GATE 大日本帝国 彼の地にて、斯く戦えり   作:人斬り抜刀斎

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男の意地

竜騎士から放たれた槍は操縦席の窓を貫いて操縦手の手前でデュラン国王が素手で槍を掴んで止めたのだ。

 

「お主らに死なれたら困るからのぅ、・・・・・何を見ておる!左に回り込んだぞ!!射よ!射よ!」

 

「放て!」

 

デュランの命令でヘリに搭乗しているエルベ藩国軍の兵士も翼竜目掛けてクロスボウを放って応戦する。

 

「大丈夫か?」

 

「あ、ああ。くそっ、編隊から外れちまった」

 

「2番機包囲された。S-51援護してくれ」

 

『すまん、S-51全機弾切れだ』

 

S-51Jに援護を要請したが弾切れで援護射撃が不可能となってしまった。

 

「着陸しよう。竜に抱き付かれるよりはマシだ」

 

「あれ!」

 

「んぎ!?」

 

「あの色違いの翼竜!あやつが敵将!!」

 

とデュランは、操縦手の頭を掴んで無理矢理上の方を向かせ敵将を指差しながら叫んだ。

 

「王様はなんだって?」

 

「上空の敵将が乗る竜に向えって」

 

「な!?」

 

「任せたぞ」

 

「これ以上ぶん回したらエンジンが・・・・」

 

「陛下!?」

 

部下の制止も聞かずデュランはヘリのハッチを開けて、身を乗り出しメガホンを片手に敵将に向かって自分と一対一の一騎打ちを申し出た。

 

「そこの騎士!さぞかし名のある者と見た!一騎打ちに応ぜよ!」

 

「む、おもしろい。我は帝国軍ゾルザル殿下が将ポダワン!エルベ藩国王デュラン陛下とお見受けする!」

 

「ポダワン伯か、相手に不足なしっ」

 

敵将ポダワンも一騎打ちの申し出を受諾した。

 

「ゆけ!天馬に拍車を入れよ!」

 

「これ以上の名誉なし」

 

こうして、デュラン国王とポダワン将軍の一対一の一騎打ちが始まった。二人は槍を構えて突っ込んでいく。すかさずデュラン国王は、槍を投げその槍はポダワンの兜に命中し兜が脱げると頭から血を流しており、ヘリの通り過ぎ様にポダワンはデュランのマントを切り裂いていた。

 

「右じゃ右!」

 

「ちょっ陛下っ」

 

デュランは、操縦手の頭を掴んで右に傾けさせ操縦手も勢いにスロットルレバーを右に旋回させる。翼竜の正面に向き再び両者が突進する、するとポダワンがニヤリと嫌な笑みを浮かべそれを見たデュランは何かを察知したのか再び操縦手の頭を掴んで引っ張り操縦手はそれに釣られてスロットルレバーを引いてヘリを上昇させる。ポダワンの翼竜はそのままヘリの下を通過して行った。

 

「あやつ翼竜ごとぶつかる気だったわ・・・・む!」

 

「どこ行った!?下か?急降下で逃げたか?」

 

デュランがポダワンに振り向いた時には、ポダワンの翼竜が姿を消していたのだ。すると、突然ヘリの下からポダワンが姿を現し槍を振り翳そうとしていた。その槍は、デュランの左手の甲を引き裂いた。

 

「陛下!」

 

「着陸する!座ってろ!!」

 

デュランは敵将ポダワンの竜騎士に飛び乗って来たのだ。まさか、飛び乗ってくるとは思っても見ずポダワンは驚愕した。

 

「なんとぉっ」

 

「まだまだぁっ」

 

「属国の藩主風情が!」

 

そう吐き捨て、デュランの顔面に拳を叩き込んできた。そこからは、二人によるどつき合いが始まった。

 

「連合諸王国軍の結成は貴様の進言からと聞く!アルヌスで散った将兵に死んで詫びろ!!」

 

「恨むならイタリカのモルト陛下を恨め!」

 

「当然恨んでおる!いつか復讐してやるわい!」

 

デュランは恨み言を言いながらアルヌスで散っていった仲間達の仇と言わんばかりにポダワンに殴りかかる。

 

「左手で竜槍を受けたのが運の尽き・・・・」

 

ポダワンは先の一騎打ちの際彼の槍がデュランの左手の甲を抉って左手が使えないと判断し、腰の短剣を抜きデュランに振り翳そうとした時、ドスッと言う音と共に彼の首に鏃が突き刺さっていた。

 

「左手なんぞ、とうの昔にエムロイに捧げたわい」

 

デュランの左腕は先のアルヌス攻防戦の末日本軍の攻撃により喪失してしまい、今は義手を嵌めているがその義手には暗器が仕込まれていたのだ。デュランは、ポダワンが短剣を振りかざす直前左手の義手に仕込んでいた鏃を飛ばしたのだ。

 

「ポダワン閣下が!?まさか」

 

「敵の動きは鈍っている、追い詰めろ!」

 

旧帝国軍の竜騎士達は、将軍が討ち取られても攻撃続行をしようとしていたその時、二騎の翼竜が爆発し墜落していった。その爆発の煙の中から現れたのは数機のゼロ戦だった。

 

「久里浜、あの中に突っ込むぞ」

 

「了解!」

 

「久々の空戦だぜ」

 

「峡谷にキスすんなよ」

 

ゼロ戦が到着した事により戦況は一気に日本軍側に傾いて行った。ゼロ戦隊は次々と敵の翼竜に20mmや7.7mmや一部火力アップの為7.7mmから12.7mmに変えられたゼロ戦の機銃により撃ち落とされていく。

 

「ゼロ戦だ!」

 

『健軍大佐、待たせたな』

 

ゼロ戦が到着した事で窮地に追い込まれていた第四戦闘航空団は歓喜の声を上げた。

 

「鉄竜だ!低空へ逃げろ!」

 

竜騎士達はゼロ戦から逃れようと低空飛行を試みたが、しかし速度と運動性に優れたゼロ戦から逃れる事は出来ず次々と竜騎士達はゼロ戦の餌食になり、数分後には上空を飛んでいたのはゼロ戦と第四戦闘航空団のヘリだけとなっていた。

 

『敵はあらかたやっつけた大丈夫か?』

 

「助かった、神子田中佐よく来てくれた」

 

『なぁに礼は帰ってからでいいぜ・・・・・女を紹介する事でな」

 

「あ?」

 

突然神子田中佐から女を紹介しろと言うので、健軍大佐は一瞬フリーズした。

 

『聞いたぜ、健さん。騎士団の女の子と結ばれたって、いいな〜。俺も特地の美人やお嬢様と仲良くなりたい』

 

「・・・・あんたの噂も聞いてるよ、神子田さん。基地移動の度に突撃して撃破されまくってるんだって」

 

『それ以前にここじゃ出会いがないんだよ!空母での艦隊勤務や航空基地に籠りっきりで街にも行けねぇ!こちとら女に飢えたんだよ!』

 

『ここじゃ平手打ちどころじゃすまねーかも』

 

『うるさい久里浜!これが唯一のチャンスなんだよ。健さんに出来て俺に出来ない筈がない!そうでなきゃこっちで手に入れたマジックアイテムでも使ったんだぁっ』

 

「こっちはむしろ使われた方だって、だいたい交際禁止だろうが」

 

『何を今更、頼みますよ』

 

「言っとくがなぁ、彼女らは歴戦の猛者だぞ」

 

『大いに結構!気の強い女はむしろ好みだ。あ、そういや言い忘れてたが俺のゼロ戦な燃料がそろそろやばいんだ』

 

と神子田の突然の爆弾発言に、健軍大佐らは驚愕した。

 

『俺は!健さんが女紹介してくれるって言うまで!ここを飛び続ける!』

 

「あんたバカかっ」

 

『ほらほら墜落しちゃうぞ〜、落ちたら健さんのせいだぞ〜』

 

「ぐぬぬ・・・・わかったわかった掛け合ってやるが後は知らん」

 

『やったっ、ありがとう健さん!話がわかる!詳しい話はまた後だな!』

 

あまりにも子供みたいに駄々を捏ねた上、自分の命を人質にして脅しをかけて来たので健軍大佐は、呆れながら話を付けるぐらいはすると言うと神子田中佐は歓喜の声を上げながら飛び去っていた。

 

「悪魔め・・・・全機着陸せよ。負傷者の収容と状況を確認する」

 

そんな飛び去って行くゼロ戦を見ながら健軍大佐は、呆れながらヘリを着陸させて先の戦闘で墜落したヘリの搭乗員の救助へと向かう。

 

「負傷者の収容と後送機材の整備と再編で半日はかかります」

 

「わかった、負傷者の後送を急いでくれ」

 

すると、部下の一人が慌ててきて健軍大佐に旧帝国軍がイタリカに向かっていると伝える。

 

「けっ、健軍大佐!イ、イタリカより入電!敵ゾルザル軍イタリカ北東に出現イタリカ近郊まで前進っ」

 

「・・・・やはり来たか」

 

「『料理人』から事前に報告はなかったのか!?」

 

「連絡できる状況ではなかったのだろう。アッピア街道より北は偵察が手薄だ、その隙にデュマ山脈を越えたか。正統政府軍の対応は?籠城か?合戦か?」

 

「は、はいっ。イタリカ城外で応戦するとっ」

 

「さすがピニャ殿下」

 

そう言って健軍はニヤリと笑みを浮かべながそう言うと、戦闘で怪我して手当てを終えたデュラン国王がやって来た。

 

「ケングン殿、皆降りて如何した!?レッキ攻略にゆかぬのか?」

 

「ゾルザルがイタリカを襲撃しているとのこと、我々はイタリカに急行します。陛下も如何ですか?」

 

「無論だ、バカ皇子に鉄拳を喰らわせてやるわい」

 

とデュランは、笑顔でゾルザルと戦う姿勢を見せそう言う。

 

「あ、あの連隊長、アルヌスから入電が」

 

「なに?それを早く言わんか!」

 

「せ、戦闘中に一気に入って来たので・・・」

 

「アルヌスからは何を言って来た」

 

「状況『韋駄天』が発令されました」

 

すると、健軍大佐の表情が険しくなり拳を強く握り締めていた。

 

「間違いないか?」

 

「ま、間違いありません。イタリカからも「韋駄天』が中継されて来ました」

 

「・・・・わかった。・・・・指揮官機より全機。状況「韋駄天』が発令された。我々第四戦闘航空団はこれよりアルヌスに帰還する」

 

「まじかよ」

 

「ここで終わり?」

 

健軍大佐は、韋駄天が発令されたとして他の部隊と同様アルヌスへと帰還すると指示するとそれに異議を唱える者が現れた。倉田伍長だった。

 

「待ってください、連隊長!まだ『脱兎』は発令されていません」

 

「『韋駄天』の意味は知っているな倉田伍長」

 

「わかっています。ですが、イタリカでゾルザルを攻撃する時間はまだあるんじゃないんですか?」

 

「『脱兎』が発令されたら特地は沈む船と同じ、船底でウロウロしている暇はないんだ」

 

「イタリカで俺たちを信じて戦おうとしている人達はどうなるんです?俺や連隊長を信じて・・・・男としてやらなきゃいけない時があるでしょう!?ここで逃げたら男が廃ります!!」

 

イタリカには、健軍と最近恋仲になったヴィフィータや倉田といい感じのペルシアがおり、ゾルザルら旧帝国軍と戦おうとしているのに自分達はおめおめと引き返す事にはらわたが煮えくりかえる思いだった。

 

「確かに、お前の言う通りだ。だが、部下達にだって帰りを待つ家族がいる俺やお前の事情に皆を巻き込むわけにはいかん。俺はこの部隊の連隊長として部下の生命を預かっている!全員搭乗しろ」

 

「・・・・わかりました。じゃあ、俺だけでも行きます」

 

倉田は、自分一人でも行くと言い出したが周りが倉田を押さえつける。

 

「バカ野郎、歩いて何日かかると思ってんだ!」

 

「一人で行ってなんになる!」

 

「残留希望出してんだいいじゃないか!」

 

「H-21に放り込んでおけ目を離すな」

 

暴れる倉田は、そのままH-21に押さえつけられる形で乗り込む事になった。

 

「デュラン陛下にはなんと説明します?」

 

「アルヌスで再編すると伝えてくれ」

 

健軍大佐は、デュラン国王にはアルヌスに帰還すると正直に言わずアルヌスで再編すると誤魔化す事にした。

 

一方、その頃イタリカカンネーデでは、ここでは旧帝国軍のゾルザルの主力が陣を構えていた。

 

「なぜ陛下は動かない?」

 

しかし、当の総大将であるゾルザルは一向に動こうとはしない。まるで、何かを待っているかのように笑みを浮かべながら遠くを見つめていた。

帝国の国歌を描こうと思うんですがどれを参考にしたらいいですかね?

  • 『廃墟からの復活』
  • 『皇帝陛下万歳』
  • 『神よ、皇帝フランツを守り給え』
  • どれでも良い
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