GATE 大日本帝国 彼の地にて、斯く戦えり   作:人斬り抜刀斎

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門と魔導士

上目遣いで寄ってくるロゥリィに伊丹は、オロオロしながら何のことだかと誤魔化す。

 

「ねぇヨウジィ」

 

「な、なにがご無沙汰なのかなぁ?」

 

「今更、誤魔化してもだめよぉ」

 

「いやけど、人目がね・・・?」

 

と伊丹が監視兵に目を遣りながらそう言う。

 

「あれは置物ってぇ言ったじゃない」

 

「ただのものの例えだから!」

 

「折角ぅ二人っきりになれたんだからぁ。ねぇ、いいでしょぉ」

 

「いや、そこに居るし!」

 

「ふたりっきりなのぉ」

 

とロゥリィは、監視兵がいるにも関わらずお構い無しに逆に見せ付けるかのように伊丹の首筋を舌で舐め回す。

 

「ちょっ、首筋はやめろぉ」

 

「ふふふ、じゃあどこがいいのぉ?」

 

見るに耐えなくなった監視兵は顔を赤くして病室から出る。

 

「どうした?」

 

「ちょっと来てくれて」

 

「おい、何だよ?」

 

病室の中にいた監視兵は外で見張っている別の監視兵を連れてどこかに行った。そして、監視兵が病室を出て行ったの見て二人は、

 

「よし、勝った!」

 

とパンとお互いの掌を叩いた。そして、改めて自身らの今の状況を見て

 

「・・・・そろそろもういいだろ?」

 

「・・・・降りられない」

 

「おっとすまん」

 

と謝りながらロゥリィ身体から手を離すと、ロゥリィが突然伊丹に口付けをした。

 

「!?」

 

突然の行為に伊丹は数秒間フリーズして

 

「はい」

 

そんな伊丹を他所にロゥリィがカバンから大きな白い布袋を伊丹に渡す。伊丹が袋の開けて中を見ると中に入っていたのはヤオが炎龍討伐の報酬に渡した金剛石で半分にカットされていた。実は、数日前にロゥリィがハルバートで金剛石を真っ二つにしたのだ。

 

「おっちゃんと割れたんだ。ありがとさん」

 

「どうするのぉそれ?」

 

「お袋の後見人に送っとこうかなと、こいつがあれば生活費の足しになって今後困る事はないだろ?俺も誰かに引き渡されたりしてどうなるかわからないし、門も放っとけないし閉じる様説得するしかないよ。けど、俺としてはレレイが『門』の開閉機械扱いされるのは嫌だぞ。一生門番やらせるわけにはいかんでしょ」

 

そう言って伊丹は、袋から出した金剛石を包装して段ボールに詰める。

 

(この男はどうも他人事と見ている節がある。なのに、レレイの事は心配してみせるのよねぇ)

 

ムーっと餅みたいに頬を膨らませるロゥリィに人差し指で頬を突く伊丹。

 

「心配しなくてもいいわぁ、レレイも門番やる気は全然ないから」

 

「そうなの?」

 

「ハーディにされた事許して手なんか貸すと思う?」

 

「あー、思わない。レレイ、ハーディに体重増やされた事まだ根に持ってたんだ・・・」

 

ベルナーゴでレレイを器として憑依したハーディがレストランでかなりの量の料理を食べていた。ハーディが憑依したと言っても身体はレレイなのでハーディが食べた分の体重がレレイに加算された事をレレイは今でも根に持っているのだ。

 

「『門』に関わる力はハーディのものその力を分け与えられた者は冥王の眷属となる。けれどレレイはまったくの部外者というか被害者。部外者が冥王の力を手にする、ベルナーゴの神官達にとって異常な事態。そこで取り引き、レレイの持つ宝具をベルナーゴに譲る代わりにぃ『門』の運営を丸投げするのぉ、レレイは門に縛られなくなりベルナーゴは通行料で潤うって訳、ジゼルに話を通させたからいいわぁ」

 

「レレイが納得しているんなら・・・・待てよ?宝具ってレレイ以外も使えるって事か?それなら最初からベルナーゴに・・・・」

 

「それは、難しいかもぉ、あのハーディに仕える連中がぁ進んで手を貸すと思う?」

 

「・・・・ないな」

 

そんな事を話して、外では日が沈み始め窓から夕日が差し込んでいた。

 

「レレイの件は取り敢えずそれでいいとして、後は街のみんなの説得するだけか・・・・何その顔?」

 

「それが難しいのぉ、テュカとヤオが説得して回ってるけどぉ。真っ先にヨウジ達を求めたわたしたちにぃ説得力ぅあると思う?」

 

「じゃあ、俺らの引き渡し要求を取り下げればいい」

 

「それはイヤ!この朴念仁!バカ!」

 

「うごっ・・・・朴念仁って何処でそんな言葉覚えたんだよ・・・」

 

とそう言ってロゥリィが伊丹に腹パンを食らわす。

 

「・・・・ねぇ、この奇跡を信じてよぉ」

 

「奇跡?」

 

ロゥリィは、伊丹の心臓部を指差して

 

「こんな魂どこを探しても見つからなかった。九百年以上待ったのよぉ」

 

「すっごく嬉しいけどさ、今は返事出来ない。多分俺テュカやレレイやヤオを切れそうにないし、このままっぽい」

 

「それでいいのよぉ。愛する者は必ず自分の手で手元に置く。決して手放すな決して逃すな」

 

「それ愛の神の教義?」

 

「教義よぉ」

 

「ロゥリィ・・・これは俺の持論だけど愛するが故その人と別れる愛の形もあるだよ」

 

「人生は舞台芝居じゃあない。身を退いて相手の幸せを祈るぅ?それはバカのする事よぉ。カーテンコールの後も続くのぉ!ううん、その後にこそ人生があるのぉ!」

 

そう言った後溜息を吐きながらロゥリィは、伊丹の膝の上で顔を蹲る。そんなロゥリィを伊丹は、微笑みながら頭を撫でる。

 

「こんな愛欲まみれのわたしがぁ、他人の欲をとやかく言える訳ないわぁ・・・・」

 

「だけど、みんなを納得させなきゃいけない」

 

「ええ、どうしたらいい?」

 

「説得か・・・レレイの事を秘密にして?」

 

「ヨウジがやってくれる?」

 

「俺が?イヤだよ!」

 

と伊丹がそう言いながらロゥリィの鼻を摘むと摘んでいた指を噛んで来た。

 

「いてっ」

 

「ムー」

 

ロゥリィは、拗ねて伊丹の膝から降りた。そして、伊丹に振り向くと

 

「帝国の正統政府からぁニホン政府に『門』を閉じてもいいけどぉ、ゾルザルを片付けてからにしてくれって言ってきたそうよぉ。どこで嗅ぎつけたのかしらぁ?」

 

「ゾルザルを?レレイの事は!?」

 

伊丹がそう聞くとロゥリィの頬を吊り上がる。

 

「あんなに大勢集めて実験したんですものぉ。漏れない方がおかしいわぁ。あれ以来こっちでヨーメイ達と実験や会議、レレイはヨウジ達に守って欲しそうだけどぉ。代わりにわたしがぁついててあげるわぁ。ヨウジは囚われの王子様だしぃ」

 

「わかった。俺も出来るだけ早く出られる様にするから、ロゥリィその間レレイを・・・頼む」

 

そう言って伊丹はロゥリィ手を掴んで頼む。すると、突然伊丹の病室のドアが開き憲兵隊が入って来た。

 

「伊丹耀司陸軍中尉!幼女をベットに連れ込む淫乱行為の容疑が掛かっている!別室で話を聞かせてもらうぞ!」

 

ロゥリィとのやりとりを見せつけられていた監視兵が憲兵を呼びに行きたのだ。まさに『憲兵さんこっちです』状態になってしまった。

 

「わたしが子供ぉ?」

 

「は!?何もしてないよ!?」

 

『やってるじゃないか!!現行犯だろが!!』

 

と憲兵達はロゥリィの手を握っている伊丹に指を指して叫んだ。ロゥリィの容姿が相まって傍からみれば伊丹が幼女を関係を迫っている様に見えて誤解されるレベルだ。憲兵隊は伊丹からロゥリィを引き離し

 

「もう大丈夫だ!」

 

「あ、ちょっと!?ヨウジィ!」

 

「お前ら新聞やテレビすら見ないのか!!ロゥリィが何歳かで話題になってただろ!」

 

「悪いが職務柄多忙なんでな!」

 

そう言って伊丹の腕を後ろ手に縛って病室から連れ出して行く。

 

「連れて行け!」

 

「いてて!!俺は無実だ!!事実無根だ!!」

 

その後憲兵隊から連れ出された伊丹は、別室で憲兵達から威圧されながら長時間の尋問を受けていたが、結果お咎めなしという事になった。ロゥリィは、その後伊丹との約束通り研究所でレレイの護衛をする事になった。

 

 

 

一方、アルヌスの街にあるとある建物の一室で帝国第二皇子のディアボと薔薇騎士団のパナシュがベッドの上で同衾をしていた。アルヌスに潜伏してから関係を持った二人、

 

「イタリカの密使がアルヌスに?面白くなって来たな」

 

「ディアボ様、ここではピニャ様にお力をお貸しなされば正統政府での栄達の道も叶うかと?」

 

パナシュはディアボに皇太女となったピニャの補佐をして欲しいと遠回しの言い方で言ってみた。

 

「それは冗談か?パナシュ、俺がピニャの後廳を拝するなど」

 

「しかしディアボ様、ここで何が出来ましょう。貴方様に従うのは私と侍従のメトメスだけ、支配しているのはこの部屋のみ」

 

「(この女、まだピニャへの忠誠心の方が大きいらしい。身体を支配すれば言いなりになると思ったが)案ずるなパナシュ、私に秘策がある。まずは、この事態をゾルザルに教えるのだ。内戦へのニホンの介入・門の鍵を握る魔導士、奴はどう動くかな?ニホンは魔導士を守りに走る。そこへ第三、第四勢力の介入があればどうなる?状況は激しく動く、荒波だからこそ舵取り一つで一気に高みへ登れるのだ!最終的にあの娘を確保した者こそ勝者となる!!」

 

とディアボは、自身の秘策をパナシュに明かし、ゾルザルに日本の内戦介入と門を作れる魔導士の事を教えようと言う。ディアボは『自分が皇帝になれないなら、国も世界もどうでもいい』と考える人物だ。帝位継承に強く執着するディアボは、地図争奪で敗れたソ連武官に自分を売り込もうと接触を図った。もし、ゾルザルが魔導士を殺しに掛かれば日本軍は全力で魔導士の守りに入る。最終的に自身が第三の勢力として大日本帝国と帝国の間に立とうと考えているのだ。考えが顔に出ているディアボをパナシュは心配そうに見つめていた。

 

「(殿下を正道に戻すにはどうすればいいのか、野心で舵取りすら出来ず暗礁に突き進んでいる)ディアボ殿下・・・・どうぞ自重なさってください。このパナシュ心底からのお願いです」

 

「なぁに心配要らぬ、お前は黙って見ているが良い」

 

パナシュがそう言い、ディアボはそう言って口付けをする。

 

翌日、アルヌスの難民キャンプでは第三偵察隊のメンバーは、トラックから物資下ろして運ぶ作業をしていた。

 

「なあー俺たち偵察隊だよな?なんで難民キャンプの手伝いを?普通輜重隊の任務だろ?」

 

「暇そうにしていたから?結構難民も増えて来たし人手が欲しいからじゃ?」

 

「深部偵察班の出番も少なくなったし、俺たちが特地語を話せるからじゃないか?」

 

「イタリカへの連絡任務ないかな、嗚呼ペルシア〜」

 

と偵察隊のメンバーは、愚痴っているとそこへ、栗林が走りながらやって来た。

 

「おーい、黒川はどこに居るか知らない?」

 

「黒川ならキャンプの中の救護所にいるぞ」

 

「おう、わかった!」

 

「なんだろ?」

 

黒川が救護所にいると聞いて栗林は、救護所へ向かって走って行った。救護所では、黒川が難民の治療や薬品や器具の使用等について教えていた。そこへ、

 

「黒川軍曹、本部で檜垣少佐が呼んでる」

 

と栗林に呼ばれ、黒川は直ぐにアルヌスの司令部の檜垣少佐の元へと向かった。

 

「軍病院に派遣ですか?」

 

「そうだ、上からの辞令が回って来た。詳しい事は向こうで説明があるそうだ」

 

と黒川は、檜垣少佐から軍病院への派遣の辞令が言い渡された。

帝国の国歌を描こうと思うんですがどれを参考にしたらいいですかね?

  • 『廃墟からの復活』
  • 『皇帝陛下万歳』
  • 『神よ、皇帝フランツを守り給え』
  • どれでも良い
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