GATE 大日本帝国 彼の地にて、斯く戦えり 作:人斬り抜刀斎
アルヌスの町のレストランの厨房では、ジゼルをはじめとした従業員等が晩の仕込みをしていた。
「おーい、倉庫に在庫見に行くからみんな来てくれ」
「オレも?」
「猊下もお願いします」
「やたっ」
「そんな心配になる様な事だっけ?」
「戦で仕入れが不安定だろ?いつ終わるかわかんねぇし、料理長が在庫見てメニュー決めるから調べてこいってさ」
そうして、ジゼル達は食材の在庫を確認しに食糧庫へと行った。そして、調理場から誰も居なくなると料理長のガストンが誰も居ないことを確認して扉を閉めると誰かと打ち合わせを行った。
「レレイと言う娘、確実に来るのだろうな?」
「へい、ここん所夕方まではうちで書類見てますわ」
「よし、来たらこれを飲ませろ。悪所のまじない師特製の香草ナルコだ」
とその人物は、ガストンに呪い師に作らせた薬の入った小さな包みを手渡した。
「死んだりせんでしょうね」
「心配するな」
そんなガストンとその人物との怪しげなやり取りが行われている一方、アルヌスの町を散策しているロゥリィ、
「あら、メイア。酔いは覚めたぁ?」
「あ、聖下。これから迎え酒ですにゃあ」
「ほどほどにしなさいねぇ」
「ハ〜イ」
迎え酒を飲みに行くメイアを見送ると
「ロゥリィ!これどう?似合う」
とテュカが声を掛けてきた。声を掛けてきたテュカの姿はガーターベルトにミニスカにブラウスと言う少し派手なコーディネートだった。
「ふぅ〜ん、ほほ〜う。染めたのねぇ」
ロゥリィは、はいからな姿のテュカを360度あらゆる角度から見まわした。
「毛先の方だけ染めてみたの、こんな感じの方がお父さん好きそうだから」
「うん、いいわねぇ」
ロゥリィがテュカの自慢の金髪に白メッシュが入っており、それを褒めていると後ろからレレイとヤオがやって来て
「これも追加で」
とレレイはテュカの両耳にイヤリングを付ける。
「あなたがヨウジ拉致・・・・説得の要、わたしがオオバの説得」
「うむ、いいな。これで喰らいつかない奴は男ではない」
とヤオは言うが、ロゥリィ、テュカ、レレイは微妙な表情を浮かべる。
「喰いつかないのが、あいつらなのよぉ」
「生身の女には興味がないんじゃないかって・・・・たまに」
「非常に心配」
と3人から心配な声が漏れてくる。
「いや、いくらなんでもあの二人に限って・・・・リサ殿と許嫁なんだろ?流石にそこまでは・・・・オオバ殿はまだ未婚らしいが」
「ヤオ、あなた。あいつらから手を出された事ある?」
ロゥリィに、そう言われて思い返してみるヤオ。長い間共に過ごして来たが手を出されて経験が全くない。
「あれ?・・・・此の身的には、手を握られた事もない・・・・一番身近になったのは翼竜になった時・・・イ、イタミ殿とオオバ殿が奥手か堅物なだけではないのか・・・・?」
「そうでもないのよねぇ、ハコネじゃいいとこまでいきかけてたのにぃ、はぐらかされてぇ・・・・ヨウジったらいけずなんだからぁ・・・・」
「ハコネ?」
「ロゥリィくわしく」
ロゥリィ達特地組が日本に出向いた時に箱根の山海楼閣に宿泊した際、ロゥリィは伊丹に対して夜這いしようとしたが伊丹にはぐらかされて部屋を追い出されたのだ。
「ともかくっ、『門』のせいでぇ、ヨウジとサカエがこっちに残る気にぃなるまで、悠長に待ってられないのぉっ」
「・・・・ニホン政府は約束したがオオバはわからないが、イタミは逃げ出すかも」
「薄い本の即売会があるからって・・・・」
「ヨウジが本気で逃げ出したら捕まえる自信ないわぁ、眷属なのに。ニホン軍の精鋭でも無理だったって話だし」
「魔法で眠らせて強引に連れてくれば?」
「だめ、事件にしたくない」
「だったら手ぬるい色仕掛けではなく、此の身が床に忍んで即成事実を・・・・・」
「甘いわねぇヤオ、まだ気付かない?」
「逆に嫌われるかも」
「そう、彼は色気で強引に迫る女性が好みではない。薄い本や物語の絵姿二三七八点の登場人物を比較検討した結果、イタミは『素直じゃない女性』や『心の病んだ女性』が好みとわかった。一方のオオバは『清楚で品のある女性』が好み。色気で迫る女性は好みではない」
「なっ・・・・嘘だ・・・・色気を嫌がる男がいるなんて、嘘だと言ってくれっ!!此の身のしてきた事は・・・・・・」
とレレイからそう言われて、焦るヤオ。
「テュカは、どうやってヨウジをその気にさせるつもりぃ?」
「フフーン、これよ!」
とテュカが、地面に置いておいた鞄を見せびらかす。
「お父さんの着替えとあたしの作ったお・弁・当❤️」
「なっ・・・・」
その言葉にロゥリィは、目を見開いたて驚愕した。
「病院のご飯が美味しくないって聞いたから」
「ヨウジがテュカの父親代わりしていた時、満更でもない顔をしていた。効果はあるはず」
「その手があったかぁ・・・・わたしぃ料理は丸焼き系専門だからぁ」
レレイは、ロゥリィが狩りをして獲った獲物を丸焼きにして豪快に食べる姿を想像した。
「料理と言うには抵抗がある」
「焼くって料理でしょお!?そう言うレレイはどうなのよぉっ?料理は出来るのぉ?」
「出来る、得意」
レレイは料理が得意と言い張ると、アルヌスの子供達を連れたカトー老師が笑いながら現れた。
「ほほー、料理の種類は三つの繰り返し料理はどう見ても魔法薬の調合。飯は栄養が摂れればいいとか言うてた小娘が、料理が得意じゃと?笑わせる」
今度はロゥリィが、レレイが謎の液体をグツグツ煮込んでかき混ぜている魔女の姿を想像した。
「それぇ、食べられるのぉ?」
「師匠で実験済み」
「実験とぬかしおった、食えるには食える。じゃが、四日で飽きて十二日で苦痛になる。儂はもうコダ村に帰りたくない、ここのうまい飯に慣れたせいじゃな」
とカトーがそう言うと、レレイがカトーに向けて火球の魔法を飛ばすがカトーは難なく交わした。
「足りなければ、増やせばいい」
「色気づくとこうも変わるものかのぉ」
「変わって何が悪い!師匠には言われたくないっ」
「甘いわっ」
カトーはレレイが再び飛ばした火球に対して野球のバットの様に杖でフルスイングをした。打たれた火球は空の彼方へと飛んでいった。
「うむ、ホームランじゃ」
カトーの打球に周りの子供達は拍手し、レレイは唖然とした。
「お前が冒険してる間に、儂は子供の世話やらで忙しかったからのぉ。まぁ、この齢になってニホンの娯楽と言う新たな知見に触れられたがな。まだまだ修行が足りぬわ」
そう言ってカトーは、高笑いしながら去って行った。そんなカトーを他所にレレイは顔には出していなかったがすごく悔しそうに身体が震えていた。
そうしていると、栗林と富田がやって来た。二人は、軍服姿ではなくカッターシャツに黒いズボンといった私服姿だった。
「お待たせー、準備は出来た?」
「クリバヤシ殿、トミタ殿。ニホン軍は軍を動かしているんだろう?クリバヤシ殿達も軍務に就くのではないのか?」
「難民キャンプから手が離せなくてなあ、まだ動いている資源偵察班もいるんだよ?テュカの付き添いだって立派な任務だ」
「トミタ殿もか?」
とヤオがそう言うと、富田はため息を吐き
「俺の番じゃなかったんだけどなぁ、栗林が無理矢理来いって」
「お前が死亡フラグなんか立てるからいけないんだろ!」
「そりゃ、隊長は禁じてたけど心配し過ぎなんだよ。なんで隊長のとこ行ったらフラグが折れるのかわからねぇよ」
「隊長ならなんとかしてくれるって前にも言っただろ!富田の前で隊長にフラグたてさせて厄を押し付けるだ。神様のお墨付きの方法だぞ!」
と栗林は、自身の上官である伊丹を厄払いにしようとするサイコパス的発言をした。
「暗黒神じゃん!ロゥリィもひどくない!?」
と富田がツッコミを入れる。
「それが嫌なら・・・・何かある前に婚姻届出すって手もあるぜ。手遅れになる前に即行動、取り敢えずこの婚姻届にお前の名前を・・・・」
と栗林は懐から一枚の紙切れを取り出した。それは、婚姻届だった。しかも妻になる人の記入欄には栗林の妹の菜々美の名が記入されていた。栗林は、妹の結婚相手は、最低限自分と同等かそれ以上に強い男じゃないと認めないのだ。
「ボーゼスとの結婚に婚姻届が使えるのか?と言うか、なんでお前の妹の名前と捺印があるんだよ!」
「ちっ、ダメか。上手くいくと思ったんだがなぁ・・・・てか、富田お前俺の妹の菜々美に何か不満でもあんのか!!」
「い、いえ・・・・すみません、ありません」
と栗林が威圧すると、富田は冷や汗を掻きながら謝罪する。
「トミタがお父さんに何するって?」
「死亡フラグ?」
「あ、要は験担ぎだ」
栗林が死亡フラグの意味を知らないテュカ等に意味や経緯を説明する。
「富田の奴が言っちゃったんだよ。戦争が終わったらボーゼスと結婚するんだって、映画や小説でこの手の発言をした兵隊は高確率で戦死するって言われてるんだ。その厄を伊丹隊長に肩代わりしてもらおうと」
「ハァ?お父さんに!?大丈夫なの!?」
「使徒の立場から言うとぉ問題ないわぁ」
「三日夜の儀を済ませてるのに、今更結婚と言わせて何の意味が?」
すると、ロゥリィがテュカを連れて建物の隅で小声で話す。
「テュカ、絶好の機会よぉ」
「・・・・・どう言う事?」
「ヨウジにぃ、嘘でもテュカと結婚するって言わせたらぁ。こっちのこと意識して残る気になるかもぉ」
「・・・・・そうかな?そうかも・・・・・?」
とロゥリィの発言に納得するテュカ
「ヨウジの事だからぁ、ぶちぶち言いながらトミタの為に口にするわぁ、『部下に頼まれちゃ、仕方ねぇなぁ』って、嘘から出た実っていうでしょお」
「嘘から出た実・・・・そうかもね」
「即成事実があるから今更結婚を宣言しても・・・・・」
「おっと、そろそろ行かないと。ロゥリィ!」
と栗林が腕時計を見て出発の時間になったを見て、そしてロゥリィに合掌する。
「隊長の所までは無事に辿り着けます様に!はらいたまえっ、きよめたまえ!」
「ボーゼスと結婚出来ますように」
と二人は、出発前にロゥリィを拝みながら祈願する。
「そのカシワデっていうの、慣れないわぁ」
その後、テュカと栗林、富田は伊丹が入院している軍病院へと向かった。それをレレイ、ヤオ、ロゥリィが手を振りながら見送る。
「戦士達が道中の危険を避け苦難に耐え抜き、戦うことができます様に・・・・」
ロゥリィは、3人の背中を見ながら手を組み祈る。
その後、レレイはガストンのレストランのテーブル席でそろばん片手に書類と睨めっこしていた。すると、料理長のガストンがレレイにお茶を差し入れる。
「お悩みのようですね、『門』のことですかい?なにも今日明日の問題にしなくても、閉じるのやめちまえば楽になりますぜ」
「そうはいかない。先延ばしは問題を大きくするだけ、皆が嫌がっているのは『門』を閉じる事ではなく、閉じる事で皆の今の生活が変わる事。ならば変えなければいい」
「ええ!?」
レレイの発言にガストンは驚愕した。
「アルヌス州開拓村計画、種族を問わず開拓民を募って州内に新たな村や町を造る。アルヌスの町と同じ生活が出来るところ、これなら『門』が閉じられても大丈夫。皆を説得出来る」
レレイは、種族を問わず開拓民を募ってアルヌスの未開の地を切り開き田畑や居住地・道路を配備してアルヌス町と変わらない生活基盤を整える事で、『門』が閉じられ生活を失うと思っている人達を安心させる狙いだ。
「・・・・そんな事ニホンの代官が許すんですかい?あいつらにとっちゃ異世界ですぜ?」
「許される。アルヌスはニホンの領土『州』になる予定、自治州。いずれ、アルヌスに住むニホン国籍を持つ者の中から、代表者が選ばれる事になる」
「つまり、私達の中の誰か・・・・初耳ですぜ。その話をもっと早くしてくれれば・・・・・・」
「ニホン政府と条件交渉をしていた、皆をぬか喜びさせたくない」
「そ、そんなの上手くいきっこねぇ、ここですら初めの頃悪党に苦労したじゃねぇですか。開拓村全部に聖下やニホン軍がいるわけじゃ・・・・」
ガストンがそう言う。アルヌスの町が出来た当初は、イタリカや各地から出稼ぎに来た人間や亜人などがやって来て町が栄える反面、犯罪を犯そうとする輩も居たが、ロゥリィをはじめとする自警団や日本軍の憲兵隊が鎮圧していったが、開拓村全部に自警団や憲兵隊が必ずいると言う保証がないのが不安なのだ。
「だからこその『門』閉じられている間に土台を固める」
「うまくいくわけ、うまくいくわけねぇ・・・・・」
レレイは、そう言うがそれでもガストンは否定的だった。
「ところでこれは何?初めて飲んだ」
「あ、ああ、それは新しい香草だそうでこの前行商人が売り込みに来ましたね。どうです?」
「おいしい、いい香り・・・・・」
「それはよかった、レレイさんでも知らない物があったんですね。知ってたらどうしようかと・・・・・それ、悪所の商売女が客の懐を狙う時に使う。ナルコって言う眠り薬だそうで」
とガストンが安堵した様に呟くと、レレイが突然倒れてしまった。ガストンがお茶に仕込んだナルコと言う眠り薬によって、レレイは眠らされた。
帝国の国歌を描こうと思うんですがどれを参考にしたらいいですかね?
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『廃墟からの復活』
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『皇帝陛下万歳』
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『神よ、皇帝フランツを守り給え』
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どれでも良い