GATE 大日本帝国 彼の地にて、斯く戦えり   作:人斬り抜刀斎

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救出と拉致

イタリカ近郊の戦場では、帝国正当政府率いる新政府軍とゾルザル率いる旧帝国軍の一進一退の攻防が繰り広げられ、その過程で両軍共に莫大な犠牲を出していた。

 

「ドッツエル隊が後退を求めています!」

 

「メイソン隊、損害大!戦列を維持出来ません」

 

「ヴォルカッツ隊、夜戦隊と合流するも敵騎兵に阻まれ帰陣出来ない模様」

 

次々と上がってくる被害状況に後方で、傷の手当てを受けているヴィフィータは悪態をついていた。

 

「ちきしょーめ!見てられんぜ」

 

「ヴィフィータ様、野卑な殿方みたいです」

 

「すまんすまん、この戦いが終わったら行儀作法もちゃんと習うことにするって」

 

そんな粗暴な態度をとるヴィフィータを団員が注意すると団員に謝りつつマナーを学ぶとどこかフラグを立てるような事を言うと、馬に跨り武器を取る。

 

「よしっ、槍を!」

 

「はいっ」

 

「なんだランスはもうないのか?」

 

「待ちなさい、ヴィフィータ!あなた六度目でしょ!」

 

そんなヴィフィータをボーゼスが静止しようとするが、ヴィフィータはそれを聞かず自ら前線に戻って戦線を立て直すと言うのだ。

 

「何度だろうと戦える限り行くさボーゼス、俺がちっとはマシにしてくるからよ。その間に戦列を立て直せって姫様に伝えてくれ。こっちは頑張ってんのに遅ぇじゃねえかって、俺の男に文句の一つも垂れてやりたいからな」

 

「ヴィフィータ!」

 

「白薔薇!黄薔薇!この期に及んで嫌だっていう奴いないよな!」

 

ヴィフィータがそう言って鼓舞すると白薔薇、黄薔薇所属の騎士達は感激し、士気旺盛になる。

 

「いい面構えだ、いっちょ男共に活を入れに行くとしようぜ!女に惚れられたかったら気張って見せろってな、お前らもいい男が居たら唾つけとけよ!どっちかがおっ死んで手遅れになる前に!恋の花は咲かせてこそなんぼってもんだ、そうだろ!?んじゃ行くぜ!押されている左翼を立て直す!ハッ」

 

ヴィフィータは、そう言って前線へと向かって行った。ボーゼスは、しばらくその場に佇んだ後

 

「馬を!私も参りますわ!」

 

「ボーゼス様、そのお身体では」

 

「私だけが身体を庇って後ろに籠っていたとお腹の子に言えて?それに、私にも文句を言いたい殿方はいるのですから!ハッ、ヴィフィータ待ちなさい!」

 

自身も前線に向かうと言うボーゼスに、団員はボーゼスの体を気遣うが他が前線で戦っているのに自分だけお腹の子を理由に後方にいろなんて生まれてくる子に言い訳が立たないとして拒否し、自身も前線へと向かう。

 

「白薔薇隊、黄薔薇隊左翼の援護に向かいました!」

 

伝令からヴィフィータとボーゼスの騎士団が出陣したと聞いてピニャは、顔を顰めるが直ぐに指揮をとり戦線を立て直しを指示する。

 

「ボーゼスも出陣しただと?あやつらめ・・・・・ドッツエル隊とメイソン隊を下がらせろ。騎士団歩兵隊とエルナン、コルドール隊でその穴を埋めろ。グレイ指揮をっ、伝来!ヴォルカッツに帰陣を急げと伝えろ!」

 

「殿下、赤薔薇隊は?」

 

「待機だ、引き続き敵左翼の騎兵を警戒せよ(・・・・・・そう言えば、伊丹殿は今何をなさっているのだろうか)」

 

と星空を見上げながらピニャは、伊丹に思いを馳せていた。

 

一方、そんな伊丹は帝都夜空をヘリに乗り暴徒が占拠している銀座の『門』へと進んでいた。

 

「富田、お前が仕切ってくれ。こっちの点検も頼む」

 

「分かりました。では、ハーネスを接続して下さい」

 

「テュカ」

 

帝都のネオンの光を見てキラキラと目を輝かせているテュカに伊丹がテュカの名前を呼び、右手で自身の膝を軽く叩くとその意味を理解したテュカは満面の笑みを浮かべて伊丹の膝の上に乗る。

 

「ロゥリィに聞いたわよ。初めて会った時、ヨウジの膝の座り心地が良かったから気に入ったって」

 

「そんな事もあったなぁ、そういや」

 

テュカにそう言われた伊丹は、ロゥリィと初めて出会った時のことを思い出した。

 

「接続良し、栗林膝に乗れ」

 

「おっ、おうっ!」

 

そう言って栗林は富田の膝の上に乗る。

 

「隊長顔引き攣ってますよ」

 

「お前もな、これでも元機械化歩兵や空挺団に所属していたんだぞ。大丈夫に決まってる。あるだろ有能なのを隠して無能を演じてたってやつだ。能ある鷹は爪を隠すって言うだろ」

 

「大石内蔵助にでもなったつもりですか?」

 

(降下長に蹴落とされたことしかないけど)

 

「栗林、富田にしがみつくなよ。ハーネスを握ってろ、耳抜きは出来るよな?」

 

「は、はい」

 

「富田、俺は早めに開傘するから」

 

「了解」

 

「伊丹中尉、都心です」

 

操縦者の河合にそう言われて、伊丹は無心な表情で帝都街を見つめていた。

 

その頃、暴徒に占拠された『門』の前ではゾルゲが拡声器で『門』の前を封鎖している日本軍に対して

 

『我々は日本の独占から特地の解放を望む国際NGOです。日本軍は我々の特地への立ち入りを認めなさい。国際社会は特地の帝国を国家として認めていない。よって日本政府との講和条約は国際的に意味のないものだ。そもそも我々は特地が自国領土であると言う日本政府の主張に賛同出来ない。我々の要求が認められないのであれば、我々には日本の特地独占を防ぐため『門』を破壊する用意がある・・・・・・・なんで粗野な仕事なんだ、俺はもっと知的なんだぞ』

 

「あー、特地は日本政府の管理下にある。政府の許可のない者の立ち入りは認めない。そう言った主張は政府に対して、行っていただきたい。そもそもNGOを語るテロリストと交渉する余地はない。我々が君達を排除しないのは命令を受けていないからである」

 

ゾルゲが拡声器でそう主張するが、銀座駐屯地の司令官は特地は自分達の管理下でありテロリストとは交渉しないとしてゾルゲの要求を突っぱねる。

 

「しばし時間を与える。その間にどうするか考えるように・・・・・・・・戦争が終わって日本人は平和ボケになったと思ったが、まだ終戦から2年半では油断しないか」

 

そう呟きながらゾルゲは、暴動で接収した日本軍の検問所の事務所の中に入る。

 

「ライコフ少佐、どうだ?」

 

「だめです」

 

「貴様、なぜ電話用回線まで切った?」

 

「自分は連絡回線を断てとの命令に従っただけです」

 

「まさか特地に無線の電波が届いていたなんて」

 

「事前調査が甘かったな・・・・・くそっ」

 

「いえ、ゾルゲ局長。元はと言えばディアボのせいです。計画通りに奴が従っていれば駐屯地占領をここまで引き延ばす必要はなかった」

 

「『宝珠』か」

 

ゾルゲは、そう言って思い返す。時は遡り、あの銀座でのデモ隊の暴動の中レレイが入っている木箱をトラックの中に運び込みバールで木箱の蓋を開けてみると、そこにはレレイの姿は無くレレイの杖と食料品や工具類だけだった。

 

「ディアボに連絡しろ!!宝珠はどこだ!?」

 

ゾルゲは携帯無線でディアボにレレイの居場所を問いただす。無線の向こうではディアボに代わり日本語が理解出来るパナシュが通訳として応対する。

 

「ホウジュはどこだだと?」

 

アルヌスの街にある宿でディアボはベッドの上に横になりながら蒸留酒の入ったグラスを傾けながらソ連からのレレイの行方に関する問い合わせに対して

 

「ではお前達の約束した物はどこだ?俺が皇帝につくための軍勢はそれとの引き換えでなければお前達の求める物は渡さん」

 

「と殿下は仰っている」

 

『『門』が閉じられてしまえば、殿下のための軍を送り込めなくなる。それには、宝珠の身柄を我々が押さえておく必要があるのです』

 

「そんなものブラフで充分だろう?その為の道具を送った、ソビエトの軍勢一万を連れてこい、交換はその後だ。出来ないならこの話は無かったことにするしか無いな」

 

「と殿下は仰られている」

 

『・・・・・わかりました。上官に伝えます』

 

そう言って、ゾルゲは無線機の通信を切る。

 

「フィーナと女性隊員を何人か呼べ、観光客を装って特地に潜入させる」

 

ゾルゲはソ連国家保安省の女性エージェントと他の隊員を観光客に変装させて特地に潜入させる様命令する。そんな事を思い返していたゾルゲは

 

「潜入隊が宝珠を確保し帰還するまで時間を稼ぐのだ」

 

「局長、欧米NGOが我々の行動への抗議と説明を求めています」

 

「わかった。ライコフ少佐、私が対応する間ここを任せる。爆薬の設置を日本軍に気取られるなよ」

 

ゾルゲは爆薬を設置するよう指示し、NGOの対応に向かう。ゾルゲ達は、また何かを起こそうと企ていると日本軍は知る由もない。

 

一方、アルヌスでは韋駄天により撤退準備をしている日本軍、そんな中日本軍の基地内では銀座でのデモ隊の暴動で特地に避難してきた一般市民や観光客などが日本軍によって保護されていた。そして、その一つの個室のドアが開き1人の白人女性が顔を出すと見張をしていた女性兵士が声を掛ける。

 

「どうしました?」

 

「ア、イエ、マダ出ラレナイ?」

 

「銀座がまだ危険な状況ですので、お待ちください」

 

「ワカリマシタ」

 

女性は、片言の日本語で女性兵士にそう言うと扉を閉める。そして、彼女の他に同室の二人のアジア系の女性にロシア語で話を掛ける。

 

「この部屋から出られそうにない、外の様子は?」

 

「かなり動きが活発、どんどん車輌と兵が集まってきている」

 

「まさか、銀座側への反撃のため?」

 

もう一人の女性は、窓から外の様子を見てドームの前に大勢の兵士や戦車や軍用車輌が集まって来ていて日本軍が門の奪還に動くのかと考えた。

 

その頃、アルヌス駐屯地の飛行機格納庫では神子田海軍中佐は自身の愛機であるゼロ戦との別れを偲びながらゼロ戦の車輪に一升瓶の日本酒を掛け、そして自身のグラスに日本酒を注ぎ飲む。

 

「いよいよ、お前ともお別れか・・・・・・お前をもっとこの自由な空で飛ばしてやりたかったぜ。あと見合いもまだだし」

 

「そういやあの青い姉ちゃんと話せずじまいだったなぁ」

 

そう神子田と久里浜がそう言っていると格納庫の外で荷台に整備員と搭乗員を乗せたスチュードベーカーUS6トラックが停車する。

 

「神子田さん、久里浜さん行きますよ!」

 

「おい久里浜、神子田を引っ剥がせ!」

 

「すんません整備班長、もうちょっと待ってやって下さい。こいつにとっちゃ女房と別れるようなもんですから」

 

「わかった、お前らも早く来いよ」

 

愛機との別れを惜しむ神子田の意を汲んでトラックは発進していく。その他の格納庫でも同様に愛機に最後の整備や清掃をして別れを惜しむ者たちがいる。

 

そして、空が暗くなり日も沈みかけてきた基地内の一室では日本軍からの食事が提供され3人は、食べ終え交代で外の監視をしていた。

 

「どうだ?」

 

「だめだ、どんどん兵が集まってくる。これじゃ身動きとれない」

 

すると、監視していた一人がアルヌスの街の方角から日の光や照明の光とは違う明るさを放っていた。

 

「ん?火事?あっちがアルヌスの街だったはずだ」

 

「敵の攻撃か?」

 

そう言うと、3人はお互いに向き合うと鞄からあるものを取り出す。それは、日本軍の女性兵士用の軍服でダークグレー色の詰襟の軍服に下にはスカートを履き、略帽にフラットロングブーツを着用してしていた。

 

「ディアボには日本語が出来るパナシュという青髪の女がついている。その女を見つければ、ディアボに繋がるはずだ。行くぞ」

 

彼女らは、ただの観光客ではなく彼女たちこそゾルゲの命令でデモ隊の暴動に巻き込まれた観光客を装いレレイ確保の為に送り込んだソ連の工作員だった。彼女らは、軍服に着替え窓から外に出ようとしていた。果たして、レレイの行方は?

帝国の国歌を描こうと思うんですがどれを参考にしたらいいですかね?

  • 『廃墟からの復活』
  • 『皇帝陛下万歳』
  • 『神よ、皇帝フランツを守り給え』
  • どれでも良い
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