GATE 大日本帝国 彼の地にて、斯く戦えり   作:人斬り抜刀斎

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アルヌスヘ

第三偵察隊と第一偵察隊は伊丹が捕まった後、取り敢えずイタリカの城壁外に来ていた。

 

「隊長 今ごろ死んだりして、あんなにひどい目に遭っていたからなぁ・・あ、でも男ならあんな美女に殺されて本望だったりして」

 

「(本気で言ってるのか?この白兵戦チビは・・)多分大丈夫だろ」

 

「そうそう、あの人はちょっとやそこらじゃ死なないって、何たって殺そうにも殺さないから」

 

その言葉に富田が倉田の頭を叩く。

 

「いてっ」

 

「縁起でも無い事言うな!あれでも隊長ー第1装甲擲弾兵師団所属だったんだぞ」

 

それを聞いて栗林が手に持っていた双眼鏡を落とす。

 

「・・・誰が?」

 

「だから伊丹中尉」

 

「冗談だろう 富田くん」

 

「いやいやホントだから」

 

「うそぉ〜ありえない〜勘弁してくれよ〜」

 

そう言いながらゴロゴロする栗林をよそにレレイが口を開く。

 

「イタミが第1装甲擲弾兵師団所属じゃいけない?」

 

「んー柄じゃないんだよなぁー」

 

だが栗林は頭を抱える。栗林からは全く想像がつかなかった。

大場大尉が第1装甲師団とはどう言うものか説明する。

 

装甲擲弾兵師団は帝国陸軍がドイツ国防陸軍を模範として設立した部隊だ。第1装甲擲弾兵師団「奇兵隊」第2装甲擲弾兵師団「抜刀隊」第3装甲擲弾兵師団「髑髏隊」第4装甲擲弾兵師団「黒龍隊」第5装甲擲弾兵「海援隊」第6装甲擲弾兵師団「赤報隊」第7装甲擲弾兵師団「彰義隊」第8装甲擲弾兵師団「報国隊」第9装甲擲弾兵師団「白虎隊」が存在する。日本では地域ごとに部隊を組むのが普通でした。例えば第1師団は東京で作られ第7師団は旭川で生まれました。陸軍内の若者が募ったそれらの師団は怖いもの知らずの精鋭だった。特に第1装甲擲弾兵師団「奇兵隊」は、戦闘意欲が桁外れに高く新型兵器や近代戦術に修築し向こう見ずで至る所を突破して行き敵に立ち向かって行く存在として連合軍から恐れられた。

 

そう聞いてクスと笑うレレイ。

 

スライム並の精神でいつも木陰で昼寝ばかりしているイタミが 精強な戦士?

 

そしてテュカとロゥリィは爆笑する。

 

「さてと・・・そろそろ行くか?」

 

「そうですね。おやっさんここ頼みます」

 

「おう」

 

この伊丹救出作戦に、大場、船坂、富田、栗林、倉田、古田、ロゥリィ、レレイ、テュカの9人で実行することにした。

 

「また徹夜かぁ 最近あまり寝てないなぁ」

 

(・・・の割には活発じゃねぇか)

 

夜でほとんど視界が効かない中気付かれないように歩く。門のそばまでやって来るとロゥリィ、レレイ、テュカが門に入って行く。

 

「あーくそ!」

 

「帝国の騎士団か なんか知らんが威張りくさって!宿舎はどこだとか馬は丁重に世話しろとか。盗賊と戦ってもねぇくせによ。夕方から誰何のしすぎでいやんなったぜ 休めましねぇ」

 

「しっ 上の帝国兵に聞こえるぜ?」

 

「かまうかよ あれ?」

 

「使徒様たちだ まだ近くにおられたのかな」

 

レレイたちは城壁まで来た。

 

「城壁の上にいるのは帝国兵だと言っていた」

 

「じゃあちょっと待ってて」

 

テュカは、事前に大場から帝国兵を眠らせる様に言われていて、帝国兵を確認し、眠りの精を呼び出し帝国兵達を眠らせる。帝国兵達が眠た事を確認すると手を振って合図をする。茂みに隠れていた六人がゆっくりと出て来る。何とか怪しまれずに入る事が出来た。

 

「所で、大尉。隊長が何処にいるのか分かっているんですか?」

 

「まぁ、敵なら捕虜として牢屋に入れ拷問する所だろうがあのお姫さんが自分の首を絞める様な事はしないだろう屋敷の何処かで介護を受けているだろう」

 

「よし、まずはそこを目指しましょう」

 

 

その頃伊丹は、

 

「・・・いっ いてて・・・どこだここ・・・?布団・・・!?」

 

「お目覚めになられましたか?ご主人様」

 

と目を覚ますと目の前にメイドの姿があった。

 

「これは・・・夢か?」

 

「?」

 

「あ・・・そうか ここは?」

 

「フォルマル伯爵のお屋敷です」

 

(イタリカか・・・そういや騎士団に連行されたんだった。この様子だとあの姫様は協定を破るつもりはないようだな)

 

「水もらえない?(じゃあしばらく様子見るか)」

 

「かしこまりました」

 

その時伊丹は一人のメイドに注目した。

 

「どうされました?」

 

「(頭に羽の生えたコもいたし異世界だしな)いやなんでもないー状況 街の様子や俺の扱いについては?」

 

「ニャ?」

 

「ただ今夜半過ぎでございます イタミ様。街は寝静まり平穏をとり戻しつつあります。治安回復のため騎士団が夕刻より領内各地に出発しました。イタミ様は賓客として礼遇するよう仰せつかっております。それと 無礼を働きました騎士団の部隊長にピニャ様は烈火のごとく怒られ、黄バラ隊隊長のボーゼス様がおケガをー」

 

(あの金髪女か)

 

「イタミ様。このたびはイタリカをお救いくださりまことにありがとうございました」

 

メイド一同礼をする。

 

「ど どうも・・・」

 

「この街をお救いくださったのはイタミ様達であることは皆承知しております。そのイタミ様にこの仕打ち。制裁にこの街を攻め滅ぼすというのであれば我ら一同力を貸す所存 ただただ当家のミュイ様には矛先を向けぬよう 伏してお願い申し上げます」

 

「し 心配しなくていいですよそんなことしませんって」

 

(フォルマル家にとって帝国なんて関係ない ここの連中の忠誠心はミュイにあるんだな・・・)

 

そしてイタミはメイド達に身の回りの世話をしてもらった。

 

「あ どうも・・・」

 

「この四名がイタミ様の専属です。なんでもお申しつけください モーム、アウレア、マミーナ、ペルシアでございます」

 

「「「「ご主人様 よろしくおねがいします」」」」

 

(な なんでも?)

 

外では

 

(二階に明かりが)

 

(あそこが怪しいなぁ)

 

(裏口は避けてここから入ろう)

 

と栗林、大場、倉田がそう思った。

 

バ キ

 

と銃剣を窓の間に差し込んだ。

 

ピクン

 

とマミーナが耳を立てた。

 

「どうしました マミーナ」

 

「階下にて何者かが窓より侵入しようとしているようです」

 

「おそらくイタミ様の手の者でしょう案内を」

 

「他の者でしたら」

 

「いつも通りですペルシア」

 

「かしこまりました」

 

と二人は部屋を出ていった。

 

「あの二人はー」

 

「マミーナはヴォーリアバニー、ペルシアはキャットピープルでございます。こちらのアウレアはメデュサ モームはヒトです。」

 

「そういえば頭や手足に羽のある捕虜が・・・」 

 

「その者はセイレーンでございましょう」

 

「はぁ この国では多種族が一緒に働くのは普通のことですか?」

 

「いいえ、滅多にございません。先代様は大変開明的な方で種族間の摩擦は貧困にあると信じておりました。だからヒト以外の者も積極的に雇い入れておられたのです。・・・まぁ『ご趣味』でもありましたので・・・」

 

「あぁ、やっぱそっち系の人間ですか」

 

「イタミさま、センダイさまニにたニオイスル」

 

と言ってアウレアの髪の蛇が伊丹に近寄るがモームに止められる。

 

「めっ」

 

「アイタ!」

 

「ご主人様への失礼は許しませんよ!」

 

「イタミ様、メデュサは吸精種あの髪で人の「精気」を吸い取ります。十分躾をしておりますがご注意を」

 

「はぁ」

 

そんな状態の最中大場達がペルシアとマミーナの二人に案内されながら部屋に入って来た。

 

「隊長」

 

「あ、生きてる」

 

「心配してたのにピンピンしているじゃないかこのすっとこどっこいが」

 

「ご心配をおかけしました 大尉」

 

「無事だったようねぇ」

 

「まぁ!聖下御自ら!?」

 

メイド長は、ロゥリィを見ると満面の笑みを浮かべてロゥリィの前で跪いて手の甲に口付けをする。

 

(エムロイって死と断罪と戦いの神って言ってたよな・・・・その信徒って)

 

「たーいちょ、一人だけいい思いしてずるいっスよ」

 

「あとで紹介してやろう」

 

など、一人だけ亜人のメイドに囲まれてお世話されている伊丹に倉田が、羨ましいがる。

 

 

 

一方ピニャは大場達が伊丹の部屋に来ているとは知らずに執務室の机で書類を纏めていた。

 

"協定違反はなかったことにできないか?襲撃とイタミへの「ジンドウテキ」ではない扱い。アルヌスに報告される前にイタミの部下を捉えるか口を封じることがてきるか?"

 

"不可能"

 

「炎龍すら撃退する連中を手勢でどうやって倒す?あやつらわざと妾を苦しめるためにイタミを残していったのか?そもそもこの二人が・・・・くそっ」

 

とピニャは、羊皮紙にこんな事態を引き起こした元凶であるボーゼスとパナシュのピカソみたいな似顔絵を描いたかと思えばイラついて紙をクシャクシャに丸めて捨てた。

 

「(ニホン軍に謝罪するのが一番かもしれない だがつけ入る隙を与えてしまう。あやつらは圧倒的な武力を見せつけて妾に帝国との交渉仲介を求めてきた)あの戦闘力と破壊力を知らない帝国の外交官僚がいつもと同じように恫喝し居丈高に交渉の場でふるまえばー結果は火を見るより明らかだ。ニホン軍の力はまだ妾しか知らない・・・そうだ父上に報告書を」

 

と羊皮紙にニホン軍の事を書こうとしたが

 

(こんな報告書誰が信じる!?妾ですら信じられぬのに!!)

 

頭を抱えるピニャは、

 

「イタミさえ口をつぐんでくれればーそうだ・・・!当の二人にイタミを籠絡させて、ボーゼスはパレスティー侯爵の次女、パナシュは格下のカルギー男爵家だがあの二人に迫られて堕ちない男はいない!」

 

そう考えたピニャは鈴を鳴らしメイドを呼ぶ。

 

(イタミ程度の男には惜しいが帝国の命運がかかった重大な任務と命じれば・・・)

 

と紅茶を飲みながらそう思っていると丁度いいタイミングでメイドが来た。

 

「お呼びでございましょうか?」

 

「ボーゼスとパナシュを呼んでくれ」

 

「かしこまりました」

 

 

一方伊丹達日本兵とメイド達が楽しく会話をしていた。

 

「ペルシアさん、こいつは部下の倉田だ。よろしく」

 

「じっ、自分は倉田武雄伍長であります!!21歳の独身です!よろしくお願いします」

 

「はい、よろしくですにゃ(可笑しなヒト・・・男の視線と言えば欲情と怯えだけだったのに・・・こんなの初めて)」

 

倉田は初めて見る猫耳の女性のペルシアと話し、

 

「昨日のお二人の盗賊との鮮やかな立ち回り凄かったです 」思わず見惚れてしまいました。」

 

「「いや〜そんな事ないですよ」」

 

栗林と船坂あの戦いでマミーナから称賛されてれる。その他にもレレイはアウネラの蛇に興味津々だ。テュカはモームにテュカの着ているモダンガールの着ている白いワンピースの事を尋ねられている。ロゥリィはエムロイを崇拝するメイド長に笑顔で迫られている。

 

「なんだか和んじゃってるな」

 

「急いで脱出する必要はなさそうですな」

 

「おい、笹川 お前写真が趣味だったよな、偵察用のカメラ持ってないか」

 

「持っていますが・・記念撮影でもするんですか?」

 

「ああ、良い機会だ。記念に残しておこう」

 

伊丹はみんなに記念撮影をする事を伝える、どう言う訳か全員伊丹の寝ているベッドを中心に集まった。笹川伍長が取り出したのはアメリカ製のスーパーコダック620で世界初の自動撮影が可能になったカメラだ。カメラに三脚を立て自動撮影に切り換え写真を撮った。撮った後は交流会の再開された。

 

 

その頃、屋敷の暗い廊下を歩く一人の女性が居た。その女性は、ボーゼスだった。彼女の今の格好は体が透けて見えるネグリジェの姿だった。

 

(貴族の家に生まれた娘として、この手の嗜みは心得ている。だが・・・・だが、自分が嬲り倒した男に身を捧げよと命じられるなんて・・・・)

 

と彼女の目から大粒の涙が溢れて出したが、直ぐに気持ちを切り替えドアノブに手を掛ける。

 

(これもピニャ様と帝国のため・・・・)

 

そして彼女が扉を開けて中に入ると、中の光景は日本軍とメイド達の談笑する光景だった。

 

(わが身をもって罪をぬぐう雑巾になる。そんな覚悟を決めて来たというのになんだこれは?・・・・無視だと、パレスティー侯爵家の次女たる私を、いい度胸だ。私は雑巾にすらならないというのだな。このイタミという男はーーー)

 

と突然伊丹に襲い掛かりバチンと言う音が響き渡る。交流も束の間文化交流をしている最中に伊丹をタコ殴りにした金髪の女騎士ボーゼスが娼婦の様な格好で伊丹の部屋に入って来て顔を真っ赤にして伊丹に平手打ちを食らわした。突然の事に栗林と船坂は彼女取り押さえた。その間に他の兵士達も銃を構える。伊丹等はピニャのいる大広間に向かった。

 

大広間では今にも気絶しそうな表情を浮かべるピニャがいる。ピニャは恐る恐る口を開いて問い掛けた。

 

「・・・で?その顔の傷はどうした?」

 

伊丹の顔はボーゼスに引っ叩かれた赤く腫れた痕があった。沈黙の流れになったがボーゼスが弱々と小さな声で

 

「・・わ・・わたくしが・・やりました」

 

その言葉にピニャの頭に激しい頭痛が走り頭を抱える。

 

「この始末、どうしてくれよう・・・・」

 

ピニャが必死で頭を悩ませていると第一偵察隊の隊長大場大尉がレレイを通して伝える。

 

「自分達は伊丹中尉を連れて帰らせてもらう」

 

「そっちの方はそっちで勝手に決めてもいい・・と」

 

とレレイが通訳する。

 

「それは困る!も もう朝だ朝食を用意しよう!それに和解の意を込めて騎士達と歓談の場を・・」

 

と必死で彼らを引き留めようとするが富田が申し訳なさそうな態度をしながら説明をする。

 

「申し訳ないですが 伊丹隊長と大場大尉は帝国議会に呼び出しを受けて、今日にはアルヌスに帰還しなければなりません」

 

「イタミとオオバは元老院に報告を求められている。それ故に今日には急ぎ戻らなければならない」

 

その言葉にピニャは驚愕する。

 

「(げ、元老院だと!?こんな小部隊の隊長二人が、エリートキャリアだったのか!?二人の報告一つでニホン軍が動く!!このまま行かせてはならない!!)では 妾もアルヌスへ同行させてもらう!!此度の協定違反、ケングン団長か上位の指揮官に正式に謝罪しておきたい。よろしいか?イタミ殿、オオバ殿」

 

「え!?えーと・・・指定時間まで時間があまり無いですし車内も狭いので、殿下とあと一人か二人程でしたら・・」

 

「仕方がない」ハァー

 

伊丹達はいきなりの事に驚くが、同行を許可する。

 

「了解、感謝する。メイド長、妾の従兵を呼んでくれまいか?」

 

「隊長、いんですか?」

 

「姫様が従者なしでは断ると思ったのになー」

 

「ハミルトン、妾の代行と代官の選任を任せる。パナシュとボーゼスは治安維持を頼む。アルヌスへは妾一人で行く」

 

ピニャは自分一人で行くと宣言してハミルトンとボーゼスに後を任せるのだった。

 

「おっ、お待ちください!!殿下を一人で敵地に行かせる訳には行きません」

 

「私達も同行を!」

 

「・・・・・わかった、ボーゼス!自らの失態を挽回せよ」

 

「ハッ」

 

ピニャは冷静に考えて、ボーゼスを同行させる事にした。ボーゼスを共にして維持管理と代官選任はハミルトンに治安維持はパナシュに任せるのであった。

身支度が終わり、朝日が昇った頃、二人は不安を抱きながら自動貨車に乗り込んだ。

 

「隊長 檜垣少佐からです 『受け入れ心得た丁重に案内せよ』」

 

「了解、到着予定時間伝えといて」

 

「出発!」

 

と日本軍は多くの民衆に見送られてイタリカを後にした。

 

(この身は鷲獅子の口に飛び込むことになろうとも 協定違反を口実にニホン軍が動き出す事態は阻止せねば・・・)

 

 

帝国の国歌を描こうと思うんですがどれを参考にしたらいいですかね?

  • 『廃墟からの復活』
  • 『皇帝陛下万歳』
  • 『神よ、皇帝フランツを守り給え』
  • どれでも良い
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