GATE 大日本帝国 彼の地にて、斯く戦えり   作:人斬り抜刀斎

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ソ連の要求

イタリカで新政府軍と旧帝国軍が激闘を極めている頃、大日本帝国の首都東京銀座では暴徒を警官隊が鎮圧に掛かっている。そんな、暴動の中で栗林の妹栗林菜々美達報道陣もこの暴動に居合わせていた。菜々美は、公衆電話を使い報道局へと電話をしていた。

 

「生中継出来ないって、どういう事ですか!?テロですよ!暴動ですよ!?テレビでやらない理由ってなんです!?」

 

『報道局長のお達しなの、栗林ちゃん。それに、通信も十時半頃から障害が出て』

 

「は!?二時間経って復旧してないの!?」

 

と菜々美は銀座での暴動と言う大ニュースを報道出来ないと言われ苛立っていた。

 

「そっちがその気ならこっちも好きにやらせてもらう。砂川ちゃん、どうにかすり抜けて『門』まで行こう」

 

「撮るものは任せてもらうよ。菜々美ちゃんに任せたら偏っちゃう」

 

「・・・・・わかったわよっ」

 

一方、その頃首相官邸では首相の東條英機をはじめ各大臣達が集められており

 

「『門』の閉鎖を取り止めた上で特地の北半分の社会主義国家の建国と特地でのソ連軍の駐留を認めろだぁ!?」

 

「それが、ソ連大使からこの暴動の平和的解決に向けての『個人提案』だ」

 

とソ連大使から暴動を鎮める代わりに共産主義国家のと赤軍の駐留を認めろと日本国政府に対してあからさまな脅迫を仕掛けて来た。

 

「そちらから武装工作員によるテロ攻撃を行っておきながら、聞く耳持ってはダメですよ総理、早急に駐屯地の奪還を」

 

「性急な行動は控えよ、杉山。暴徒三千人の殆どは民間人だ。それに、我々は特地派遣軍七万人を人質に取られているんだ。『門』が破壊され、彼らが特地に取り残されでもしたら世論になんて言われるか・・・・確実に選挙は負け、我々軍部への支持の低下」

 

「今は選挙の事などどうでもいい、その『門』が壊されるってとこだが俺は破壊されても構わんと思ってる」

 

と東條が次の選挙と民衆の軍部への支持低下を心配する中で、東郷はそんな事はどうでもいいし、門も破壊されても構わないと言い出す。

 

「連中の要求は空振り、占拠理由も無くなるぜ」

 

「ぼ、暴論だぞ。東郷!」

 

「当初から特地残留部隊は計画に入っていただろ、予定より人数は多くなるがそれも永久って訳じゃない。こっちにはレレイ嬢がいる」

 

「・・・・・・そう、その事に関してルーズベルト大統領と電話会談中に話題が及んだ」

 

東條はアメリカとのホットラインでルーズベルト大統領から

 

『我が国アメリカとしては、同盟国としてソ連に対するのは今後も変わらない。だが経済面ではゲートは国連の管理下に置くべきだ。異世界へ道を開く技術を持つ者が人智を超える存在だとしても我々が関与出来ない事が許せない。君達が独占している事が我慢出来ないのだ。ミスタートウジョ』

 

とアメリカは、日本の同盟国として仮想敵国であるソ連と対峙する姿勢はこれからも変わらないが日本だけがそれを独占している事が許せないと言うのだ。

 

「大統領は暴徒への直接的な関与は否定していた。あの反応からするとソ連政府による抜け駆けかも知れない」

 

「まさか、レレイさんの事を大統領に!」

 

「伝えていない、しかし・・・・・ソ連大使にある物を見せられた」

 

「あるもの?」

 

そう言って東條は一枚の白黒写真を取り出して皆に見せる。

 

「レレイの杖だ」

 

「杖は本物だったんですか!?」

 

「あの木目は間違いない、覚えている。中々に上等な木だったと」

 

レレイの杖の写真を見て、皆目を見開いた。

 

「・・・・・おかしいじゃねぇか。じゃあ、なんでさっさと『門』を壊さねぇんだよ。レレイ嬢がいるならもう必要ないだろ?嬢ちゃんが協力するかは置いといて」

 

「そうですよ、第一どうやって特地から拉致してきたんですか?」

 

「連中はまだ、レレイ嬢を手にした訳じゃないと見るべきだ」

 

「私はそうは思わん、レレイはソ連側に拘束されていると思う」

 

「では、何故杖の写真なんですか?」

 

「そ、それは・・・・・我々を焦らすためとか・・・・拘束していると思わせる為では?」

 

「もしくは、杖しか手に入らなかった。だから駐屯地を占領し、特地に直接手を突っ込もうとしている?」

 

「時間稼ぎか?」

 

などと、大臣たちはレレイを手に入れたのに何故門を破壊しないのか、何故ソ連大使がなぜレレイの杖の写真だけを送って来たのか様々な考察をする。

 

「ともかく派遣軍と連絡をつけるのが最優先です。回線を切られたそうですが、無線でもダメですか?」

 

「『門』を囲むドームは電波遮断構造で銀座一帯の電波状況の悪化もあって、連絡回復に努めておりますが現在も繋がらない状況です」

 

「電波妨害か?」

 

「それは、今確認中です」

 

「使いを送り込めないか?」

 

「今の状況では厳しいかと」

 

特地にいる派遣軍との連絡が出来ない中、閣僚の一人が慌てて会議室の中に入って来た。

 

「失礼します!大規模な爆破テロです!各主要な鉄道の線路・発電施設が爆破を受けました!被害を受けた鉄道が運転を見合わせます。更にソ連政府が日本向けての鉄・石油輸出全面禁止と在ソ日本資産の凍結及び日ソ中立条約の一方的破棄を発表しました!」

 

「千島列島でソ連海軍の艦船が領海を侵犯し、警戒活動中の第一水雷戦隊の警告を無視し航行を続け、更に第一水雷戦隊の進路を遮る様に航行し挑発行動に出ました」

 

「総理、日本海の公海上をソ連本土に向かっていた極東のウラジオストク艦隊針路変更!千島列島・樺太に接近しています」

 

「関東軍からソ連陸軍約10個軍が満州国境地帯と沿海州、カムチャッカ半島に集結しつつありとの報告が!!」

 

「ウラジオストク発の貨客船がソ連軍に拿捕されました!!」

 

「なっ、な・・・・・そ、そこまでくるか・・・・・奴等第三次世界大戦でも始める気か!?」

 

と次から次へと飛び込んでくる凶報。ソ連による中立条約の破棄、ソ連海軍太平洋艦隊が樺太・千島列島に接近していると言うのだ。更に太平洋艦隊には就役したばかりのソビエツキー・サユーズ級戦艦の二番艦戦艦ソビエツカヤ・ウクライナが旗艦を努め、そして満蒙国境やロシア沿海州には、第一極東戦線、第二極東戦線、ザバイカル戦線約150万人以上のソ連軍が集結してきていると言うのだ。ただでさえ特地での旧帝国軍との戦闘に手を焼いているのにソ連との二正面戦争なんて冗談じゃない。

 

「・・・・・・もう手に負えん、ソ連への対処をアメリカに頼み。『門』を国連に安全保障会議に預けるか」

 

相次ぐ悪い知られさに東條は頭を抱え胃に穴が開きそうだった。そして、もう自分じゃどうにも出来ないと判断し「門」の管理を国際連合安全保障理事会に託し、自分が責任を負わずに済むようにしようとする東條英機。

 

「いけません!短慮はおやめ下さい総理!国益を放棄するおつもりですか!?自国の安全保障までも!?」

 

「総理!帝国からの賠償金も諦めるのですか?」

 

「それも含めて今決めた、日本のためだ。最低限の国益は確保出来るさ、何より我々は責任から解放される」

 

「東條さん、あなたそれでも・・・・」

 

「杉山陸軍大臣、内閣首班としての私の判断に反対を続けるなら君を解任しなければならない」

 

杉山元陸軍大臣にこれ以上反対を表明するなら東條の意向で大臣の職を解任すると言い、外務大臣の東郷茂徳が待ったを掛ける。

 

「東條さん、ちょっと待ってくれ。それは最終手段として、外務省の方でもなんとかならんか試してみる。だから・・・・・」

 

「・・・・・・・わかった。明日まで待とう。なんとかならなければ今申し上げた方針で進める。いいかね?閣議決定としてだ、いいな杉山」

 

こうしてなんとかこの事案は、明日まで持ち越す事になり会議はお開きとなり各大臣は各省庁へと戻ろうと車に乗り込んで行く。そんな中、杉山陸軍大臣が乗る車に外務大臣の東郷茂徳が乗り込み発進する。

 

「いやぁ参ったな、東條があそこまで腑抜けになってしまったとは」

 

「東郷さん、外務省に戻らなくていいんですか?いきなり乗り込んで来て」

 

「あんたに話があるんだ・・・・・・ソ連は戦争を仕掛けて来ると思うか?」

 

「テロ攻撃をしておいてですか?大使は関与を否定しているが、ある意味ではもう戦争は始まっている」

 

そう聞いてくる東郷に杉山は、あるソ連の戦略を話す。

 

「超次元戦?」

 

「ソ連赤軍で新たに研究されていると噂されている戦略です。軍事を含め社会のあらゆる分野に向けて様々な攻撃を仕掛ける。まさに今の状況の様に」

 

「なるほどなぁ・・・・・・・東條にはわかんねぇだろうなぁ」

 

「東郷さんはレレイがまだ特地にいると?」

 

「あぁ、俺の中の魂がそう呟くんだ。杉山さん、あんたは特地派遣軍に訓令を書いてくれ、国益確保の為と考えられるあらゆる処置を許可するとな」

 

「その後はどうするんです?」

 

レレイはソ連に捕まっておらず、まだ特地の中にいると確信して杉山に訓令を書いてくれと言う東郷に杉山はその後どうするのかと聞くと東郷は責任を果たすと言う。

 

「俺たちは俺たちの負うべき責任を果たそうじゃねぇか」

 

「訓令をどうやって『門』の向こうに?・・・・・・あ、まさか」

 

「こんな事もあろうかとって訳じゃないが、一人とっときの暇人が手の内にいるじゃねぇか。使わない手はないだろ?」

 

杉山がどうやって訓令を特地に送るか聞こうとするとある人物が頭によぎる、東郷も同じ事を考えていたようだ。

 

その頃、軍病院では基本教練でくたくたの伊丹が病室のベッドにダイブして筋肉痛を訴えていた。

 

「う〜、足いてー」

 

「あの程度で筋肉痛ですか?」

 

「筋トレってのは合間も大事なのよ?黒川くん」

 

「運動させてないのですから関係ないんじゃないですか?」

 

「え、最近追加されたハイパート走、実銃どっから出てきたの?」

 

「憲兵隊が喜んで貸してくれました」

 

病院で持ち込むことが出来ない筈の実銃をどこから持って来たのか黒川に聞くと憲兵が伊丹の運動の為に使うと言ったら簡単に貸してくれたのだとか。それを聞いて伊丹が警備の憲兵を見ると当の憲兵は知らん顔をしていた。

 

「あ、栗林から連絡きた?テュカの付き添いで富田と来るんでしょ?」

 

「いいえ、来てませんよ。昼から電話自体繋がりにくくなっていたようですが」

 

「やっぱりそう?」

 

「ところで何用意してんの?」

 

「隊長が筋肉痛酷いって言うので、ここで研究されていたどんなに激しい運動でも剥がれない超強力湿布薬の試作品の提供してもらってきました。凄い粘着力だそうですが薬効が短時間しかなくて頻繁な貼り替えが必要だそうです。足を出して下さい隊長、貼ってあげますから」

 

そう言って黒い笑みを浮かべた黒川が湿布を取り出し、自身の足を掴んで来て伊丹は嫌な予感がし、震え出す。

 

「え、いや氷袋でいいんだけど・・・・・じ、自分で貼るから!いやー!!クロ、お前人格変わってない!?過激化してるぞ!?」

 

「それは、隊長のせいです。あと久しぶりの元職で気分が上がっているのかも」

 

「お、親御さんがこれを見たら悲しむぞ」

 

「母は既に他界しております。父は今頃、防秘の海底で獲物のケツを追いかけまわしているはずです」

 

「え!?海軍さん!?」

 

伊丹は、黒川の父親が海軍の軍人だと聞いて驚いた。

 

「いずれ、特地の未開の海中で米独の潜水艦がおもちゃに見える怪物と水中ダンスを踊るはずです。無駄話は終わりです、さっさと貼らせて下さい。そして剥がします」

 

「憲兵さん助けてーっ」

 

尚も黒川は足掻こうと憲兵に助けを求める伊丹に湿布を貼ろうと伊丹のズボンを強引に脱がそうとしていると伊丹の病室に面会者が訪れる。

 

「ヤッホー、来たよー」

 

と満面の笑みを浮かべたテュカが病室に入ってくる。テュカに続いてボロボロ姿の富田と特高の駒門そして、二人とは対照的に無事な栗林が病室に入ると、黒川が伊丹のズボンを脱がす光景を見て

 

「クロずるーい!ヨウジとだけいいことしてーっ、私も交ぜてよぉ」

 

「テュカさん、何を勘違いしているのか知らないですけどこれは伊丹さんが治療を嫌がっているだけですよ」

 

「いって」

 

テュカの発言に、伊丹と黒川はキョトンとして黒川が弁解しつつ伊丹の足に貼ってある湿布を引っ張り剥がす。

 

「いや〜助かった。危うく足の毛全部抜かれるとこだった。ーーって、テュカどうしたのそれどうしたのそれ」

 

「えへへ、どう?」

 

「うん、すごいかわいい。見違えたよかっこいい」

 

伊丹は綺麗に着飾ったテュカの姿を褒め、褒められたテュカも頬を染めて嬉しそうだった。そして、テュカは伊丹に着替えと自身の手作り弁当の入った風呂敷を手渡す。

 

「そりゃお父・・・・・ヨウジに会うんだもの、はいこれ」

 

「なに?」

 

「着替えとお弁当」

 

「テュカが作ったの?」

 

「そうよ、中身大丈夫かな」

 

「あ、ありがとうテュカ。すげぇうれしい、後で食うよ」

 

「うん!」

 

テュカの手作り弁当を礼を言いながら受け取り、伊丹はボロボロな状態の富田と駒門を見て銀座のデモに巻き込まれたのだと推察した。

 

「・・・・・・んで、銀座のデモに巻き込まれたの?」

 

「デモじゃないスよ、暴動・・・・・いやそれ以上スよ」

 

「富田が道を切り開いてくれなかったらやばかった」

 

「特別警備隊が反撃してからやっと車で抜け出せたんだぜ?」

 

と三人は口々にデモじゃなく暴動だと言い、伊丹はデモじゃなく暴動だと今初めて知ったのだ。

 

「マジ?テレビじゃ今だにデモとしか言ってないよ?鉄道とか不具合が出ているそうだけど」

 

「なんだって!?まずい状況になってそうだな、新谷本庁に戻るぞ。あんたらはここに泊まる方がいい、警備も万全だろうしな」

 

駒門は伊丹の話に驚くと共に徒事ではないと考え直ぐに部下を連れて警視庁に戻ろうとし、富田、栗林、テュカの三人の安全を考慮して軍の施設である軍病院に泊まる事を進める。

 

「え?ここに?ベッド一つしかないよ?」

 

「マットレスあるよね、クロ」

 

「折角ヨウジに会いに来たんだよ。ヨウジ・・・・・・泊まっちゃダメ・・・・・・?」

 

「この前・・・・・ロゥリィのせいでむっちゃ叱られちゃったんだよ。そこの怖いお兄さんが勘違いしちゃってさ」

 

頬を染めて上目遣いで言ってくるテュカに、伊丹は以前ロゥリィにも同じような事をされてロゥリィの見た目も相まって憲兵達から酷い目にあったのでもう懲り懲りなのだ。現に警備にあたっている憲兵が伊丹の事を凄く睨んでいた。

 

「あ、この娘百六十五歳ね」

 

「変なの、前に何日も一緒にベッドで寝たじゃない」

 

「ホ、ホラエルフじゃ、そう言う習慣もあるんだよ。保護してた時期もあったから」

 

テュカの発言に憲兵が更に目を鋭くして睨んできたので、伊丹は必死に弁解する。テュカもロゥリィも外見と実年齢が合っていないから年齢詐欺もいいところだから誤解されても仕方ない。

 

「まぁ、テュカが人間の年齢で十六だとしても」

 

「特地じゃ大人ですが」

 

「兎も角今、銀座に近付くのは危険だ。安全が確保出来るまではここでーー」

 

駒門がそう言って病室を出ようとしていると、黒川が駒門を見下ろしながら笑顔で

 

「何を勝手なことを勝手に決めているんですか?ここは軍病院、警官も軍人も関係ない…ルールはただ一つ軍医に従え」

 

と駒門を威圧していた。これには、駒門もたじろいだ。

 

「うわ、昔のクロみたい」

 

「クロカワ、かっこいい・・・・・」

 

「な・・・・何を言ってるんだ、この看護師さんは」

 

「・・・・・さぁ?」

 

「駒門さん、クロは宿泊の許可を取れって言ってるんですよ」

 

栗林が代わりに通訳して、納得した駒門

 

「な、成る程。院長でいいのか?」

 

「はい、それでよろしいかと」

 

そう言った駒門に黒川は笑顔でそう言った。その後駒門は、黒川に言われた通り院長に許可を得て軍病院で暴動で負った怪我を治療してもらい軍病院に宿泊する事にした。

帝国の国歌を描こうと思うんですがどれを参考にしたらいいですかね?

  • 『廃墟からの復活』
  • 『皇帝陛下万歳』
  • 『神よ、皇帝フランツを守り給え』
  • どれでも良い
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