GATE 大日本帝国 彼の地にて、斯く戦えり 作:人斬り抜刀斎
「だ、誰だ!矢を射たのは!?」
「伏せろ!撃て撃て撃て!!」
何処からともなく矢が飛んで来てゴダセンの腕に命中してゴダセンの断末魔を皮切りに、日本兵達はうつ伏せに伏せて辺りに金切り声を上げるMP40シュマイザーの9mmパラベラム弾が飛び交う。
「あぐっ」
「ぎゃっ」
「うっ」
「射角を下げろっわあっ」
帝国兵達は、シュマイザーによってバタバタと薙ぎ倒されて行く。
「擲弾!」
更には、八九式重擲弾筒を使い密集している帝国兵達を吹き飛ばして行く。
「糞ッ、放て放て!」
帝国軍側も負けじと弓矢やクロスボーで応戦するが、タンスカ城外の丘に待機している狙撃兵達が九七式狙撃銃や九七式自動砲で援護する。
「前進!前へっ」
日本兵達は、煙に紛れて強行突破を図ろうとしていた。
「何だ!?煙幕!?」
「畜生!」
帝国兵達は、煙で視界が利かない中で弓矢を放つが、
「ぐぁっ」
「馬鹿野郎!射つなーっ」
放った矢が日本兵達を通り越して味方に命中すると言う同士討ちを起こした。
「下がれ!下がれ!闇雲に矢を放つな!味方に当たるぞっ!」
帝国兵は闇雲に矢を放ってはいたが、何発かは日本兵の肩や足に命中して負傷する兵士が何人か出始めた。
「あつっ」
「このままじゃダメだ!ここはあたいが!」
「あっ!おい!待て!」
すると、デリラが煙が立ち込む中を単独で突撃して行く。そして、煙の中から出て来たデリラは、人質のゴダセンを盾にして突っ込んで来たので辺りの兵士達は騒然とした。
「うおっ!?」
「ヴォーリアバニー!?」
「おのれ蛮族、閣下を盾に・・・・・おふっ」
デリラは、ゴダセンを隊長格の指揮官に向かって投げ飛ばすとククリ刀で指揮官の首を斬首する。デリラは、ククリ刀と三十年式銃剣で帝国兵達に斬り込んでいく。
「あの馬鹿兎!」
「デリラに続け!槍田先頭!」
出雲等は、短機関銃を撃ちまくりながらデリラの後を追った。その時、出雲は煙の中からすれ違い様にボルホスの目が合った時出雲は、ほくそ笑んだ。
「さっ下がれ!隊列を開けろ!奴らを通してしまえ!」
「戦え!!一歩も退くな!帝国兵ならその場で死ぬまで戦え!」
ボルホスは、日本兵達をそのまま通す様命令するが帝権擁護委員は、そのまま戦えの指示する。
「ボルホス!兵に退くなと命令しろ!」
「それは出来ん!ここでの戦闘は無意味だ!」
「貴様!敵を逃す気か!」
「違う!外の待ち伏せに奴らを追い込むのだ」
「敗北主義者め!ゾルザル殿下に報告するぞ」
とゾルザルに報告すると脅しを掛けるが、ボルホスは動じず、
「勝手にしろ!貴公のせいでエムロイもそっぽを向く!帝権擁護委員(オプリーチニキ)こそ帝国を敗北に導く反徒ではないか!」
「き、貴様・・・」
ボルホスは、帝国の敗因は帝権擁護委員だと名指しで言い、言われた帝権擁護委員は憤激した。そんな彼等のやり取りを遠くから見ていた出雲は、
「狙撃兵!コボルト頭が見えたら撃て!」
『了解』
無線でタンスカの城外の丘に待機している狙撃兵に帝権擁護委員を射殺する様指示する。狙撃兵は、九七式狙撃銃のスコープから帝権擁護委員の頭に狙いを定めると引き金を引いた。
「この場で粛清してやる!」
帝権擁護委員がボルホスに斬りかかろうと剣を振りかざしたその時、帝権擁護委員の脳天に風穴が開いて絶命した。ボルホスや周りの兵士達は、目の前の突然の出来事に唖然とした。そして、丘に待機している部隊が出雲達が橋を渡るのを援護するべくMG42や八九式重擲弾筒で出雲達を援護する。そして人質と救出部隊が橋を渡り終えると
「点火!」
と日本軍は敵が追って来れない様にタンスカの城門の橋に仕掛けた爆薬を点火して橋を爆破する。
「よし合流しよう。撤収だ!」
そして、日本軍は、拉致被害者を連れタンスカから去っていた。戦闘が終終わり日が登った後のタンスカには、血と火薬の匂い、そして煙と辺りに倒れる死傷者達だけが残っていた。
「ゴダセン閣下!」
「うう・・・」
ボルホスは、急いでゴダセンに駆け寄る。
「閣下!しっかりしてください。軍医こっちだ!」
ボルホスが、軍医を呼ぼうとした時、ボルホスはある事に気づいた。それは、切断された筈のゴダセンの指があったのだ。そして、切断された指は粘土で作られた偽物で暗く混乱状態だった為気付かなかった。
「指が・・・俺は・・・・ペテンに掛けられていたのか・・・・」
「隊長!敵は橋を破壊し北へ逃走!直ちに追跡を・・・」
「構わん、負傷者を収容して隊の再編を急げ!長官閣下を早く寝室にお運びしろ!待ち伏せ部隊に合図を出せ!ここからが作戦の本番だ。逃げ道など最初から無いのだ。奴等は、既に籠の中の鳥」
ボルホスは、直ちに合図のラッパで各地に待機している待ち伏せ部隊に知らせる。合図を聞いた兵士達は、一斉に出撃して行く。
その頃、出雲達は、高原の身を隠せそうな茂みに隠れて双眼鏡や狙撃スコープで辺りの様子を伺っていた。
「追撃は?」
「居ません!狼煙が上がっています」
「おかしいな。あの中に一個軍団も居た様に見えなかったが、あのラッパの合図は・・・・」
出雲は、不審に思った。敵は、自分達を追って来ないし、タンスカに居た兵士は精々数百人程度で、明らかに大隊規模である。残りの数万の兵は不明のままなのだ。
「痛ってぇ・・・」
「歩けそうか?」
「ゆっくり水筒の水を飲んで」
後ろでは、戦闘で負傷した兵士や拉致被害者の治療が行われている。
「よし予定通りA地点に向かう」
「隊長さんあれ」
出雲は、デリラが差した方角を双眼鏡で覗くと、大多数の帝国兵達が出雲達の向かう筈だった回収地点に向かっていた。
「先回りされた!敵部隊がA地点に向かっている。くそ待ち伏せか・・・回収地点をBに替えるようヘリに連絡しろ!警戒しつつ前進する。デリラ、先行しろ」
「あいよ」
そして、デリラが先頭に立って行き日本兵達は、デリラの後をついて行く。そして、しばらく進むと日本兵達が立ち止まる。
「気づかれたか?」
「馬鹿な半リーグはあるぞ」
と数m先の茂みで身を潜めている帝国兵達が不審に思った。ただ、彼等は知らなかった…日本軍側には優れた探知機があるのを、それが、デリラだ。デリラの優れた聴覚で敵を探り当てたのだ。その為、出雲は、デリラを先頭に立たせたのだ。すると、日本兵は、直様八九式重擲弾筒で隠れている帝国兵達に向かって攻撃する。
「わっ なんだ魔法か!?」
八九式榴弾の爆発で隠れていた兵士達が吹っ飛んで行く。そして、この攻撃をきっかけに隠れていた帝国兵等が剣を片手に突撃を開始した。
「馬鹿者どもが早まりおって!ええい、くそラッパ手合図を出せ!」
更には、ラッパの合図で他の部隊の兵士達も続々と出て来て突撃して来た。
「B地点に敵!」
「回収地点をCに変更する」
ここもダメと判断して、別の場所に移動する。出雲達は、敵の目を避ける為に林の中に入って移動した。暫くして、林の出口に出た第三の回収地点に着いたが、其処にも敵の部隊が居たのだ。日本兵達は、すぐさま銃撃する。
「くそ!ここにも敵だ!」
「そこら中敵だらけだよ!」
「ヘリ聞こえるか!C地点にも敵出現!回収地点をDに変更する!」
C地点にも敵が居ると合って更に、回収地点を変える。そんな状況下で、出雲達を回収するヘリは、着々と近づいていた。
帝国の国歌を描こうと思うんですがどれを参考にしたらいいですかね?
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『廃墟からの復活』
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『皇帝陛下万歳』
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『神よ、皇帝フランツを守り給え』
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どれでも良い