GATE 大日本帝国 彼の地にて、斯く戦えり   作:人斬り抜刀斎

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行き先は?

ジゼルの眷属からクナップヌイのアポクリフが更に拡大したとの報せをロゥリィに伝え如何するのか尋ねていた。

 

「アポクリフ、お姉サマはどうするつもりなんだよ?」

 

「・・・・・言葉遣い」

 

「どうするおつもりなんのでございますか?」

 

ロゥリィから、言葉遣いを指摘されてジゼルは顔を引き攣らせながらも敬語で訂正し直す。すると、ロゥリィから発せられた言葉にジゼルは驚いた。

 

「信じて待つ事にしたわぁ」

 

「は!?けどよっ、このままじゃぁ!?」

 

「だからぁ、ジゼルもぉ手出し無用ねぇ」

 

「・・・・・昔のお姉サマだったら、今頃とっくに・・・・・・どうしちまったんだよ!死神ロゥリィと畏れられ、散々人間を刈り取ってきた亜神がよぉっ!まだ、遅くないぜ。今から二人で丘に乗り込んで『門』をぶっ壊しゃ、それでお終いじゃねぇか!アルヌスに来たのだって『門』をぶっ壊すためだったんだろ?さっさとやっときゃこんな事には・・・・・なんでだよ!」

 

ジゼルは、一緒に門を破壊しようと持ちかけるアポクリフが発生するのは、『門』が原因なのだが、当人にはそんな気は無いみたいで理由を聞くとロゥリィは、優雅に乳茶を飲むと顔を赤くして

 

「・・・・ヨウジとぉ、出会えたからかしらぁ」

 

「ケッ、また、あいつか・・・・・」

 

ロゥリィから伊丹の名を聞いて、ジゼルは悪態を吐きながら伊丹の顔を思い出していた。

 

「彼と付き合って決めたのぉ、人間の可能性に任せてみようってぇ」

 

「・・・・・もしかして、ターレスを気取ったりしてないか?」

 

「彼が人間の可能性を信じて他の神々に独断で火をもたらさなければよぉ、人間はいまだに野獣と同じ生活をしていたでしょうねぇ」

 

「その火を使えるのと使いこなせるの間にはでけぇ溝があるぜ?」

 

「・・・・・ジゼルあなたぁ、生まれた時から亜神だったぁ?」

 

「んなわけねぇよ」

 

「ハーディがぁ、使い道を示さずレレイに聖具を与えた理由、考えた事あるぅ?」

 

ロゥリィは、ベルナーゴを訪れた際ハーディがレレイに勝手に憑依して食事などの肉体の感覚を堪能した礼としてレレイに『門』を作る力を与えた理由を問う。

 

「んなのあいつへの褒美だろ?」

 

「それだけなわけないでしょお?」

 

「他に何があんだよぉ」

 

「いい?肉の目で自分の後ろの頭は見れないわかる?本当の意味でぇ、禁忌だからしたいともぉ思わないの」

 

「そりゃそうだ・・・・・・って、待てよ!じゃあなにか!?実際に出来る事は何しても良いって事かよ!?親殺しも、子殺しも・・・・」

 

「自分自身を滅ぼす事もねぇ"お好きな様に"って、ハーディは言ってるの」

 

「・・・・・」

 

がジゼルは、いまいち分からないと言った感じだった。

 

「わからない?道具は道具でしかない。この匙だってぇ人間によっては人殺しに使うかもしれない」

 

「あっ・・・・」

 

とロゥリィから言われてジゼルは、何か察した。

 

「そう言う連中を抑え込むのが私達亜神の役目。出過ぎた枝葉を刈り取ってきた・・・・・今までは、その結果はどう?数万年の歴史の末世界は停滞して滅びの道を進んでいる。主神方はそれを防ごうと世界を揺り動かしてきた、ハーディが『門』を使って新たな種族を呼び込んできたのもその為、私達の遙か先を行くニホンと繋がった事で、世界は動き始めた。ハーディの目論見通りになっているのがぁ悔しいけどぉ。おまけにぃ自分達で『門』の後始末をどうにかしてみせろと手を引いた。どうしてだと思う?」

 

「わかんねぇよ、主上さんの考えなんて」

 

ずっと、ハーディに仕えて来たのにそのハーディの考えが読み取れないジゼルにロゥリィは頭を抱える。

 

「あんたねぇ・・・・・人間が自ら滅びを避けられるかもとハーディが認めたからじゃないのぉ?」

 

ロゥリィがそう言うとジゼルは、目を見開き驚いた。

 

「あの主上さんが、人間を信じる!?悪い冗談だぜ、『門』でしか生きる糧のない街のどこに世界のために『門』を閉めようって奴がいるんだよ!」

 

「いるわぁ、レレイでしょお、テュカにぃ、一応ヤオ、サカエでぇ、そしてぇヨウジ。これを乗り越えられれば人間と言う種は成長する。この点はぁハーディと同じ意見よぉ」

 

「ちょっまっ、お姉サマまでおかしくなったのか!?」

 

ジゼルがそう言うと、ロゥリィは意味深な笑みを浮かべ

 

「あらぁ、死と断罪狂気を司るエムロイの使徒このロゥリィ・マーキュリーがぁ正気だった事あるぅ?」

 

「・・・・・・・」

 

そう言い放つロゥリィの姿はかつて亜神となり神殿No.1になった直後に、腐敗した上位神官たちを断罪し、信仰する神としての性質から『死神』や『闘神』と異名で畏れられたエムロイの使徒ロゥリィ・マーキュリーだった。

 

「誰かを愛する者が正気なわけないじゃない」

 

「あ?あい?しっかしなんでまたんな危ないこと・・・・・」

 

「・・・・・・陞神が近いからかしらぁ」

 

亜神であるロゥリィは、今現在961歳であと40年したら陞神し、何かの神になるのだ。以前ロゥリィは、なんの神になりたいか問われた際『愛の神』と答え、伊丹に興味をもち好意を抱いてから愛に固執する様になった。

 

「見ているだけでぇ手を出したくても出せなくなる。そう思えば・・・少しは成長してほしいと思うじゃない」

 

とそう言いテーブルの上に置いてある蝋燭の火に火をかざし笑みを浮かべる。

 

「ったくよぉ今まで通りじゃダメなのかよ」

 

とそう言うジゼルに対し、ロゥリィはため息を吐きジゼルの理解力の乏しさに呆れる。

 

「話聞いてたぁ?ジゼル、これだから・・・・・ハーディ自身のせいだけどぉハーディの不幸はぁ使徒に恵まれてないことねぇ」

 

「悪かったなぁバカで」

 

「ヤオに言ったそうねぇ、ハーディが白と言えば黒も白になる。それってぇ、私は考える事をやめますってことよねぇ?」

 

「だからぁあなたはぁ、使いっ走りしかできないのよぉ。まずは自分で考える習慣をつけなさぁい、そうすればハーディの言いたい事もわかるわぁ。陞神した時何を司るかもぁ、後言葉遣い」

 

「・・・・・主神さんの事詳しいんだな?何であんなに嫌ったんだよ?」

 

自分が『主上さん』と呼んで仕える冥府の王ハーディをロゥリィは何故そこまで嫌うのかジゼルが理由を聞くと、ロゥリィは嫌な顔をして

 

「わたしはぁ魂人形を並べて喜ぶ様なぁ、悪趣味なぁ変態じゃないからぁ」

 

「あー、あれはなぁ、当の本人が幸せならいいんじゃねぇ?」

 

「あんな嘘の幸福ぅ廃薬といっしょよぉ、あいつがぁ力のある魂を手放さないせいでぇ、ろくでもないやつがぁ増えて世界がこんな事にぃなってるんでしょぉっ!!いつかハーディの陳列棚ひっくり返してやるんだから!あいつニホン人もコレクションする気でしょ!」

 

ロゥリィは、ハーディの自分の意に適った魂をコレクションにし、コレクションされた魂を幸福な死後に送ると言う狂気じみた行為に対して嫌悪感を抱いていた。ロゥリィはハーディのその行為を麻薬で幸福を感じる様なものだと批判する。

 

「エムロイだって戦にかこつけて同じ事してるじゃんか」

 

「冥府じゃあ、救われないからでしょ!」

 

「見解の相違だなぁ、結局いつかお姉サマと戦うしかねぇのか?」

 

「いつでもいらっしゃあい、ただしぃ借金返してぇ少しは気品と言うものぉ身に付けてからねぇ」

 

「お姉サマだって特殊な話し方してるじゃねぇかでございます」

 

二人の価値観の違いから、いずれ一戦交える事になるかも知れないとジゼルが諌めるとロゥリィは、いつでも受けて立つと言った感じで笑みを浮かべる。

 

「ジゼルさ〜ん、晩の仕込み始めるよ〜」

 

「へ〜い」

 

同僚にそう言われてジゼルは、仕事へと戻って行った。

 

一方デュマ山脈の麓の森の中では、旧帝国軍主力の第一軍団と第二軍団が日本軍の偵察機の目を欺くために変装していた民間の衣装を脱ぎ甲冑や剣や盾で武装する。

 

「武具を受領し、装具を整えろ!」

 

「ロムロス大隊集合、場所はこっちだ!」

 

「二個小隊足りないぞ」

 

「アメリ百人隊長は、まだ到着しないのか!?」

 

そして次々とゾルザルの本隊が集結し、

 

「ロムロス大隊総員集合!」

 

「ドルバー大隊整列完了」

 

「他大隊もまもなく集合完了」

 

「ケンタウロス騎兵隊集結!」

 

そして、漸く第一軍団と第二軍団の兵が揃うと

 

「各大隊、行軍隊形で前進せよ。前へ!」

 

ヘルム・フレ・マイオ将軍の号令と共に兵士達は雄叫びを上げる。

 

「百人隊(ケントゥリアス)歩調を取れ!前進!!」

 

の百人隊の隊長の号令と共に兵士やケンタウロス、攻城兵器を牽引する大型亜人が前進を開始する。

 

一方、古田達宮廷料理人達は百人隊長ボルホスから指示を受けていた。

 

「宮廷料理人はゾルザル殿下の本隊に続け、殿下の求めに直ぐに応じられる様に」

 

「承知しました」

 

「出撃陣地での全体の炊飯の指示も任せたぞ」

 

「どこなんだここ?」

 

「山は越えたよな」

 

(くそ、マーレスかどうかもわかんねぇや)

 

古田は辺りを見回すが、生憎と森の中なので正確な場所が把握出来ない上に、今までずっと荷車に詰め込められ外に出る事も出来なかったのなら尚更だ。

 

 

イタリカ北東デュマ山脈西麓ゴルドールの森から軍馬に跨るゾルザルを先頭に長蛇の列で行軍し、森を抜ける。森を抜け馬車の中から外の草原地帯の景色を見て不思議に思ったテューレは馬車と並行して歩くゾルザルに現在地を聞いた。

 

「ゾルザル殿下」

 

「なんだ、テューレ」

 

「ここは、本当にマレースなのですか?山がちな深い森の地と聞いていましたが・・・・・」

 

と聞いていた地形と違う事をゾルザルに疑問を投げかける。すると

 

「そうだな・・・・・言われてみれば以前狩りで赴いた時は鬱蒼とした森であったが、誰が木を引っこ抜いたんであろうな?」

 

とゾルザルが冗談を言うと周りの将軍達は笑うが、テューレはその真意が理解出来なかった。

 

「テューレ、誰がマレースに向かうと申した?」

 

「し、しかし、テルタでの戦議で・・・・・」

 

「俺は、必勝の策があると言っただけで、誰もマレースに向かうなどと言ってないぞ。なぁ?ヘルム卿」

 

と確かにゾルザルはテルタでの戦議で必勝の策があると言ったが、マレースに向かうなどと一言も言っていなかった、テューレが勝手に勘違いしただけだと。そう言ってゾルザルは、ヘルムに同意を求める。

 

「ハッ、今頃マレースの友軍が敵の足留めをしている事でしょう」

 

ヘルムの言葉通り、マレースに展開中の旧帝国軍部隊は

 

「敵を一人も逃すな!」

 

「敵は虫の息だ!!このまま追い込め、古代ローマの猿共に銃弾をたらふく味合わせてやれ!」

 

旧帝国軍に容赦なく砲撃や銃弾を雨霰の如く喰らわせて追い詰めていた。

 

「ゾルザル殿下の第一、第二軍団はまだか!」

 

「このままじゃ全滅だ!ニホン軍が直ぐそこまで迫って来ているんだぞ!!」

 

「殿下が来られるまでここを死守するんだ!」

 

何も知らず援軍が来ると信じていた兵士達は日本軍からの猛攻撃を受け壊滅状態に陥り、マレースの旧帝国軍の将兵達はゾルザル達の真の目的地を悟られない様にする為の捨て駒にされたのだった。

 

「・・・・・で、では・・・・ここは・・・・一体」

 

とテューレが本当の目的地の場所を聞くと

 

「フォルマル伯領"イタリカ"だ」

 

ニヤリと笑いながら言うゾルザルは言い放った。その言葉にテューレは目を見開いた。ゾルザルは、マレースの部隊を囮として投入し、日本軍と新政府軍の主力部隊を引き離し防備が手薄くなったイタリカへと侵入経路を確保し、帝国新政府の拠点であるイタリカへと攻め込むと言うのだ。いよいよ、ゾルザルの主力部隊との決戦も近い。

帝国の国歌を描こうと思うんですがどれを参考にしたらいいですかね?

  • 『廃墟からの復活』
  • 『皇帝陛下万歳』
  • 『神よ、皇帝フランツを守り給え』
  • どれでも良い
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