GATE 大日本帝国 彼の地にて、斯く戦えり 作:人斬り抜刀斎
東京近郊
ここに、伊丹達は陸軍の空挺部隊の演習場に来ていた。クナップヌイでのピニャとの約束である降下訓練の体験をさせる事だ。伊丹は、空挺部隊に頭を下げまくって頼んだ結果OKしてくれた。そして、伊丹と大場とヤオは、ピニャ達が着地する地点に待機していた。
『大日本帝国陸軍士官伊丹耀司陸軍中尉並びに大場栄陸軍大尉、その二人の身柄の引き渡すこと』
((はぁ〜参ったなぁ・・・))
「イタミ殿、オオバ殿あれではないか?」
とヤオが指差した先には高度3000mを飛行する九七式輸送機が飛んで来た。そして、輸送機からは、ピニャを始めハミルトン、ロゥリィ、レレイ、ティカはそれぞれの指導員付きで降下してくる。ピニャ達は、初めての大空からのパラシュート降下に高揚感を表していた。
「おっ!きたきた。こっから長いんだ、あっちで座っててもいいぞヤオ」
「いや、此の身は御身の傍らにありたい」
(・・・・言い回しが大袈裟なんだよ・・・)
(言い方が遠回しだな・・・)
と思いながら伊丹は双眼鏡を覗き込んでピニャ達が降下して来るのを見る。
「しかし、よく飛び降りられるな?此の身はあの傘がちゃんと開くかとか考えてしまって・・・・一体なにが楽しいのだ?」
「だよな」
(お前はただ怖いだけだろが・・・)
そして、降下したピニャ達が着地するとピニャは、一目散に伊丹の方に駆け寄った。
「イタミ殿!素晴らしかった!言葉にならん!こんな体験をこの世で出来ようとは!」
「殿下、この世ではありません」
「そうだ!異世界だった!!イタミ殿もう一度飛べぬか?今度は妾達と一緒に!なぁ、ハミルトン!!」
「飛びたくはありますが・・・・またあれに乗るんですよね・・・・?」
とピニャは水を得た魚の様に生き生きパラシュート降下を絶賛する一方で、ハミルトンはパラシュート降下を楽しめた様だが飛行機に乗る事に不信感を抱いている様だ。そして、ピニャは伊丹をパラシュート降下に誘うが、
「あー、折角のお誘いですが遠慮しておきます。俺は空から飛び降りる楽しさが理解出来ない病気でして・・・・」
「プッ」
(まぁ、ある意味で病気かもな)
と自分は病気と言って断ると、背後にいたヤオが笑った。他のパラシュート降下を体験したロゥリィ達は、
「ジゼルの言い分何か分かったわぁ・・・・」
「空を飛ぶ魔法、研究を進めたくなった」
「風の精霊と踊ったの!楽しかった!」
とロゥリィ、レレイ、テュカ三人も大好評だった。
「病気とな!?」
「そう病気」
と三人は、伊丹が病気だと聞いて詰め寄ってきた。
「ヤオ!お父さん病気って何の!?」
「あ、いや・・・」
「何か知ってるのねぇ?」
「あ〜実は・・・ヨウジ殿は、高い所が怖いそうだ」
とヤオは、伊丹の高所恐怖症の秘密をみんなにバラした。
「あ、ヤオ!秘密だって言っただろ!お前だって!」
「此の身は、運が悪いから事故を心配しての事だ。怖がって此の身にしがみついて叫んでいたのは誰だ?」
「あれは・・・・翼竜が怖かったんだよっ!俺だって一人で飛んだ事あるんだぞ!」
「じゃあ何でパラシュートコウカしないのぉ?」
「あやしい」
と伊丹は、自分は高所恐怖症ではないと強がるが、みんなはニヤリと笑っていた。
「ほ、本当だぞ!?た、ただしがみついてなかなか飛び降りない俺に痺れを切らした降下長達に蹴り落とされたんだけど・・・・仕方ないだろ!無理矢理やらされたんだから、あの隊長に俺が装甲科(機械化歩兵)で無理矢理取らされた突撃章を指差されて・・・・」
『この勲章は何だ?俺の隊が陸軍空挺兵章なしで許されると思ってんのか!取れるまで未来永劫休暇はやらん!海軍の休日返上の月月火水木金金だ!』
と出雲隊長にそう言われて伊丹はムンクの叫びの様な顔をしていた。
陸軍空挺兵章は、空挺部隊の創設と同時に制定され、授与対象は空挺効果試験を終えた陸軍の兵士である。試験合格授与条件であり、勲章に値する技能技術が備わっているかチェックされる。また年に6回以上のパラシュート降下実施も条件に組み込まれる。勲章は、『勝利』の象徴月桂冠に囲まれ、『空の王者』の象徴の鷲を意匠とする。
「言っとくけどな、ロープとか把手とか掴んでれば平気なんだぞ!懸垂降下も出来るし」
「ふぅん」
「(まさか、俺の扱い方が出雲隊長の隊にまで申し送りされてるとは・・・)と言う事で強制されない限り俺は飛びませんっ!!はいこの話はこれで終わり!そろそろ着替えてバスに乗ってくれ」
ピニャ達が、着替え終えるのを待つ事にした。そして、着替え終えたピニャ達が来て、送迎車に乗ろうとしていた。
「楽しかったね」
「いい気持ちだったわぁ」
「あの鉄の鳥が飛ぶのが理解出来ません・・・・」
「今度はもっと高くから飛びたいな、イタミ殿また頼むぞ!」
「あんまり期待しないで下さいよ」
とみんな満足したようで、ピニャは今度はもっと高い位置から飛びたいと言い、そんな事をしているとある人物が伊丹達に声を掛けてきた。
「よぉ、お楽しみだったな」
その男は、全身黒ずくめで黒い背広に黒いハット帽で杖を付いていた。
「えっと・・・・どちら様?」
「あんたは、確か特高の・・・・」
「駒門だ。わかんねぇか?だいぶ痩せたしな」
その人物は、日本の秘密警察である。内務省警保局特別高等警察の駒門だ。
「おお・・・・お久しぶりです。腰どうです?」
「顔色もあまり良くなさそうで、大丈夫か?」
「見ての通りだ。そこの嬢ちゃんそのデカ物しっかり持っててくれよ?」
その後、送迎車に乗った伊丹達御一行は駒門達特高警察の護衛を受けながら出発する。
「今回の警備は警察か憲兵隊の筈では?」
「ああ、出向が済んでな。今は特別高等警察課の課長だ」
「おー、栄転ですか」
「それは、めでたいな」
「あんた等のおかげだよ。去年銀座で虫を一掃出来たからな」
と駒門は不気味な笑みを浮かべながら笑った。ピニャ達が初めて日本に訪れた時も日本に潜入していたソ連やアメリカの諜報員を摘発した事により昇進したのだ。
「状況報告」
『前方交差点異常なし』
『後方不審車なし』
「よし、二号車分離」
そして、バスが交差点に差し掛かると伊丹達が乗る送迎車と同じタイプのバスが伊丹達と離れて行く。
「銀座へ向かうダミーだ」
「他にも数台変装した警官乗せて銀座の近辺うろついている。で、この後は科学技術研究所でいいんだな?」
「あ、いえ、昨日の今日なんで明日になりました。今日はどっか適当なとこで昼飯食ってここに行って下さい」
「おいおいまたかよ・・・新谷飯屋任せた」
「ええ!?」
と伊丹は駒門に住所の書いたメモを渡し、駒門はそのメモを運転手に渡す。
「先方には話つけてますんで、そこの近くのスーパーマーケットにも寄って下さい。誘導します」
「注文が多いな、まったく」
伊丹は駒門にあれこれと注文をしてくる。駒門は、なんだかんだ言いながらも引き受ける。
「ところであんたら今回何しに来たんだ?遊びに来ただけじゃないんだろ?」
「それは秘密で・・・」
「『門』を開く実験」
「異世界への穴を人為的に作るって事か!?」
駒門は、伊丹達の訪日目的を聞いて来たが、伊丹は秘密と言おうとしたがレレイが今回の訪日目的の秘密を言うと、駒門は目を見開き驚く。
「出来る」
「こいつはたまげた・・・・」
「何を話しておるのだ?」
「音が大きくてよく聞こえません?」
駒門達の会話はピニャ達には来日の目的は聞こえてない様だ?
「おい新谷分かってるな?」
「は、はいっ!何も聞こえませんでしたぁ!!」
と駒門は部下に威圧しながら念押ししてそう言う、部下も駒門の威圧感に恐れを成して、『見ざる・言わざる・聞かざる」の三猿の様に自分は何も見てない、言わない、聞いてないと言う。その後、伊丹達は、昼食を取る為に中華料理屋に足を運んだ。ピニャ達は、中華そば、伊丹は炒飯、大場は餃子定食、駒門は焼売定食を注文した。中華そばを初めて実食したピニャ達は満足そうだった。その後、お腹が膨れた事で再び送迎車で目的地に向かう。途中で、スーパーマーケットに寄り伊丹とハミルトンが買い出しに行き、二人とも紙袋を抱えながら帰って来た。そして、漸く伊丹が指定した場所に到着した。
「送迎ご苦労さん」
「んじゃ、明日〇七〇〇で」
「ったく、あんた等のせいで胃も痛くなる…警備する身も考えてくれ」
「それは、悪かったって」
「まーまーいずれ誠心誠意」
とそう言って伊丹と大場は走り去っていく送迎車を見送り
「イ、イタミ殿。ここはまさか・・・」
とピニャは、目の前の建物を見て動揺する。見覚えのある平屋、そして、
「いらっしゃ〜い」
と扉が開かれ出て来たのは伊丹の婚約者である葵梨沙だった。そこは、梨沙の家だった。
「おう、今日頼むわ」
「梨沙さん、またお世話になります」
「随分と沢山買って来たね」
伊丹と大場がまた梨沙の所でまた世話になるので挨拶していると
「リサ様!再びリサ様に会える日が来ようとは!神に感謝せねば!!いや、リサ様御自身が芸術の神・・・っ」
ピニャは、梨沙を見るや否や満面の笑みを浮かべて梨沙に駆け寄る。
「殿下!?」
「拝受した聖典の数々どれだけ妾の心を癒したことか・・・・」
「なんて?」
「芸術の神様だって」
とピニャが特地語で梨沙の男色の作品に感銘を受けたことを熱く語って来た、特地語が理解出来ない梨沙に伊丹が通訳する。梨沙の家に訪れた時梨沙の作品を見てすっかり梨沙の作品を信奉し梨沙を崇拝する様になった。
「やだなぁ神様なんて〜今描いてるの見る?」
「まことか!?ハミルトン喜べ!リサ様が目の前で御業を披露してくださるぞ!」
「はぁ」
ピニャが梨沙の作業現場を目の前で見れる事に興奮し、副官のハミルトンにも共有してくるが彼女にはそんな思考はないと思う。自分が好きなものを他人にも押し付けようとするんだ?
「聖典って衆道の薄い本でしょぉ?」
「あれ趣味じゃないなぁー」
ロゥリィが正確なツッコミを入れ、テュカは自分のジャンルが違うので興味なさげに言う。
その後、家に上がる伊丹達はスーパーで買った酒や食材などをテーブルに並べてみんなで飲み明かす。
「はい、頼まれていたやつ?買っておいたよ」
「お、あんがと梨沙。最近出ずっぱりで、カストリ雑誌追えてなかったから助かる」
と梨沙は伊丹が任務で留守にしている間に出た新刊のカストリ雑誌を渡す。
「それで、飛んだの?パラシュート降下」
「知ってるくせに」
梨沙は、伊丹が高所恐怖症なのを知りながらニヤリと笑いながら言う。伊丹は、自分が高いの苦手なの知ってて言って白々しそうに言う。
「で、今回は何に追われてんの?」
「ん〜時間・・・かな?」
「時間?」
「当分任務で時間がなくなる・・・・かも知れない。そんな時は、また頼むわ」
「はいはい」
伊丹と梨沙がそんなやり取りしえいる頃、ピニャとハミルトンは五右衛門風呂に入っていた。
「は?先に帰れって、殿下!?」
「イタリカを出る時言ったであろう?妾は、もう政治に関わる気はない、関わりたくないのだ・・・・」
「殿下・・・・」
とピニャは哀しい目をしてそう言う。ゾルザルがクーデターを起こして主戦派達から吊し上げを食らって以来政治から距離を取る様になったピニャ。
そして、翌朝
「んじゃ行くわ。ありがとな、体に気を付けろよ」
「耀司も異世界めしで腹壊さないよーにね」
玄関先でお互いにそう言い合うと伊丹は行ってしまった。
「行っちゃった・・・・が」
梨沙がそう言って振り返ると
「リサ様!このの薄い本の続きはないのか?」
「異世界の皇女様薄い本の虜囚になるってか・・・」
ピニャは、梨沙の家に残って朝からカストリ雑誌の鑑賞を始める。
そして、伊丹達はとある研究所に来ていた。そこには東條英機総理をはじめ各省の大臣達も来て伊丹達を出迎えた。
「お待ちしておりましたレレイさん皆さん。パラシュート降下は楽しめましたか?」
「ありがとうとても楽しめた」
「それは良かった」
「あれって軍隊の一種でしょ私達がやって?大丈夫だった?」
「なぁにあの程度の事どうって事ないよ」
東條英機がそう言っていると、東郷茂徳が伊丹達にやって来て話し掛ける。
「よぉ、嬢ちゃんらは楽しんだようだな。お前さん達も飛んだかい?」
「俺は、そもそも空挺兵では無いので」
「任務でもないのに自分の意思で飛ぶわけないですよ。…あの東郷さん本気なんですか?」
「お前さん達を引き渡すってことか?まだ決めてない。『門』をどうするか決めてからだ」
それを聞いて伊丹達はホッとして胸を撫で下ろしながら安堵する。
「もし閉じるとなれば…戒厳令を出してやる。レレイ嬢の護衛も兼ねてな」
「俺に諦めろと?」
「ここは、突撃作戦的に考えてくれないか?」
「除隊願書いてもいいですか?」
「お前さんはやめもしないよ。実はだな、カストリ雑誌を公文書館で保存しようと話が出ている。門が再開通したら何年ものカストリ雑誌を一気読み出来るかも知れんぞ?」
「マジっすか!?」
それを聞いて伊丹が大きな声を出し目を見開いて驚く、そんな伊丹に周りの視線が集まった。
「あ、いえ失礼」
「東郷さん、カストリ雑誌は直接買いに行くから価値があるんです。作者の作品の想像力、努力、苦悩に読者との一体感行けなくなって忘れちゃったんでしょう」
「伊丹よぉ何言ってんだ?」
「え?」
「アルヌスこそ永遠に終わらないエデンじゃねぇのか?」
「確かに伊丹にとっちゃ楽園かもな」
(俺が恐れているのは特地に残されることか?それとも行き来ができなくなることか?)
部屋全体がガラス張りの実験室に来るとそこには、この実験の第一人者である養鳴教授が居た。
「む、来たな!こっちも突貫で準備出来たところだ!!極秘実験とは、なんとも胸が高鳴るものだ!さぁ、レレイ君こっちに来てくれたまえ」
とレレイが実験室に入ると研究者達から頭にヘッドギアを被せられる。実験室の外では政府高官、研究者、軍人がガラス越しで見ていた。
「背広組も白衣組も軍服組もそうそうたる面子ですね」
「それだけ、この実験が重要って事だろ」
「当たり前だろ」
「『門』は我が大日本帝国の行く末を決める。野党は選挙の争点にするだろう。いっそ公表しようか?彼女の存在を公式発表せずとも門を開く技術が手に入ったとでも噂を…」
「やめてください総理!それをやったら!!」
東條英機の何気ない発言に官僚達は焦る。そんな事をしている内に実験が開始される。
『これより『門』を開く実証実験を開始します!各員持ち場へ!!』
「5、4、3、2、1、コンタクト!」
カウトダウンが開始され、それと同時にレレイは呪文を唱える。門を開く実験が開始した。
帝国の国歌を描こうと思うんですがどれを参考にしたらいいですかね?
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『廃墟からの復活』
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『皇帝陛下万歳』
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『神よ、皇帝フランツを守り給え』
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どれでも良い