GATE 大日本帝国 彼の地にて、斯く戦えり 作:人斬り抜刀斎
銀座の門の開閉についてのデモから始まった暴徒は銀座の門の周辺で暴れ回りまさに無法地帯の様だ。
「ドーム内に退避!」
「本省に緊急事態を通報!アルヌスに支援要請!」
「重要書類を残すな、国旗もだ!」
「入り口で食い止めろ!」
「踏ん張れぇっ」
発砲が許可されていない日本兵達は、銃床で暴徒を殴り付ける事ぐらいしか反撃の手立てがない。日本兵達は暴徒達を鎮圧しようとするも圧倒的な人海戦術に押され暴徒が門に雪崩れ込もうとしていた。すると、門の奥から独特のエンジン音と履帯が回る音が聞こえて来る、門から出て来たのはティーガーⅠ戦車と小隊規模の兵士だった。
「小隊一歩前へ、前進!」
日本兵は銃剣の付いた38式歩兵銃を構えながらゆっくりと前進して来たので、暴徒達は蜘蛛の子を散らす様に我先にと逃げ出した。
一方、アルヌスの派遣軍総司令部では、銀座での暴徒の状況などが報告されていた。
「今村大将、小磯参謀総長からです」
そう言われて、今村は電話の受話器を受け取る。
「今村です」
『今村大将、状況は把握しているか?』
「はい、こちらから見える範囲では」
『現在政府は事態を受けて御前会議を開く。特別警備隊による暴徒鎮圧も再編成の上ーーー』
すると、電話が突然切れ同時に照明などのあらゆる電子機器が一斉にストップした。
「停電!?」
「直ぐに非常用の発電機に切り替わる」
すると、直ぐに照明がつき電力は回復したがしかし、電話などの機器が繋がらなかった。
「銀座側の回線ケーブルが切断されたのでは?」
「あり得るな、暴徒の一部に統制された動きが見えた」
「大将、この状況は緊急対処手引き書に想定された事態の『門』なの異常が発生した場合もしくは日本との連絡が途絶えた場合"総員退去準備命令"状況『韋駄天』の発令条件を満たしています」
と今津が非常時の退去命令の発令を促すと待ったをかけた。
「待て今津、特別警備隊が暴徒を鎮圧し、連絡を回復する可能性もある。各連隊も目標まで行程半ばだ。ここで前進を止めるのか!?大将!『門』の入口は確保しています。第五連隊で銀座駐屯地を奪還出来ます!銀座駐屯地占領は破壊工作員・・・・・テロリストの扇動によるのは確実です。この間にも『門』本体への破壊工作の恐れも、一刻も早く奪還命令を!」
そして、今村は考え込む。彼は派遣軍の指揮官として七万人近い将兵の命を預かっている身だ、彼は今選択に迫られていた。今津大佐の言う通りこのまま当初想定されていた通りにすれば七万の兵を救うことは出来るが新政府軍を見捨てる事になり『新政府軍を見殺しにした愚将』として世論から非難されるか、特別警備隊が暴徒を鎮圧し、連絡が回復する可能性もある。だが、もし万が一門に異変が起き帰還できなくなれば七万の日本兵は孤立する。
「相手は国際INGOを名乗り本当の民間人が大半を占めている。我が軍を持ってすれば駐屯地奪回も容易だろう。だが、我々は皇軍である。第二の『銀座事変』を起こしてはならない。可能性に七万の将兵の未来を賭けてもいかんかだ。全軍に達する、状況『韋駄天』を発令!」
こうして今村は前者を選び総員退去準備命令を発令するのだった。
同日午前 イタリカ
ゾルザル討伐軍を送り出した後のイタリカは、妙に閑散としていた。フォルマル伯爵家の領内に残されたのは伯爵家の私兵部隊と亜人の諸部族部隊。そして、ピニャの騎士団である。これこそが正統政府軍の初期の構成であり、彼らがここに集まって来たばかりの頃は、その颯爽とした足取りでイタリカの街は高揚した空気に包み込まれていったのだ。
「どうせこんな事だと、思ったぜ」
「結局お呼びが掛かるのはヒトばかりじゃねぇか」
「決戦まで英気を養えだと?」
「俺達は体よく正統政府のエサに釣られたってわけだ」
だが、今やその士気は下がるだけ下がり、だらけた気分が蔓延している。兵士達からはやる気と言うものが消えていたのだ。朝靄のまだ晴れないなか、城壁の上に立つ見張りが交代の儀式を執り行っているが、今の彼らを動かしているのは、旺盛な戦意ではなく、習慣という一種の惰性でしかなく。
斜面を勢いよく転がっていた巨石も平地に至ればやがて勢いが失って静止する。それと同じ様に兵士達が従っている惰性もやがては尽きて、後に残るのはかつては軍であったという残骸だけだろう。その途中経過をイタリカの住民達は見せつけられていたのである。
白薔薇隊隊長ヴィフィータは嘆いた。
「まずいぜ、ボーゼス。士気がただ下がりだ」
「そうね・・・」
「諸侯連合の正統政府軍とニホン軍は快進撃中、なのに自分達は座して暇を持て余している。爵位だ、議席だ、領地だって集めといて。困っている時に限って亜人の時代とか、亜人の地位向上とか言って持ち上げてやがった癖に、なんだよこの掌返し方ひどくねぇ?」
「元老院議員達も軍団についていきましたしね」
帝国正統政府を立ち上げた当初、講和派貴族達は兵力不足に悩んでいた。
援軍を求めて外国や諸侯国に使者を送っても色好い返事を得る事が出来ず、盗賊や脱走兵などのならず者達にさえも相手にされないという状況に陥っていたのだ。その為、彼等は苦肉の策として亜人部隊に協力を求めた。帝国内での地位向上を代償にして。具体的には諸部族の族長階級にあたる者を帝国貴族として伯爵や子爵に任じ、空席となった議席を埋める形でそれぞれを元老院議員に任じたのである。
それは、国の支配体制の部外者・・・・よく言えば客人として扱って来た亜人種を帝国の一員と見做し、帝国の行く末について共に論じ合い、共に担って行くと言う方向に舵を切った事を意味していた。
亜人部族もこれまでのけ者にされて来た国家運営に携われる様になると思えば、手を貸してやってもいいと思う様になる。こうして正統政府軍には、五十四種族の兵士達が各地から集まって来たのである。だが、情勢は変わった。
外国や諸侯国からの援軍が到着して、これに比例しヒト種の傭兵が充足し始めると、帝国正統政府の貴族達は掌を返した。それまで亜人の族長や有力者が占めていた正統政府軍のポストをヒト種の将校、ヒト種の士官に与え、いざ戦争が始まると「お前達はもういいよ」とばかりに亜人部隊を置き捨てて行ってしまったのである。
とは言え勿論、そんな恥知らずな内情を自ら曝す様な事はしない。ピニャも「真に困っていた時に助けてくれた者にこそ、皇帝陛下の守護を任せられるのである」と左右に語り、士気の維持をはかっていた。
「いずれ我らにこそ決戦の場が与えられる。露払いは他の者に任せて、我らはその時まで英気を養っておくのだ」
こんな言葉が空中分解すれすれの彼等をどうにかまとめ上げていたのである。だが、次々と届く知らせは正統政府軍の破竹の勢いを伝える物ばかり。日本軍を主力とする連合軍が苦境に陥るなどあり得ない様に見え、イタリカは危険に曝される状況など、誰も想像出来ないのだ。
ピニャの言う決戦などないと気付いた亜人兵は「何しに俺達はこんなとこまで来たんだ?」という拍子抜けした気分に陥った。そして、「どうせ、こんなこったろうと思ったぜ。正統政府の奴等、俺達を体よく騙しやがったんだ」という反感めいた気持ちを抱く様になったのである。そんな思いに駆られるのは亜人種だけではない。ピニャの騎士団の隊員達までもが、彼等に共感する態度を示していた。
「薔薇騎士団は、殿下の剣!皇帝の盾!そして正統政府軍の要!じゃなかったのかよ!?あれだって今頃ケングンと一緒に攻勢の先頭に立ってると思ってたのにっ!そりゃ騎士団にも不満が溜まるぜ」
「・・・・ヴィフィータ。言いたい事は分かりますけど、それを部下の前では・・・・」
「わかってるさ」
彼等からすれば、自分達こそがピニャの剣、皇帝の楯、正統政府軍の中核でもあった。そんな自負を抱く者達が肝心の戦いからのけ者にされていると思えば、どうしたって不満を抱かずにはいられない。
ヴィフィータの漏らした「その気持ちは正当な物だし、理解出来ますけど、それをこの場以外で口にしてはいけませんよ」と言う言葉も、そんな隊内に広がっているみんなの心境を代弁した物だった。騎士団の指揮をピニャから託されているボーゼスは、柑橘の実を齧りながら友人でもある部下を嗜めた。ヴィフィータクラスの高級将校が不満を公言すれば、下々の兵士達はこれ幸い、言葉だけでなく態度で反感を示す様になるからである。勿論、ヴィフィータも「分かってるさ」と素直に頷いて口を噤んだ。
彼女とて波風を立たせたいわけではなく、自分だけがそう思っているわけでない事を確認したかっただけで、ボーゼスに「正当で、理解出来る」と言って貰えれば充分だからだ。
「それに殿下は、わたくし達こそが決戦の場に立つ事になると仰ってます。何の根拠もなく口にされた事とは思えないし、何か考えがおありだと思うわ」
「それこそ、信じられねえ話だよ。自分でも信じてない事を他人に信じさせるなんて器用な事、俺には無理だぞ」
「けれど、わたくしには殿下が本気でそう仰っている様に思えるのよ。だから、気を緩めないで頂戴。体内をしっかり引き締めて」
「チッ・・・・・分かったよ。しゃあねぇなぁ」
ヴィフィータは頸の髪の生え際あたりを人差し指でポリポリと掻くと、
「失礼します」
「入りなさい」
ボーゼスの執務室に騎士団の伝令が入って来た。
「ピニャ殿下より伝令。騎士団幹部は館の執務室に参集せよ」
その後、ヴィフィータとボーゼスは館に向かい広間では、騎士団の他招集に応じた各亜人の部族長らも集められていた。そして、執務室の中央に立つピニャからある事が告げられた。
「空中斥候が敵軍を発見した。ゴルドールからイタリカに向かっている」
と旧帝国軍が自分達の本拠地としているイタリカへ向かっていると言う物だった。
「ゴルドール!?イタリカの北東に!?」
「我々の戦力は少ない、穴だらけだ」
「突然現れたと言うのか?」
「ニホン軍も見逃したのか?」
「ニホン軍とて万能ではない。我々から見れば神の目を待っていてもだ」
「ほっ、ほうこーく!」
斥候任務から戻って来たシャンディー・ガフ・マレアが勢いよく扉を開けて跪き報告する。
「ゾルザル殿下率いる敵軍一万、カンネーデに陣を敷きました!」
そして、届けられた報告はゾルザルの旗印を掲げた旧帝国軍約一万人が近付いて来るというものであった。
「・・・・確かか?」
「ハッ、この目でゾルザル殿下の旗印を確かに認めました!」
「カンネーデか、数は一万か・・・・・どうやってと問う事は無意味だな。きっと兄様は最初からイタリカを決戦の場と決めていたのだ」
「殿下はこうなる事を?」
ボーゼスがおずおずと尋ねた。
「予想していた、あの兄様の事だ。負けが込むと一か八かの大勝負に出るだろうとな。ある意味で意外だったが」
「意外?」
「兄様はあれで小心者だ。こんな勝負に打って出る程の気概は、本来持ち合わせていないのだ」
「これは異な事を?それなのに、出て来ると予想されていた?」
「兄様は自分を英雄だと思い込んでいるのだ。いや、思い込まされていると言うべきかな?英雄色を好むと言うだろう。英雄を形だけ真似て、色を好まねばならないと思うから次々と女を漁る。だけど、劣等感が強くて貴族の女とどう接すれば良いのか分からず、目も合わせられない。だから悪所通いをし、奴隷女を無下に扱ったり、虐待したりする。だが、奴隷女で満足していると思われるのは屈辱だ。挙句にな、自分が勇気のある男だと見せたかったのだろう。こういう状況では、乾坤一擲の勝負に出るものだと思い込んでいる」
「・・・・・なんだかその、もの凄く・・・・みっともない話ですね」
「事実みっともないのだから仕方がないな。その昔、兄様は妾の寝所に忍び込んできた事があった。他の女を真っ直ぐ見れないから妹の身体で自分が男である事を試してみたかったのだろう。勿論すげなくしたがな、妾からすれば当然の話だがな・・・・以来、兄様は奴隷女に走り、妾には複雑な気分を抱いたまま。昔の恥を雪ぐ為に妾に強く当たり自分は凄いんだぞと認めさせたくってしょうがないのだ。それ故に妾を吊し上げたりもしたのだろうが・・・・結局恥の上塗りして、妾に情けない姿を曝す結果になってしまった。ここで打って出るとは意外であったが」
何と言う事かと皆揃って頭を抱えた。帝国が、そんな男の見栄の為に振りまわされているのかと思うと、皆やりきれない気分になってしまったのだ。
「・・・・この話はこの場だけの内密にして欲しい、兄様の妹として頼む。恥ずかしい話だからな」
集まったピニャの部下達は、しょうがないとでも言う様に「はい」と頷いた。最早、ゾルザルを脅威と思う様な者は、何処にもいなかった。その意味では、ピニャは勇壮な演説をする事なく、主立った者からゾルザルに対する恐れの感情を取り去る事に成功したのである。
「とは言え、お前達が残っていた事は僥倖である。妾は麾下に諸部族から選ばれた精鋭の兵八千を持って、あの劣等感の塊と戦う事が出来るのだから」
イタリカに残る兵は八千に届くかどうかでしかない。とは言え、城に籠って戦うには充分な数でもあった。城市を守り、敵を防いでさえいればいずれ味方が駆けつけて来る。要するに、城壁内部でじっと耐えてさえいれば良いのだ。
「だが、それではこの内乱は終わらない。終わらせる事は出来ない」
ピニャは、待ち続けているボーゼス、ヴィフィータ、ニコラシカ、ハミルトン、シャンディー、グレイと言った子飼いの部下達、そして亜人連合部隊の指揮官ドッツエル(ダークエルフ)、メイソン(ドワーフ)、エルナン(六肢族)、コルドール(ワータイガー)らに向き直ると告げた。
「ハミルトン、シャンディー」
「はいっ」
「ハッ」
「イタリカに残る第Ⅲ軍団の各部族代表を全て広間に集めよ。皆に申し渡しておく事がある」
ボーゼスは尋ねた。
「そう仰っるのは、常道とは異なる策を用いられるおつもりだからですね?」
「そうだ。妾としては、城外に出て兄様を迎え撃ちたい」
これには、皆、驚いた様に互いの顔を見合わせた。城に籠っていれば犠牲は最小限で済むと言うのに、敢えて城外で戦い事に理由を見出す事が出来なかったからだ。ベドワイデン地方の領主として子爵に封じられたダークエルフの族長ドッツエルが訝しげに問いかけた。
「殿下のご命令とあらば、それが如何様な物であろうとも従いますが、お話は聞かせて頂けるのでしょうな?」
「勿論だ。その説明をする為に隊長格の者を集めたいのだ」
「では、直ちに皆を集めます」
シャンディー達が弾かれた様に走り出した。
そして、広間に各部族の部族長達が集まると
「ピニャ皇太女殿下ご入来ーーっ」
ニコラシカの号令と共にピニャが広間に入ってきて部族に向き直り言った。
「卿らに告げる。妾は敢えて城外で敵軍に挑むつもりだ。この地を本当の意味での決戦場にする為、ゾルザルをこの地から逃がさない為である」
皆が驚愕の沈黙に包まれている中で、グレイ・コ・アルドが尋ねた。
「どういう事ですかな殿下?小官にもわかる様に是非、詳しく教えてくだされ。我が軍勢は八千、敵は一万。籠城すれば容易には陥されません。ケングン殿の残置百人隊とハクゲキホウ隊もおります。その間にお味方が駆けつけてくれましょう」
皆が発言しずらい時に発言し、問いにくい事を面と向かって問える位置にグレイと言う男はいる。歴戦のグレイが発する問いは、将兵の心に沿った物が多いのだ。ピニャも、彼を納得させる事が兵士達を納得させる事に繋がると理解していた。
「まさにそれだ、グレイ。もし、妾達が城に立て籠って戦ったとしよう。そうなればゾルザル軍は、城を陥そうと遮二無二攻めかかって来るだろう。だか、城攻めに手間取れば兄様の事だ。我が援軍に背後を襲われぬかと怖れ、そして適当な所で見切りをつけ、この地から逃げだし、別の地に根を下ろして再起を図ろうとするだろう。これでは内乱は終わらぬ。だから妾は兄様にそうさせない為に、時を忘れさせねばならないと考える。故に兄様にはもう一押しで勝てると思わせねばならぬのだ。味方が駆け戻ってくる瞬間まで」
「そのための野戦ですか?しかし、そうなると相当の犠牲が出る事が予想されますが?」
「そうだ、故に犠牲は覚悟してもらいたい。我らは基本的には守勢で戦い続ける。皆が懸念している犠牲も多く出るだろう。だが、兄様を逃して、内乱が長引くよりは良い筈だ。この地で決着をつけた方が犠牲は少なくなる筈だ」
この説明の重さに皆が黙ってしまった。確かに、ピニャの言う通りであろうと思われたからである。とは言え、それは犠牲の数字として捉えているから言える事だ。
ここにいる隊長格の者達にとって犠牲となる兵士は、顔を知り名を呼んだ事のある者達である。それを将来の為に、敢えて供犠にすると言われても、なかなか納得の出来るものではないのだ。
「しかし殿下、お味方は本当に戻って来ますでしょうか?戻って来るとして、いつ頃に?」
グレイの問いに、ピニャは分からんと笑った。
「戦闘中でもあるし、味方がどこまで進んでいるかによるから、いつ戻って来るまでは明言出来ぬが、おそらくは一両日中には来ると思ってよかろう」
ダレンダ地方の領有を伯爵として認められた、ドワーフの族長メイソンが文字通り重い腰をよっこらせと上げた。
「う〜む、それならば仕方あるまい。先鋒は儂が出よう」
「いや、ドワーフばかりに任せておけんぞ。我ら六肢族に先鋒を!」
「そうだ!考えてみればこれは帝国の隅っこに追いやられていた我らの誇りを取り戻す戦い!我らだけで敵を討とうぞ!」
ドッツエル、エルナン、コルドール達が次々と声を上げる。更に、隊長達もその声に押される様にして頷き始めた。
「うむ。この機会を失っては、次の戦いまでまた蔑ろにされかねん。儂らはここで誰もが認めざるを得ない程の戦果を得なければならんのだ。後の語り草となる様な戦いをして見せようぞ」
「その通り。戦いから遠ざけられ腐っていた我らの前に、敵と戦う機会が与えられたのだ。これを喜ばずなんとする」
「そうだな、遠のいたと思った手柄首が向こうから転がり込んで来たのだ。これを逃してなんとする。野戦ならゾルザルを捕らえる事も出来るかも知れん」
隊長達の高まった戦意と、壮絶な戦いへの覚悟はたちまち兵士達にも伝わった。ここで怯まずに戦い抜いてこそ、部族の地位を高め、自分の家族や子供達の未来は開かれるのだと言う希望を胸に抱いた亜人部族の兵士達は、正面から勢いに任せて蹂躙しようと突き進んで来るゾルザル軍の鋭鋒に対して、一歩も退く事なく立ち向かったのである、
「よし、皆帰営し兵に伝えよ。この決戦末代まで語り継がれる戦いとするのだ!出陣!!」
ピニャがレイピアを抜き掲げてそう言うと、亜人部族らは声を高らかにして叫んだ。
「このタイミングで!?まずいな・・・・」
そんな中で、壁の淵に立っていた柳田は部下から韋駄天の発令を聞いて眉を顰める。
帝国の国歌を描こうと思うんですがどれを参考にしたらいいですかね?
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『廃墟からの復活』
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『皇帝陛下万歳』
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『神よ、皇帝フランツを守り給え』
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どれでも良い