GATE 大日本帝国 彼の地にて、斯く戦えり   作:人斬り抜刀斎

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出奔

建物の中から聞こえてくるテューレの喘ぎ声に古田は頬を染めてボルホスに聞こうとした。ボルホスも何とも言えない顔をしていた。

 

「あの・・・・・」

 

「拷問という事になっている」

 

「拷問・・・・・・」

 

「殿下の命令という事だが、首席百人隊長の自分がなぜ殿下の下男の監視まで・・・・・・」

 

と愚痴をこぼしながらテューレの拷問が行われている部屋に入ったボルホスは中の状況を見て目を見開いた。そこに居たのは、性欲の強いヴォーリアバニーのテューレとの行為の末にやつれて動かなくなっているボウロの部下らのそばで喘ぎ声をあげながら行為に及んでいるテューレの姿だった。

 

「次は、だぁれ?」

 

「もう・・・・・勘弁・・・・・して・・・・・」

 

「何よ、もう終わりぃ?」

 

「限界・・・・・」

 

「情けない。フフッ、こっちはそうは言ってないわよ」

 

「やめ、やめてくれっ」

 

「さぁ、言いなさい。ボウロは何を企んでいるの?」

 

「しっ、知らん。俺はただの下働きだ」

 

「嘘仰い、ボウロの取り巻きのあなた達が知らないわけがない」

 

テューレは、ボウロの部下にボウロが何を企んでいるのか尋問させる。

 

「いっ言うっ、言うから動かないでくれっ。ボ、ボウロは・・・・・皇帝の血筋にハリョを・・・・・入れようとしていた。ハリョの娘がゾルザルの子を産めばヒトの世継ぎを絶てば・・・・・帝国の皇統はハリョのものになる。そう言って悪所通いをするゾルザルに女どもをけしかけ・・・・・」

 

「けれど殿下が選んだのはわたくし、だからボウロはわたくしに近づいて・・・・」

 

「そうだ。計算違いだったのさ・・・・・あんたはハリョの女の代わりに・・・・・ボウロにうまく利用され・・・・・あっううっくっ」

 

下男はそう言うと、テューレの行為で限界に来てしまいそのまま口から泡を吹いて動かなくなった。

 

「あらやだ、もう終わり?ゾルザルよりはマシだったわ

 

テューレが振り向き扉の方を見るとそこに、入り口に立ち尽くしているボルホスが目に入った。

 

「あら、ボルホス主席百人隊長殿ではありませんこと?今度の拷問のお相手はあなた?」

 

「いや、陣の外でやれと下男共に言いに来たんだがもう必要ないようだ」

 

と次の拷問相手は、ボルホスかと尋ねるが彼自身そんな趣味は持ち合わせておらず只々下男達にそういう事は他でやれと文句を言いに来たが全員が生気を失った状態で言う必要が無かった。

 

「続きはなさらないの?」

 

「戦いの最中に女に手を出す趣味はない」

 

「お固いのね」

 

「座って腕を出せ」

 

「え?」

 

すると、ボルホスは床に手をつかせてテューレの手にはめられている手枷の鎖を斧で切断する。

 

「どこへなりと消えろ」

 

「このまま行っていいの?」

 

「あー、おいお前。何か着せるもの持ってないか?」

 

「は、はい。・・・・・・あ、テューレさんども・・・・」

 

とボルホスに呼ばれて部屋に入って来た古田を見て、唖然とし

 

『いやあああっ』

 

突然胸を手で覆い後ろを向いて縮こまる。

 

「見ちゃいや!だめっ、おねがい!あっち行って!見ないで!おねがいよぉっ」

 

先まで、自分に裸体を見られても平然としていた態度とは打って変わって恥じらいを見せた事にボルホスは驚いた。

 

その頃、イタリカ近郊の新政府軍と旧帝国軍の戦闘は長期に渡って一進一退の攻防が繰り広げられていた。

 

「誰か矢を!矢をくれ!」

 

「おい!しっかりしろ」

 

休む事なく魔法を使い続けてきた事もあり、疲労で倒れるダークエルフが続出して行く、矢除けの精霊魔法が弱まった事で旧帝国軍の矢が次々と彼らに降り注ぎ負傷させていく。

 

「矢除けの風が弱まわってきた。衛士を交替させろ」

 

「殿下」

 

「うむ」

 

ピニャは、疲弊したダークエルフの部隊を下がらせる決断をする。

 

「ピニャ軍の射撃が弱まったぞ。前線を押し上げる。全隊前へ!」

 

「スコルピオ、オナガー前進!」

 

新政府軍の弓矢攻撃が弱まったのを見た旧帝国軍はこのチャンスを流さないとばかりに前進を開始する。

 

「ドッツエル隊を下がらせろ。薔薇騎士団、歩兵隊前へ!!」

 

とピニャは、ダークエルフの部隊を後退させて盾を構えた歩兵部隊が前に出される。

 

「騎士団の歩兵隊だ!」

 

「相手は退役兵も同然!数でもこちらが勝っている、ひるむな!」

 

旧帝国軍が新政府軍に迫ろうとした時、突如旧帝国軍の頭上が明るく照らされて旧帝国軍の姿が明らかになった。

 

「光魔法だ!眩しい」

 

「速歩!暗がりに進めっ」

 

旧帝国軍は、暗闇に逃げ込もうとしていたが暗がりから光魔法で姿が丸見えな旧帝国軍に向かってヴィフィータら薔薇騎士団が突入を仕掛ける。

 

そして、旧帝国軍陣営では、

 

「敵騎兵の夜襲により第Ⅱ軍団第三大隊後退、弓兵隊に損害多数!オナガー1基、スコルピオ2基破壊されました」

 

続々と報告される戦況の被害、そしていつまも続く膠着状態にゾルザルは苛立ちを見せる。

 

「ええいっ!またか、何度目だ!勝っているのは我が軍だろう!夜明けまで待っておられるか!全軍で夜通し攻め続けろ!!」

 

「しかし殿下、亜人どもは夜目が利きます。精霊魔法で幻惑してくるとの報告が・・・」

 

「暗いと言うなら、油を撒いて火をつけろ!下手に作戦などいらなかったのだ。数で押し潰せ!」

 

そして、ゾルザルの命令のもと旧帝国軍は草原に油を撒き火を放った。それによってあたりが炎の光で照らされて行く。

 

「伝令!敵の増援だ!全線にわたって寄せてくるぞ!!」

 

森で待機している旧帝国軍兵士らは、百人隊長に叩き起こされる。

 

「百人隊呼集ー!起きろ役立たずども!!」

 

「なんだ?」

 

「攻撃再開だと!」

 

「こんな時間から?」

 

兵士達は、こんな夜間に突然起こされて突撃命令が出され、何がどうなっているか分からない中戦闘準備をすると、突然暗闇の中からワーウルフ達が奇襲を仕掛けて来たのだ。

 

「なんだ!?」

 

「敵襲ー!!」

 

突然の奇襲攻撃に、旧帝国軍兵士達は応戦する間も無く次々と討ち取られて行く。

 

「夜襲隊が敵陣営に突入しました」

 

「軍団丸ごと寄せてくるぜ!こっちも総出で迎え撃たないとやばい!ボーゼス、黄薔薇借りるぜ!」

 

「ちょっと待ちなさい、ヴィフィータ!」

 

「いくぜ!」

 

この状況を見たヴィフィータはそう言って、ボーゼスの静止を聞かずに馬を走らせて行った。

 

「もう!従兵!馬をーー」

 

「ボーゼス!お前は残れ!」

 

「しかし殿下」

 

「そなた自身の身のことも考えろ」

 

ヴィフィータを追おうとしていたボーゼスをピニャが止める。

 

「矢の尽きた弓兵を歩兵隊に回せ、再編成った隊も前線に出すのだ!ハミルトン、アルクサとマレにやった伝令はまだ戻らぬか?」

 

「は、はい。ハーピーを向かわせたのでもう連絡はついているはずですが」

 

ハミルトンからそう聞いたピニャは、何も言わず真っ直ぐ矢や魔法が飛び交う戦場を見つめていた。

 

一方、その頃古田がゾルザルの専属の料理人だと知ってボルホスは驚いていた。それは、そうだ。料理人がなぜ補助兵の服を着ているのか疑問に思う。

 

「ゾルザル殿下の料理人だと!?この女を知っていたのか!?それがなんで補助兵に紛れている!?」

 

「え。ええ、まぁ、炊事場で働いていたのですがーー」

 

「皆まで言うな…俺でも見たらわかる。この女がお前の事をどう思ってるかくらい」

 

「え?そうなんですか?」

 

とボルホスはテューレが古田に惚れていることに気付き、そう言うが古田は全く気付いていない様子だった。ボルホスからそう言われたテューレは、頬を染めていた。

 

「この朴念仁が」

 

「ボルホス隊長!陣営後方に敵獣人の夜襲が!」

 

「わかった。補助兵輜重、炊事兵なんでもいい手の空いている兵で叩き出せ!」

 

「お前、その女を連れ出しに抜け出したのだろう。なら今の内に二人で消えろ」

 

「それでは隊長さんが・・・・・」

 

「員数外の補助兵の人数なぞ誰も把握しておらん。俺はボウロの手下の場違いな拷問を咎めに来ただけだ。さっさと行け、捕まるなよ」

 

古田は、自分らを逃したらボルホスが咎められると言おうとしたが、ボルホスは誰も兵員の数を把握していないから一人や二人いなくなったって誰も気付かないとそう言ってボルホスは去っていく。二人を密かに逃す、これは彼なりの優しさなのだろう。その後、古田はテューレの手を握って森の中を颯爽と走って行く。古田に連れられた時のテューレの顔は、何処か救われたような幸せそうな微笑みを浮かべていた。

帝国の国歌を描こうと思うんですがどれを参考にしたらいいですかね?

  • 『廃墟からの復活』
  • 『皇帝陛下万歳』
  • 『神よ、皇帝フランツを守り給え』
  • どれでも良い
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