GATE 大日本帝国 彼の地にて、斯く戦えり   作:人斬り抜刀斎

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究極の選択

大日本帝国帝都東京新宿の軍病院、早朝の病院内で医療器具の載っている台車を押しながら伊丹が隔離されている病室にとある人物がやって来た。

 

「おはようございます。朝の回診です」

 

「まだ、起床時間前ですが・・・・?」

 

「構いません」

 

その人物は監視兵にそう言って病室に入って行く。そして、

 

「伊丹さん、伊丹さん起きてください回診の時間ですよ」

 

「まだ眠いよ〜起床時間には早いまだでしょ〜」

 

とベッドで寝ている伊丹に呼び掛けながらゆするが、伊丹は布団に包まる。すると、その人物は伊丹の耳元に近づいてこう呟いた。

 

「一応言っておきますがこのまま、起きてくれないと何があっても知りませんからね?」

 

「どぅわっ!!だ、誰だ!!ってこの声はもしかして黒川!?黒川なんで!?」

 

そう言われた伊丹は飛び起きた。するとそこに居たのは白衣に身を包んだ黒川だった。

 

「軍病院に居着いたタダ飯ぐらいの厄介な怠け者の手綱をどうにか頼みますと檜垣少佐から直々に辞令が出まして、伊丹隊長専属の医師として着任しました。よろしくお願いします」

 

「ねぇ、黒川俺に対して辛辣過ぎない?俺君の隊長だよ・・・・って俺専属!?」

 

「そうです。収容して早々に寄生生物騒動したり、ロゥリィと病室で逢引き紛いな事したり、そんな隊長を良く知る君なら任せられるだろうと」

 

と黒川は笑顔でそう言うがその目は全然笑ってなかった。伊丹はばつが悪そうな顔をして腕を差し出して黒川から注射を受ける。

 

「・・・・」

 

「三分で洗面と着替えをして下さい。検査に託けて軍人をサボるのも今日までです。私の目が光らせている内はサボれると思わない事です」

 

それから、伊丹は黒川の主導のもと伊丹が入院で怠けた分の体力作りが行われた。

 

「基本教練続けて用意、始め!」

 

「おい黒川!!毎朝これやらせる気じゃないよな!?こんなの士官学校以来だぜ!?」

 

伊丹は体操や行進、不動の姿勢など士官学校でやらされた教練を病院の中庭でやらされていた。

 

「原隊に復帰した時体が鈍ってたら大変ですよ、それにもし隊長の腹を寄生生物が喰い破った時は休みにしますよ」

 

「だからいないって言ってるだろ!そろそろ退院したい・・・・」

 

「ある意味結果が出たら退院出来るのでは?」

 

「そんなに腹喰い破られてほしいの?」

 

「あれ、お約束じゃないんですか?」

 

この日を境に好きな事をして過ごす伊丹の休暇ライフは、黒川が来た事によって終焉を迎えた。

 

その頃、東京の各家庭や電気屋のテレビやラジオでは、門の開閉についての特番が流れていた。

 

『議会では『門』に関する集中討論が行われています。現場からの中継です』

 

帝国議会では東條英機が門の閉門について説明する。

 

「特地と世界で発生している異変の原因は解明されておりませんが『門』によって起こっている可能性が高いのであれば、危機管理の見地からも『門』を閉じる決断も致し方なく妥当と考える」

 

「特地と言う異世界との交流の機会を一国の独断で失うのは世界的な損失です!!その責任を総理は取れるのですか!!」

 

「アポクリフを蔑ろにした挙句に起こった世界的厄災の責任を野党は取れるのですか?『門』を掌握している我が国の責任として危機管理に努めなければならないのです。危機管理への掛け捨て保険額が大き過ぎるのではないかと問うておるのです!」

 

「それは結果論です!備えあれば憂いなしの為の必要悪です」

 

議会は開門派と閉門派に分かれ世論でも開門派と閉門派に二分され、メディアでは各分野の専門家を招到した報道合戦が繰り広げられた。そして、国外特にソビエトは、『日本政府が『門』を閉じて我がソビエトと帝国との賠償交渉を妨害するのであれば、日本政府が帝国に代わり支払いの義務を負うものと考える』との声明を発表し、これに対して日本は『賠償交渉は我が国が出先となって既に然るべき段階まで進んでいる。個別の賠償交渉を妨害する意志はないが仲介する義務もない』と反論する。

 

そして、銀座の門の前では3つの勢力による大規模なデモが行われていた。

 

「『門』を開け続けろ!!特地を大日本帝国の新たな領土に!!」

 

と閉門反対で特地を大日本帝国の領土にしようと主張する『帝国派』

 

「速やかに帝都を占領し皇帝に対し銀座での大量虐殺と戦争犯罪の容疑で逮捕、処刑を要請する。その後速やかな閉門を!」

 

片や閉門賛成で帝都を占領し皇帝を戦犯として裁判にかける様主張する銀座事件で帝国軍に愛する者を奪われた遺族達の『銀座事件遺族会』

 

「閉門反対!特地は全人類の共有すべきもの!経済開発へ一路邁進!」

 

もう片や閉門反対で大日本帝国が一国独占ではなく全世界で共有しようと主張する『左派・共産主義者』が門の前に集結している。

 

『君達の集会は通行の妨げになっている。速やかに解散しなさい』

 

と門の周辺を警備する特別警備隊がデモを鎮静化しようと努めていた。

 

「三つ巴のデモか・・・・?」

 

「許可が出ました」

 

「よし、第一、第二小隊前へ!」

 

と特別警備隊はライオットシールドでデモ隊に突撃して、警棒や銃床でデモ隊に殴りかかる。銀座に集まったデモは数百人が検挙された。

 

一方、梨沙の家では未だ寝ている梨沙と男色ものの本を読むピニャがいた。

 

『デモが行われた銀座では多数の検挙者が出ており、各団体は警察への抗議声明を出しております』

 

テレビでは、銀座でのデモの様子が集計される中、梨沙が漸く起床した。

 

「おはよう」

 

「オハヨウリササマもう昼だ」

 

梨沙が身支度している間にピニャは、ゴミ出しをした。勿論、家の前には特別高等警察の車が止まって警備している。その後、台所で昼食の支度をする。

 

「ゴミ出しておいた」

 

「え?あ、今日だったか。ありがとう(お姫様にゴミ出しさせてしまった・・・・おまけに・・・・ご飯まで作ってもらって・・・いいのかな?)」

 

梨沙は、客人であり帝国の皇女であるピニャにやらせてしまって少し罪悪感を感じていた。

 

「今日は騎士団で良く食べた戦闘食つくってみた」

 

「戦闘糧食?」

 

テーブルに並べられた料理はピニャが騎士団で食べられているミリメシだった。

 

「いただきます」

 

そうして手を合わせて合掌した梨沙はスプーンで料理を口に運ぶ、そして食べた感想は

 

「なんて言うか・・・・素材のまんまだね。味があんまりしない」

 

(バカな!?似た形の麦で同じ様に作ったはずだ)

 

と梨沙に言われてピニャも口に運ぶと

 

「(昔食べたあの吐き気をもよおすえぐみが・・・豆の方も歯が割れる様な硬さが一切ない・・・・・っ)これが異世界の素材の違いと言うやつか・・・・」

 

「ピニャ?」

 

ただの素材の良し悪しである。そんな時、梨沙がテレビのニュースに目を向け

 

『各所で閉門反対の声がある一方、不思議と財界と欧米は沈黙を守っているんですよね?』

 

『政府は『門』を開く方法を知っているのでと噂が流れており・・・』

 

そして、会見で記者の質問に東條が受け答えする。

 

『総理!日本政府が『門』を開く技術を手に入れたのは本当ですか!?』

 

『そんなのがあればこんな騒動になっておりません。残念だが『門』を開く技術は我が国には一切ありません』

 

と東條は否定する。すると、梨沙がテレビを消す。

 

「誰も特地の皇軍には触れないのな、『門』を閉じるにしても派遣軍どうすんの?野党だって『門』閉じろって言ってたくせに、ソ連も今頃何言ってんだか」

 

梨沙は、門の利益など欲ばかりあげて日本軍の事は棚上げする事に不快感を示す。

 

その夜、外務省では、外務大臣東郷茂徳がアメリカのフランクリン・ルーズベルト大統領と電話で門の開閉について説明していた。

 

『では、ミスタートウゴウ。特地へ『門』を開く技術を日本が得たと言う情報はデマに過ぎないのかね?』

 

「そうですルーズベルト大統領閣下。マスコミの憶測に過ぎません、技術と称されていますが語弊があります。これは奇跡か特殊な存在の能力と呼ぶべきモノです」

 

『と言う事は、特地にその能力を持った者がいたと?』

 

「そうです、帝国はそれを利用しました。銀座の『門』は帝国が作った維持装置なのです」

 

『成る程、当然その人間を紹介してくれるんだろうね?』

 

「人間・・・・『門』を開いたのはハーディと言う神様だそうですよ」

 

『神・・・・?言葉に気をつけたまえトウゴウ。我々が神と呼べるのは唯一『主』のみだ』

 

とハーディが神と聞いてルーズベルト大統領は眉を顰めながら自分達の神はイエス・キリストなのだ。

 

「えぇ、私も主の臣下ですけどね。ですが、我が国は八百万の神が住まう地、特地にも多数の神様がおわすそうですから『門』を開く地に選ばれたのでは?」

 

『・・・・ちなみにそのハーディと言う・・・存在。特地の基準から考えるに身体があって口はきけるのかね?例の九百歳を自称する黒ゴシック少女の様に』

 

「いえ、白あたゴシックだそうです」

 

『白いゴシック!?』

 

とハーディの特徴を聞いて驚くルーズベルト、そして、ハーディは口は聞けても体はない。

 

「まぁ、それはさておき特地でも神様は姿は見えず仲介者が言葉を交わせるのみです」

 

『・・・・オーケイ、異変を鎮めるため『門』を閉じると言う決定を尊重する。同盟国に『門』が再び開く時を待つ事にしよう』

 

「ご理解いただき幸いです」

 

そう言って東郷茂徳は受話器を置き、溜息を吐く。

 

「納得されましたか?大統領は」

 

「んなわきゃねぇだろ」

 

と東郷は頭を抱える。門の閉門について外務省には、世界中の首脳から問い合わせの電話がひっきりなしにかかって来る。

 

「あの、大臣。イギリスの首相からお電話が・・・・」

 

「またか?東條さんが普通受けるんじゃないのか?」

 

「総理は総理で財界からの電話でひっきりなしで・・・」

 

「しゃあねぇなぁ繋いでくれ」

 

そんな時、執務室にとある報告が届いた。

 

「大臣!イタリカの菅原から至急電です!!帝国正統政府が明後日講和特使をアルヌスに派遣すると!!」

 

「はぁ?いきなりだな、東條さんのところにも回したか?」

 

「はい」

 

「よし、吉田にも伝えろアルヌスに行ってもらうぞ!杉山陸軍大臣と嶋田海軍大臣に迎えのヘリか車をイタリカに回せるか聞いてくれ」

 

「はいっ」

 

「あのイギリスの首相が・・・・」

 

「それどころじゃねぇ東條さんにまわせ!(賠償交渉も本決まりしてねぇってのに向こうから動いて来やがった。こっちの手の内が読まれてんじゃないだろうな?)」

 

東郷は、講和派から特使派遣に自分達の手の内が読まれているのではないかと不安を抱いた。

 

 

 

それから、2日後アルヌスに1騎の翼竜がやって来て2機のゼロ戦が警戒にあたり、翼竜の周りを旋回して基地に飛び去って行く。アルヌスの基地に設置されているボフォース40mm対空機関砲も翼竜に狙いを付けるも射撃せず、

 

「撃つなよ。イタリカからの伝令だそうだ」

 

そして、竜騎士がパナシュに羊皮紙を渡して飛び去って行く。

 

「翼竜部隊まだ生き残りがいたんだな」

 

「パナシュ様イタリカからは何と?」

 

受け取った羊皮紙を見てみると

 

「・・・・・イタリカから来る講和特使の警護命令だ」

 

『講和!』

 

と騎士団が騒めく、遠くから見ていたディアボらも様子を窺っていた。

 

「何ごとでしょう?」

 

「翼伝令を使う程の重大事だ。後でパナシュに聞くとしよう」

 

 

それから暫くして、アルヌスに帝国正統政府の講和特使が乗ったトヨタAA型数台が日本軍のジープ、装甲車、装甲兵員輸送車に護衛されながらアルヌスの基地へとやって来た。基地の前では特地派遣軍総司令官今村均陸軍大将と吉田茂副外相が待ち構えいた。そして、AA型から降りて来た特使に、周りは唖然とした。

 

「帝国正統政府特使シェリー・テュエリです。講和交渉を始めましょう」

 

アルヌスへ赴いた講和特使はシェリーだった。

 

帝国の国歌を描こうと思うんですがどれを参考にしたらいいですかね?

  • 『廃墟からの復活』
  • 『皇帝陛下万歳』
  • 『神よ、皇帝フランツを守り給え』
  • どれでも良い
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