマ方面軍本隊を追撃中。モガデッシオ北で敵補助部隊を捕捉せり』

 

『第1師団スタンレービン到達 敵は街を放棄した模様。第7師団はソリドリア・リグレモリアーニ峠方面に前進中。敵の組織的抵抗は軽微』

 

「各隊から捕獲した怪異の送付先について問い合わせが、後方地域全域において怪異の小集団による襲撃・略奪が増加中です」

 

「捕虜はイタリカに送付でいいんだな」

 

「怪異に関しては如何でしたか・・・」

 

「使役者がいなくなって野生化したのか?逆に厄介だぞ」

 

「イタリカから進発した正統帝国軍の状態は?」

 

その頃日本陸軍九七式司令部偵察機がイタリカ領上空を飛行する。

 

「帝国軍の前進はイタリカ領東端のアッビア街道上で停滞中・・・と、次はイタリカだ」

 

 

"イタリカ 帝国正統政府仮皇城 城市の周りには皇帝の呼びかけに応じた諸国諸侯 亜人部隊の広大な野営地が築かれつつあった。"

 

そのイタリカに帝都から脱出した菅原大使ら一行を護衛する日本軍が入城して来た。

 

「おいニホン軍だ!」

 

「モルト皇帝の後ろ盾にニホンがいるのは本当だったのか」

 

そんな中イタリカの帝政仮皇城の城内を一人のメイドが走り回っていた。

 

「タイヘン!タイヘン!メイド長ー」

 

厨房ではメイド長が料理人達にあれこれと指示を出していた。

 

「そこ!焦げてますよっ 作り直し!そんな物お出ししたら他家の者に笑われます!アイギール!襟からカラーがはみ出てる!亜人を見慣れない方々も多いのです。まずは身嗜みから!」

 

「メイド長タイヘン!陛下からお呼びダシ!」

 

メデュサメイドのアウレアがカピカピに干からびたミイラを背負って厨房に入って来た。

 

「アウレア・・・また"ネズミ"ですか」

 

「ネズミ捕まエル精気吸いトル。アウレア お腹イッパイウレシイ!」

 

「少しは我慢なさい!場も弁えること!ここは厨房ですよっ」

 

「あうう」

 

「で、素性はわかりました?」

 

「この男もボウロにやとわれタ 手先。食べ物に毒入れようとシタ」

 

「やはりその男が間者の元締め・・・ところで陛下がお呼びでしたね。アウレア モームついてらっしゃい」

 

「あ はい!」

 

「急ぎますよ!」

 

とメイド長はスカートの裾の持ち上げて駆け足でモルトの元へと向かう。

 

「皇帝陛下 お召しにより参上致しました」

 

其処にはベッドの上にいるモルト皇帝と宰相マルクス伯と大日本帝国外務省大使菅原が居た。

 

「忙しい所すまぬな この者はニホンの外交官スガワラ殿だ。無理は承知だが・・・滞在先の手配を頼みたい」

 

とモルトからそう言われたメイド長が顔を引き攣らせた。

 

(借り上げた屋敷は議員や貴族方でもう満杯ですのに)

 

「陛下 お気遣いなく 知り合いの商人宅に宿舎は確保しております。倉庫の一角ですが」

 

それを聞いてメイド長はホッと胸をなでおろす。

 

「それは結構。メイド長手間を取らせた下がってよいぞ」

 

「フン、ニホン人も油断なりませぬな。我らでさえ宿に不自由しておるのに」

 

「これマルクス伯意地の悪いことを言うでない」

 

「陛下 このイタリカでは周りの中ニホン人と親しい者ばかり、そのような者達に囲まれていては・・・・」

 

「帝都から余らを連れ出したのもニホン人だ。このイタリカを救ったのもニホン人であったなメイド長?」

 

「その通りでございます。野盗に襲われたこの街を救って頂きました」

 

「ほうれみろ」

 

「それもこれもフォルマル家・・・そして恐れ多くも陛下に害なす薄汚いネズミどもを操る者がいるせいでございます。お若いミュイ様を当主にいただくフォルマル伯爵家では、ニホンと協力するしか道はなかったのです」

 

「・・・・で 影の戦いは?」

 

「陛下が参られてから排除した数は、五十ほどに・・・こうしている今もーー先ほどもこのアウレアが一匹排除致しました」

 

モルトはアウレアをジッと観察する。

 

(メデュサ・・・前当主のコルトは何故この者を家臣にして何をしていたのか?亜人好きという噂を耳にした記憶はあるが・・・・伝説に語られる吸精の快楽 前当主とどのような関係を?話によっては余の手元に・・・・)

 

「館内に入り込んだ間者の監視は続いております。頃合いを見て排除致します」

 

「・・・うむその者らもゾルザルの手の者か?」

 

「おそらく左様かと」

 

「・・・・陛下。アウレアは先代様から病気やケガで死ヌのがワカッテいるヒトに死ヌ怖サや痛ミを気持チ良サで消シテあげる仕事。オ オオセつかっていまシタ・・・」

 

「(気付かれておったか)そうか・・・では余がいずれ迎えるであろう時不安を感じたなら 手を借りる事もあろう」

 

「ハイ」

 

「今は征け 行って敵と戦うがよい」

 

その頃フォルマル伯爵家の屋敷の広間では盛大なパーティーが開かれていた。パーティーにはモルトの呼びかけに応じた諸国の王や貴族、武官、亜人達が参加していた。そして使用人の中には陸軍中野学校の諜報員も混じって監視をしていた。そんな時諜報員の一人が足を止めてスパイ道具の一つである小型無線機で気づかれないように仲間に伝える。

 

「招待客名簿に無い顔を見つけた。西の角に立っている執事風の男だ」

 

その言葉を小型無線機で聞いていた亜人メイドがその男に近づく。

 

「お代わりは如何ですか?」

 

「あ ありがとう ヴォーリアバニーがメイドなんて珍しいな」

 

「当家ではメイドの八割が亜人種です。失礼ながら貴方様はどちらのご家中でらっしゃいますか?」

 

「あ ああ 俺はニーガス。モントレー男爵家の家令をしている」

 

『ウソだな。モントレー家は中立から転じた新参で一昨日イタリカ入りしたが、そいつは同名の家令と顔が全く違う。確保』

 

と確保の命令が出る。

 

「ニーガス様 人目のつかない所でお話しなど伺えません?ヴォーリアバニーの習性はご存知でしょう?」

 

「え え?俺にかい?」

 

するとニーガスは下を見るとメイドが自分の胸部に小さなナイフを突き付ける。そしてニーガスを誰も居ない地下通路に連れて行き尋問する。

 

「ま 待ってくれ!俺は確かに密偵だがゾルザル派じゃない。君らと同じように敵の密偵を探っていたんだ」

 

「なら本当の名前と誰の配下か言えるでしょう?当家にはメデュサがおりますこの意味おわかり?」

 

その言葉に観念したのかニーガスは突然両手を頭の後ろに回し始める。

 

「黙ってても無駄ってわけかわかった言うよ。俺はノッラ マルクス伯爵様の配下なんだ」

 

「マルクス様の!?」

 

「あとな・・・

 

ブチ ブチ

 

女同士でやる趣味はねぇぜ!」

 

と皮を引っ剥がして姿を現れたのは笛吹き男の異名を持つノッラだった。

 

「ジヴォージョニー!?」

 

「待てぇ!」

 

「待てと言われて待つバカがいるかっての!」

 

そんな時メイドの投げたナイフがノッラの背中に何本か刺さった。

 

ド ドッ

 

「くっくそっ覚えてやがれ!」

 

庭に出たノッラは全力で林の中に逃げ込んで姿をくらます。

 

「チッ逃した。追うよ!城壁と街中に手配を!」

 

 

『待て 後はこちらに任せろ』

 

「うまくいったのか?」

 

「ああ 奴が何処に逃げても居場所はわかる。こっちは丸見えだ。傷の手当てにも仲間に接触するにも根城に戻るはずだ。奴を追えば芋づる式に奴らを追い詰められる」

 

日本軍は熱源探知機搭載のUAV即ち無人航空機を飛ばしノッラの後を追う。

 

「それじゃあ奴は任せるよ。ヤナギダ」

 

「ああ 奴らは俺が必ず潰してやる。デリラわかってるな?」

 

「ああ あたいはあんたの言うことなら何だってやるよ。ヤナギダの旦那」

 

 

帝国の国歌を描こうと思うんですがどれを参考にしたらいいですかね?

  • 『廃墟からの復活』
  • 『皇帝陛下万歳』
  • 『神よ、皇帝フランツを守り給え』
  • どれでも良い
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。