GATE 大日本帝国 彼の地にて、斯く戦えり   作:人斬り抜刀斎

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撤退命令

フォルマルト伯爵領イタリカでは、迫り来るゾルザル率いる旧帝国軍を迎え撃つべくイタリカに待機していたピニャの薔薇騎士団や各亜人部隊が出撃の準備をし、ピニャからの出陣の命を今か今かと待っていた。

そんなフォルマルト伯爵家の屋敷のモルト皇帝の寝室では、ベッドの上で横になっているモルトと向かい合うピニャ

 

「ゾルザルめが来おったか」

 

「カンネーデに陣を敷いたと、これより出陣致します。父上」

 

「あやつを止めてみせよ。ピニャ」

 

モルトからそう言われたピニャは、静かに頷く。ピニャにとってこれから行われるのは異母兄妹とは言え実の兄妹同士の喧嘩なんて生優しい物ではなく、血縁者同士による殺し合いが始まるのだ。そして、ピニャは寝室から出て行く。

 

「シャンディー、スイッセス」

 

「「ハッ」」

 

寝室から出て来たピニャを出迎える二人に、ピニャが二人の名前を言うと二人は返事をしながら直立不動の姿勢をとる。

 

「二人ともここを頼む」

 

「ハッ」

 

「命に替えましてもお守り致します」

 

すると、ピニャは突然シャンディーに抱擁を交わす。

 

「殿下・・・・・ッ」

 

突然のピニャからの抱擁に戸惑うシャンディーを他所にピニャはスイッセスとも抱擁を交わす。離れたピニャの顔は不退転の決意で満ちており、その表情を見た二人はピニャに敬礼をする。

 

特地の上空では1機のダグラスC-47スカイトレインが上空を飛行していた。

 

『アルヌス方面軍、全軍に達する『韋駄天』。繰り返す『韋駄天』』

 

その無線はエルベ藩王国やロマ川下流そして、帝都悪所の事務所など各地に展開している日本軍にも『韋駄天』の知らせが届いた。

 

「悪所事務所『韋駄天』了解。撤収準備を開始する送レ」

 

「撤収ですか!?」

 

「あぁ、指令が来たからな。銀座で『門』を巡ってテロが発生したそうだ」

 

「まじかよ」

 

「帰還希望者は準備する様に先発隊にも伝達・・・・・と言っても常駐の連中は今頃・・・・」

 

一方その頃、皇帝や皇族の住まう帝都の象徴たる皇城。しかし、今やゾルザルが実権を握り遷都によって今では誰も住んでいない皇城では、先発隊の出雲達が帝都にやって来る連隊を待っていた。剣崎少尉は玉座に座り王様気分を味わったり、他の兵士は一番乗りの印としてチョークで柱に自身の所属部隊と名前を刻んでいた。すると、出雲中佐が

 

「お前ら!急いで悪所に戻るぞ」

 

「へ!?」

 

といきなりの撤収命令に剣崎達は理解が追いつかなかった。

 

「何かあったんスか、隊長」

 

「連隊は帝都に来ない「韋駄天』が発令された。お出迎えはなしだ」

 

「ちぇー、つまんねぇの」

 

「まじかよ」

 

「また、関東大震災でも起きたのか?」

 

「お前らみたいに特地満喫組ばっかじゃねぇんだ。ケツ上げろ、オラ!」

 

「りょーかい」

 

「はーい」

 

出雲に言われて先発隊の兵士達は、ぶつぶつと文句を垂れながら大広間から出て行く、

 

「この戦争が終わった時、あそこに座るのはバカ皇子か男色嗜好のお姫様か・・・・・」

 

剣崎は去り際に玉座を見つめ、この内戦が終わる頃には玉座に一体誰が座っているのかとそう呟き広間を去って行った。

 

 

ベッサ近郊バトバ ここでは、旧帝国軍の兵士達が塹壕の中で息を潜めながら震えていた。その視線の先には地響きを響かせながら大地を踏み荒らす数十台のⅥ号戦車ティーガーⅠ、Ⅴ号戦車パンターG型、Ⅳ号戦車H型が迫って来て来た。突然戦車が嵐のように襲い掛かって来るのだから旧帝国軍兵士の間に恐怖が広がるのも当然だった。特にローマ時代の人間があの独特の轟音が聞いたなら尚更だった。なにしろ、エンジンを始動させると飛行機並みの音がするのだから

 

「おい、貴様ら逃げるなっ」

 

恐怖に耐えられなくなり塹壕から飛び出て行く兵士が現れる。その時、ティーガーの砲塔が塹壕から出て来た兵士達に向き主砲が火を吹き、逃亡兵四人が吹き飛ばされた。目の前でその光景を見た兵士達は誰もが恐怖に駆られた。戦車は、城塞に向かって88mm戦車砲や75mm戦車砲で砲撃し、前進して来たが突然砲撃が止み帝国兵が塹壕から顔を出すと戦車隊が動きを止めたのだ。

 

「止まった・・・・」

 

「見ろ!鉄の戦象が引いていくぞっ」

 

突然戦車隊が後退を始めたのだ。

 

「なんで戦闘停止するんだ!?敵は壊滅寸前だぞ!!」

 

「『韋駄天』が発令されたんだよっ」

 

「くそぉっ、ここまで来て!撤収かよ!!」

 

旧帝国軍の討伐にあと一歩と迫っていた日本軍に突然の撤退命令が発令されて参謀の一人が悪態をつく。

 

「連隊長!『門』に異状が発生したとしてここからでは間に合うかどうか・・・・・」

 

「いっそ帝都への前進を続けるべきでは?」

 

参謀の一人がそう進言すると加茂大佐は俯き少し考えると

 

「第一連隊はこれよりアルヌスに帰還する。地図を出せ、経路を調整しないとすぐ渋滞にするぞ。第二連隊の久瀬を呼び出してくれ、使えるヘリも全部動員する、将兵だけでも日本に帰すぞ」

 

加茂大佐は、このまま第一戦車連隊はアルヌスに帰投する選択をした。その後、地上の兵士達はヘリやトラック、装甲兵員輸送車などに乗ってアルヌスへと向かう。

 

「自分達が戻るまで保たせて下さいよ、大将」

 

加茂大佐はそう呟きながらアルヌスへと向かった。

 

 

一方、デュマ山脈にて旧帝国軍の竜騎士から襲撃を受けている第四戦闘航空団は被害を出しながらも交戦を続けている。

 

「喰らいつけぇ!!土手っ腹に槍を見舞ってやれいっーーーーーー1番槍ぃ!!」

 

竜騎士のボダワン将軍がH-21に突撃し、操縦席の窓にジャベリンを突き刺し窓を損傷させる。

 

「ハハァッ、見たか!」

 

「閣下に続けぇ!」

 

それに続くように他の竜騎士らも我先とH-21の群れに突っ込んで行く。だが、必死のH-21からの抵抗にあいH-21はそのまま戦線から離脱して行った。

 

「くそっ、逃したかっ。下方の小さい方にかかれ!」

 

H-21に逃げられた事から標的をH-21から下を飛行しているFa223に標的を替えFa223に向かって急降下して来た。

 

『上空敵増援!急降下!』

 

「全機、落ち着け!ヘリの方が速い、編隊を詰め各機援護しろ!孤立すると狙われるぞ!」

 

「クソ、空中戦の訓練なんて受けてねぇってのに!」

 

「頭だ頭!竜の頭を狙え!」

 

「なんて!?頭?」

 

悪態をつく機銃手にデュラン王は竜の頭を狙うように言われ、その通りにブローニングM2を竜の頭目掛けて射撃をする。頭を狙われた竜は脳天をぶち抜かれたり目に当たり、バランスを崩してそのまま堕ちたり、岩などに衝突したりと無惨な最期を迎えた。

 

「横っ腹を狙え!敵兵がむき出しだ!」

 

「細身の鉄トンボに気をつけろ!奴の吐く鉄礫は鱗を貫くぞ!」

 

竜騎士達は、ヘリに搭載されている機銃に警戒しつつ側面に向き出ている搭乗員を狙おうとして来る。

 

『撃墜!次だ!残弾に気をつけろ』

 

Fa223を護衛するS-51JもブローニングM2で翼竜を屠って行く。

 

『おっと、ヘリより機敏な動きしやがる」

 

「あの丸いのすばっしっこいぞ!速い!」

 

「閣下、敵が態勢を整え突破の構えを!」

 

「何をしておる!隙を与えるな、鉄トンボに爪を立ててやれ!突撃!!」

 

将軍がそう言うように、一騎の翼竜がFa223に特攻を仕掛けて来た。

 

「そいつを早く叩き落とせ!」

 

張り付く翼竜を搭乗しているエルベ兵や日本兵は小銃や剣で何とか翼竜を落とそうとしたがヘリのローターが翼竜に当たりローターがやられてヘリは操縦不能となり翼竜共々墜落した。

 

『体当たり!?』

 

『畜生誰の機だ!?』

 

『突っ込んで来る!回避』

 

「全機回避機動しつつ、全速で東へ突破しろ!」

 

 

「帝国竜騎兵も堕ちたものよ」

 

デュラン王は、竜騎士の捨て身の体当たり攻撃を見て、そう吐き捨てながら嘲笑う。また、1機のFa223の後ろに翼竜が付いていた。

 

「ケツにつかれた!味方が射線に入って射てねぇっ、この混戦じゃこれ以上増速出来ん、1番機追い払ってくれ」

 

『だめだ、2番機当たっちまう』

 

竜騎士の射線上には味方のFa223が重なってしまい、下手に撃てば味方に当たってしまうため発砲出来ないでいた。

 

「くそっ、了解!編隊から抜けて引き剥がす!」

 

「右から来るぞ!」

 

コクピットの右横から別の竜騎士が迫って来てこちら目掛けてジャベリンを投擲しようとしていた。絶体絶命のピンチである、果たして彼らはこの状況から抜け出す事が出来るのか?

帝国の国歌を描こうと思うんですがどれを参考にしたらいいですかね?

  • 『廃墟からの復活』
  • 『皇帝陛下万歳』
  • 『神よ、皇帝フランツを守り給え』
  • どれでも良い
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