GATE 大日本帝国 彼の地にて、斯く戦えり   作:人斬り抜刀斎

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アルヌス襲撃!

アルヌスの難民キャンプのバラック小屋では、難民達が集まって日本軍が本国へと撤収して行き、自分達はこれからどうするかを話し合っていた。

 

「ニホン軍がいなくなる!?」

 

「みんな『門』の向こうに帰るって!」

 

「それで急に兵隊がいなくなったのか」

 

「ゾルザル軍が来たら、どうするんだ!?」

 

「一緒に連れてってくれと頼もうよ!」

 

「あたしゃ異世界なんかに行きたくないよ」

 

「こんなところに置いてけぼりよりマシだろ!」

 

そんな中で、小屋の隅っこで体育座りをして物思いに耽っているハーピーのテュワル。

 

(・・・・・・なんで、私ここにいるんだろ。プレイリーの故郷で新しい生活を始めたところだったのに・・・・・・・・目を覚ましたらアルヌスにいた。・・・・・・・・やっぱり私には、悪所がお似合いだったんだ)

 

テュワルは、それまで思い返していた悪所出会った男と共に男の故郷で新生活を始めようとしていた矢先、家に押し入って来た旧帝国軍の兵士に夫を殺され自身もその毒牙に掛かり気を失い、次に目を覚ましたのは日本軍が駐屯するアルヌスにある野戦病院のベッドの上だった。そんなふうに考えてバラックを出ようとしていると

 

「あんた?テュワルだっけ?」

 

「え?」

 

テュワルに話し掛けるローブのフードを深く被る妙年の亜人女性トゥハッタだ。彼女の後ろには、五人の亜人の子供がいた。

 

「えっと、トゥハッタ?」

 

「そう、今ヒマ?このコたち、ちょっと見ててくれない?ニホン軍に掛け合いに行ってくるから」

 

「え!?あっ、ちょっと!」

 

「あ〜、困ったなぁ。子供の世話なんてどうすればいいのぉ?『あっち』の扱いなら慣れてんだけどなぁ。いやいやいやこのコらにゃ、ちょっっっっと早いって」

 

子供を預けられたテュワルは、今まで悪所で娼婦として生活して来たのだ。故に娼婦としてシモの世話は心得ているが子供の面倒を見たことが無いのでどうしたらいいかとおろおろしていると、突然五人の子供達が呻き声を上げながらもがき苦しみ出したのだ。

 

「え!?なに!?どっ、どうしたの!?何か悪いものでも食べた?」

 

「なんだ、うるせーぞ」

 

「あらあら」

 

子供達の異変に慌てふためくテュワルに住人たちは、何事かと視線を向けてくる。すると、子供達が一気豹変する?先まで愛らしい無垢な子供から突如体調2メートル以上はあろうかと言う巨体に鋭い爪や牙を生やした全身毛むくじゃら鋭い眼光の野獣へと姿を変え、周りに居た人達に襲い掛かってきたのだ。

 

「あっ、ひ・・・・・」

 

そばに居た人の返り血を浴びたテュワルは、突如目の前に起こった光景に驚愕と恐怖から震え上がった。

 

 

一方、アルヌスから少し離れた街道の検問所では、

 

「まじで帰っちゃうの!?」

 

「命令だから仕方ないのよ、もうすぐここも引き払うから」

 

「ん?おいあれ」

 

ワーウルフとそんな事を話していると、兵士の一人が暗闇の道から何かがこちらに向かった来るのが見えてサーチライトで照らしてみると1人の幼女が泣きながらこっちに向かって来た。

 

「見かけない子だな、難民の子か?」

 

「とりあえず保護するか」

 

兵士達は難民の子供だと思い保護しようと近づこうとしたその時、その幼女が突然苦しみだし、ワーウルフのウォルフは信じられないと言った感じで幼女の正体に気づいた。

 

「ちょい待った!まさか・・・・・・イヤ嘘だろ。なんで、こんなところに・・・・・・」

 

「ウォルフ!なんか苦しんでるぞ」

 

「撃て!撃ち殺せ、早く!!」

 

「でっ、できるかっ。子供じゃねーか!」

 

「あいつはヒトじゃねぇ、ヒト喰いのダーだ」

 

それは、ダーと言う以前ヘリの中で栗林と対峙した化け物だった。

 

「わああああっ」

 

ジープに搭乗していた兵士は、化け物の姿を見るや備え付けられていたM2重機関銃を発砲する。だが、ダーは素早い動きで避ける。銃弾は化け物の左腕を数発掠っただけだった。

 

「キャリバー、当たってるのに」

 

「頭を狙え頭!」

 

そう言ってウォルフは、剣を構えて向かってくるダーの首目掛けて切り付ける

 

「浅いっ」

 

が、刃は深くまでは食い込まなかった。すると、もう一人のワーウルフがダーの頸目掛けて切り掛かり、漸く絶命した。

 

「悲鳴・・・・・まさか街にもダーが!?」

 

「おい、大変だ!難民キャンプでも火事だって!」

 

「火事!?」

 

「街に戻ろうぜ」

 

アルヌスの街の方角から人々の悲鳴や炎を光が照らしていた。その頃、アルヌスの難民キャンプは地獄絵図となっていた。

 

「化け物だ!化け物が出たぞー!」

 

トゥハッタ達がバラックに火を放ちバラックは炎に包まれ逃げ惑う難民達をダーが襲い掛かっていた。

 

「ひっ、いや・・・・・・に・・・・・逃げなきゃ、けどどこに・・・・・」

 

運良くあの場で生き残ったテュワルは、這いつくばりながらその場から逃げようとしていた。

 

そして、難民キャンプから燃え出した炎はアルヌスの街にまで及びダーの魔の手がアルヌスの住民達にも襲い掛かってきた。

 

「ブレイバン隊とクワンティコ隊は大通りを固めろ!非戦闘員をPXに収容するんだ!」

 

ヤオの指示の下自警団は大通りを固めてダーに備えつつ、民間人らPXに避難させ自らもPXへと移動する。

 

「ハント、何人か連れて誘導を頼む。その後火災の鎮火を頼む」

 

「聖下は?それに、ニホン軍はどうした?」

 

そうヤオがハントに指示を出すと、ハントはこの場にロゥリィがいない事や日本軍は動かない事に懸念を示す。

 

「聖下は、レレイ殿を探しておられる。昼から姿が見えぬのだ。ニホン軍は今はあてにできない、大きな命令を受けて動くに動けぬのだ。アルヌスは、此の身達の街だ。此の身で守る」

 

「わかった、あんたはイタミ卿とオオバ卿の身内みたいなもんだ。指揮をとってくれ、騎士団にはどう伝える?」

 

「イタミ殿とオオバ殿の名を出せばいい、卿達の指示だと。PXの周りに防塞を築いて備えるんだ。寄ってきたダーは片っ端から仕留めろ!」

 

一方、アルヌスの街から少し離れた丘の上では3人のソ連の工作員が物陰に隠れながら軍服を脱ぎ、軽く地面を掘って埋めていた。

 

「軍服を埋めろ」

 

「行くぞ」

 

軍服を脱ぎ薄着になった彼女らは、炎が上がるアルヌスの街へと向かって行く。

 

そして、アルヌスの街では

 

「オラオラァッ、どうした!かかってきやがれ!」

 

「やれやれ、ダーなぞ放ちおって」

 

アルヌスの街ではジゼルが鎌でダーを切り裂き、カトー老師は魔法で礫をダーに目掛けて飛ばして滅多刺しする。

 

「おっ、俺は食堂に・・・・・燃やされたらどうするんだ!」

 

「こいよガストン、ダーに喰われたいか?」

 

アルヌスの日本軍の駐屯地からは次々と被害の報告が舞い込んでくる。

 

「難民キャンプで複数の火災発生、怪異多数出現」

 

「アルヌスの街からも同様の報告が」

 

「三偵が遭遇した子供に化ける怪異だと!?」

 

「難民に交じってゲリラが!?」

 

「閣下!我ら第五連隊の待機解除を!難民キャンプとアルヌスの街を救援に向かいます!大将!こうしている間にも難民が・・・・・」

 

と第5連隊連隊長は、今村大将に待機命令の解除をして難民救出の許可を求めるが今村は首を縦に振らない。今村も本心では難民を救いたいがだが、既に『韋駄天』が発令されている、今村は救える命を救えないこの状況に歯痒い気持ちだった。

 

『北入口哨所!帰還部隊から志願者による救援部隊を編成中っ』

 

『出動許可を!』

 

『こちら本部、待機せよ』

 

『畜生っ』

 

『難民を見捨てるんですか!?本部!出動許可をっ』

 

と無線から何度も本部に対して、難民救出の為に出動許可を求める声が響く。それは、檜垣少佐や第一偵察隊、第三偵察隊のメンバーの耳にも響いていたが

 

「『韋駄天』は発動中だ、駐屯地で待機!命令厳守だ!お前達が帰れなくなる危険を冒せんのだよ!」

 

だが、檜垣少佐は『韋駄天』が発動されている以上部下たちをここで、死なせるわけにはいかない。

 

「そっ、そんな命令!目の前で殺されそうな人達を見捨てて、国民に愛される皇軍だって言えるんですか!?」

 

戸津が、目の前で今にも怪物に殺されそうな人達がいるのにそれを見捨てては帝国軍人の恥だとそう主張する。檜垣少佐は首を傾げ、大場大尉は苦笑いを浮かべた。

 

「なんだそりゃ?」

 

「あぁ、それは・・・・・」

 

「伊丹隊長の口癖です」

 

「混ぜっ返すな」

 

「俺はお前達に行けとは言えない『脱兎』に備えて『門』の近くにいないといかんのだ。お前達特地に取り残されてもいいのか?」

 

「檜垣少佐、それならレレイ君が『門』を開いてくれますよ」

 

「ん?桑原君、どう言うことだ!?」

 

桑原曹長は、レレイが『門』を出現させる魔法を持っている事から例え『門』が消えて帰れなくなってもレレイに新たに『門』を作って貰えばいいと説明する。

 

「なるほど、彼女にそんな力が・・・・・首相の言動は匂わせだったか。だが、それでもそれは希望的観測だ」

 

「大丈夫ですよ、俺たちなら」

 

「仁科、お前嫁さんいただろ?」

 

「このまま帰ったら気の強い嫁に、情けない男って離婚されそうですよ」

 

「俺達に背中丸めて日陰に生きろって言うんですか!」

 

「お前達・・・・・」

 

「見て見ぬふりをするのはダメですか?責任は自分が負います。孫に怪獣と戦ってみんなを守ったって、自慢したいですしね」

 

「檜垣少佐それが、本来あるべき皇軍の姿ではないですか?」

 

第三偵察隊のメンバー、更に大場大尉も難民・住民の救出を申し出た。

 

「だめだ、それだけは断じてだめだ」

 

「少佐!」

 

「何故ならば責任を負うのは、私だからだ。君達は私の部下なんだぞ」

 

「少佐!」

 

「今が私にとってのその時なんだ・・・・・・・私は私の責任において命令する。第一偵察隊と第三偵察隊は私の指揮下で難民キャンプ救援に向かう!」

 

「「「「「はいっ」」」」」

 

こうして、檜垣少佐の命令の下街で暴れているダーの討伐と難民の救助が決定された。

 

「前進!」

 

檜垣少佐の号令と共に、ジープとSd 251が駐屯地から猛スピードで発進していく。

 

「・・・・・・・くそっ、あの化け物まだいたのかよ。しかも大量にもっとちゃんと考えて意見具申しとくんだった」

 

「お前は人間か怪物かを見分ける神の目でも持っているのか?」

 

「けど、おやっさん子供を検査するとか・・・・・」

 

「どうやって?今日の報告じゃ、普通の人間にも化けてたぞ。支那で経験しただろ、そんなの非戦闘員の中から便衣兵を見つけるのと同じだ」

 

「調べたってわからないさ、戸津」

 

戸津は、あの怪物が難民に紛れてくるかも知らないと上層部に意見しとくんだったと悔やむが、桑原はそんな事したって無駄だと言う。

 

『駐屯地から車輌接近!』

 

「どこの隊だ?」

 

「おい、停まれ!」

 

検問所で兵士達は、向かってくる車輌に停止する様呼び掛けるが彼等はその静止を無視しブームゲートを突き破り加速して行く。

 

「弾込め!着剣!」

 

檜垣がそう言うと、全員小銃に銃剣を装着するか、M2重機関銃とMG42の撃鉄を起こす。

 

「勝本!戸津!各自の判断で、撃ってよし!突入!!」

 

ジープとSd 251はアルヌスの街へと急行する。果たして、彼等はアルヌスにいる何百、何千と言う住人と難民を救うことが出来るのか?

帝国の国歌を描こうと思うんですがどれを参考にしたらいいですかね?

  • 『廃墟からの復活』
  • 『皇帝陛下万歳』
  • 『神よ、皇帝フランツを守り給え』
  • どれでも良い
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