GATE 大日本帝国 彼の地にて、斯く戦えり 作:人斬り抜刀斎
日本の各家庭や電気屋のテレビでは、日本軍の攻撃機や戦車が攻撃で旧帝国軍の残党兵士達を蹴散らし、随伴する歩兵が投降する兵士を捕虜にする映像が流れている。
「帝国正統政府率いる新政府軍と皇太子派率いる旧帝国軍との内戦状態に陥った特地では、活発化していた旧帝国軍によるゲリラ活動は、皇軍の掃討作戦により下火に向かいつつあるとの事です。しかし、アルヌスに設けられた難民キャンプへの避難民の流入は止まらず住民不在となった地域の治安悪化が心配されています」
「特地派遣は銀座事件の首謀者捕まえて賠償金と領土割譲を求める為に始めたんですよね?日本軍が現地住民を巻き込んだ戦闘を続ける事にソ連を始めとする各国から政府に懸念が表明されました。我が国のみで特地と独占する事が正しい判断だったんですかね?これは政府の適切な対応が求められているのではないでしょうか?」
とニュースキャスターが言う様に日本軍と新政府軍による各地での旧帝国軍の掃討戦が行われ弱体化して来た旧帝国軍兵士は投降や戦死が相次いで行った。しかし、それにより多くの村々では戦闘から逃れてきた大勢の難民が溢れていた。日本軍は、逃げて来た難民をトラックに乗せて難民キャンプに保護する。
「クルッカ・スート方面からの方は右に行って下さい!」
「ファブリ方面からの方は左へ!」
「毛布と食べ物を配ります。こちらに並んでください」
「体調が優れない方がいらしゃったら声を掛けたください!」
日本軍は、国連結成の際結んだ難民条約に基づき仮設テントで様々な支援物資を難民に提供するなどの人道的支援を行う。
一方アルヌスの浴槽では、ロゥリィとティカ、レレイ、ヤオが浴槽に浸かっていた。
「・・・・レレイあれ渡した?」
「イマムラ将軍に渡した。ニホンの首長に送られるはず」
「さぁて、どうなるかしらぁ」
などと話していた。
そして、場所は移り東京の日本放送協会では、特地から帰って来た菜々子は特地で撮影した特ダネを放送しようと上司に頼み込んだが、
「どうしてですか!?特地のネタ使えないってどういう事なんですか!?異常な現象も起きてるんですよ!?おまけに拉致被害者救出も報道しないって・・・特ダネですよ!?異世界に攫われた国民が救出されたんですよ!?」
「お、落ち着きなって栗林ちゃん。まぁその、あれだよ。上の方針、政府から概要は伝えられたけど各方面と話し合ってね。ほら、望月紀子さんの時やり過ぎちゃって各方面から不謹慎だ!恥を知れ!って非難殺到しちゃったんじゃない?ああ言う報道合戦は逆にこっちが叩かれられるようになっちゃった。国民感情を刺激しない様に、だから今回はね被害者が落ち着くまで配慮しようって」
と奈々子は、クナップヌイでの黒い霧の現象や拉致被害者の松居冬樹の救出が報道出来ないと上司から言われて憤怒する菜々子。
「じゃあ、特地の異常現象はどうなるんです?『門』の存在どころか世界の存続に関わることかもしれないんですよ!?」
「特地ねぇ・・・うん・・・まぁ、そうなんだけどね。今、世界的に特地へ進出しようって流れでしょ?国際協調・特地に掛ける期待・株価も高止まり、そこへ水を差すニュースを流すのはどうなのかなぁ。別に隠す訳じゃないよ?他の重大ニュースを優先しているだけ、限られた時間に何を流すか決めるのが報道の自由じゃない?」
「・・・・分かりました・・・」
上司からそう言われて菜々子は俯き渋々引き下がる。
『バカヤロー!』
廊下に出ると菜々子はバカヤローと小声で叫びながらゴミ箱を蹴り飛ばす。
(何でいつも空っぽなんだろうって思ってたけどこの為だったんだ・・・)
カリカリした菜々子は、その足で技術局へと向かった。
「う〜砂川君!特地で撮った絵のフィールムと写真ある?」
「そりゃあるけど?どうするのさ」
「決まってるでしょ!報道しないんだったら映画社や週刊誌に持って行くだけ」
「ちょっそれまずいって!・・・上が決めたんだろ?そんな事したら処分されるって!」
「別にいいわよそうなったらフリーになるだけよ。テレビ局なんて斜陽産業なんか辞めたって、今はいろんなやり方がある訳だし」
そんな風にしていると古村崎が菜々子に話しかけて来た。
「おいおいおい、何やら不穏な会話が聞こえたぞ。大丈夫か?」
「こっ古村崎さん!?なんでうちの局に?」
「何ではないだろ。お前さんが帰って来たと聞いて顔見に寄ったんだ。俺は取材の後すぐ追い出されちまったからな、その様子だと・・・・いい仕事はしたようだな」
「・・・・・」
「放送できないって言われたんだろ?ま、当然だな」
「当然て・・・」
「もういい時間だ。河岸替えて話さねぇか?」
そして、外は既に日が沈んで建物のネオンが辺りを照らしていた。菜々子は古村崎に連れられて居酒屋に来た。
「福さんと松さんに」
「おうあんがとよ、今度線香でもあげに行ってやってくれ。この前遺体が発見されたって連絡が来た。これに関しちゃ日本軍に感謝だな、よく見つけてくれたよ」
あのヘリでの野獣との戦闘後ヘリから落ちた古村崎が連れていた記者二人の遺体が日本軍により回収され遺族の元に返されたのだ。
「『門』の向こうじゃ戦争してるんですよねぇ。とても戦時下とは、思えないくらいみんな呑気ですね」
「大概の国民はこんなもんだ。『門』の向こうの事だからな。自分には関係ない、所詮他人事。銀座事件の後の非常事態宣言も一〜二ヶ月で済んだだろ?」
菜々子は、今は戦時下だと言うのに国民は変わらず平時と同じ様に生活をしている事に不思議に思った。二年前の大東亜戦争は米国との戦争だったのでそれなりに緊張感はあったが今度の敵は異世界と言う事もあって国民は緊張感が湧かないのだ。
「話の続きですけど、なんで報道出来ないのが当然だと?」
「ああまぁ、あんな『特ダネ』じゃなけりゃ使われたかもな」
「特ダネだったのが不都合だった?」
「そう言う事だ。ある方面にとっては」
「ある方面?」
「この業界に入っといてわからねぇか?資源溢れる特地に進出して利益を上げようと思ってる業界・日本の一人勝ちが気に食わない国・特地そのものを日本から奪おうと狙ってる国、要はマスコミに金を出している方面だ。今、日本政府の支持率が爆上げしたり、特地が危険かもしれないなんて拡められたら困るってこった」
こうした放送局では受信料や契約料を支払う事なく無料で見ることが出来るのだ。それは、無料で見ている番組の中にCM(コマーシャル・メッセージ)が挟まれている為なのだ。自社製品等を宣伝したい企業が金を払ってCMを番組中に流す様テレビ局に持ち掛けるのでテレビ局は、そのCMを流して企業から得る金でテレビ局は運営されている訳なのだ。民放で、CMを流してもらっている企業が望んでいるのは、一人でも多くの人に見てもらう事なのです。その為、企業が民放に望むのはより多くの人が見る番組を作ってその間にCMを入れてもらう事で、民放としてもCMを流して金を払ってくれる企業様ありきで、CMを入れてくれる企業が見つからなければテレビ局の収入は入らず運営もままならないのです。その為、テレビ局は企業側の意見だけが尊重されてより沢山の人に見てもらう為の番組が作られて企業側に都合のいい番組しか放送されないのだ。戦前の放送局は、事実上の国営放送だったので運営費は国民から徴収した税金で賄われていたのです。こうなると税金をどのくらい放送局に割り当てるのか決めるのは日本政府なので、要するに放送局は日本政府に財源を握られていた訳なのです。国から予算を割り当てられていた為、政府にとって都合の悪い事を報道すれば予算を削減され、真実よりも政府に都合良い事だけを報道する姿勢になってしまい、放送局は国民に真実を伝える機関としては使い物にならなかったのだ。過去に放送局は嘘の報道をしまい何のための放送なのか分からなくなってしまい国民は正確は情報を掴めずにいたのです。戦後は、そう言う仕組みは辞めようと言う反省から放送法が制定されテレビ局は国からお金を貰わず忖度されない局になったのだ。
「その方面が何を報道するか決めると・・・・だから差し止められ・・・・・ん?ちょっと待ってください!私の取材の内容知ってそうな口振りですね古村崎さん。まだうちの局の上司にしか回してないはずですが」
「女将さんもう一本追加・・・・ぶっちゃけるとだな。お前さんを説得するよう頼まれたんだよ、その方面に」
「・・・・全方位を批判している古村崎さんらしくないですね」
「ああ言う方面の力学から自由になるために選んだのが『批判』だ。いいか、栗林君この店の女将が常に新鮮でうまい酒や焼き鳥を客に提供する様に俺達テレビマンは常に新鮮でうまいネタを視聴者に提供しなきゃなんねえんだよ。俺達の商売はスクープを撮ってなんぼの世界だだが、それも今や俺たちが全方位から批判される様になっちまった」
「自業自得です」
「わかってる。俺と同じ轍を踏むか違う道を行くか考えろ、お前さんの選択だ。今はマスコミも吊し上げられる時代だ。一個人の記事が社会を動かし一政治家の発言がそいつの権威を失墜させる・・・・一つ教えとこう。お前さんのスクープを止めようとしている魑魅魍魎どもが一番怖れているのは世の中のムードを一発で変えちまう"映像"だ。この記事見てみろ面白いぞ」
と古村崎は、カバンから一冊の雑誌を菜々子に渡して席を立って店を出て行った。無論、代金を払わずに。
「え?・・・・あっ 食い逃げ」
その後、菜々子は古村崎から渡された雑誌を持ち帰り早速読んで行きあるページ話に目を止めた。そこには、アルヌスの事について書かれていた。
「これって・・・・紀子さんの雑誌記事・・・・!?特地の最新情報じゃないて言うか記事の一面が小さいなんで!?・・・・そっか名前伏せられたんじゃあ一個人のインタビュー記事としてしか扱われず見向きもされないか・・・・私の取材も投稿した所で膨大な情報に流されちゃうだけ・・・・(ムードを一発で変える映像・・・・如何したら見てもらえるんだろう)
いくら望月紀子本人の要望で取材したとしても国民感情から週刊誌は実名を伏せたのだ。そして、菜々子は雑誌を閉じると早速ある人物に元に電話を掛ける。
「あ、紀子さん?栗林菜々子ですお久しぶりです。兄?ああ、大した怪我じゃなかったですよご心配おかけしました。今日はですねちょっと相談がありまして・・・」
菜々子が掛けた電話の主は拉致被害者の一人の望月紀子だった。
数日後、菜々子はある番組の企画書を上司に提出した。
「ふうん、特地の生活情報ねぇ・・・・いいんじゃないか?中々面白そうな企画じゃない(この程度なら構わんだろ・・・)」
上司からOKの返事をもらい菜々子は満面の笑みを浮かべた。
「次は特地の新鮮な情報をお届けする特番は!毎日アルヌス!特地に住む様々な人々や風習を紹介して行きます」
「楽しみですねぇこれまであまり取り上げてませんでしたからね」
「第一回はアルヌスの街を紹介します」
そこには、アルヌスでの人や亜人の共同生活や日本軍と異世界の人々との交流なども放送されて一躍お茶の間の人々からは大反響を呼んだ。
また、別の番組ではクナップヌイでの黒い霧の事についてが放送されていた。
「特地の情報を紹介した記事で明らかになった異常現象"黒い霧"政府からの詳細の発表はなく専門家もこの映像に困惑しています」
「特地では星の位置に歪みが生じているそうですが」
「実はこちらもでもですね、同じ様な現象が世界各地の天文台から報告されているんですよ。地震の発生時期が特地と重なっている可能性があります。しかし震源が不明でして・・・・黒い霧に包まれた地域では生物に悪影響が出るとの情報もあり・・・・」
と専門家がそう説明する。これを見ていた国民は、
「何あれ?こわい」
「門を越えて拡まるの?」
「特地に行っている皇軍は大丈夫だろうか?」
「原因はなんなんだ?政府は知っているのか?」
「世界終焉の予兆か?」
と空を見上げて専門家の指摘した様な夜空の星々の不規則な位置に人々が困惑する。
帝国の国歌を描こうと思うんですがどれを参考にしたらいいですかね?
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『廃墟からの復活』
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『皇帝陛下万歳』
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『神よ、皇帝フランツを守り給え』
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どれでも良い