GATE 大日本帝国 彼の地にて、斯く戦えり 作:人斬り抜刀斎
ゾルザルの精鋭軍は、日本軍と新政府軍の連合軍と旧帝国軍との激戦が繰り広げられているマーレスに向かわずマレースの森を抜け一行が向かった先はフォルマル伯領、そして新政府軍の本拠地であるイタリカだった。
「フォルマル伯領イタリカ、いい眺めだ。マーレスとは大違いだ。お前は初めてだったか?テューレ。あの川の先が、イタリカの城市だ。敵の中枢急所でもある。イタリカを陥とし皇帝を押さえれば形勢逆転、俺の勝利だ。これが俺の考えた必勝の策だ」
と全く予期していない展開に唖然とするテューレ。
「龍の目鼻は鋭いが、獲物に襲いかかる時だけは前しか見えなくなる。今のイタリカは主力が出払い防備も手薄、敵の本隊をニホン軍が駆けつける前に陥せましょう」
「よし、計画通りカンネーデに陣を敷くぞ、前へ!」
とヘルムにそう言われたゾルザルが前進する様指示を出すと、ゾルザルの目線が馬車の中でガタガタと震えるテューレを捉える。
「どうしたテューレ、寒いのか?」
ゾルザルから声を掛けられたテューレが、振り向くとゾルザルは鼻で笑うと馬車の御者の声を掛ける。
「フン、皇帝の身柄確保は任せたぞ。ボウロ」
「お任せあれ、この戦いは我らハリョにとっても決戦、すべてを注ぎ込みまする」
と馬車の御者をするボウロにテューレは驚く。ボウロは、ゾルザルの必勝の策を調べさせる為に一旦離れマレースで合流する予定だった。
「ボ、ボウロ!?なぜここに!?答えなさい!!何故ここにいるのですか?」
「テューレ、ボウロがいて不都合でもあるのか?」
「い・・・・いえ・・・」
ボウロもといハリョは、ゾルザルの皇太子府の密偵であるので、ゾルザルの近くに居ても不思議ではない。だが、テューレはマレースで会う筈のボウロがここに居るはずが無かったから。
「お前はボウロとの連絡役にすぎん。俺があやつに直接命令を下してはいかんのか?お前はボウロがここにいて驚いた、マーレスにいる筈だったからな」
「そ・・・・そんなことは・・・・・」
「隠さなくてもよいのだぞ。お前が裏切ってたとわかった時、俺もショックだった」
そう言うと、ゾルザルは手を翳し
「全隊止まれ!」
「大隊止まれ!」
「百人隊止まれ!」
と次々と後続の部隊が停止する。
「お前の裏切り、眠れぬ日々この腹立ち、何かにぶつけねば治らぬ。俺は奴隷を殺してしまった。お気に入り全部をだ、可哀想な奴隷達・・・・・・可哀想だよな」
「ひいっ」
「そうは思わねか!!」
ゾルザルは、テューレの両肩を掴んで威圧する。
「で、殿下、違うのです」
「言わなくていい、静かに黙れ、口を閉じろ」
「ああ、殿下!信じてください」
「黙れと言っている!」
自らの潔白をゾルザルに懇願するテューレにゾルザルは、怒鳴り威圧する。
「馬車に放り込んでおけ」
「ハッ、親衛隊」
崩れ落ちたテューレは、両脇を親衛隊に取り押さえられながら馬車に乗せられる。
「ゆくぞ」
「全隊進め!!」
ゾルザルの号令の下、旧帝国軍は前進を再開する。
フォルマル伯領の上空を飛んでいるハーピーが、作戦地域に本来居ない筈の軍勢を見つけこれが敵軍だと察知した。
「いたっ・・・・・見つけたっ、知らせないと!」
地上では、シャンディーがワーウルフやダークエルフなどを率いて周辺地域を偵察していると上空からハーピーが飛んで降りて来た。
「報告!ほうこーくっ」
「どうした?」
「敵の軍勢を見つけた!イタリカに向かっている!」
とハーピーから報告を受けたシャンディー達は、急いで現場に急行すると茂みに身を隠しシャンディーは日本軍から貸与された双眼鏡を覗き込んで旗印を確認する。
「あの旗印・・・・間違いないわ」
旗には、2体の竜が向かい合い帝国拡大期を象徴するデザインが描かれており旧帝国軍の旗だった。
「ニホン軍にも見つからずにいつの間にこんな近くまで・・・・」
「まずいな」
「どこに向かって行くか見届けるわよ」
「おう」
(ピニャ殿下のお役に立って、ロンデルでの汚名を返上するんだ・・・・・!)
シャンディーは、先のロンデルで笛吹男に操られレレイ暗殺未遂を起こしてしまい、その汚名返上の為、奮闘する事を誓う。その後シャンディー等は、旧帝国軍に気付かれない様に尾行を続け、その位置と方角や距離などから旧帝国軍が目指しているのはイタリカだと判明した。
「急いで!イタリカに戻るわよ!」
「おう」
「あっ、待ってぇ」
シャンディー達は急いで馬を走らせ敵の目的地がイタリカだと知らせる為に向かう。
一方、デュマ山脈の谷にある旧帝国軍の洞窟では、数機の零戦が洞窟の周りを何度も旋回しながら飛んでいた。
「空飛ぶ鉄竜・・・・いや怪鳥ども・・・・儂等の空を我が物顔で好き勝手飛び回りおって、忌々しい!」
そんな、零戦を竜騎士達は苦々しい思いで見ていた。その洞窟の中には何体もの翼竜や竜騎士達が身を隠していた。
「敵の斥候はめざとい夜目も利く、泥が落ちたら塗り直しておけ!誇り高き竜騎士が地に潜り泥に塗れる!!この屈辱鉄トンボを叩き落として晴らしてやるわい」
「ボダワン閣下、空飛ぶ鉄竜レッキ方向に去りました」
「うむ、斥候を出せフェエから敵が出る頃合いだ」
零戦が去って行くと竜騎士を飛ばして偵察に出させる。
イタリカ近郊カンネーデ、木々が生い茂るこの場所で旧帝国軍は、陣を敷いて休息を取っていた。古田などの宮廷料理人は兵士達に食料を配る。支給される食料は、ハードタックと呼ばれる保存食の堅パンである。長期間保存が効く様に水分を徹底的に飛ばしてある為、非常に硬く兵士達は『セメント板』など呼んだ。鉄板に噛み付いた感じで、相当腹が減ってなければ食べようとしないし兵士達の士気に影響して任務を遂行しようする気が起きない。兵士達は不味そうに食べていた。
「無理にでも食っておけよ」
「主席百人隊長」
「長い戦いになる。不味くても食っておかないと体が保たんぞ」
百人隊長のボルホスが、ハードタックを食わない兵士に食べる様に言いつける。
「しかし・・・」
「ニホン軍に補給路を破壊された上、ニホン軍の進撃を阻止する為に焦土作戦を展開して食料の補充が困難になっているんだ。我慢して食べろ」
「・・・・はい」
軍を支える食料の供給が途絶え、旧帝国軍の兵士達は単調な食事を余儀なくされる。
一方、森の中で見晴らし位の良い所にゾルザルは、自身の腹心や護衛を連れて
「イタリカか、今頃慌てふためいているか、もう勝ったと思っているか。どう思う?テューレ、考えてみれば俺もお前を裏切っている。俺はお前の部族を滅ぼした。お前の願いを聞き届けたと告げた裏で、殺し・犯し・捕え売り捌いた。読んだ筈だ、『今月はウサギが何羽売れました』」
とその言葉を聞いたテューレは、目を見開いた。
「お前がどんな顔をするか、寝首でも掻きに来るんじゃないか?楽しみにしていたんだがな、お前は態度を変えなかった。だから俺は騙されてしまった、俺を愛していると」
「そんなのあんたが、勝手に勘違いしてただけじゃない!」
激情したテューレが、ゾルザルに掴み掛かろうとしたが 両脇に居た親衛隊員により取り押さえられる。
「そうだ、それでいい。お前は俺に復讐する権利がある。だが、この体たらくはなんだ?裏切りがばれたならば、女王として潔いところを見せぬか?」
「なんで、あんたの思い通りなんかに・・・・・」
「あ?聞こえんな?」
とゾルザルがテューレの顔に耳を近付けてそう言うと
『だから!なんであんたの思い通りにしなくちゃいけないのよ!!』
テューレは、腹の底から大声で怒鳴り叫んだ。
「なるほど、お前はそうする事で俺に復讐しているわけか。ならばどこまで、その態度を続けられるか、俺に見せてみるといい」
ゾルザルがそう言うと、
「殿下・・・・・その兎女、わたくしめらに下げ渡してくださいまし」
と下品な笑みを浮かべながらボウロはゾルザルにテューレをくれないかと頼み込んだ。
「ボウロ・・・・」
「そうだな、お前達が相手くらいがちょうどいいだろう」
「な、何を・・・・」
「分からぬか?俺は期待しているのだ。お前が泣き叫びながら許しを請いながら、慈悲の死を望む姿を。まぁ、その前にお前が壊れないかが見ものだがな」
ハリョ等が下品な笑いを浮かべテューレを見る中、突然テューレはケラケラと笑い出した。
「この程度で私が足りると思ってるの?こいつらのもあんたと同じお粗末な逸物だったら、百人でも足りないわ」
「なっなんだとぉ」
「違うと言うならゾルザル、あんたもこいつらと一緒に逸物を並べてみなさい。誰が一番か、じっくり見比べてあげるわ。私に許しを請わせたいのなら・・・・・覚悟しなさい、枯れ果てるまで、吸い尽くしてやるから、さぁ最初は誰かしら?」
とテューレの言葉にハリョ等は自身の股間に手で押さえ、歪んだ性的嗜好のゾルザルでさえドン引きだった。
「この女ヤダ、食いちぎられそう」
帝国の国歌を描こうと思うんですがどれを参考にしたらいいですかね?
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『廃墟からの復活』
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『皇帝陛下万歳』
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『神よ、皇帝フランツを守り給え』
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どれでも良い