GATE 大日本帝国 彼の地にて、斯く戦えり 作:人斬り抜刀斎
数日前、アルヌスで紀子を暗殺しようとし相打ちになったデリラと柳田中尉は互いに深い傷を負ったが無事に完治し、今は協力してノッラの追跡に取り掛かっていた。
『追い付けるな?デリラ』
「任せときなヤナギダの旦那」
デリラは、日本軍の軍服と軍帽で身を包みノッラの物であろう足跡を追跡する。
『奴の巣穴を見つけろ』
「わかってる。狩りは久々だね故郷にいた時以来だ」
デリラは、うさぎの如く機敏な動きでノッラを追跡して行く。その速さには日本兵も関心していた。
「速ええ〜」
「アルヌスの食堂にいた娘だよな」
その頃フォルマル伯爵領イタリカフォルマル伯爵家の屋敷では盛大なパーティーの中一人だけ鬱々とした顔をしていた。
「キケロ卿 酒の味が変わる訳ではあるまい?」
「ん?いや そうではないのだ、考えていたのだよ。我々の慣習に反して名家であるフォルマル家先代当主コルト殿が野蛮とされる亜人を・・・・失礼、何故雇って来たのか品性に欠けると思っていたのだ。だが此処に来て考えを改めねば成らぬのではとね」
「そうだな作法も気遣いもヒトと変わらぬ 何より耳がいい」
「だが慣れぬのだよ。違和感を拭えぬのだ」
「慣れの問題なら時間が解決する。街の周りを見ろ今や我が軍は亜人頼みだ。ゾルザルでさえジャイアントオーガまで戦列に加えたらしいぞ」
「わかっているわかっているよ。辛抱すれば良いだけだ。だがメイド達は辛抱してくれるか?」
「大丈夫、彼女達は君より辛抱強い。ほら、シェリー嬢も辛抱強く待ってくれているぞ」
「アルヌスで見聞きしたニホンの内情を話してくれてたんだ。聞こうではないか」
「そうであったな、近々ニホンの元老院選挙があるそうだね」
「はい、キケロ様。市民による選挙の結果によっては元老院議員が入れ替わって、そこから選ばれる宰相が変わるかも知れないのです。国の方針までガラリと変わってしまうかもしれません。ニホンが帝国をどうするのかも・・・・」
「なんて事だ。そんな事で国の政策まで一変するのか?何という時代遅れの制度、かつて我が帝国も共和制であったが執政官によって変わる対外政策即決制の弱さが国を翻弄してきた」
「だからこそ帝政が求められたのだ」
「第一人者による統治ですね」
「だが帝政も後継者選びと言う問題がある。我々は失敗した」
「そうだ。だから我々は此処にいる。その代償を支払う為に帝国を取り戻し正常な状態を取り戻さねばならんっ」
当時、多くの側室を持っていたモルトには約30人もの息子がいて、後継者争いは熾烈を極めていた。そして日本では、儒教の教えにより家督は、長男が継ぐ事になっている為、もし裕仁親王が崩御すれば息子である明仁親王皇太子殿下が次期天皇につくのだ。
「だがどうやって?ゾルザルは帝都を放棄したが実権を握ったままだ」
「何故国軍の将兵は彼奴に従っておる?もはや陛下に廃嫡された身だぞ」
「『掃除夫』が無理矢理従わせておるのだよ。奴等は反乱分子を粛清と言うなの処刑で一掃しておるのだ!!」
「戦って倒せばいい!軍務についておった方々もこの場に多い筈だ!!」
「戦場で決戦だ!ニホンが手を引かぬ内に戦いを挑むのだ!」
と反ゾルザル派の議員達は、ゾルザル率いる新生帝国に一矢報いる構えだった。
「外国の方々はお力を貸してくださらないのですか?こちらには皇帝陛下がおわしますのに?」
「要請は出しているが日和見を決め込んでいるのだ。我々が勝つ見込みが未だ見えんしな」
「属州の地方長官達もゾルザルに従っておるし」
「ずるいですわ。ゾルザル様が有利過ぎます」
「そうなのだが・・・・それでも諸外国が奴に与しないのは、ニホンとの戦いに巻き込まれるのを恐れているからだ」
(当然だな。昨年の戦役でモルト皇帝に騙された形で、連合諸王国軍はニホン軍が待ち受けるアルヌスに嗾けられたのだ。そう簡単には兵を出さぬだろう)
ガーゼル侯爵は、数ヶ月前のアルヌスでの連合諸王国軍と大日本帝国によるによる攻防戦の末に連合諸王国軍は敗れ大量の犠牲者を出した事を思い出す。
「ニホン次第なのだよ。シェリー君、何か我々が参考に出来る事を見聞きしなかったかね?」
「そうですね・・・・ニホンの民衆はゾルザル様の配下が街や村を襲って民を虐めている事に大変御立腹しておいでの様です」
「それはニホン軍の仕業だとゾルザルは言っているが?茶色の服の集団が住民を虐殺したと」
「はい 私も耳にしました。ですがアルヌスでは誰も信じていません。ゾルザル様の軍のやった事だと言う証言や物証があります」
「なんと言う事だ。皇太子ともあろうお方が己のした事を他人のせいに?」
「残念ながら真実だ」
「帝国の人間としてそんな卑劣な・・・」
議員らはゾルザル等が日本軍に成りすまして破壊、略奪などをしていた事に怒りを覚え呆れた。
「ゾルザルの配下となった将軍が出した策なのだ。ピニャ殿下がその場にいて耳にしたそうだ・・・・」
キケロ卿の言葉に皆は一瞬黙り込んでしまった。
「(あの男は本気でニホンに勝つつもりなのだ。だが、そこまでやって勝ってどうなる?欺かれた民が帝国に抱くのは疑問だけだ。それを封じるには恐怖による統治しかあり得ん。いずれにしろ帝国は荒廃してしまう)なんと言うことか」
キケロ卿はゾルザルが恐怖によって人々を支配して行く政策を推し進めて行くのだと見抜いた。
「キケロ様、そうなると私達の命運は皇太女殿下の双肩に掛かっておいでですね。ピニャ殿下は今どちらに?」
「あの方はな政にすっかり失望しまわれてな、イタリカを出て行ってしまわれたのだ」
「皇太女ともおろうお方が!?敵前逃亡ですわ。勿論お迎えに上がっておいでですよね?」
「いや、しばらくそっとしておけとの陛下の仰せでな。今頃は茶色の人とやらとご一緒の筈だ」
「茶色の人・・・ですか?」
その頃デリラはノッラの足跡と無人機からの情報を基にノッラを追っていた。そして追手から逃げ切ったノッラは森の中でメイドにやられた傷の手当てをしていた。
「チッ 切っ先が中に残ってる。だいぶ奥まで入っちまってるな」
すると、気配を察知したノッラは側に置いてある槍を手にし、気配のする方に槍を投げた。
「におうねぇ・・・淫乱バニーのやらしいにおいがさぁ!よく此処が分かったもんだね。メイドなんて生ぬるい事やってて・・・」
仕留めたかどうか確認する為に、洞窟から顔を出してみたが、そこにあったのは丸太に服を着せただけの身代わりだった。そして一瞬の隙を突いてデリラは上からノッラ目掛けて斬りかかろうとしたがギリギリの所で躱されノッラの尻尾だけを切り落とした。
「あいっ たっ・・・・てめぇイタリカのメイドじゃねぇな!?よくもあたいの尻尾を!」
デリラは構わずノッラに斬りかかる。
二人の剣は互いに弾き返し一進一退の攻防が繰り広げられていた。
ノッラは砂でデリラの目を潰しその隙にデリラを切りつけとどめを刺しにかかった。
「死ねや・・・・!?」
ノッラは、デリラの腹に短剣を突き刺したが手応えが全くなかった。よく見るとデリラの腹には小型無線機SCR-536が入ったポーチだった為、難を逃れた。
「畜生!なんだよずりぃぞっ」
部が悪いと思ったのか、ノッラ逃げ森を出た場所にある河原に逃げたが、デリラはノッラ追う。
「喰らいやがれ!」
とノッラはまたしても砂をデリラに掛けて目潰しをした。
「くそまた・・・!?どこ行った?あれ?つかない」
デリラはノッラが見失ったので連絡を取ろうとしたが無線機が付かなかった。無線機はさっきのノッラとの戦闘で破損してしまったのだった。
「ああ〜ん ヤナギダの旦那に叱られちまうよぉ〜」
デリラが目を開けた時にはノッラは完全に見失ってしまった。その後デリラはノッラが傷の手当てをしていた隠れ家に行き、手がかりがないかを探していた。すると、焚き火の跡の中に焼き残った紙切れを見つけた。
「タンスカ・・・・ニホン人・・・?」
とある場所では雨の中使徒であるジゼルが雨に打たれながら誰かを待っていた。
「腹・・・減った・・・あいつら来ねぇし、近くの村に飯貰いに行くかぁ・・・」
とひもじい思いをするジゼルの脳裏に話を掛けるハーディ。
『ジ〜ゼル〜 サボっちゃダメよ。彼等がどうするか見届けるのがあなたの役目、亜神としての義務を果たしなさい』
「あ そだ翼竜に獲物取って来させりゃ・・・」
『ダメ 食べなくたって死なないでしょ?』
「ひでぇよ主上様・・・ハラは減るのに」
『門の向こうの人達 あれを見てどうするのかしら、楽しみね』
「ほんとどうすんだろな」
帝国の国歌を描こうと思うんですがどれを参考にしたらいいですかね?
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『廃墟からの復活』
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『皇帝陛下万歳』
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『神よ、皇帝フランツを守り給え』
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どれでも良い