GATE 大日本帝国 彼の地にて、斯く戦えり 作:人斬り抜刀斎
ここはイタリカフォルマル伯爵の領地でテサッリア街道とアッピア街道の交差点に発展した交易の都市である。ここに日本軍に惨敗した連合諸王国軍の残党が盗賊に成り、街を襲撃して来たのだ。現在のフォルマル伯爵家の当主はまだ11歳の幼いミュイである。イタリカの民兵達は数百人の盗賊を相手に必死に籠城戦をするも民兵は皆疲れ切っている、このままではイタリカが陥落するのも時間の問題だ。
「ノーマ ハミルトン!無事か!?」
「生きてま〜す」
ハミルトンは息を荒くしながら答え、ノーマは腕を上げ声が出せない程疲弊していた。仲間が無事なのを確認しているピニャに白髪の大柄の騎士、グレイが近づく。
「姫様、小官の心配はしてもらえんのですか?」
「グレイ 貴様が無事なのはわかりきってる」
「姫様ぁ なんで私達こんな所で盗賊を相手にしてるんですか?」
「仕方ないだろう。異世界の軍がイタリカに侵略を企んでると思ったんだから!イタリカが襲われてるって噂を聞いて駆けつけてみればまさか連合諸王国軍の敗残兵崩れの盗賊団だとは・・・お前たち休むのは後だ!盗賊どもはまた来るぞ!三日持ちこたえれば妾の騎士団が到着する!死体を片付け柵を補強しろ!急げ急げ急げ!」
ピニャの命令に兵士達は作業を開始する。
「グレイ、門の調子はどうだ?」
「だめですなぁ、いっそのこと材木で塞いで敵が来たら火でもかけますか」
「皆さーん食事を用意して参りましたよー」
とフォルマル家のメイド達が食事を持ってきた。
「ノーマ!そっちも交代で食事と休息を取らせろ!敵影はないな?」
「はい!今のところ」
「グレイ 妾は館で食事を摂ってくる後は頼むぞ」
「ハッ」
周りに指示を出し、ピニャは疲れた体を癒すため一度館に向かった。
「お帰りなさいませ 皇女殿下」
と館に着くとメイド長と執事が出迎えた。ピニャは館に入ってソファーに腰を下ろす。
「すまぬがなにか食べ物を」
「かしこまりました」
「皇女殿下。連中とは話し合いでどうにかできないでしょうか?」
「簡単だ。門を開け放てばよい」
「ではー」
「その代わり全てを失うぞ。女は陵辱され、男は殺される。妾も五十人百人とは正気を保つ自信は無い。ミュイ伯爵令嬢はどうかな?」
その言葉にミュイ伯爵令嬢は最悪の事態を想像する。
「ミ ミュイ様はまだ十一歳ですぞっ」
「ひっ・・・」
「ならば戦うしかあるまい?」
「おまたせしました」
「うむ」
そんな時、メイド長のカイネが食事を運んで来た。
「・・・物足りんな」
「いけません。疲労の強いときに味の濃い物は胃にもたれます」
「お前、攻囲戦の経験があるのか?」
「三十年ほど前 今は帝国領になっておりますロサの街で」
「・・・そうか では客間で休ませてもらう。火急の伝令はそのまま通せ・・・もし妾が起きなかったらなんとする?」
「水をぶっかけて叩き起こして差し上げますとも」
メイド長の言葉に安心したピニャは客間のベッドに横になった。
「ふう・・・正規兵は少数、民兵は勇敢な者から死んでいく士気は最低・・・こんなものが妾の初陣だと・・」
ピニャは眠りにつく。そしてある夢を見る。自身の生い立ちだった。
"皇帝モルトの五番目の子であるピニャ・コ・ラーダは側室の子であるが皇位継承権十位を持つ。やんちゃで周りを困らせていた彼女が「騎士団ごっこ」を始めたのは十二歳の頃。女優だけの歌劇を見たのがきっかけといわれる。帝都郊外の使用していない建物で貴族の子女を集めた彼女の軍隊ごっこは子供の教育にもいいと回を重ねるごとに親たちには好評になり、数年後には「訓練」は二〜三ヶ月に及ぶようになった。あげくに正規軍教官による本物の軍事教練。騎士団では自立 規律心 敬愛 愛護 連帯感が育まれ 義理の兄弟姉妹関係を結ぶ儀式もあって独自の気風さえ確立されていた。ピニャ十六歳 薔薇の咲く頃 男性団員が卒業そのまま軍人への道を進んでいく中、彼女の女性団員を主とする薔薇騎士団を設立した。周囲からは儀仗兵のような存在と思われていたがピニャはあくまで実戦を希求その騎士団が現在イタリカへ向かっていたー"
バシャッ
メイド長に水をぶっかけられ飛び起きた。
「なっ何事か!敵か!!」
「果たして敵か味方か。ともかく東門にてご自分の目でご覧下さい。」
「なに?」
ピニャは濡れた髪を急いでタオルで拭き、鎧を身に付けて東門に向かう。
東門に辿り着いてみると、兵士達が身構えていた。ピニャは直ぐに城壁の下を見る。
「あれはなんだ?木甲車かあれはだが鉄製だ!中に居るのは茶色の服を着ている 持っているのは武器・・・なのか?」
「他に敵は見えません!何者だ!姿を見せろ!!」
とノーマが叫び、兵士はボーガンを構える。
一方の伊丹側からの視点
「何者だ!!姿を見せろ!」
と城壁の兵達はボーガンを構える。
「大歓迎だねぇ」
「どう見ても戦闘かなにかあった後ですよ?熱湯とかかけられるのは勘弁してほいしよ」
「熱湯?やだなぁ 火傷してまで生き残るなんて最悪だぜ?お呼びでないみたいだから他の街にしない?とりこみ中のようだし巻き込まれたら君達と危ないし安全安心路線で」
「却下 入り口は他にもある ここがだめなら他にまわればいい イタミ達は待っていてほしい私が話をつける」
「え!?君が?」
その時無線からテュカの声が聞こえてきた。
『ちょっと待ってレレイ!なんでこの街にこだわるの?私達を助けてくれるこの人達を私達の都合で巻き込んでいいの?』
「だからこそ行く 私達は敵でないと伝える恩を受けているイタミ達の評判を落とさないために」
『・・・わかった わたしも行く ちょっと待って矢除けの加護を・・・』
「イタミ達は待ってて」
レレイとロゥリィとテュカの3人が行くらしい。
『俺も行く 女三人に任せちゃ男の恥だ』
と無線で大場も同行すると言う。
(いたいけな美少女に任せて 大人として男として帝国軍人としていいのか!?)
「・・・こりゃ 行かないわけにはいかんでしょ 大場大尉 俺も行きます。 おやっさん 後は頼んだよ」
と伊丹を乗用車から降りる。
「誰か 出てきたぞーーっ」
「魔導師・・・あの杖 リンドン派の正魔導師だ それに金髪碧眼のエルフなんだ あの服は?」
とピニャは降りてきた 魔導師レレイと白いワンピースを着たテュカに目をやる。
「男をたぶらかすつもりか?しかし精霊魔法はやっかいだな 油断している 今のうちに弩銃でーー!」
そして三人目の人物に驚嘆した。
「あ・・・あれは・・・ロゥリィ マーキュリー」
「あれが噂の死神ロゥリィですか?」
「ああ 以前 国の祭祀で見たことがある」
「ここのミュイ様と変わりませんな」
「あれで齢九百を超える化物だぞ!使徒に魔導師にエルフ・・・なんなんだこの組み合わせは・・・本当に敵ならばーー」
「エムロイの使徒が盗賊なんぞに加わりますかな?」
「あの方達ならやりかねんのだ」
「ハ?」
「亜神たる使徒を含め 神という存在はヒトには理解できんのだ どんなえらい神官であろうともな 神の行いはただの気まぐれと言う者さえある 結局の所 人々は神官どもがいう信仰という詐欺にひっかかっておるのかもしれん」
「し 小官は何も聞いてませんでした」
(どうする ピニャ 決断しろ!時間はないぞっ)
選択を迫られるピニャを他所に民兵達は緊張と恐怖で震えている。
(どうすればいい?街のすべてが 妾の決断にかかっている ロゥリィ達は盗賊に与しているのかーー否 それならばすでに街は陥ちているはずだ 妾にはもう士気を上げる術がない このままでは 盗賊に負ける!彼女達が何用で来たかは知らぬがこうなったら入城を拒むか)
「姫!?」
ピニャは扉のつっかえ棒を取り
「よく来てくれた!!」
と勢いよく扉を開けた。
強引に仲間にするまでだ!!
伊丹の顔面を直撃した為気絶してしまった。
ロゥリィとテュカとレレイは冷めた目でピニャを見つめた。
「大丈夫か?中尉」
と大場が気絶した伊丹に駆け寄る。
「もしかして妾が?」
ピニャの言葉にロゥリィ達は頷く。
「ダメだ、完全に気絶してる」
「そこのお嬢さん。一応アンタが原因なんだしちょいと手を貸してくれ」
と大場は言葉にピニャは頷き、伊丹を運んで場内に入る。
「お 重い この服どうやって脱がすの?」
「たく 世話焼かさんじゃねぇよ」
「あわわわ」
「なんだ なんだ」
「大丈夫 気絶しただけ」
テュカは注意力のないピニャを怒鳴りながら伊丹の水筒の水を伊丹に掛ける。
「あなた どういうつもり!?扉の前に人がいるかもと思わないの?ドワーフだって気をつけるわ!あんなことしてっ ゴブリン以下よ!!」
「・・・(城内にはいれてしまった)」
「んん・・・」
伊丹は朦朧と意識を取り戻し目が覚めた。
「わっ」
「あらぁ 気づいたようねぇ」
「大丈夫?」
「頭は大丈夫か?」
「はい で 誰が 今 どうなってるか説明してくれるの?」
と伊丹が言って全員ピニャの方を見る。
「妾・・・?」
帝国の国歌を描こうと思うんですがどれを参考にしたらいいですかね?
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『廃墟からの復活』
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『皇帝陛下万歳』
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『神よ、皇帝フランツを守り給え』
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どれでも良い