GATE 大日本帝国 彼の地にて、斯く戦えり 作:人斬り抜刀斎
新政府軍と旧帝国軍とのイタリカ近郊での戦闘は苛烈を極めていた。お互い剣と槍、盾などの接近戦で一進一退の攻防を繰り広げていた。
「大隊二百歩後退、前列百人隊密集陣形!中列まで後退」
すると、旧帝国軍側から後退命令が出て二百歩後退を始める。
「奴ら退くぞ!」
「歯ごたえのない連中だわい」
「追え追え!」
「バカモン、追うでない!隊列に留まれ!」
撤退して行く旧帝国軍の様子を見て気を良くしたドワーフが追撃を仕掛けようとするもメイソンが追撃をしようとする部下を制止すると左翼面からケンタウロスの部隊が弓矢を放ちながら突撃を仕掛けて来た。
「ケンタウロス!!」
「まずい!下がれ下がれっ」
ドワーフがケンタウロスから襲撃を受けているのを見たワーウルフの指揮官ヴァルカッツは
「いかん!ヴォルカッツ隊出るぞ!他の隊も続け!敵騎兵どもに当たるっ、続け!!戦友ども!!」
ヴァルカッツの号令の下ワーウルフがケンタウロスの群れに向かって突撃する。
「相手にするな!命令に従え!」
「犬狩りだ!」
「くそっ、戻れ!」
ワーウルフの群れを見たケンタウロスは、指揮官の命令も聞かずワーウルフに攻撃目標を切り替える。
「メイソン隊下がれ!!ケンタウロスども!相手してやるぞ!」
そう言うと同時に、ヴァルカッツがケンタウロスを横一文字に切り裂いたのを皮切りにワーウルフとケンタウロスの交戦が始まる。
「メイソン隊戦列に復帰します。ヴォルカッツ隊と補助騎兵が敵騎兵と交戦開始」
「うむ」
グレイから戦況の様子を言われピニャが頷く、
「うまい!左翼の騎兵を釣り上げましたわ」
「あっちも動き出したぜ。回り込むつもりだ、俺が行こうか?大した数じゃねぇ」
双眼鏡でヴィフィータが右翼面から敵が回り込もうとしているのを確認し、自分が出ようかと言うが
「いや、赤薔薇隊に当たらせる。各隊に伝えよ、隊列を保て!戦気に当てられ功を焦ってはならん!」
ピニャは、ヴィフィータの白薔薇隊ではなく、赤薔薇隊を当たると言う。
「やはりケンタウロスはあてにならんな」
「これからが本番です。カラスタ、ミュドラ、各軍団は作戦通りに」
「承知」
「おう」
一方のゾルザル側では、ケンタウロス側が不利なのを見てゾルザルがそう言い側にいたヘルムが同じ三将軍のカラスタ、ミュドラの二人にそう伝達する。
「殿下、先程の威力偵察でご覧になったように所詮敵は烏合の衆です。我が軍団兵にかかれば敵軍を蹴散らすのも容易でしょう」
「うむ、迅速な勝利を期待しておるぞ。ヘルム」
「はっ、全軍団前へ!」
ゾルザルがそう言いヘルムは期待に応えるべく、ヘルムが掛けた号令と共に軍団が前進を開始する。しかし、その陣形は異様な物だった本来であれば楔形の陣形を逆楔の隊形で前進速度も遅く牛歩の様にゆっくりと進む。
「なんだ?あの陣形」
「逆楔?前進もやけに遅いですな」
「ドッツエル!弓兵の射撃を始めさせよ」
「放て!」
ピニャ達は、旧帝国軍の戦法に不気味に感じつつも弓兵に攻撃を指示する。そして旧帝国軍に向けて弓矢や礫を放つ
「やつらもう射ってきたぞ」
「無駄矢を…スコルピオじゃあるまいし」
新政府軍から矢が放たれるが通常ならまだ矢の射程圏外であり、届くはずがないと思う旧帝国軍兵士は無駄矢だとバカにした次の瞬間には旧帝国軍の頭上に雨の様に降り注ぐ
「届くのかよっ」
「亀甲隊形、亀甲隊形!」
「ひるむな、隊形を保ち前進を続けよ。ゆっくりな」
届くとは思わず完全に油断していた兵士達は、盾を上に向けて亀甲隊形にする。
「放て!」
旧帝国軍も負けじとオナガー (投石機)で応戦しようとする。しかし、その上空では翼人による弓矢の攻撃に晒された。
「上だ!翼人!射て!射て!」
負けじと旧帝国軍もクロスボウで応戦し、翼人の何人かを撃ち落とす。
「やけにトロトロ近づいて来やがる」
「突撃命令はまだか!?」
「ああくそ、こっちは奴らの首狩りたくてたまんないのに」
待機命令が出ている新政府軍の亜人族の中には、好戦的故に早く戦いたい衝動に駆られている者も少なくない。
「殿下、頃合いかと」
「うむ、弓兵を下げよ。コルドール隊、プトレマキス隊敵両翼へ攻撃開始。他部隊は百歩前へ。突撃の合図を待て」
グレイからそう言われたピニャは、弓兵を下げさせワータイガーと六肢族に攻撃命令を出す一方で、他の部隊は待機と命令する。
「ゆくぞ!野郎ども!!」
「前進!」
ワータイガーと六肢族に突撃命令が出されて、二つの種族は雄叫びを上げて敵軍に向かって突進しって行ったが、しかしここで。思わぬアクシデントが起き始めた。
「なんで、あいつらだけなんだよ。みんな狩りの時間だよ!」
「儂等もゆくぞ!百歩でとまれるかっ」
「ドワーフどもに続けぇ」
「進め!遅れをとるな!」
痺れを切らしたヴォーリアバニー、ドワーフなど他の種族達が突撃命令が出ていないにも関わらず、指揮官の制止命令も聞かずに旧帝国軍に向かって突進したのだ。
「待て!まだ合図は出てない!」
「人の言うことを聞け、お前らぁっ」
「百歩までだ!百歩で止まれ!」
「喇叭手、進撃停止の合図を出せ!中央の突撃を止めよ!」
命令を待たずに動き出した亜人達を見てピニャは、直ぐに止める様指示を出すが、喇叭を鳴らしても亜人達は止まる事なく血に飢えた獣の如く旧帝国軍へと突っ込み乱戦状態になる。
「ピニャ殿下、あなたは定石通り手勢を動かそうとしているのでしょうが重要な事を見落としている。そちらの兵は亜人だ。亜人は、戦いの中で我を忘れる」
とヘルムは、兵の大多数が亜人族で構成されている新政府軍側の弱点を指摘した。亜人は好戦的で結束力が弱くそれ故に統率が取れず隊列が乱れてしまう。
「前列百人隊五十歩後退!」
旧帝国軍から笛が鳴り百人隊が後退を始める。
「逃げるなよ!」
「腰抜けぇっ」
ヴォーリアバニー達は追撃を開始しようとしたら、旧帝国軍は亀甲隊形を取り盾の間からクロスボウが顔を覗かせヴォーリアバニーに狙いを定めて射る。
「身体能力が高かろうと戦いの中で我を忘れてしまえば所詮兵士ではない・・・・・・・・・・・ただの狂戦士だ」
「第3、第4大隊を左に展開。間口を開けて敵を誘い込め」
「指揮官を狙え、頭を失えば指揮系統を失いまとまった動きは出来ない」
その指示のもと、旧帝国軍の兵士達は各亜人部隊の指揮官を集中的に狙って来る。
「プトレマキス様、バニール様、メイソン様討ち死に!ヘルマイン様、コルドール様戦死!我が方半包囲されています!!敵両翼が更に包囲の動きを」
「・・・・・・くそっ」
次々と各亜人部隊の指揮官が戦死の報告を受けてピニャは悪態をつく。
「ヴィフィータ!」
「おうっ、ヴァルカッツのおっさんにも伝令を出してくれ!白薔薇隊出番だ!敵の右翼を攻撃する!白薔薇隊前へ!!俺に続け!!」
そうしてボーゼスに言われ、ヴィフィータの白薔薇騎士団が遂に動き出す。ヴィフィータ達は、ランスを構えて敵陣へと突撃を開始した。
「敵騎兵!!槍構えーっ」
旧帝国軍も盾や槍を構えて迎え撃つ態勢をとる。騎馬隊の勢いでの突撃により敵陣へと深く入り込んで行く。
「ずらかるぞ!」
散々暴れた後ヴィフィータ達白薔薇隊は後退して行く。
「大隊長殿戦死!隊列を組み直し・・・うっ」
「コルドール隊下がれーっ、ここは任せろっ」
この勢いにより、亜人部隊は勢いを取り戻し徐々に攻勢に出始め旧帝国軍が押される様になって行く、その様子を見ていたヘルムは悪態をつく。
「くそっ、敵がヒトなら主力を包囲出来ていた。全隊一時後退、再編にかかる」
「どうしたヘルム、手を焼いているようだが?」
「守りに徹したピニャ殿下がここまで粘り強く・・・・・・亜人どもを使いこなせるとは思いもよらず」
「無理もない…何しろ、俺の妹だからな」
新政府軍の予想以上の抵抗にヘルムは自身の胸に手を添えてゾルザルに頭を下げる。一方のゾルザルは自分の妹だからと当然の様に言う。
「あいにく日暮れ城攻めも控え、これ以上兵を失う訳にはいきません。払曉をもって一気に本陣を攻めましょう」
「その前にボウロの一味が皇帝を連れてくれば面倒もなくなるんだがな。腹が減ったから飯にするか」
とヘルムはこれ以上長期戦になればイタリカ攻略の兵士が足りなくってしまうため一気に決着をつけようと進言する。ゾルザルもそれで、モルトを連れ去るのが難しくなると思いつつもゾルザルは天幕へと入って食事をとる事にした。
一方、イタリカ近郊でのイタリカ街道ではイタリカの日本軍が撤退の準備をしており街道では日本軍の軍用車が行き交っていた。
「戦況は一体どうなってる?」
「ここからじゃよく見えない。どっちの方が優勢なんだ?」
遠く離れた所からでもイタリカの衛兵達に戦場の音が届いている。そんな戦場からその森の中で
「揃ったか?」
「ハッ、別働隊も始まる頃合いです」
「では、始めましょう」
何人もの鎧やローブを身に纏った男たちが何かを始めようとしていた。果たして彼等は何者なのか?そして、何を始めようとしているのか?
帝国の国歌を描こうと思うんですがどれを参考にしたらいいですかね?
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『廃墟からの復活』
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『皇帝陛下万歳』
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『神よ、皇帝フランツを守り給え』
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どれでも良い