GATE 大日本帝国 彼の地にて、斯く戦えり   作:人斬り抜刀斎

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日帝合作

イタリカ郊外では、第四戦闘航空団の指揮官健軍大佐が大きなため息を吐いていた。

 

「大佐ご機嫌ななめすか?」

 

「あー、ちょっとな」

 

遡ること数時間前のアルヌスの日本軍駐屯地の基地で、

 

「アルヌスからの主攻は第一第二第三戦闘団とする。第四戦闘航空団はイタリカから進発する正統政府軍を支援せよ」

 

と今村から主攻する部隊が発表され、呼ばれた部隊の各隊長達は笑みを浮かべていたが

 

「待ってください閣下!我が第四戦闘航空団の空中機動力を封じられては・・・・っ、翡翠宮の作戦時に設置した前線基地を使えば帝都を突くことが出来ます!!」

 

だが、ただ一人健軍大佐だけは、この命令に不満があり異議を申し立てた。

 

「銃火器を欠いた第四戦闘航空団で二万の兵が守る百万都市を制圧出来るのかね?君の隊は今まで充分に戦った。今回は他の隊に譲れ、討伐軍の主力となる正統政府軍はアルヌスより遠いイタリカから進発する。第四戦闘航空団の支援が無ければ前進に数ヶ月かかるかもしれん」

 

「しかし・・・」

 

「空中からの支援攻撃、物資・人員の輸送で必要になる。君の第四戦闘航空団にしか出来ないことだ」

 

と今村から言われ健軍はまだイタリカ支援に不満を抱えながらも軍人として上官の命令に従った。

 

 

 

「人員か・・・」

 

と呟きながら健軍大佐は、正統政府の馬車に乗って道行く兵士達に陸軍式敬礼をしている時、

 

『お〜い!!ケングーン!!』

 

と健軍大佐を呼ぶ声が聞こえてきた。声のした方を見るとそこには、馬に乗ったヴィフィータだった。

 

「なんだよ〜、来るなら言ってくれよ。迎えに出たのに〜、今日はイタリカに泊まるのか?あ、そうそうニコラシカに新しいニホン語教わったぜ」

 

とそう言って片言の日本語で

 

「せめとうけどっちがすき?」

 

とんでもない爆弾発言をした。

 

「あれがこの前大佐に突撃した?」

 

「・・・・」

 

健軍や近くいた兵士達は、凍りついた。

 

「あれ?変なこと言ったか?まぁ、いいや後で付き合えよ」

 

自身が言った言葉の意味を知らないヴィフィータはそのまま去って行き。健軍もフォルマルト伯爵家の屋敷へと向かった。

 

イタリカフォルマルト伯爵家の屋敷で、杖をついた柳田とデュランが廊下で出会した。

 

「デュラン閣下ご機嫌麗しゅう」

 

「フン、お主もな。りはびりは進んでおるか?」

 

「まぁ、この通り」

 

と柳田はそう言ってデュランに杖を付いて歩けるぐらいに回復した様子を見せる。

 

「しかし、お主達と共に戦う事になるとはな」

 

「昨日の敵は今日の友と言う格言があります。我が国も数年前に経験しました」

 

「・・・フン」

 

「では、上官から作戦の説明がありますので」

 

「どれどれ、帝国の将軍どもはどんな顔をしとるかの?」

 

そう言ってデュランは、大広間へと向かって行った。大広間では、招集で集まった諸国の王や貴族、傭兵などが集まっていた。そして、健軍が概要を説明する。

 

「諸君!最初に言っておくが、これは競争だ!!一度状況が開始されれば我々はアルヌスから前進する大日本帝国陸軍戦闘団と先陣を競う事になる。向こうは我々の事など待ってはくれん。早い者勝ちだ!」

 

しかし、諸国の王達は納得しなかった。

 

「ケングン殿!ゾルザル派討伐軍の主力は我々ではないのか!?だからこそ歴戦の貴官の部隊が我々に加わったのであろう?」

 

「ニホン軍が先に帝都に入城したら我々の面子はどうなる?」

 

いくら戦争とは言っても自国の軍隊ではなく他国の軍隊に最初に帝都入りを果たされて快く思う者はいない。

 

「この際言わせてもらうが面子など捨てていただきたい、そんな物は犬にでも食わせておけばいい。そんな物戦場では、何の役にも立たない。面子が将兵を縛る枷であってはならないのだ」

 

そして、諸国の王達を見て見かねたピニャが健軍大佐に賛同する。

 

「ケングン殿の言う通り、卿らの望むべき道は長く、そして立ちはだかる敵は手強い。この戦が競争ならば妾らは初手から不利な立場にある。だからこそ、卿らは懸命に走らねばならぬのだ」

 

「・・・・殿下、卿らと申されましたか?」

 

「そうだ、妾はイタリカを離れる訳にはいかぬだろ?先陣などと言うわがままも言えぬ様になったしな、吉報を待っておるぞ」

 

「しかしっ、我らに馬を降りて戦えとは、些か・・・騎兵は戦の華」

 

と頑なに納得しない諸国の王達に

 

「"面子か""勝利か"だ」

 

ピニャは王達に面子か勝利かの2択を突き付ける。

 

「ケングン殿続きを」

 

「閣下は馬から下ろされるのをお嘆きのようですが、我が戦闘航空団が新たな天馬を提供しましょう」

 

「天馬・・・・な」

 

と聞いて天馬・・・・つまりヘリになった事をデュランは察した様だった。

 

「これより作戦の詳細を説明する。これが納得して頂けないと困る事になる。疑問があれば小さな事でも質問して頂きたい」

 

「では、資料にある作戦要網を・・・・」

 

その後日本軍から作戦の詳細を説明を受けどうにか諸国の王達を納得させることが出来た。

 

そして、イタリカ郊外の演習場では、

 

「降下ぁー!」

 

帝国正統政府軍の兵士達が日本軍の軍事顧問のもと高台からロープを伝って降りる降下訓練をしていた。日本軍では、『抗旧援新・保家衛國』"ゾルザル率いる旧帝国軍に対抗し新政府軍を助け、家と国を守る"という意味のスローガンを掲げて、日本軍は新政府軍の兵士たちの訓練を担当した。そして、この時日本軍の間で歌われた歌があった。『日本特地派遣軍歌』と言う曲名。

 

『1.気勢も堂々と門を越え 我が祖国、我が故郷の平和の為に勇敢な日本の息子よ娘よ前へ!抗旧援新で狼を叩き潰そう!

 

2.雄雄しく堂々と気勢高く 門を越えて、祖国の為 平和を保ち 故郷を護らん!日本の良き息子よ娘よ 一心団結せよ!抗旧援新 野心的なゾルザルの狼共を打ち破れ!!

 

日本の良き息子よ娘よ 一心団結せよ!抗旧援新 野心的なゾルザルの狼共を打ち破れ!』

 

日本軍では、当初新政府軍にも銃器を供与する話も挙がったが銃器を扱った事のない中世レベルの兵士達を一から訓練するには時間がかかり作戦決行までには間に合わないと判断し、更には旧帝国軍側に鹵獲運用されると厄介なのでこの話は白紙になった。

 

「いけーっ!いけーっ!」

 

「止まるなーっ!!」

 

「急げ急げ急げ!次が頭の上に降ってくるぞ!!」

 

日本軍は、軍隊のノウハウをフルに詰め込んだ訓練を実施した。これが後に、中世レベル程度の実力しかなかった新政府軍を正規軍顔負けの精鋭部隊へと成長させる。新政府軍と旧帝国軍との内乱で『帝国による国家統一』が脅かされ、その様な背景において軍隊と国防産業を近代化を必要とする帝国と資源の安定供給を必要とする日本の思惑が一致とゾルザルと言う共通の敵の存在、軍事的・経済的関係を示す『日帝合作』が成立し、これが、帝国の産業と軍隊の近代化に役立った。

 

 

 

帝都第二の都市テルタでは、宮殿の執務室でゾルザルは密偵から齎された羊皮紙に書かれたイラストを見ていた。

 

「これが新しい城攻め?攻城塔も使わずにか?」

 

ゾルザルが見ていた羊皮紙にヘリから降下する兵士のイラストが書かれていた。

 

「あれだけの密偵を失って得られたのがこれだけか?」

 

「今まで裏門からイタリカに潜入しようとして阻止されてきましたが、正門は鍵もかかっていなかった様です」

 

「フン、ハリョの連中も大した事ないな」

 

「・・・・ニホンとの講和後イタリカには、エルベ藩王国を主力とした外国軍が集結、加えて食糧と馬糧の購入状況から作戦を企図していると思われます」

 

「デュランのジジイか!売国奴め」

 

それまで、ずっと様子見を決め込んでいた諸国が講和成立を知り、正統政府からの招集に応じてイタリカに集結していると聞いて激怒した。

 

 

「皆さんこれをご覧あれ!反徒が大陸中にばら撒いた檄文です!」

 

とゾルザル派の議員の一人がフォルマート大陸にばら撒かれたビラを周囲の議員達に見せる。

 

「奴らは売国奴どもは蛮族にまで兵を求め媚びているのです。亜人にまで元老院議員の地位を与えると!帝国のヒトとしての誇りまでも投げ捨てているとしか思えない!」

 

それを聞いて

 

「なんと!情けない奴等め」

 

「亜人どもの手を借りねば戦えぬのか?」

 

「やれやれそんな連中と議場で同席していたとは」

 

などと、ヒト種至上主義の保守派議員たちは嘆いた。

 

「殿下、奴らがその気なら戦ってやりましょうぞ」

 

「うむ、総力を上げて敵を迎え撃つ、皆にも兵を率いてもらうぞ。"帝国の興廃はこの戦にある"地図を」

 

と言って地図を広げて帝国の将軍ヘルムが作戦を説明する。

 

「敵はイタリカとアルヌスの二方向から…特にイタリカの反徒どもは、アッピア街道上を進んでくるでしょう。街道上の城塞群マレフゥエレッキには兵力を増強し敵を漸滅させます。敵が我が国土深く入り込んだところで将軍率いる軍勢の出番となります」

 

「皆よく聞け!!俺には必勝の策がある!直々に兵を率いて戦場へ赴くであろう!!」

 

とゾルザルが議員や将軍達にそう宣言すると歓喜と拍手が沸き起こる。

 

「敵を防ぐ絶対防衛戦はレッキから・・・・マーレスの森と致します」

 

そして、作戦がある程度決まると議員達は大広間を出て行く。その様子をゾルザルの料理人として雇われ諜報活動中の古田が入れ替わる形で大広間に入って来た。

 

「いっその事ゾルザルを殺った方が早くないか?」

 

古田が小声でそう呟くと

 

「そう言う訳にはいかないのよ。ニホン語少し教わったの、ノリコに」

 

古田の前に現れたのはテューレだった。

 

「殿下を暗殺しても何も解決しないわ、きっと殿下に成り代わる者が現れるだけ、それに言っておくけど・・・・"ゾルザルを殺すのは、私よ"この役は誰にも譲らないわ」

 

「テューレ・・・・さん!?」

 

「マーレスよ、殿下自ら出撃なさるわ」

 

「・・・・いいんですか?」

 

「いいのよ」

 

とテューレは、次の作戦でゾルザルが出撃する事を古田に話した。テューレは、古田が日本軍のスパイである事は既に知ってて敢えてその情報を古田に教えた。そして、テューレは古田に何かを投げ渡した。それは、飴玉サイズくらいの球体だった。

 

「私が殿下に叛意を抱いているのはもうわかってるでしょ?・・・それ相手の考えがわかる魔導具か何かじゃない?タンスカも罠知っていたのでなくて?」

 

「・・・・」

 

テューレに図星をつかれ渡された古田は溜め息をしながら魔導具を受け取る。

 

「ここに亜人の愛玩奴隷の服なんか洗う者はいないわ。だから、洗濯女を手懐けても無駄」

 

「ボウロと言う男は?」

 

「あれには用を言いつけました。ここには今私とあなただけ」

 

「・・・・でも、どうして?」

 

『ゾルザルに絶望と己の無能と惨めさを思い知らせて嘲り嗤う心を抉ってやりたいの』

 

不気味に笑うテューレに、古田は少し引いた。そして、古田は、ゾルザルの殺害はテューレに譲る事にした。

 

「・・・・わかりました。その役はテューレさんに任せます」

 

「そ、ありがと。でも、あなたも随分優秀ね。間諜として」

 

と、テューレが古田をスパイとして優秀の褒め、古田はテューレから優秀と言われて驚く。

 

「俺が!?」

 

「そうでしょ?ボウロなんて今だに違うって言ってるもの、フルタがいたらイタリカ潜入は簡単だったって、すっかり騙されちゃったわとんだ役者ね」

 

「役者!?」

 

「自分の店を持ちたいと言うのも、私を雇いたいっていうのも、嘘なんでしょ?私が馬鹿だったわ(あなたの語る夢をかつての自分と重ねてあなたとなら・・・・共に同じ道を歩めるかもしれないと)」

 

すると、テューレに言われた事に古田が血相を変え、

 

「自分は役者じゃない料理人だ!結果的にこんな事になってるけど・・・・誰かを騙すために店の話をした訳じゃない」

 

「あ、ごめん・・・・」

 

「ごめんじゃないよ!勝手に人を嘘つき役者呼ばわり!勝手に自分で間違いだったと納得して!なんなんだよ!!」

 

と怒鳴りながら古田は、テューレに詰め寄る。

 

「じゃあ・・・・お店を開くとか、私を雇うって話は・・・・」

 

「・・・・嘘偽りのない俺の本心です」

 

古田が軍を除隊した後自分の、店を開いてそこにテューレを雇いたいとテューレに話したことがあり、それを聞いたテューレは嬉しかった。しかし、古田が日本軍のスパイだわかった時それは、相手を欺くための嘘だと割り切る。しかし、今古田の口からそれが本心だと明かされ

 

「この任務で店を開けるだけの金も貯まりました。だから、ゾルザルのもとからテューレさんを攫ってでも連れて帰ろうと思ってたのに・・・・どうやら俺の見込み違いだったようです」

 

「え!?」

 

「残念です。がっかりしました。あなたは他人も自分も疑うことしか出来ない人なんですね」

 

そう言って古田は、テューレの前から去って行く。すると、そこへボウロが現れた。

 

「テューレ様、戻りましたでございまする。・・・・テューレ様?」

 

「黙りなさい、しばらく放っておいて」

 

「・・・・・?何かありましたので?」

 

「嬉しいことに決まってるでしょう」

 

とテューレのその表情は、ゾルザルの奴隷に身を落としてから失われていたテューレの本当の表情だった。

帝国の国歌を描こうと思うんですがどれを参考にしたらいいですかね?

  • 『廃墟からの復活』
  • 『皇帝陛下万歳』
  • 『神よ、皇帝フランツを守り給え』
  • どれでも良い
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