GATE 大日本帝国 彼の地にて、斯く戦えり   作:人斬り抜刀斎

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調印式

イタリカの攻防戦が終わった同じ頃、本当ならイタリカでの戦闘に参加する筈だったピニャの薔薇騎士団が全力で向かっていた。先陣を切って馬を走らせる薔薇騎士団の団長ボーゼス・コ・パレスティー。その後ろに続く白薔薇騎士団の団長パナシュ・フレ・カルギー。

 

「ボーゼス!急ぎすぎだ!!後続が追い付いていないぞ!!」

 

「いいえ、まだ遅いわ!!ピニャ姫様が私達を待っておられるのよ!!それに今は少しでも早くイタリカに到着する必要があるわ!!数は足りなくても戦い方はあるわ!!・・・パナシュ・・・私達、間に合うかしら?」

 

「・・・姫様ならきっと保たせるさ・・」

 

一方

戦闘が終わったイタリカの周りの野原に攻撃機隊が着陸する。周りは日本兵達が降伏した盗賊達を監視したり、負傷者の手当てに追われている。イタリカでの戦闘終結後 伊丹達はフォルマル伯爵の屋敷で調印式での交渉に取り掛かっていた。

 

(なんだこの惨めさは勝利の高揚感もない・・・当然だな勝利したのは使徒ロゥリィとーー敵であるはずのニホン軍。鋼鉄の飛竜、大地を焼く強大な魔導あの力が牙を剥けば帝国の穀倉地帯たるイタリカは陥ち妾とミュイ公女は虜囚の辱めを受ける。だが民は単純だニホン軍を歓喜の声で迎えるだろう。彼らが開城を迫れば妾は取りすがり慈悲をーー妾が敵に慈悲を乞うだと!?帝国の皇女たる妾が!?ああ 今なら どんな屈辱的な要求にも屈してしまうかもー)

 

通訳としてレレイが居合わせ高級左官の健軍俊也大佐の言葉を和訳する。

 

「此度はイタリカ支援に感謝し、その対価の交渉を行いたい。第二の使節の往来の無事と諸経費については慣例通りとする。第三のアルヌス共同生活組織の貿易特権についても問題ない。ただし捕虜の権利はこちら側にあると心得て頂きたい!」

 

ハミルトンの言葉をレレイが和訳し健軍大佐はこれに同意する。

 

「我々としては情報収集の為に三〜五人確保できればいい ただ こちらの習慣に干渉する気はないがせめて人道的に捕虜を扱ってほしい」

 

「ジンドウテキ?」

 

初めて聞く言葉に首を傾げるハミルトンにレレイが説明する。

 

「・・・友人 知人に対するように無碍に扱わない・・・こと」

 

「友人や知人が村人や街を襲い、略奪などするものか!」

 

「よかろう。努めて過酷に扱わないようにしよう。此度の勝利はそなたたらの貢献著しいものがあるからな(とは、言うものの・・・この男は何者だ?)」

 

イタミと同じ格好だが明らかに格が違う

 

「そうとってもらっていい」

 

「ああ ピニャ様。お心戻られましたか 心配いたしました」

 

「すまない ハミルトンどうなってる?」

 

「ーでは 今一度条件の確認を」

 

日本軍が提示して来た条件内容。

 

1。大日本帝国軍は、此度の戦いで得た捕虜から、任意で三〜五名を選んで連れ帰るものとする。なお、帝国が所有する捕虜は人道的配慮として虐待・殺害等の非人道的行為を行わない事を約束する。

 

2。フォルマル伯爵家ならび帝国皇女ピニャ・コ・ラーダは、大日本帝国から皇帝ならびに元老院に対する使節を仲介し、その滞在と往来における無事を保障する役務を負う。なお、フォルマルト伯爵家は日本の使節団の宿泊場所と滞在費等を無条件で提供する。

 

3。大日本帝国軍の後見するアルヌス協同生活組合は今後フォルマル伯爵領内とイタリカ市内で行う交易において関税、売上、金銭の両替等に負荷される各種の租税一切を免除される。

 

4。大日本帝国軍は可及的速やかにフォルマル伯爵領を退去するものとする。ただし小規模の部隊、及びアルヌス協同生活組合については、今後も領内往来の自由を保障する。

 

5。両国どちらかにおいて、重大と認識される事案が発生した場合は極力対話による非武力行使による解決を行う。解決が困難である、或いは相手国が武力によって応じた場合は協定を違えたものとする。

 

6。現当主であるミュイは11歳であり、大日本帝国の法律に基づいて義務教育を受ける年齢であるため、フォルマル伯爵家の教師と大日本帝国より派遣される教師と共に15歳まで教育を受ける義務がある。

 

7。大日本帝国は、イタリカ及びフォルマル伯爵領の治安維持及びイタリカの復興に対して協力する。

 

8。大日本帝国軍及び日本人に関するイタリカ及びフォルマル伯爵領内での事件が発生した場合は、日本の法律が適応される。

 

9。大日本帝国と帝国の講和交渉の終了するまでの境界線としてデュマ山脈からロマリア山地を軍事境界線と定め半径5km以内を非武装地帯とする。両国は、本協定の失効までこれを厳守し 互いに軍の越境させること並びに占領地を拡大しない。

 

10。大日本帝国とフォルマルト伯爵家で結ばれたこの条約は双方の協議で修正及び追加する事が出来る。

 

11。この協定発効後は、1年間は有効であり双方異存申し立て無き時は、協定は自動的に更新され有効期間は1年間延長されるものとし、又この協力を違えた場合、本協定は直ちに失効されるものとする。

 

 

とピニャは我が目を疑いながら何度も条文を読み返した。彼女からすれば、帝国にとっては、かなりの好条件であるからだ。

 

「・・・なに?(なんだこれは?勝者の権利をほとんど求めていないこんなものでいいというのかニホン軍は?どんな手を使ったか知らんが敗者みたいな我々にとって これほどの好条件をまとめるとは ハミルトン・ウノ・ロー 意外と使えるな・・・)」

 

 

捕虜の権利は3名までであるし、ジンドウテキである条件は付けられたが、ほとんどの権利は帝国側にある。

皇帝に対する仲介は煩雑だし、無条件での滞在費や宿泊費の出費は確かに痛いが、必要経費の範囲とも言える。

占領下であるアルヌスは諦めざるを得ない。 だが、何よりもそれ以外の帝国領にダイニホンテイコクの軍が進出することも、今後支配下に置かれないことが確約された。 それを考えれば、これで済めば儲けものと言えよう。 なにを勘違いしたのかピニャは内心でハミルトンを評価する。そして何事も問題なく事が運んだ。ピニャはハミルトンの交渉能力に驚きながら、協定にサインした。ピニャ、ミュイ、そして最後に健軍大佐の順番で羊皮紙に署名をする。そして伊丹のさっきロゥリィに殴られて右目に青タンができていた。

 

(どうしたんだあの二人は?)

 

「殿下」

 

「うむ・・・なんともカクカクした字だな・・・」

 

と初めて見る漢字。調印式は終わり協約書が発効する。協約が直ぐに発効される事になり健軍大佐の第四戦闘機団は戦闘機と爆撃機のエンジンを始動させる。健軍大佐がアルヌスに帰投する頃伊丹達はアルヌスに同伴する捕虜を決めていたところだった。

 

「んー あのコとあのコ あのコにーーあの頭に羽の生えてる面白いコ」

 

「・・・隊長 女の子だけ選んでません?」

 

「んなことないってー」

 

「彼女たちの今後のこと考えるとわかりますけど・・・」

 

「じゃあ 男も一人そいつで」

 

黒川軍曹がそう言って伊丹は捕虜に新たに男を追加する事にした。そして五人の捕虜は健軍大佐が寄越した九七式輸送機に乗せる。全員が乗ったことを確認すると次々と離陸して行く。イタリカの住民達は帰投して行く第四戦闘航空団に手を振りながら見送る。

 

一方鱗を換金しに来たレレイ達はカトー老師の旧友の店にいた。

 

「こちらがシンク金貨二百枚、デナリ銀貨四千枚については千枚は現金で 最近はこの情勢で貨幣不足でして 残り三千のうちニ千は為替で・・・」

 

「わかったリュドーさん、では千枚分割り引く代わりに仕事を依頼したい」

 

「どのような?」

 

「各地の市場の相場情報の収集、できる限りの多品目を詳細に広範囲で」

 

「情報を買うと?」

 

「そう」

 

「銀貨千枚で?」

 

「そう」

 

「・・・わかりました。賢者カトーの愛弟子様の頼みだ 引き受けましょう、調査結果はどちらに?」

 

「アルヌスの丘の南の森、アルヌス協同生活組合宛で」

 

そしてしばらくして第三偵察隊と第一偵察隊はイタリカを後にする。

 

「んじゃ ぐるっと回ってアルヌスに帰りましょ。なんだ寝ちゃったのか」

 

「無理もないですよ、徹夜でしたし」

 

「俺もな、こっちはほとんど寝てねぇんだから」

 

そしてしばらくしてアルヌスへと向かっている道中倉田がブレーキを掛けた。それに続くように後方の車両もストップする。

 

「おい、倉田一体どうした?」

 

『伊丹中尉どうした何があった』

 

「前方に煙を確認!」

 

倉田の報告に伊丹はまた嫌そうな顔を浮かべる。

 

「まったくまた煙って、ん?あれ煙ってより土煙じゃないか?」

 

「待ってください・・あ!見えました!」

 

倉田は双眼鏡で土煙が立ち込める方を見ると、

 

「なんか、女の騎士達がこっちに向かって来ます。」

 

「何!?ちょっと見せてみろ」

 

倉田の報告に伊丹も双眼鏡で見る。

 

「目標確認、女の騎士が多数です!」

 

そう言いながら無線機を取り

 

『こちら第三偵察隊長の伊丹、接近してくるのは恐らくあのお姫さんの近衛騎士団かもしれない。各車警戒態勢を維持しつつ待機せよ。但し発砲は厳となせ。協約違反に成りかねない』

 

『『了解』』

 

そう言っている間に騎士団は車両の車列に近づいて来た。先頭に立つ金髪縦ロールと男装の麗人は明らかに敵意剥き出しだった。そして金髪の女騎士は九三式小型乗用車から降りた富田に顔を向け

 

「お前達何処から来た?」

 

「えっと・・我々はその・・イタリカから帰る」

 

「何処へ?」

 

「アッアルヌス・・ヌルゥ」

 

富田が特地語でそう言うと騎士団全員が一斉に槍を構え、剣を抜き、金髪の女騎士は富田の胸倉を掴み上げる。

 

「アルヌスの丘だと!貴様ら異世界の敵か!」

 

其処に武器を置いた伊丹が近づく。

 

「えーと・・部下が何か失礼を致しましたか?」

 

そんな伊丹の首筋に剣を突きつける。

 

「降伏なさい!!」

 

「あー落ち着いてこちらの話、聞いてくれます?」

 

「聞く耳持たぬ!」

 

「話せばわかりますから、話せばわかってもらえますから。ね?」

 

「くどい!」

 

伊丹は何とか話し合いで解決しようとしたがパナシュは聞く耳持たない様だ。

 

「ええい!お黙りない!!」

 

更にボーゼスが伊丹の左頬に平手打ちをする。

 

「総員警戒態勢!」

 

と大場が大声を出す。そして兵士達は銃を向ける。

 

「ダメです!大場大尉 こっちから先に手を出しては、俺の事は良いですから逃げて下さい」

 

「しかし中尉それではお前が」

 

「自分は平気です!良いですから逃げて下さい!!」

 

「クソ、退却だ」

 

と大場がいい兵士達は自分の車に乗り遠ざかっていく。伊丹は両手を上にあげて降伏する。

 

 

 

帝国の国歌を描こうと思うんですがどれを参考にしたらいいですかね?

  • 『廃墟からの復活』
  • 『皇帝陛下万歳』
  • 『神よ、皇帝フランツを守り給え』
  • どれでも良い
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