GATE 大日本帝国 彼の地にて、斯く戦えり   作:人斬り抜刀斎

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いざ!クナップヌイへ

この日、伊丹達は、クナップヌイの調査に向かうため飛行場でヘリに乗りクナップヌイに向かうのだが、この日はあいにくの雨だった。

 

「こんな天気の日に出発なんてぇ、先が思いやられるわぁ」

 

「初めて空を飛ぶ日なのにねー」

 

「シュンランという仕掛けだな。飛んでいるのはよく見ていたが」

 

「・・・楽しみ」

 

「ハーディの奴ぅ、何を見せようというのぉ?」

 

そんな中、飛行場の倉庫の中では伊丹とピニャが居た。

 

「あの〜本気で俺たちと一緒に来るんですか?」

 

「無論だ。妾も冥王ハーディの下されたお告げが気になるからな」

 

「殿下自らわざわざ行かなくても」

 

「(それなら俺なんか行かせないよぁ・・・)ま 命令ですからね。星の並びに異変が出てますし、それがハーディが作ったって言う『門』と関係あるのなら・・無視する訳にもいかないでしょ」

 

「うむ、門や地揺れに関係あるのなら妾も確かめねばな」

 

「はぁ・・・」

 

「それに・・・"もう政は嫌だ"。帝国の為にした事を皆から責め苛まれるのは懲り懲りなのだ。イタリカに居たく無い・・・・」

 

自身が良かれと思って帝国為を思ってやった事が全てが無駄であり、先のゾルザル達主戦派の議員に罵詈雑言を浴びせられて完全に打ちのめされてしまったのだった。そして今後一切政治には、関わらないと決めたのだ。

 

「けど、殿下は皇太女に成られたのでしょ?皇太女である以上は皇帝陛下のそばに居なくていいんですか?」

 

「妾は受けたとは言って無いぞ。イタミ殿は・・・・妾が邪魔なのか?」

 

「え?そんな事は・・・」

 

と伊丹の歯切れの悪さに、突然ピニャは体育座りをしながら泣き噦る。

 

「やっぱり!妾はついででしかなかったのだ!道理で邪険にされる筈だ!」

 

「はぁ!?」

 

「兄様達から見捨てられた時、イタミ殿から差し伸べららた手・・・・救世主となる騎士が現れたのだ。リサ様の描く絵草絵の様に、あの瞬間、妾の全てを捧げ、いや、奪われたいと胸が高鳴った!はっきり言って萌えた!妾が男でなかったのが悔やまれる」

 

「おい、何勝手な想像してくれちゃってんの!もぉー何でも其方に持って行くんだなぁ、ピニャ殿下のブレなさだけは認めるよ」

 

後ろの方では、大場、ロゥリィ 、テュカ、レレイ、ヤオが遠い目で伊丹を見てヒソヒソと話していた。

 

「うわぁ 父さんって、将来そうなるのね・・・・」

 

「と言うか、あれがピニャ殿下の理想の図なんだなぁ。俺、ピニャ殿下の趣味は分かっていたつもりだったんだが改めて聴くとまさかこれ程とは・・・」

 

「そっとしといてやればぁ あの女はぁ色んな意味で手遅れみたいだしぃ」

 

みんなのヒソヒソ話を聞いて伊丹は焦りながら皆を静止させようとする。がピニャの暴走は止まらない。

 

「いや ホント!勘弁して下さいっ。俺 そう言う趣味ないのでっ」

 

「あの時、『ピニャ!来いっ』と叫んで下さった時、妾は、妾は・・・」

 

「ちょっ 俺 そんな事言ったっけ?ストップ ストーップ!」

 

「なのになのに、それなのに・・・・妾がついでだったと知った時の・・・・ガッカリ感、罵ろにされた感、没落感・・・・分かるか?」

 

「いや〜全然(皇帝の方がついでって言ったよなぁ)」

 

だが、そんな事を忘れてしまったかのようにピニャは不貞腐れながら両頬を餅みたいに膨らませていた。

 

「よいか想像してみよ、豪雨の中・・・泥の中跪き頭を垂れて泣き叫ぶ傷ついた妾」

 

だが、その時一瞬自身の手の指の爪が割れる想像をしてあまりに痛そうだったのでやめにした。

 

「爪が割れるのは無しにしよう」

 

「あ 実際じゃ無いんですね」

 

「寝台で泣きながら枕を叩きのめしはしたぞ」

 

伊丹は、今度は寝台でワァワァ泣きながら枕に当たり散らすピニャを想像する。

 

「どうだ?そなたに妾が与えられた苦しみ分かったであろう」

 

「・・・・で?次の場面は?」

 

「勿論 そなたが非を認めて妾の機嫌を取るために、剣を捧げて忠誠を誓う場面だ」

 

「非を認めろ・・・ですか?」

 

「そうだイタミ殿」

 

「剣って言ったて、今あるのは腰にある軍刀ぐらいだぞ?」

 

「それでいいだろう」

 

「あ〜そだ、積み込みの指揮を・・・」

 

「終わりましたよ、伊丹隊長」

 

一方で、ヘリではヘリに物資を積み込む作業が行われているのだが、

 

「まだ、積むんですか!?こんな重そうな鉄の塊が空に浮かぶなんて!信じられません!馬車で行くんじゃダメなんですか!?レレイさん イタミ卿に言ってください!のんびり クナップヌイまで行きましょうよぉ やめて!お願い許してっ 重くしないでーっ」

 

ギャァギャァ騒ぐハミルトンを無視しレレイは、春嵐改の操縦席に向かう。

 

「帝都より遠いなぁロンデルの手前で給油するしか無いなぁ」

 

「九七式輸送機が燃料を投下してくれるそうです。向こうの方は晴れているんですかねぇ」

 

「ん?」

 

ヘリの操縦席をじっーと見つめるレレイに、

 

「興味があるかい?」

 

「空を飛ぶ魔法への応用を考えている」

 

「そうなれば本物の魔女だねぇ、やっぱり飛ぶ時は箒に跨って?」

 

「ほうき?イヤ」

 

「・・・ですよねぇー。あんな細い棒に女の子が跨るのも・・・・」

 

何か変な空気になってしい全員が全員黙り込んでしまった。

 

「イタミ殿。何も言うてくれぬのか?」

 

「うっ・・・いや その・・・」

 

「さぁ さぁ さぁ」

 

『短間隔集まれ!』

 

号令がかかって兵士全員が直立不動の姿勢をし、伊丹と大場は、今村大将の前に出て敬礼をする。

 

「クナップヌイ調査隊、出発準備完了しました!」

 

「命令が有ればいつでも出発出来ます!」

 

「うむ ご苦労伊丹中尉 大場大尉。ピニャ殿下ご協力感謝致します。こちらは今回の調査に同行する。京都大学教授で生物学などを研究している漆畑教授に、帝国大学付属東京天文台の白位博士に、東京帝国大学の物理学の権威である養鳴教授、それと従軍記者の栗林さん」

 

各有名大学教授や従軍記者として同行する栗林の妹菜々美の姿があった。それぞれ順番に自己紹介をしていく。

 

「漆畑です」

 

「私は白位」

 

「養鳴だ」

 

「兄がいつもお世話になってます」

 

と一通り挨拶を済ませる。

 

「記者も同行するんですか?」

 

「儂らが直々に調査するのだ。記者が注目せんはずなかろう!」

 

「お邪魔しない様にしますから、専門家が特地に入るの初めてですし」

 

と菜々美は深々とお辞儀をする。そんな時養鳴と名乗る教授が今村に話し掛ける。

 

「ところで今村大将、なぜ儂の紹介が最後なのだ?儂は、 帝大講師であり、帝大教授であり、学習院出の華族・養鳴家男爵なのだぞ!」

 

《華族制度》明治2年に出来た日本の貴族階級制度で華族とは、天皇に仕えていた公家や幕府の大名などに与えられた貴族階級の事。この時の日本には、未だに華族制度が存在し、職業の自由はなく、恋愛も禁じられ結婚は同じ身分もしくは親が決めた相手としか結婚を許されない。そんな養鳴家は江戸時代に江戸幕府の大名として仕えていた家柄。そして養鳴教授は、家柄や才能第一主義なのだ。

 

「・・・これは飛んだ失礼を致しました私は士族出身ですので自分の身内ということで、色々と最後にさせて頂いております」

 

「何だ貴様士族出身者か?」

 

「私の祖父は仙台藩士でした」

 

《士族》とは、華族と同じく明治2年に出来た階級制度で主に、幕臣(幕府に仕える武士)や藩士(藩に仕える武士)の者や華族とされなかった者に与えられる身分階級である。今村の家は、戊辰戦争時に仙台藩参謀を担った名家なのだ。

 

「おおっそうかそうかうむうむ。身内扱いかならば仕方ないなあっはっは」

 

(何だかなぁ)

 

(今村閣下って士族だったの!?)

 

「うっそ」

 

「むっ むむむ・・・これに乗るのか!?華族であるこの私が、狭くてすし詰め状態のヘリにか!?」

 

と突然養鳴が今回乗るヘリに対して文句をつけてくる。そして漆畑はエルフであるヤオとテュカをまじまじと頭からつま先まで観察していた。

 

「ほうほうほうほうほうほう、なるほど 生態系の発達環境がこちら側と同じならば、知的生命体は人と同じかそれに近いのかもしれないなぁ・・・・・今村大将、この二人を実験体として貰えないかい?」

 

「それは出来ません。漆畑教授 その二人は現地協力者ですから」

 

更に白位は、特地での見たことの無い異世界の星空に興奮して雄叫びを上げていた。

 

「クナップヌイは晴れてるかなぁ、特地の夜空が楽しみだなぁ。むふっ むふふふ・・・撮るぞ 撮るぞ 撮るぞー!」

 

「閣下これが・・・その分野の一流の専門家達ですか?一流の専門家と言う触れ込みだそうですが、こう言っちゃなんですが、ただの変人じゃないですか?」

 

「あの方達は、見た感じはあれだが腕は確かだ・・・おそらく」

 

兵士達は、三人の奇行な行いに不安をおぼえた。

 

「報告では、この世界では星の配列にずれが生じたらそうだな」

 

「そのことなんですけどね、日本でも問い合わせが来てるんですよ」

 

「なんだと!?なぜ発表せんのだ?」

 

「まだ誤差の範囲だからですよ。常識では考えられないでしょう?けど誰かが話せばその噂はあっという間に知れ渡り世間の知るところになるからです。」

 

「つまり『門』の両側で同じ現象が起きていると?」

 

「可能性ですが、私は報告書を読んで『門』が原因ではないかと思ったんですよ」

 

「地震はどうなのだ?」

 

「有感無感含めて日本じゃ四六時中地震が起きてますからね」

 

「世界規模での数字に変化はないのか?」

 

そんな事をしているとヘリは徐々にゆっくりと上昇し地面から脚を離して行く。初めて空を飛ぶ乗り物に異世界の住人であるピニャやハミルトンには衝撃的だった。

 

ド ド ド ド バッ バッ バッ

 

「うわっ うわっ うわっ」

 

「・・・・・」

 

「ええい狼狽おって!なぜ皇軍はあんな小娘どもを乗せたのだ?」

 

「まあまあ 養鳴教授誰だって初めてはあるでしょう、あれでも帝国の要人だそうですよ。領内の通行手形みたいなもんです」

 

「むむ そうだな何事にも初体験は重要だ。致し方あるまい」

 

空を飛ぶ乗り物に初めて乗り騒ぐ異世界人に、養鳴は苛立ったが漆畑の説得でなんとか納得を得た。

 

「キャーッ」

 

「見苦しいぞハミルトン!」

 

とハミルトンに引っ付かれ戒めようとするピニャ。

 

「あの赤毛の女性が帝国のお姫様って本当ですか?」

 

「そうだな」

 

「帝国って戦争してる相手ですよね?こんなに仲良くしてていいんですか?」

 

「いろいろあったんだよ」

 

「そのいろいろあたりを詳しく!」

 

とマスメディアとしての魂が騒ぐのか菜々美がグイグイと迫って質問責めにしてくる。そして伊丹と大場は、何知らぬクナップヌイに気を引き締める。

 

「クナップヌイか。何が待ち受けているのやら・・・・」

 

「もう何が起ころうが驚かないぞ・・・」

帝国の国歌を描こうと思うんですがどれを参考にしたらいいですかね?

  • 『廃墟からの復活』
  • 『皇帝陛下万歳』
  • 『神よ、皇帝フランツを守り給え』
  • どれでも良い
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