GATE 大日本帝国 彼の地にて、斯く戦えり   作:人斬り抜刀斎

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最終決戦に向けて!

タンスカ城塞の桟橋で釣りをしているゴダセンのもとにゾルザルのクーデター後にタンスカに左遷された百人隊長のボルホスがやって来た。

 

「閣下」

 

「行くのかボルホス」

 

「ハッ」

 

「こんな辺境の百人隊長まで引っこ抜くとはな。貴公は、殿下に左遷されたのではなかったのか?」

 

旧帝国軍がマーレスにて大規模な攻勢を仕掛けるに当たってかつて辺境へと左遷した者まで呼び戻しを掛けたのだ。

 

「自分は、帝国軍人として命令に従います」

 

「ロンデルやベルナーゴも襲撃しろだと?無茶を言いおる、ここから何リーグあると思とんだ。兵を無駄にするだけだ」

 

とゴダセンは旧帝国軍のあまりにも非現実的な作戦に愚痴をこぼす。すると、ボルホスがゴダセンの隣に置いてあるリードがついた釣竿に目をやる。

 

「見慣れぬ竿ですな、新しく買われたので?」

 

「それか?知り合いの商人のアルヌス土産でな」

 

「アルヌス・・・ですか」

 

「また、遠くまで投げられましたな」

 

「魔法だよ。まだ、肩の傷が痛む。ボルホス、最後まで付き合う必要はないのだぞ」

 

「・・・・承知しております。ゴダセン閣下お元気で」

 

そう言って、ボルホスは桟橋にやって来た帆船に乗り込んでゴダセンに別れを告げボルホスはテルタへと向かって行く。

 

 

そして、日本軍の九七式司令部偵察機がテルタ上空を旋回しながら飛行していた。その様子を将官は忌々しげに眺めていた。

 

「ありったけの翼竜隊を招集した。蚊トンボめ、目にもの見せてくれるわ。喇叭鳴らせ!ポダワン竜騎士隊出陣!!」

 

「売国奴どもが、動き出す前に決戦の準備を済ませるのだ!各駐屯地は最低限度の兵を残し、全隊出撃!!昼夜分たぬ行軍をもって速やかにマーレスに集結せよ!」

 

空路からは竜騎士が、陸路からは歩兵が、海路から船団がマーレスへと向け進軍して行く。そして、日本軍や新政府軍の戦闘で多くの兵が投降や戦死をし、更には投降を呼び掛けるビラで兵士の多くが脱走した事から、旧帝国軍も人手不足からなりふり構わず兵を集める様になった。テルタに住む男性の住民に募集を掛け、募集枠はテルタの市民から奴隷にまで拡大した。末期には囚人すら入隊させられた。市民や商人はオプリーチニナに無理矢理ホールに連れて来られ市民達は中ば強制的に入隊させられた。

 

「兵役年齢に達しているテルタ市民・奴隷、監獄の囚人はすべて徴兵する。補助部隊として帝国国民の義務を果たせ!商人諸君拒否は許されない、持てる全て物資・食料を帝国軍に提供せよ。少しでも隠匿しようなどと考えない事だ。隠匿が発覚した場合は徴発隊が直ちに取り立てを行う」

 

と市民や商人達に旧帝国将軍ヘルムが脅しをかけ市民達は恐怖の表情を浮かべていた。

 

「だが、勝利の暁には、諸君らテルタ商人が大陸の覇権を握り名誉臣民の称号を与えられる事になるだろう。そうそう、商隊用の馬車・民間向けの衣料も提供していただこう」

 

そして、自分達が勝てば功績として名誉が与えられると言いつつ、商人達に馬車や衣服までも提供しろと言ってきた。更に旧帝国軍が各地の住人から徴発した大量の金貨が積まれた箱が並べられていた。

 

「ノルガ属州、ダキアヌ属州供出金到着しました。テルタでの徴発も本日中には完了します」

 

「うむ、反徒どもに勝利すれば恩賞金を与えると兵達に布告を出せ。イタリカ占領後三日間の掠奪も許可するぞ」

 

とイタリカを占領したら兵士達に略奪と言う蛮行を容認すると言うのだ。そして、ヘルム達は作戦室で地図を広げ情報と作戦の整理をしていた。

 

「第一ゾルザル軍団、第二アウグスタス軍団を除き全隊出陣しました」

 

「よろしい、伝令!デュマ方面軍へ達するイタリカ・アルヌス及び帝国西部での遊撃戦を再開せよ。敵勢を分散拘束し移動を妨害するのだ」

 

ヘルムは各地にいる旧帝国軍部隊に作戦開始を宣言する様伝える。

 

 

そして、テルタ上空では日本軍の偵察機が辺りを旋回しながら飛行していた。

 

「覗き屋め、最近どんどん低く飛ぶ」

 

「見せてやればいい、手でも振ってやろうか」

 

日本軍の偵察機を忌々しげに見上げていたが、気にする事はなかった。

 

『テルタ周辺から多数の部隊が南下している』

 

『偵察回数を増やしたいが・・・』

 

『マーレス方面の偵察で飛行任務はいっぱいだ』

 

『偵察機が足りんのよ』

 

そうして、九七式司令部偵察機はテルタでの航空写真を幾つか撮影して基地へと帰投するため飛び去って行った。

 

「行ったか」

 

「では、我々も準備しよう」

 

「うむ」

 

そして、日が暮れた頃松明の明かりが灯る中テルタ宮殿の中庭に集められた兵士達は、

 

「諸君らに渡した暗号命令書に集結地が記されている。開封期日は厳守だ!当日に暗号を解く鍵を知る兵が名乗り出る。移動は夜間に限る事先導に怪異をつけよ!道中に遭遇した合言葉を言えぬ者は・・・・その場で全て処分せよ」

 

とオプリーチニナから言われ兵士達の表情は凍り付いていた。その後、旧帝国軍は、多くの兵士や荷馬車を連れテルタを出発していった。

そして、遊撃隊が出陣すると同時にゾルザル達も出陣する。

 

「さて、俺たちもそろそろ参ろうか」

 

「この馬車も用意させたので?」

 

とテューレが言ったのは、荷馬車に偽装した乗用馬車だった。

 

「うむ、前に皇宮に現れた不埒者が荷馬車に似せたもので乗り付けたそうだ。それを聞いて作らせた」

 

と伊丹達が軍用車を荷馬車に偽装して皇宮に乗り込んで来たと聞いて、ゾルザルが自身の身を隠す為に作らせたのだ。そして、ゾルザルの馬車は夜の暗闇の中テルタの街を出発して行く。

 

「許可があるまで外に出るなとはまるで囚人の様だ」

 

「酔いそう」

 

「静かにしろっ」

 

(マーレスに向かうのに自軍の秘匿が厳しすぎないか?)

 

別の馬車では、古田はほぼ軟禁状態で旧帝国軍の秘匿の異常さに疑問を感じていた。

 

その頃ゾルザルの馬車では、

 

「お前はこれを使え、俺は別ので行く。どうだ、乗り心地は?」

 

「外見と違ってとてもいいですわ」

 

「そうか、どれも俺が乗り心地を確かめてみるか」

 

「まぁ、殿下ったら」

 

とゾルザルは、テューレと行為に及んだ。馬車の中から聞こえてくるテューレの喘ぎ声に周りの兵士や御者達は、精神的に参っていた。その後しばらく行為に及んだ後

 

「良い乗り心地であったぞ、テューレ。また、乗りに来る楽しみにしておれ」

 

とテューレとの行為を終えたゾルザルは馬車から出て行き別の馬車へと向かい、残されたテューレは

 

「・・・・ボロウいますか?」

 

「はいでございまする」

 

御者に声を掛けると御者様の席にボロウが現れた。

 

「いよいよです。私達の思惑通り帝国は二つに分かれ血みどろの殺し合いを始めます」

 

「どちらが勝っても帝国の衰退は確実でございますな、我らハリョが表舞台に出る日も近いでございまする」

 

ハリョと言う種族は存在しない。『門』から現れた様々な種族が混在するこの世界必然的に混血種が生まれる。その中で部族から捨てられ社会から飛び出す者が少なからずいた。社会の下層に追いやられた彼等は、いつしか同族意識を抱きこう名乗る様になる『ハリョ』と、彼等は言う自分達こそ新たに生まれた真の原種。この世界の主人である。帝国に影から蚕食し内側から我が手に・・・・ボウロのもとに集結したハリョ達は、ゾルザルに接近、皇太子府の密偵組織にまで成り上がっていた。

 

「イタリカで多くの手を失いましたが、我らハリョはどこにでもおりまする。勝った方にまた裏から食い込めば・・・・(ゾルザルがこの兎女を選んでしまったばかりに・・・・)」

 

「・・・・この戦いを長引かせもっと殺し合いを続けさせたいわ。ゾルザルの秘策とやらが気になる。調べられますか?」

 

「調べてどうなさるので?」

 

「フルタに教えます」

 

とテューレは、ボロウにゾルザルの秘策を調べさせてその情報を古田に教えると言うのだ。それを聞いたボロウは、眉間に皺を寄せる。

 

「まだあやつが間諜だと?テューレ様を誑かして気を引いているだけでございます」

 

とボロウがそう言うとテューレは、顔を赤くして動揺する。

 

「私の気を?そんな事・・・・本当にそう思いますか?でも・・・・でも、例えそうでもなんだと言うんです?」

 

「あの者の語る魔法の様な料理屋もただの夢を並べただけ、嘘吐きの夢語りでございまする」

 

ボロウは、古田の自分の店を開くと言う夢も諜報員として自身の素性を隠すための嘘だと否定すると

 

「あの人は嘘なんか付いていません!」

 

とテューレが、古田の夢を否定された事で、声を荒げた。ゾルザルを利用して、帝国を陥れても何も満たされる外のない虚しさの中で出会った古田を気にかけていたテューレ。

 

「あの男は正直者なんです。あなたの様な者にはわかりません」

 

「正直な密偵などおりませぬ」

 

ボロウは、密偵の身として正直なスパイなどいないと否定した。

 

「・・・・もう行きなさい」

 

「良いので?此度離れますと戻りがいささか難しくなりまする」

 

「かまいません、どこを行っても道はマーレスに辿り着くのです。そこで合流しなさい」

 

「殿下の秘策を暴いて・・・・どうなさるので?」

 

「絶望よ。絶望を与えるの、あやつが感じた事のない絶望を」

 

「殿下が絶望でございまするか」

 

「そうよ、あなたも見たくない?」

 

とテューレは、ゾルザルの絶望する顔を想像しクスクスと笑う。

 

「・・・・テューレ様はその後の事を考えておいでで?」

 

「考える必要があります?」

 

テューレにとって、帝国もといヒト種への復讐が全てである為、その後の自分の身の振り方などどうでもいいのだ。

 

「・・・・確かに・・・・テューレ様には必要のない事でございまするな。では、仰せに従いまする。一報はマーレスにて・・・」

 

そう言ってボロウは、シュンと消えて行った。

 

「マーレスでゾルザルは・・・・どんな顔を見せてくれるかしら?」

 

とテューレは、不敵な笑みを浮かべ自分は英雄だとたかを括っているゾルザルが絶望に突き落とされる瞬間を楽しみにしていた。そして、大日本帝国軍と新政府軍の連合軍と旧帝国軍の最終決戦が着々と近づこうとしている。

帝国の国歌を描こうと思うんですがどれを参考にしたらいいですかね?

  • 『廃墟からの復活』
  • 『皇帝陛下万歳』
  • 『神よ、皇帝フランツを守り給え』
  • どれでも良い
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